俺 自身がガンダムになることだ   作:解毒剤からビームサーベル

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 ※注意※

 今回出てくる一部のガンダム用語は、原作とはほぼ関係在りません。




悪の3狂人

 

 

 

 

 

「───報告は以上です」

 

「そうか……ありがとう、姫蒲君」

 

 

 もうじき深夜に差し掛かるであろう時刻、東京都内の超高層ビルの一室に、二人の男女の影があった。その部屋は品のいい調度品を散りばめながらも、事務なども不自由無くこなせるようにとコーディネートされており、観ただけで利用者が多くの実績を積み上げてきたビジネスマンだ、と示すような内装だ。そしてその利用者である二人の装いも、その部屋に相応しい格式と機能美の富んだ身なりで、部屋の雰囲気と合わせて観れば、巨大企業のやり手の重役と秘書といった風体。

 

 そんな部屋の中心に設置された一際大きなデスクの席に座って、事の顛末、男、吉松 シンジは、秘書、兼、護衛の姫蒲から報告を受けていた。

 

 

「あまり期待はしていなかったが……な……」

 

「…………」

 

 

 言葉の割には声に色濃く落胆が滲んでおり、吉松は疲れたように座っていた椅子の背凭れに深く背を預ける。実際、吉松の手間暇掛けた作戦は見事に惨敗、それどころか目的の少女を無駄死にさせかけた事と徒労感だけが成果という結果で終わっていた。

 

 

「やはり、あの御老人を起用するのは無理があったか……」

 

 

 そして不意に漏れた独白には、自身の失策による反省のみで、老人に対しての憐れみや慚愧は一切無い。どうでもいいからだ。全ては『才能を正しく世界に羽ばたかせる為』、その過程で生まれる被害や影響なんてものは、吉松にとって必要経費でしかなかった。

 

 そもそも今回、何故このような迂遠な作戦を採らざるをえなかったのか?というと、突如リコリコに現れた謎の機動兵器、『ガンダムデュナメス』からやり過ごす為だ。その為に、自身の権限、コネクション、私財などの少なくない対価を払って事に挑んだが、結果は想定していたよりも遥かに芳しくなく、それどころか不必要に此方を気取られたかも知れないマイナスしか残らない結末になっていた。

 

 無論、この程度で諦めれるほどの安い信念では無いが、『千束を世界最高峰の殺し屋にする』という使命を達成するにあたって、あの規格外の護衛は、分厚く、大きすぎる障害だった。

 

 

「………お言葉ですが、“アレを壊して来い”なんて無理言わないで下さいね?」

 

「ハハ、流石に判っているよ。……()()()()()()()()()()()()()()じゃ無いからね………」

 

 

 前もってやんわりと無茶無謀を拒否する姫蒲に、吉松は朗らかに了承で返すが、次の瞬間には難しい顔をして黙り込んでしまう。こう見えても吉松が良く喋るのを姫蒲は知っている。何かしらの問題が発生した際も姫蒲に相談を持ちかけたり別案を受け入れたりと、自身にとっての一線さえ越えなければ柔軟に対応する事も。その吉松が思考の迷宮に入り込んで、無為とまでは言わなくとも不器用な時間を過ごすのは珍しく、姫蒲の中で形容し難い不穏が、先程のらしくない返しをより強く意識させていた。

 

 

「……よろしければ御伺いしたいのですが……本当は機関が開発した物ではないのですか?」

 

「………………」

 

 

 だからこそ姫蒲は聞いた、『アレ』の出所を。今回の計画が頓挫した大部分の原因は、あのイレギュラーに対する情報の少なさだ。作戦中、()()()()()()()()()()()()()()も遭ったが、結果的に観ればあのアクシデントは追い風となり、お陰で一番の障害に対しての時間稼ぎには成功していたのだ。しかし、結局は途中で見せた謎の発光現象で土台からひっくり返されてしまい、あの詳細不明の機能の経過を見る限り、松下が指示通り動こうが動くまいが吉松の望む結果になる可能性は低かっただろう。そして、()()の出所が吉松達の所属組織、機密超国家機関『アラン機関』くらいしか姫蒲には心当たりがなかった。

