俺 自身がガンダムになることだ   作:解毒剤からビームサーベル

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 新年、明けましておめでとうございます。(激遅)
 新年早々から不幸な災害などが在りましたが、皆様の無事と幸福を願うばかりです。

 と、言った堅苦しい前置きは置いておきまして、今日まで遅れた理由の申し開きですが………──
 ──単純にスランプでした。(白目)

 はい。オユルシクダサイ!コロナで倒れていたのも理由の一つなんです!はい、こんな感じの事がまた有ると思いますが、長い目で見て頂けたら幸いです。そして、まだまだ油断の為らない季節が続きます。皆様も御心身を大事に御過ごしくださいませ。

※追伸:非常に情けないミスをしていた事に気づいたので、修正させて頂きました。穴があったらコーラルを抱いて眠って忘れたい所存です。




そんな装備で大丈夫か?

 

 

 

 

「────コレは……」

 

『本日、午後2時頃。ある大型複合モールを襲った立て籠り犯の一味だ……』

 

「立て籠り犯?」

 

 

 大型の銃火器らしき物で武装した何体もの異形。モール内各所で狼藉を働く謎の襲撃犯が映される中、淡々としながらも険しい声色で楠木は概要を続ける。

 

 曰く、DAがとある事情で公安との秘密裏の作戦行動中に突如出現した連中らしく、そのまま手当たり次第に客を拐って立て籠り出したのだとか。

 余りにも非現実的なシチュエーションにフリーズしていた通行人達は為す術なく次々と捕まり、その場は直ぐに混乱と悲鳴の坩堝と化して避難誘導すら出来なかったそうだ。無論、場当たり的だが騒ぎを聞きつけた警備や近くを巡回していた警官達も抵抗を試みたが、全て徒労に終わり連れて行かれたらしい。

 

 

「……犯行声明、被害状況は?」

 

『閉じ籠ったきり、現在まで一切の応答が有りません。此方が近付き圧を掛ければ威嚇射撃をしてきたりはしますが、それだけです。

 現場も未だに情報が錯綜しており、この数字もまだまだ変動すると思われますが、極軽度の火傷や擦り傷、打撲などの軽傷者が9名、骨折等の重傷者が1名で死傷者は無しとの事です。……今のところは、ですが……』

 

「随分と被害が小さい、それに要求も無い?………現場が混乱しているというのは?」

 

『現場を中心とした周囲一帯、()()()()()()()()()()()()です』

 

 

 聞き役に徹する千束達の代弁としてミカが楠木から要点を聞き出せば、更なる不審が吹き出る。何でも、規模は限定的ながらも出現と同時に民間、専用、種類、方式問わずにほぼ全ての周波数帯域の無線がダウンしたそうで、それにより現場は情報伝達すら儘ならないのだとか。一応有線などのアクセスルートも模索したが、結果は惨敗。此方もほとんどが死んでおり物理的にシャットダウンされたとみて間違いなく、こうなれば流石のラジアータもお手上げだった。

 勿論、座して待つなんて悠長な時間も余裕も無いので其々の関係各所が原因の究明、事態打開に乗り出したが成果は芳しくなく、この強力無比なジャミング発信源の大まか位置の割り出しすら出来ないでいた。

 

 そもそもジャミングとは、レーダーにしても通信にしても、飛んでいる電波と同じ周波数のより強いノイズ電波を放射して本来の目標物から隠蔽、又は妨害する、という仕組みだ。故に“全ての周波帯域の電波を”となれば、尋常ではない電力と巨大な装置が必要になり、それすら見つけられないのは常識では考え辛い話で、現場の捜査官達は揃って頭を抱えるしかなかった。

 

 そんな中、DAだけは()()()()()()からある推測が浮かび上がる。『空気中で電波が遮断とも言える程に急速に減衰させられているからではないか?』と。

 

 

