俺 自身がガンダムになることだ 作:解毒剤からビームサーベル
解毒剤「部長!我々の休みはどうなったんですか!?三ヶ日は!?」
部長 「おん?そんなもの在るわけ無いだろ?」
解毒剤「…………」
部長 「序でに言えばクリスマスも年末もねぇぞ。今は繁忙期だからな」
解毒剤「( Д )∼∼º∼º ………」
ダイイングメッセージ:今年の投稿はこれが最後に為るかもしれない事を、此処でお知らせさせていただきます。
俺にしか聞こえない声量で、奴は確かにそう呟いた。
………非っ常に、私怨の篭った声。なんとなく背景が見えてきたな。つーか、そーゆーのを隠す気は無さそうだ………。ソファに体重を預けて、今までの頭が痛くなりそうな小難しい話から要点を纏める。
その1、あの、“ボクの考えた最強のロボット”をどうにかするには通常戦力では不可能という事。
その2、この目の前のアラン『博士』はアレをブッ壊したいが為に俺達を呼び寄せた事。
その3、その為には恐らくだが、どちらか片方だけじゃなく俺達両陣営の協働、それも緊密な関係を欲しがっている事。
以上を踏まえて推測するに、『博士』が俺達に求めてるのは露払いとセッティングで、商材はアレに対するメタ兵器、ってところだな。………取引相手として見るなら裏は無さそうだが懸念材料はチラホラ見える。それが奴に対する俺の見解。
すると小動物みてぇにビクビクしてる奴の隣で、アラン機関の秘書が尤もな疑問を挙げる。
「……暴走、ですか…?」
「………さぁな……」
だが返ってきた返事は曖昧。これ以上は答えたくありません、って感じだ。そして俺も俺で耽込んで全員が口を閉じて暫し降りる沈黙の中、先程とは打って変わって重苦しく
「…………残念だ、非常に………」
如何にも『心を痛めてます』、ってツラでアラン野郎が哀悼を捧げてるのを見て、俺は盛大に舌打ちをする。間違いないと断言できる、コイツが悔やんでるのはソイツ個人に対してじゃなくて、あくまで入れ物に対してだけだ。価値観、生き方、存在意義、全てをテメェ勝手に値付けして押し付け、『我々は
正直な話、コイツらの影が見えた時点で今の計画を下ろすか迷った。コイツらの事だ、大方、俺の仕事に後ろから手を回して『それが正しい』、『それが君の存在理由だ』とかほざいてお膳立てしてたんだろう………。それが分かっていながら踊らざるをえない俺にも、奴らにも、反吐が出る………。だが、まぁ、今さら降りる事も出来ない、不本意甚だしいがな……。部下達の食い扶持もだし、情けねぇ話だがDAを潰すには俺だけじゃあ力不足が目立つ………アラン機関はその後だ。
余計な事に逸れた思考を戻す為、体の中に積もった鬱憤を、大きく吸い込んだ空気に溶かして鼻から全て出し切る。そうして俺は、
「…………ま、いいわ。………んで、聞きてぇんだがよ、アレが例の奴の
そのセリフで『博士』以外の全員が俺の視線を追い、三者三様の反応が顕になる。
この部屋に入いる前から微かに聞こえていた、独特の
「三機も居るたぁ、豪勢だな。一機造るだけでも滅茶苦茶苦お高いんだろ?」
ソコで目が覚めたかのように頭部に
これが『博士』の切り札、俺はそう確信した。
俺みたいなテロ屋相手の商談に護衛を侍らせなかった理由も、貴重な情報をペラペラしゃべった理由も、コレが在れば全てモーマンタイ。何せ最強の護衛にして『博士』にしか用意できない商品だ、互いの立場と状況を鑑みれば交渉もクソもネェ。
だが、俺の予想とは裏腹に『博士』の返しは何処までも冷めていた。
「………フン、そんな猿真似品が兄弟機なものか。……ソイツはデッドコピーにも成れなかった、モンキーモデル以下の粗製だ…………」
「はぁ?」