 

 自画自賛のようになるが、アラン機関の技術力はこの世界の数世代先を行っている。末端である姫蒲にはどういう仕組かは分からないが、国境を超えた提携と数多くの不世出の天才達とのコネクションがもたらす化学反応は、先進国のソレを軽く凌駕。そして世界に埋もれたその天才達を発掘する目と耳も正に世界規模、それがアラン機関だ。

 

 そのアラン機関ですら、片鱗をも知覚出来なかった存在なぞ、姫蒲からすれば寝耳に水。ただでさえ冗談のような機能ばかりを搭載しているのだ、それこそ別の派閥が秘密裏に開発、運用していた物だ、と言われた方がまだ腑に落ちる。流石に自分の立場では教えれない事の方が多いだろうが、それでも、と、ほんの少しの期待も含んだ投げ掛けた疑問は、少しの時間を挟んでゆっくりと、静かに返ってくる。

 

 

「………アレについては上も大いに騒いでいてね……詳しい事は分かってないんだ……ただ───

 

──()()()()()()()()()()()が口を揃えてこう言っていたよ………『()()()()()()()()()』、とね……」

 

「っ!?……………」

 

 

 浸かっていた自分の世界から抜け出て、漸く此方を向いて返した言葉に姫蒲は目を剥く。

 

 『才能とは神の所有物であり、ソレを受け取った者は正しく世に示さなければならない』。常々に吉松が口にする言葉。それは吉松にとって、文字通り全てを捧げるべき理念であり、それほどまでに吉松にとって『神』とは重い単語なのだ。それこそ、『明日、使命のためにその命を差し出せ』と言われれば二つ返事で返す程の。

 

 

「彼らの見解では、反重力、又は、慣性制御装置のような物も積んでいるそうだよ……」

 

 

 そして、そんなアラン機関に見初められた天才達は、その分野に於いて一流達の中でも上澄みの上澄みと呼べる者達、それがどういう事かが分からない姫蒲ではない。吉松の続けた話に反応すら出来ずに聞き入り、蟀谷から一筋の水滴を流す。そんな姫蒲を尻目に、吉松は再び自分の世界に入る。

 

 なるほど……素晴らしい作品だ……これ以上無いほどに。彼の制作者はどうやって我々の目から逃れたのか?どういう目的で製造したのか?調べれば調べるほど謎が深まる……兵器としての完成度、今の次元を跳躍した概念技術の数々……本当に素晴らしい……が、だからこそ───

 

──邪魔すぎるな………。

 

 それほどまでに優れた作品なら、何故この崇高な理念が、人の幸せが分からない?

 人が神の所業に踏み入るという恐れ多くも、全人類にとっての偉業とも言える結晶の到達点なのだろう?君は───

 

 本来であれば制作者に対して、手が裂けんばかりの拍手喝采で褒め称え迎え入れたいほどの作品。だが、ソレとコレとは別だ。

 

 

「──引き続き、アレとアレの産みの親の調査を頼むよ──」

 

 

 姫蒲に指示を出し、吉松自身も動く。吉松の指針は揺るがない、自身の使命は自身の命より重いのだから。

 

 

 

夜が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────同時刻、某所にて────

 

 

「あー、えーっと……コレは此処で、アレはアッチで──」

 

「……まぁだかよ?……トップハッカー?」

 

 

 カタカタと小気味良い音が薄暗い部屋に木霊する。この部屋には何台ものPCとモニターが並んでおり、ソレに向かうはロボットの被り物をした小柄で華奢な男と、ソレを後ろから気だるげに待つ危険な香りのする男。此処は無法者どもの塒であり最前線基地。そしてこの基地の主であるテログループ、首謀者 真島は、協力者(半強制)ロボ太の今日までの成果を待っていた。

 

 現在、非常に業腹な事に、真島の計画は大幅な修正をせざるを得ない情況に陥っており、自身の思想、『正義の番人気取りのDA』を潰すという目的の為に、日本での工作準備に取り掛かっていたのだが、その悉くが妨害、取り壊されてしまい、大量の活動リソースを喪失するはめになっていた。

 

