俺 自身がガンダムになることだ 作:解毒剤からビームサーベル
次回は、少々リアルが立て込むので一週間以上、投稿が遅れます。
喫茶リコリコの表の業務を終え、千束はリコリコメンバー全員を集め、元気良くノリノリで依頼内容を解説していた。この店に於いて千束は、指針を決める船長の様なものだ。故に千束の独断と希望に沿って、DAを経由せずに民間人から依頼を受けたりしており、今回はとある元大企業会長の護衛任務を受けていた。
何でも、“亡くなった家族の最後の思い出の地を見て回りたいが、元とはいえ自身は大企業の会長。その為、自身の資産を巡った陰謀が絶えないので、その暗躍者達の刺客から私を守ってほしい”という依頼内容だ。
その内容を聞き千束は即決。そして護衛中の各々のポジションについての話に移行していった時の話。たきな&千束ペアは普通に依頼人に付き添って護衛だが他のメンバー、と言うよりも翡翠が問題だった。翡翠の外観は非常に目立つ上に場所を喰う、その上家政婦ロボットと言う設定上、堂々と表で歩かせるには少々無理があった。問題はまだあり、本人の意思とは無関係に、ある程度本格稼働を行うと大なり小なり電波妨害を行ってしまう点も非常に不味い。普段はGN粒子を散布しないように活動しているが、依頼中では荒事が前提な為、流石にその稼働率は咄嗟の事故に対応出来ないという話に成り、一応ある程度離れた上空で有事に備えて待機、ということになった。
「で、これが一応の翡翠対策ドローンと言うやつだ」
「なんかゴツいねぇ……」
そして今依頼に合わせて用意してもらったアイテムを、使用者本人であるクルミが手に持ちながら観察し、それを横から千束が覗き込み所感を呟く。翡翠の出すGN粒子は、クルミにとっての天敵のような性質を持つ。彼女のポジションは単なる戦況把握だけではなく、状況に応じて指示も行う司令塔に近い部分もあり、その手足となるドローン等の子機の不具合は致命的な問題だ。そんなチームの中核を担い、電子戦を主とするクルミに、問答無用の電波妨害はチームとしても無視できない事案。その為、ある程度のGN粒子散布下でも活動可能な試作品を幾つかDAから譲り受けていた。無論、完全にタダというわけでは無く、早い話が『GN粒子に何処まで通用するか見たいから、使った際のデータは寄越せよ?』と言う形で受領している。ちなみに、クルミの手で受領したその日に諸々の改造(主に自身の存在を隠す為に)を施されてるので、ソフトウェア面での性能は原型機よりも向上していたりする。
「ってゆーか。アンタってたまに高性能なのかポンコツなのか判んないとこあるわよね」
「反論、当機の性能は、現行技術の、どの機器よりも先を行く物と強く主張する」
(異議あり!ガンダムデュナメスはポンコツでは無い!これは確定的に明らかな事実である!)
その隣では、ミズキが翡翠に対してそんな事を言っているが、何も歩く電波障害な性質だけを指して言っている訳ではない。
先日、翡翠はクルミから現地球上全てのPCよりも優れたマシン認定をされたが、それは単純なカタログスペックだけの話。翡翠の電子戦能力は非常に尖っていた。どれだけスペック差があっても、複数の機器を同時にハッキングする事が出来ないらしく、曰く、『特殊過ぎるAI故に自身のボディはともかく、他の機器に対しては認識を分散出来ないんだろう。』とのこと。その為、クルミのように町中の監視カメラに侵入して相手を監視、又は発見したり等が出来ないそうだ。DAでの実験では強固なセキュリティを瞬時に突破していたが、アレはあくまで翡翠側のシステムプロテクトが自動迎撃で対応した結果であって本人の意思は介在しない。その上、自分の出したGN粒子の影響を既存の物より遥かに少ないが、それでも多少は受けてしまうその有り様は万能不器用?とも言える在り方だった。
「兎に角!上空に待機し、緊急時以外出てこないで下さい。貴方はタダでさえ目立つ上に、電子機器に悪影響を及ぼす可能性があるのですから!」
そんなポンコツ認定試験の話をぶった切り、厳しい視線を翡翠に投げつけながら警告の様に言うたきな。その様相は『危険物め、近付くな!』と言いたげな様子で実際に千束を庇うように間に立っており、なぜそんな事になったかと言うと少し前に戻る。実を言うと先日(真相の大部分は伏せられたが)、翡翠はEMP染みた防御?攻撃?手段も持っていることがDAから連絡があり、その事実がリコリコでも判明。そして今回の依頼者は体が不自由な為、多数の医療機器に頼っていると事前に伝えられていた事もあって、今回の依頼は翡翠にとって非常に相性の悪い仕事だと判断された。しかもその話の流れで
「まぁまぁ、たきなさんや。襲ってくる気もなければ悪さを働く理由も無いだろう、って結論出たでしょうに」
「何度も言いますが、千束はもう少し警戒した方が良いです。例え今は害意は無くとも、その気になったら何時でも貴女を殺せるんですよ?」
「………………………」
(…しどい。人を
「…おお、今は恐らく落ち込んでるな。顔も姿勢も変わらないのに、何となく空気が澱んでるぞ」
「………やっぱりポンコツなんじゃないかしら?……」
とか言いながら、やんややんやと依頼の詳細詰めをしていく。たきなは翡翠を千束に近づけないようにし、それに落ち込む翡翠を観察するクルミとポンコツ認定を下そうとするミズキ。仲良き事は、善きかな、善きかな。
「──ミス・クルミ、及びミス・ミズキに報告。
先月に話した依頼の件について、進展が在るため、後程、当機との会談時間を要望」