その卑下に今度は俺が絶句する。漸く本題に移れるかと思い蓋を開けて見れば、期待を裏切る頼りねぇガラクタ宣言で、俺は再び苛立ちを腹に溜め始めていた。当たり前だ、コイツは俺達の足下を見てから話を持ち掛けて来て、俺達はあのガンダム・タイプとやらをどうにかしたいが為に時間を割いて此処に来てやったんだ。だから問う、“返答次第じゃ、此処で暴れる事も辞さねぇ”と意味を込めながら。
「………オイオイ……まさかその粗悪品を俺らに『売り付けるつもりだった』、とか言うんじゃねぇだろうな……?」
「………安心しろ。
絡み合う視線。交差する思念。急速に張り詰めていく空気に、“やめろ!ボクが巻き込まれるだろ!!”と、ロボ太のヤツが器用にも被り物越しに目で訴えて来やがるが、無視する。
『博士』の目は濁ってはいるが、諦念の色は見えねぇ……。こういう業界ならたまに見る、結果を得る為なら過程で足し引きの計算をしない奴の目だ………。
………暫しの睨み合いの結果、“公算自体は所持している”、と判断した辺りで、どちらともなく気配を抑える。色々と……言いたい事も聞きたい事も有るが、とりあえずは話を全て聞いてからにするか………。
「……場所を移そう。ここからは直接見せながらの方が良さそうだ……」
「短慮な奴も居るしな」、と小言を当て付けて『博士』が立ち上がり、俺達もソレに連れ立つ。……紛らわしぃんだよ、頭でっかちが。
□
幾人かの靴がコツコツと床を叩き、その後に続く重い金属質な足音。ほの暗く、最低限の明かりしか点いていない窓の無い一本道の通路は、先の見えない洞窟のよう。そんな不穏を煽る通路を
「──改めて説明しておくが、ガンダムデュナメスの性能の大部分はGN粒子という多量変質性フォトン…光子の亜種によって齎されている」
「……あーー、ワリィが『博士』。もうちょい分かりやすく頼むわ……」
「……圧縮すれば万物を穿つビーム兵器になり、装甲として纏わせればベニヤ板を鉄板に変え、金属フレームに浸透させれば強度は据え置きのまま樹脂製品の様に軽くする……。
ザックリと纏めれば、環境毎によって数え切れない程の多種多様な現象を引き起こす短時間で消えてなくなる光の粒。デュナメスの飛行もGN粒子技術の応用である、質量軽減と間接的な重力制御によるものだ。
ジャミング効果はあくまで副次的なモノでしかない」
「……ファンタジー過ぎませんか?………」
「私も同感だったよ。
良くもまぁこんなデタラメ粒子を見つけ出し、あまつさえこのレベルの実用段階まで完成させたものだ、と……。
あの時は感心を通り越して呆れ返ったものだ」
道すがら聞かされる常軌を逸した技術の数々。現代に現れたオーパーツの概要は、聞けば聞くほどに謎が謎を呼び、疑問が乱立する。理論や理屈に至っては完全に常識の埒外だ。故に、ロボ太の質問は総意と言っていいモノだった。
「そもそもの話なんだが、その
根本的な謎である産みの親に対して挙げられた質疑は、至極当然の流れ。
先ず、何故こんな超技術を秘匿していたのか?
『博士』の話を聞く限り、かの人物は研究も完成もかなり昔に終わらせていたような口振り。人間は大なり小なり承認欲の有る生き物だ、作ったからには人に見せたいと思うのが人情。たとえそうじゃなくとも研究という行為は大食らいの金食い虫だ。それを考慮するなら、このGN粒子とやらを引っ提げて然るべき場所へ持って行けば、将来の生活も資金繰りも死ぬまで心配せずに済むだろう。逆に危惧していたなら破棄すれば良い、それが出来る立場なのだから。どちらにしても、この技術を使った兵器を野放しにしておいて理論だけを秘匿したのは意味がわからない。
次に、どうやって作ったのか?