 ある時は、地下鉄を爆破して多くの民間人を巻き込んだ派手な狼煙を上げようとすれば、何故か爆弾の起爆が上手くいかず、そのまま確保され失敗。

(※GN粒子だばぁー)

 

 ある時は、とある情報筋からリークした面の割れたリコリス達を襲撃をすれば、襲った者達全員が見えない何かにぶちのめされたように吹き飛んであえなく御用。

(※消えてからのガンダムパンチ)

 

 ある時は、真島が日本に来る前から潜伏に徹していた者や、完璧と呼べる程に足取りを消しきれていた仲介役の仲間が強襲され纏めて捕縛。

(※デュナメスセンサー+ラジアータのコンビネーションアタック)

 

 といった具合に失敗を重ね、多くの人員と資金を失っていた。その当時、自身は地盤固めと情報収集の為に部下に殆んど任せていた事だったとはいえ、こうも悉くが上手くいかなかった事は完全に想定外で、その中でも特に痛いのが先日の大規模掃討戦。

 

 明らかに罠なのは判ってはいた、が、裏を返せばその作戦には何かがあるのも明白だった。事前情報や今までの対応からの類推でも確定的だったが、相手は国家が後ろ楯ている非公式の暗殺組織。当然、派手に成りそうな動きは可能な限り避けたいはずなのに、相手はあろう事か国家のランドマーク付近一帯を封鎖しての掃討戦を仕掛けてきた。

 

 だから乗った、敵を見据えるために。

 

 そして見えた、自分達を阻み続けた影の正体を。

 

 部下達が遺していった散々に千切れた映像を繋ぎ合わせ、手かがりを復元し、漸く映る怪物(てき)の姿。

 

 闇夜に浮かび上がった鋼鉄の怪物が、雨霰の如く光弾を放つ、たったそれだけの1アクションで次々と部下達が倒れていく。部下達も貰ってばかりでは悪いと言わんばかりに大粒の鉛玉の嵐をプレゼントするが、鋼鉄の体は全てを受け取り拒否し、棒立ちのまま光弾を部下達に配り続け、また一人、また一人と倒れ伏せる。

 

 中には機転を利かせて、リコリスごと掃射して釘付けにしようとしたり、車で吶喊した者も居たがそのどれもが無意味だった。見た目からは信じられないほどの機動性を発揮し、掃射しようとしていた者は瞬時に後ろに回り込まれ、原理不明の光る剣のようなナニかで手足を斬り飛ばされ行動不能。車で吶喊した者は正面から受け止められ、そのまま車ごと叩き伏せられる。

 

 その映像に映っていたのは仲間達の抵抗の記録ではない、ハリウッド映画でよく観る十把一絡げのやられ役の映画だった(ワンシーン)

 

 脳が理解を拒んだ、あの時以上に。いつから自分達は映画の世界に入り込んだんだ?ソレを復元したロボ太本人ですら自分の仕事に不信に思い、何度も確かめたり体をつねったりした程。だが自分達の手元に残ったのは、フィクションのようなノンフィクションを証明する物的証拠だけ。中にはその目で視てきた者も居る。

 

 

「───………ハッ…衛星レーザー砲の正体は『映画の世界から飛び出してきた殺戮マシーンでした』、ってか?……現実感ねぇ〜〜………」

 

 

 あの夜を思い出し、誰でもない誰かに向けて真島は空虚に哂う。未だに納得も理解も出来ない出来事。だが────

 

 ───そんなもの真島には関係ない。

 

 

「──………よしっ!取りあえず揃えたぞ!ただ……僕にも分からない事が多過ぎるからあまり期待しないでくれよ?」

 

「へぇへぇ……んじゃあ見せてくれよ。俺達の敵の正体をよ?」

 

 

 絶体絶命、四面楚歌、孤立無援、そんな事いくらでもあったし、これからも何度でも有るだろう。だが、どんな時も真島は自分の美学を優先して来た、それが自分だからだ。だからこそこの程度の逆境で逃走を選択することなぞあり得ず、嗤い続ける。まずは情報が要る。反撃、今日はその最初の一歩にするために、真島はモニターと向かい合い───

 

 

 

 

『────今日の[街角の良い(トコ)]はぁ~…此方っ!じゃんっ!喫茶リコリコです!