「ん?…ああ、アレか分かった」
「ああ、ハイハイ。手短に頼むわよ?」
今日も喫茶リコリコは平和である。
■
「お早うございま~~~す!」
「遠路遥々から、ようこそお越しくださいました」
「お早うございます、今日はよろしくお願い致します」
依頼日当日、耐性の無い男なら、しどろもどろになる事請け合いな程の眩しい笑顔で迎える千束と、薄く穏やかな笑みで迎えるミカ。それに対し、ミカ同様に
『【……疑問。今依頼人は何故、我々に警護の依頼を要請したのか?観察した様子では、専属のボディガードチームも要している様に見受けられる】』
『【ムサイ男達だと悪目立ちし過ぎて観光 所じゃ無くなるから、だそうだぞ】』
そんな会話の輪に入らず、やや離れたところから通信機器で密談を行うクルミと翡翠。クルミは今日の自身の役割の準備をしながら、全体を見ていると、翡翠が徐にクルミに質問を投げてきた。どうやら、依頼人に疑念を抱いているようで、機械らしくない思考にクルミは非常に興味を引かれながらも手元を動かす。
『【……調べて欲しいのか?】』
『【肯定。だが、今護衛業務に影響が出るようならば、必要ない。】』
『【いや、構わないさ。お前の疑念も、尤もな部分もあるからな。】』
『【感謝】』
本当にマシンっぽくないな、と思わず口を綻ばせながら翡翠を見る。命令だけを遵守する普通のマシンと違い、目的を自分で定め、それに必要なモノを考え、用意し、かといって効率重視だけではなく、周りの人間に対しても慮る事の出来る夢のマシン。今、彼女にとって非常に好奇心をくすぐられる存在で、開発者に会えたなら是非、話を聞いてみたいものだ、とついつい思考が逸れる。そんな個人的欲求をすぐに横に置いて、クルミも少しは疑念に思い、片手間に調べることにした。資産家や有名人にとってボディガードとは命綱そのもの。だからこそ、信用に足る人物だけで構成するのだが、それを自分達のような外部グループに何故頼むのか?とは少しは思っていた。さっき自分で話した理由も、やや弱い様に思え始めた為、傍目からは分からない様に仕事と両立して進めていると、依頼人の執事筆頭らしき四角い雰囲気の男が、此方に近づき話しかけてきた。
「この度は、依頼を受けて頂き、誠にありがとうございました」
そう言いながら、腰を折り、惚れ惚れするほどカッチリとした礼をクルミにとる。何んでも御主人は、この地の観光が出来る日を、何十年と待ち続けていたらしく、次第に弱って行く体で過ごす内に、もう出来ないのではないか?と、諦めかけていた所だったそうな。どれだけ旦那様が嬉しかったか、と言う事を懇切丁寧にクルミに説明していると、当の本人が居心地が悪そうに執事を止める。そのやり取りを見て、千束は更にやる気を滾らせて依頼人達に宣言していると、ふと執事、旦那、両名の視線が翡翠に集まった。
「所で、お話は変わるのですが、此方はどういった製品なのでしょうか?」
当然の疑問を持たれ、リコリコメンバー内でアイコンタクト会議を行っていると、当の本人から簡潔に解説される。
「当機は、世界最強の家政婦ロボットと宣言」
「……だそうです」
「は、はぁ………」
なんとも煮え切らない空気が流れるが、直ぐに切り替えて準備を始めていく。ミズキは、車で先に出ており、依頼人達とは顔合わせはしていない、これは翡翠と違い陸路で支援に回るからだ。
「旦那様は、非常に無茶をするお方です。
もしもの場合は、旦那様の意向を無視しても構いません。
どうか、よろしくお願い致します」
「………やかましいわい」
店から出発するその間際にも、主人に対しても明け透けに小言を言う執事に見送られながら、千束達は出発。それに合わせて直ぐ様、翡翠も行動を開始し、予定通りに依頼人の周辺で迷彩を起動しつつ上空で待機。最強のリコリスとその相棒、最高峰のハッカーと後詰めにはリコリコきっての
─────………見つけたぞ、落とし子め」
※リオレウス×リコリコだった場合。
空の彼方からやって来る黒い影を見て───
モブリスA「おい、あれを見ろ!」
モブリスB「……アレは……何だ?……」
モブリスC「……鳥だ……羽ばたいてる……!」
モブリスD「……いや……よく見ろ!!」
モブリスE「……大きいぃ……アレは鳥じゃないっ!!…ドラゴンだぁぁぁぁぁぁぁっ!!!───────
解毒剤「…………ダメだな、出落ちにしかならん。」
投稿間隔と文章量について:今回のアンケートは文章が短く切りが悪くても良いから少しでも早い投稿が良いか、がっつり読みたいから時間が掛かっても切り良く読みたいか、のアンケートです。他にも、単純に短い方が読みやすいか、長い方が良いか等でも選んでいただければ、と。ただ、リアルでの生活の状況でどうしても遅れたり、ストーリーの進行具合の関係で、一気に投稿したいが為に書き留めする事が有るのをご了承ください。
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切り悪くても早い投稿の方が良い
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時間が掛かっても良いからガッツリ読みたい
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単純に短い方が良い
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単純に長い方が良い