俺 自身がガンダムになることだ 作:解毒剤からビームサーベル
……我輩はガンダムである、名前はまだ無い。
───………………いや、意味が解らんわっ!?!?
………うん、気がついたらこうなってた。転生トラックに轢かれた記憶も無ければ、神(自称)にリクルートされた記憶も無い。というかそもそも過去の自分の記憶自体がほぼほぼ無い。ご丁寧に俺個人を判別する部分だけという、ご都合主義のようにな!!クソがっっ!!!
で、何で俺が突然ガンダム宣言したのか(というか分かったのか)という話だが、周りを見ようしたけど体が動かず……こう、頭の横の方?思考?視界?にミニマップというかゲームのとかのアイコン?みたいなのが浮かんで来て、今 自分の状態はこうですぅ~~、みたいな表示が出てきてね?で、出てきた姿がガンダムだった、と。……何というか、かんというか……直直接思考にインプットされたというか、そんな感じだった………。
ナニカサレタヨウダ………。
はい、そんなこんなでどうにかしようとパニクりながらも(当社比)、とりあえず出来る事とか自分の事とかも調べたんだけど、先ず、自分の機種はガンダムデュナメスだった。
……う、う~ん、デュナメスかぁ~~……いや、機体は好きよ?けど、こう、アニメの絵面とか、ストーリー展開とかの関係も有って(砲戦特化機の宿命)、中々に厳しい役割ばっかだった上にファーストシーズン終盤らへんでは機体はほぼ大破、パイロットに至っては戦死、という中々に厄ネタな経歴に自分がなったと言われると普通に喜べねぇよ(そもそも常人は喜ばない)。
……というか、やっぱなんだよ、ガンダムに成るって。
あれか?人格のあるMSって事で、Ex-sガンダム*1なのか?ALICEってんのか?それともエアリアル*2ってんのか?いや、この場合、フェネクス*3ってんのかもな!ハッハッハッ 、ロクでもねぇなぁ、おい!!こんなんで喜ぶなんてセッさん*4くらいだぞ(凄い失礼)、ふざけんな!!!
──んで!(半ギレ)動くのは首くらいで周りを少し確認するくらいしか出来ん!!(ガチギレン)
──………え??
俺、ずっとこのままなの???
パイロット来るまで????
……………やばくね??????─────
────なんて思っていた時期が私にも在りました。
はい、あれから一ヶ月経ったけど俺は元気です(クリアグリーンに光るキレイな目)。元気にネットサーフィンしてます。フゥーーー!!⤴⤴アニメ、ゲーム、マンガ三昧だぜぇぇーっ!俺は、人間を辞めるぞぉぉぉぉぉー!!!(情緒不安定)
はい(スンッ)、色々試してたらまさかネットを使えました(真顔)。ネットに関しても考えただけで繋げれるというとっても便利ボディのお陰で怠惰に過ごせております。しかも、ハッキングもある程度出来るみたいで、バレませんようにオナシャス!って念じながらやるとソレっぽく出来る。
フハハハ…凄かろう!!しかも脳波コントロール出来る!(物理)
はいそこ、頭の悪さ出てるとか言うな!心は*5リディ少尉だぞ!!…まぁ、無論遊ぶだけじゃなく他にも色々調べて解ったんだが……まず!俺、ちっさい。もう明らかにMSのサイズじゃない。具体的には人間大サイズに為ってる。
…………まるで意味がわからんぞ?????