 

 和洋折衷の洒落んな雰囲気に、絶妙なハーモニーで提供される団子とコーヒーは、筆舌に尽くし難し…………!

 

 しかぁしっ!この店の良いトコは味だけでは無いんですっ!!

 

 その良いトコとはズバリっ、『スーパー家政婦ロボット』、翡翠くんですっ!!』

 

『本日は、いつもより多めに回っております』

(肘を立てるように二の腕を挙げ、その腕に子供がぶら下がりながら、上半身だけをゆっくり回転させるガンダムの図)

 

 

───ジッと鋭い視線をモニターに投げ続け───

 

 

『この通り、見た目とは裏腹に、接客だけじゃなく子守りもこなせるハイテクロボットで、今、子育てに忙しいママさん達にも、密かにブームがキてる店なんですよ!!

 

 製作は知り合いのロボットサークルの方々らしくて、完全ハンドメイドの非売品だそうですが……。

 いやぁ、ホントに多芸ですねよぇ~。他には何が出きるんですか!?』

 

『えっとぉ、そうですねぇ~……双六とかババ抜きとかも出来ますよ!───────

 

 

 

───無言でロボ太に銃口を押し付けた。

 

 

 

「あ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁ゙ぁ゙ぁあぁぁぁ゙ぁ゙ぁぁっ!!?!?待て待て待て待て待て待て待っっってぇぇえぇえぇっ!?!?!?!?」

 

「誰がバラエティー拾って来いって言ったよ??」

 

「話っ!!話聴いてぇえぇぇぇぇっ!!?!?」

 

「話聞いたからこうなったんだろ??度胸あんなぁ、オイ??」

 

「分かるっ!!分かるよぉぉぉっ!?!?言いたい事っっ!!!?!?でもコレだけなのぉっ!?!!!分かったのはコレだけなんだよぉぉぉおぉぉおおぉぉっっ!?!?!!!!!」

 

「同じロボット仲間だろ???」

 

「あっち、本物!!!僕、偽物ぉおぉおぉぉぉぉぉぉぉぉっっっーー!!?!!?」

 

 

 

 

 

※────────なんやかんやあって♡────────※

 

 

 

 

 

 

「───………ハァッ、ハァッ、グスッ……これだけなのぉ………分かったのはこれだけなんだよぉ……グスッ、ズビッ…………」

 

「……あ゙ぁ゙~~、分かった分かった……たくっ、しょうがねぇトップハッカー様だなぁ………」

 

 

 はぁ、と重いため息を吐く真島と床に正座で座るロボ太。ロボ太の頑張り(迫真)視聴後から幾ばくかの時間が過ぎ去り、落ち着きを取り戻し始めた二人は再び暗礁に乗り上げていた。何せ今日の今日までに、労力、時間、資金、そして犠牲になった同志達、と、なけなしの対価を支払ってまで集めた情報がコレである。無論、開発元や関連技術などもほうぼうに手を尽くしたが、全くの梨の礫。

 

 

「つっーか、お得意のハッキングとかでどうにかなんねーのかよ?」

 

「……ソレについては前にも話したろ……恐らく、スタンドアロン化されてるみたいだし、アレ本体が強力なジャミングの発生源だって……クラックする以前の問題だ…」

 

 

 一縷の望みにかけての提案も一蹴される。気概は十分でもダメ元の手段に縋る程、真島達は追い込まれていた。真島の元々の計画と目的の関係上、どのような手段を採るにしろ最低限相手との武力面での抵抗力は必要不可欠なのだが、これでは前提そのものが成り立たない。映像で分かる情報だけでも、歩兵用火器では先ず破壊不可能な程に堅牢で、映った中では高速で飛行したり、光学迷彩らしきものまで搭載しているのだ。真島であれば、()()()()()()()()()()()出来るだろうがそれだけだ。明確な対抗手段が無い現状では、手も足も出ないし、そもそも一機だけではない可能性だって在る以上、最早真島一派の壊滅は時間の問題だった。

 

 

「どうすんだよ……こんなバケモン……………」

 

 