現代でこそロボットは身近なモノであるが、実際に一から作るには多くの厳しい課題をクリアせねばならず、幅広い高度で専門的な知識や技術に加え、それらを実行出来るだけの環境と施設が必須事項だ。例えば、単純なロボットアームの一つとっても設計技術、電装技術、電子工学、物理学、材料力学、等々に+多数の資材と設備が必要で、人型ともなればより高度な知識に付け加え、人間工学、IT技術等は勿論、場合によっては畑違いの技能も要求され、それに合わせてより高価で巨大な設備も必要になる。更に言えば、完成品が高度な製品であればあるほどにそれらの規模も大きくなりやすく、しかも、この『ガンダム』と名付けられた兵器には新エネルギー技術や全く未知の理論まで使われている始末だ。明らかに人一人で処理できるタスク量を遥かに超えており、幾ら人間大サイズの物とはいえ、無から有は作れないのが宇宙の法則である以上、人知れず個人で作るには資金面、立地面、物流面など、どの面から見ても意味不明な事実と結果。
そして何より、何故こんな超技術を塊の兵器が必要だったのか?だ。
この疑問に至っては最早普遍的な条理から著しく逸脱しており、いくら考えても答えは出ないだろうと、事情に詳しくない者でも大体そんな結論になる。
もし、答えに辿り着ける者が居るとするならば、それは
だからこそ、真島も含めてその真実には大変興味を引かれていた、世界を幾らでも塗り変えれたであろう
「……さてな……アイツはアレについてはとんと喋らなかった……。だが、まぁ、酒の席で少しだけ……アイツが譫言で語っていた事がある……」
「………」
「……ガンダム……“祈りの担い手”……私のたった一つ望み、と、アイツは息巻いていたな……。
……アイツにとって“ガンダム”とは兵器………では無いのかもな………」
懐かしむように。思い出すように。呟くように。穏静に。そして、寂寥に、『博士』は語る。
曖昧な、主観が強く写り込んだフィルター越しの情景は、目が覚めると思い出せなくなる夢のようなボヤけた語り。それは、静聴していた真島達にとって難解過ぎる謎解きのヒントだった………。しかし、語りの余韻で少しの間生まれた静寂も、誰かが新たに何かを聞く前に『博士』が舵を取って本筋へと戻らされる。
「………話を戻すぞ。ともかく、仕掛けを用意するなら早い方が良い……。
「ラプラスの箱?」
「小娘ども?」
ソコで、今までは伴っていた真島と吉松の疑義が二手に分かれ、真島の疑問は吉松にとって予期せぬ好機となる。コレ幸いと吉松は手早く脳内で算盤を弾き、自身の伝手で入手した情報の『マスター登録者』と『
「正式名称、
詳細は知らんが
「特殊な、才能……?」
「ニュータイプ、イノベイター、S.E.E.D.因子保有者、Xラウンダー、パーメットの妖精、キング・オブ・ハート………何でも、
「──…それは……とても興味深い話だね……」
そしてその話は吉松の予感通りに無視出来ない話だった。何処かで聞いたような、非常に心当たりの有る事柄。今の話が本当なら、アラン機関の選定基準が大きく変わるかもしれない、是非詳しく知りたい案件……。とはいえ、今は目の前の使命に集中せねばと自分を諌める事も忘れない。二兎追うものは一兎も得ずとは、諫言だけで生まれた言葉ではないのだから。
「
……んで?要は本領発揮される前に仕留めなきゃ、って話なんだろ?どういう手筈なんだ?」
一瞬、真島はウンザリしたような表情の後、『気になる事が新たに出来たな』と、顔に書き、顎で異形を指して「後ろの奴は違うんだろ?」と続きを促す。
「ソイツらは
ガンダム・タイプ相手には少々荷が重いが……まぁ、許容範囲内だろ……。算段は既についている、心配無用だ……」
「ホントに大丈夫か?自分で言ってたろ。低スペだって。あの玩具」
「心配無用とも言った筈だぞ?そんな玩具でも
……何だったら
「………へぇ?」
「へ?」と、すっとんきょうな声を出すロボ太を尻目に、吉松は「まぁ、当然だろうな」と、納得。ある程度の確信や根拠が有ったとしても、保険を用意しておくのは当たり前のリスクヘッジ。そしてそれは吉松も同様で、当然身の裡に潜ませている。
「………ククッ、良いのか?この位置なら
「ハァ…時間の無駄だ……」
一際下らんと『博士』が鼻白んだ頃、一行は漸く目的地にたどり着く。通路を抜けて少し開けた場所に出れば、目の前には分厚く大きな鉄の二枚扉。その前に『博士』が立つと、主かどうかを確認する赤いレーザーライトのカーテンが上から下へと降り、『博士』を主と認める。