それもうMS*6じゃねぇよな?ターミネーター?いや、ロボアニメ的にフルメタ*7のアラストル*8かな?なんぞそれ??戦闘とかどうすんのよ?踏み潰されて終いぞ、そんなもん。
んで、機能面に関して分かったのが原作同様の武装構成やエンジン周りとかはサイズを縮小した感じだが、本来、後に実装される筈の機能や
ビーム射撃系に至っては非殺傷モードとかが追加されてて、曰く、圧縮時に大量の空気を含ませて着弾時に破裂するように出力を調整したモード、早い話が光る空気弾、だとかが。
……アイアンマンのリパルサーかな??というかやっぱ対人前提の機能だな!さてはガンダムの皮を被ったアラストルだな?(確信)
…まぁ、機体面に関してはこれくらいにしといて、次、年代。どういう世界か?ということだが、西暦2020年代?ぽかった。
………MSは何処よ???この手の転生物のお約束で、他のガンダムワールドとかに来たと思ったのに、MSどころかおもっくそ俺の知ってる現代じゃね?(ネットに繋がってる時点で察せないマヌケ)
あっ、でも、他にも無視できない情報があったな。
それはな?あの『機動戦士ガンダム』が無かった。そう、あの国民的アニメ!日本の義務教育と言っても過言ではない(妄想)ガンダム関連が一切無いのだ!!
…………いや、マジで何処よ、此処。
おん?あれか?もしかしなくてもOOワールドの過去の時間軸だったりするのか?OOワールドは珍しく西暦の暦を使ってるから可能性は有るが、だがそうなるとOOワールドの全ての元凶である*9イオリアの爺さんが生まれるよりも前に俺がいるという、これまた意味不明なことになるぞ?
………あるぇぇぇ?????
………まぁいいか、この話も置いておこう。もっと情報がないと判断すら出来んし。(思考放棄)
そして最後がこの場所。港らしいんだが、旅客船だとかが在るような場所じゃなくて、貨物船?とかが主に利用するような所っぽい。俺はその乱雑に詰め込まれたコンテナの上に片膝を突いて座っている状態だ。
流石にずっとネットサーフィンばっかすんのも飽きたし、自分の体も動かしたいんだが、何かロックぽいのが掛かってて『現在のセキュリティ・クリアランスでは許可されません』とか出てきて全く動けん。
………不味いな、そろそろ本格的に焦って来たぞ………。今までは自分の状況把握に一杯一杯だったから気にならなかったが、いい加減に自分でも能動的に動けるようにならないとめんどくさい事になりそうだ。
というのも、調べてて解ったんだがこの場所、あんまりよろしい場所じゃ無いらしい。付近の防犯カメラや携帯だとかにちょこちょこお邪魔して解ったんだが、政治的折衝の問題?とかのせいで、売人だとか裏組織っぽい連中だとかが湧きやすい環境なんだとか。今は光学迷彩+GN粒子の恩恵でまず見つかることは無いが、俺が座ってるコンテナを動かされたら流石にバレると思う。その上のネットに潜ってた時にちょっときな臭い情報を見てな。
なんでも、 "日本は最も治安の良い国で犯罪発生率も他国とは比べ物にならない" とか色んな所で喧伝されていて、俺の知っている日本よりも平和が強調されててな?見には行けないから少しネットで少し探ってみたら、何か政府側の裏組織?みたいなのが表沙汰に出来ない方法で情報操作してるっぽい。
……う、う~ん物騒というか、腥いと言うか、何とも臭い情報が次々出てきたな、香ばしいぜ(哀愁)。しかもその組織、孤児を使ってるというお約束のような後ろ暗さのある組織っぽいんだよね。
で、何でそんな話をしたのかというと、此処にその組織が近々ガサ入れに来るかも何だよね…。
………どうすっかなぁ────────
■
『千束、もう一度確認しておくが───』
「わかってるって。中に入ったら『合流ポイントまで無線は使えないと思え』、でしょ?」
ごく自然体で気楽な声色。これから行くのは鉄火場、命の取り合いをする場だ。にも関わらず、ソコに緊張も気負う様子も一切ない。それは慢心でも無ければ無理解な訳でもなく、それに見合うだけの訓練と実績を積み上げてきたからこその余裕であり、そしてそれは通信相手もよく知っている故の会話。心配はするがそれ以上の信頼がある。それこそ、今回のような