 素材、構造、関連技術、各機能、ほぼ全てが謎に包まれた超高性能人型兵器。字面にすれば子供の絵空事の様な空想の存在が、現実となって立ちはだかる。

 

 

 

真島達の夜は長い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───某月某日、日本の何処か───

 

 

 明かりの消えたこの部屋を、幾つものモニターがボンヤリと照らす。床には無数の精密機器の端材や何かしらの専門的な工具が散らばり、壁には素人では大体の運用目的すらも分からない計器がところ狭しと並んでいる。部屋の奥には映画でしか見ないような、複雑、且つ、精緻なマシンが鎮座しており、そこそこ広いこの部屋を圧迫していた。そんなこの場所を言葉で表現するなら、『SF世界の秘密基地』、と言ったとこだろう。

 

 そして部屋の特等席とも言えるモニターを一望出来る席に座った人影は、目だけを世話しなく動かし、次々と映像を流していく。モニターには、ボヤけた緑色の人型の何かが映った画像や動画が何割かを占拠し、残りのモニターには()()()()()()()()()()()()()()()と人型ロボットの図解のように見える物が、検索を掛けている様に頻繁に入れ替わっていた。

 

 

「………約2小隊規模の敵味方が入り乱れる戦域で、超高高度からの精密射撃による敵勢力の漸減………その上で友軍と周辺への被害は最小限……か。

 ………流石は()()()()()()()、と言ったところだな…………」

 

 

 当時の戦況を、極々僅かに残った痕跡だけで限りなく正解に近い解答へ近付く。頭の中で描かれる妄想の戦場は、その場に居た当事者達よりも正確に戦況の推移を捉えていた。

 

 

「………カラミティともヘビーアームズとも違う砲戦モデル……。

 そしてこの発光現象………デュナメスか………!」

 

 

 カチリと抜けていたピースが嵌まるように知識と事象が結び付き、それと同時に、入れ替わっていた画像がピタリと特定の機種の関連情報に固定される。

 

 

「当然の如くTRANS-AMも搭載………。

 ……フン、“ヘルメスの薔薇”直系は伊達ではないということか……。

 ……忌々しい化け物め…………!

 ……だが──」

 

 

 くぐもった声で腹の底から出た呟きは、何処までも涅く、ヘドロの様に部屋に滲んでいく。

 

 モニター前に座っていた人物は、見たいものは全て見た、というように、席から立ち上がり、ある一角へ足を向ける。

 

 その一角に在ったのは、()()()()()

 

 置物の様に微動だにせずに佇んでいる人型のソレは、全身を隈無く黒い布で何重にも巻き付けられシルエットが歪に成っているのだが、ソレ抜きでも所々が人から大きくかけ離れていた。肩や膝は大きく張り出し、胸部も非常に分厚い、足首に至っては人の胴ほどの太さもある。頭も鶏冠の様な物が突き出ており、背中も布が分厚く被さる様に掛けられている為詳しくは窺い知れないが、羽とも巨大なリュックにも見える形状になっていた。頭部などの各部からは、布では隠しきれない光が弱く漏れ出て、暗い筈のその一角をひっそりと照らす。

 

 

「────付けいる隙も在る事が今回でハッキリした…………」

 

 

 薄く広がる赤い燐光が、部屋に溶けていく。

 

 

 

夜はまだ明けない。

 

 

 

 

 






 次回からはかなり投稿に時間が空きます。
 ちょっとプロットとかチャートに粗が有りすぎましたのでカミーユに修正されてきます………。

投稿間隔と文章量について:今回のアンケートは文章が短く切りが悪くても良いから少しでも早い投稿が良いか、がっつり読みたいから時間が掛かっても切り良く読みたいか、のアンケートです。他にも、単純に短い方が読みやすいか、長い方が良いか等でも選んでいただければ、と。ただ、リアルでの生活の状況でどうしても遅れたり、ストーリーの進行具合の関係で、一気に投稿したいが為に書き留めする事が有るのをご了承ください。

  • 切り悪くても早い投稿の方が良い
  • 時間が掛かっても良いからガッツリ読みたい
  • 単純に短い方が良い
  • 単純に長い方が良い
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