鉄戸は見た目にそぐわぬ重い音を立てて、ゆっくりと動き出し、鉄と幾つもの石油製品の混ざった空気を唸らせながらその全貌が露になる。その光景に真島は愉快そうに口角を上げ、ロボ太は彫刻のように固まり、吉松は感嘆の息を漏らして、姫蒲は寒気を伴う発汗で服がジワリと滲む。
まず、目に映ったのは金属製の腕や足らしきもの。天井からぶら下げられた人のシルエットと良く似た手が何本も吊るされていて、そしてそれを腕と認識した事で、その合間合間に在るのが歪ながらも足だと判った。
次に見えたのは人のようなナニかが何体も鎮座している姿。“ナニか”、という曖昧な表現に為ったのは、人型なのは確かだがそのどれもこれもが不揃いでアンバランスだからだ。人の形ではあるが手足の長さや太さがバラバラだったり、頭だけ巨大だったりと非常にとっ散らかった見た目。各部にも良く目を凝らせば、胴や肩が枠組だけのスカスカの剥き出しだったり、手足が欠損していたりと、言うなれば鉄の
そして壁や台座に視線を動かせば、人が使うには無理のある銃や盾が掛けられていて、形状こそ既存の銃火器などに似てはいるが決定的に違う部分が幾つも散見される。例えば安全性を、人が使う事を一切考慮していない構造だと一目で解る機構や、人間相手に使うには過剰なサイズの口径だとかだ。その他にも、金属の
マシンの屠畜場。この空間を言葉で表すならそれがピッタリだろう。
『博士』の話を聞いていたからこそ嫌にでも浮かぶ、これから近いうちに訪れるであろう後の光景。それが姫蒲の脳裏を過る。
「……戦争でも始めるつもりですか?」
「アレ相手に通常戦力なぞ案山子でしかないだろ?最低でもこれくらいは要る」
何にでもないように『博士』は姫蒲の問いに答え、全員より前に出て振り向く。
「さてと……こうして御披露目はしたが、コレらはまだ未完成品でな。故に、お前達にコイツらの足りない部分を補ってもらいたい。
………報酬は、お前達が其々望む物を用意しよう」
そう一区切り、『博士』は真島に顔を向け。
「お前に求めるのは小回りの利く兵隊によるカバーとコイツらの教導」
続いて吉松に顔合わせ。
「お前に求めるのはコレらを完成させる為の資材の確保や輸送の手配だ」
先程までの薄暗かった空間はもう無い。既に十分な光量で遍く照らされたこの場所は、鋼鉄の死兵で溢れ返っている。
そして、濁り水を溜めに溜めたダムは軈て決壊するだろう。
「私は、
その未来は、遠くない。
~知らない人向け、ガンダム簡単用語解説~(偏見有り)
ニュータイプ:
概要: 超能力者一号。
イノベイター:
概要: 超能力者二号
Xラウンダー:
概要: 超能力者三号
S.E.E.D.因子:
概要: 人外。
パーメットの妖精:
概要: 拡散系水星娘。
キング・オブ・ハート
概要: バケモノ。
A:シャッフル同盟とかって存在するの?
Q:そこに無ければ在りませんね。
ぶっちゃけた話、『博士』はイノベイターだのニュータイプなどに関してはマジで知りません。持ってるマシンだのもある人物が遺した物をサルベージorレストアしてしてるだけですので。論文とか設計図とかに到っては、虫食い穴の空きまくった紙を現行理論とかでなんとか無理矢理埋めてる始末です。
※ラプラスの箱の話は原作とは全く関係ありません。
投稿間隔と文章量について:今回のアンケートは文章が短く切りが悪くても良いから少しでも早い投稿が良いか、がっつり読みたいから時間が掛かっても切り良く読みたいか、のアンケートです。他にも、単純に短い方が読みやすいか、長い方が良いか等でも選んでいただければ、と。ただ、リアルでの生活の状況でどうしても遅れたり、ストーリーの進行具合の関係で、一気に投稿したいが為に書き留めする事が有るのをご了承ください。
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切り悪くても早い投稿の方が良い
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時間が掛かっても良いからガッツリ読みたい
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単純に短い方が良い
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単純に長い方が良い