『此処最近は落ち着いているが荒れ始めたら最悪の場合、合流ポイントでも通信が使えなくなる。そうなった場合は予定通りプランDの合流ポイントへ向かえよ』
「アイ・アイ・サー!」
今回の仕事はDA支部、『喫茶リコリコ』のメンバーにとってかなり面倒な条件だった。この港は全体的に死角が多い。国外との政治的折衝も要因として大きいが、構造や立地環境など様々な理由が複雑に絡み合い、結果、何かとアンダーグラウンドの側面が強く出やすい場所だった。ただ、当然その事については治安維持組織諸々にも知られるところであり、当然あの手この手で対策を講じている。
が、一月ほど前から異変が起き始めた。どういうわけか強力な電波障害が頻繁に発生するようになり、中での連絡ができず、それに合わせて様々な探知機やセンサー類も非常に利きづらくなる現象も生じ始め、この場所の見通しがより悪くなったのだ。
当初は調査を撹乱する為にECMか何かを使った電子攻撃と思っていたが、どうやら相手側も心当たりが無く、捕まえた売人に尋問による裏取りや、念入りな現地調査でも結局は分からず終い。
密売品の科学薬品等が漏出し、それがバタフライエフェクトの様に巡り巡って特殊な環境でも出来たのか、それとも、持ち込んだ無数の電子機器が干渉し合い偶然出来上がったのか、はたまた自然現象が天文学的確率によって重なり起きたのか、現在でも理由も原理も不明で、外からは観測し難い限定的な暗黙空間が出来上がる事態に陥った。
『未だに調査中だが、意図的に発生させているにしては波がありすぎる。本部でも“何かしらな偶発的なモノではないか?”、と推測されてるが………』
「ホントに何なんだろうね、コレ。お陰で此処で悪さばっかする奴が集まってくるし」
そもそも何が起きているか解らないこの件は、いつも発生しているわけではなく、強烈に成るときも有ればほぼ無い時もあり、法則性が無さすぎてそれ故に《DA》側も手を焼いている頭の痛い話だ。多数の人員を動員出来るのなら手っ取り早いのだが、それが出来るならこんな仕事は来ない。
その上現在、
「それじゃ、行ってくる先生!」
『気をつけろよ、千束』
だが降りるという選択も無い。それは職務の立場的な問題も有るが、それ以上に譲れないモノが千束にはあった。自身の愛銃、コレを渡してくれた人に誓った、切なくも、強く、儚き祈り、『誰かの救世主に成る』という理由が。
普通のリコリスなら余裕が無いのも有るが、先ず間違いなく頭目以外皆殺し。だが千束にとっては全員捕縛がマストだ。千束は博愛主義者ではない。だかどんな相手でも命は取らない。
彼女は誰よりも知っているのだ。相手を殺すということは、‘その人間のありとあらゆる
そしてそれはこの場に於いて大きな弱点であり、相手の付け入る隙だ。
「ミズキも遅れないでね~」
『……分かったからとっと行け』
だがそんな逆境を彼女は優々と飛び越えて行く。
それが出来るだけの実力という手段が有るのだから。
■
「………今ので最後かな?」
そう言いつつも油断無く辺りを睥睨する。手に持つ銃から薄い空気の揺らめきが銃口から立ち昇り、先程まで戦闘が有ったことを証明していた。周囲には無力化された大の男達が転がっており、誰一人起き上がってくる気配はなく、それを確認しながら手早く拘束していく。
頭目も捕縛完了、後は今回の違法商品を、
「まぁたくっ、ホントに懲りないなぁー」
肩が凝るわ、とボヤキながらも残心を忘れず、周囲を警戒して商品のあるコンテナ区画へと足を向ける。人気が無く、やや古びた様子の倉庫の中には、真新しい鋼鉄製の大型コンテナが積み木の如く不安定に重なっており、素人目でも資格やこういった業務に慣れない者が急ぎで押し込んだのが伺える。その思惑は、商品を搬出したら即 遁走、そんな所だろう。言外に聞こえてきそうな様相の場所で、辺りが薄暗い倉庫の中から、目的のモノを見つけ、彼女は大きなため息を鼻でする。
「ホンット、碌でもないことしかしないな、コンニャロウ!……」
そう言って見つけたのは、乱雑に積んだトランクケースの中から目や口を覆われ、芋虫の様に手足を拘束された女性。
船、拘束された人間、明らかに堅気じゃない者達、これだけ揃えば察しの悪い者でも想像するのは容易。周囲に積まれたトランクにも同様の物があるかもしれないと想像するのは自然な成り行きで、詰め込まれた人は弱っているのか、物音がしたのにも関わらず起きる気配が全く無い。もし、他のトランクにも人が入っているなら早くしなければ取り返しがつかなくなる────そう思考が過った時だった。
背後から物音と同時に、一人の男が飛び出しながらライフルを構えた。怒り顔で目は血走っており、明らかに度の過ぎた興奮状態の男は大事な商品が有るにも関わらず引き金を引こうとしていた。
半ば錯乱した様子で、声に成らない奇声を上げており、選択肢は無い。
見える射撃ライン上には捕らえられた人。
避ければ後ろに当たる。
瞬時にそう判断し、背負った鞄に手を掛け─────発砲音とボキボキと骨が砕ける音が倉庫内で響き渡る。
本の少しの間 静寂が生まれ、今の今まで淀み無く動けていた彼女の体が、止まるほどの異常が目に映った。
「……何あれ?」
なんとか出てきた言葉には、自身の今の心情がその一言に集約している。男の後ろから何処からともなく現れたのは“派手な外観の人型ロボット”。裏拳を男の肘辺りから決めて男を吹き飛ばしたのであろうというのは分かる。それを見ていたし、今も振り抜いた姿勢で停止しているのだから。
分からないのはソレ以外の全てだ。敵なのか味方なのか?そもそも何処から現れたのか?フィクションに出て来るような整った姿をしているが、まず間違いなく映画か何かの撮影のため作られたような物じゃ無いのは確かだ。でなければ人をゴム毬のようにブッ飛ばせるような作りにはしない。ロボットは体勢を直しながら此方に歩いて来ており、千束は意識をそちらに傾け、完全に臨戦態勢になる。
「警告、直ちにこの場より離れられたし」
ロボットが発した警告文らしき言葉は、右から左へ抜けて頭に残らない。自身が持つ弾丸はまず効かないだろうし、拘束用兵装で雁字搦めにすれば或いは、と、言いたいところだが、此処までで相当に消費している以上、その方法も難しい。ならば周りの物を使って対処するしか──そんな結論を出した時だ。ミシミシと何処から聞こえる異音に、今になって気付いて背後上部を見れば今にも雪崩れ込もうとしている
瞬間、衝撃が辺りを揺らす。
破砕音と衝撃音を浴びながら固く目を閉ざした。すぐに来るであろう痛みに耐える様に、体を強張らせながら待ち構えるが、来る気配が一向にない。痛みも感じる間もなく死んだのだろうか?そんな思考が過った時、頭上から先程も聞いたマシンボイスが鼓膜を叩く。
「繰り返す、直ちに現地より離れられたし。これは緊急警告である」
「………え?」
思わず声が漏れる。
上を見れば先程のロボットがすぐ後ろで落ちてきたコンテナから千束達を庇う様に支えていた。幾つもの疑問や謎が頭を埋め尽くすが、それよりも大事な事の為に、今は無理やり思考を押し流す。
「───っありがと!そのまま耐えられる!?」
「返答、現在この場に於いて落下物に巻き込まれる可能性のある人物は、貴女と貴女が現在保護している人物だけである」
「それって、この人以外 居ないってことっ!?」
「肯定」
手早く情報を擦り合わせる。そこに警戒や猜疑心は無い。千束は素早く女性を抱えてその場を離脱。本来であれば疑いや疑問を挟む所を、彼女と一機は即興のスタンドプレーで応えた。
友人「幼女と動物のツーショットはこの世の宝よ。」
作者「ハイ、ニーナとアレキサンダー。」
友人「お前を殺す。」
デ デ ン !
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