『────この連中が何を考えているにしろ、我々の目を欺いた上でこれだけ大掛かりな玩具を用意するには、ウィザード級ハッカー集団か、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()の援助が必須………。というのが我々の出した見解だ………』

 

「…………」

 

 

 そして国内だけではあるが、その気になれば掌で握り込めるサイズの物すら見付け出し、一億数千万人の中からその保有者の特定と正確な行動予測すら可能とする、国家の威信を懸けた一大プロジェクトの過程で産まれた規格外AI、ラジアータ。そのラジアータを容易く無力化する技術に、人間大サイズの高性能人型無人兵器(戦闘用ドローン)と非常に聞き覚えのある現象。

 過去と現在の事件の要因が嫌な程に綺麗に重なり、全員の視線が部屋の最奥に居る一機へ集まる。

 

 

「──…………■■+・プ■■ラ■に情報開示の申請。緊急事態と判断、特例許可を要求」

 

「〈申請の一部を受理。『セキュリティ・クリアランス ()()()6()』までを特例でアンロック。…ただし、()a()()の第2ロックの解放は認められない為、棄却〉」

 

 

 1分か、2分か。実際は10秒も経っていないであろう硬く重い沈黙を破り、件の怪しげなシステムを静かに呼び起こす翡翠。しかしそのシステムはこの場面に於いても相も変わらず秘密主義を変えぬようで、前回との違いも精々若干ノイズがマシになった程度。

 

 

「────続けて、重要秘匿情報欄(マスク・ライブラリ)にアクセス、検索開始……検索件数、2件該当。情報(データ)を限定的に前方のデバイスへ転送(アップロード)──」

 

 

 十人十色の視線に晒されながら語る何時もの無機質な合成された声が、今日も変わらず淡々と話している筈なのに、今はどこか、詰まったように聞こえた。

 

 

「──該当類似機体……。

 モビルドール、

 型式番号:MSER-04、

 機体名:アンフ。

 同じく、モビルドール、

 型式番号:MS-09、

 機体名:ドム、と推定」

 

「………機動(モビル)人形(ドール)…………」

 

 

 固唾を呑んで待っていた千束達に、タブレット内の楠木を映す枠だけを残して置き換わり開示(明か)される簡易図解(異形の正体)。その結果に千束は小さくない動揺を覚え、たきなは恐る恐る、確かめるように、か細く文字を口の中で転がす。

 

 

『…………お前の親戚にしては随分と型番(血筋)が違うな?』

 

「補足、及び返答。当機にも取得可能な情報は厳しく制限されており、この機体の現存の有無も現在まで不明であった………」

 

 

 等と言い開きをするが楠木の視線は変わらない。当然だ。楠木は初めから当たりを付けていて予想通りだった上に、漸く現れた明らかに翡翠(コイツ)と関係のありそうな事案。今の状況は楠木からすれば、これまでの翡翠の功績を加味しても黒に近いグレーだ。

 嫌な予想。嫌な予感。嫌な想像。様々な負のイメージが、各人の思考と混じり合い、部屋に刺す刺すしい空気を渦巻かせていく。

 

 

『フン、随分と都合のいいセキュリティだ。それで?他には何を隠している?』

 

「…………当機から貴官らへ要請。この映像情報を観る限り、当機が記録してある機体情報と不自然な差違が多数見受けられる。故に、より確かな真偽を追及す『何か勘違いをしていないか?』────」

 

 

 短くため息を吐くと同時に、厳格な声が弁明を絶ち切る。

 

 

『───お前が黒か白か。信用出来るか出来ないかは、()()()判断する事だ。

 そしてもう1つ。我々がお前を分解(バラ)そうとしないのは、お前が強大な戦力を保有しているからでも、お前に危険物をばら蒔かれるのを危惧しているからでもない。

 お前が貴重な情報源だからだぞ?』

 

 

 多分に嫌疑を孕んだ宣言。それは彼我との距離(認識の差)でもあり、警告(方針)でもあった。

 確かに、翡翠に本気で抵抗されれば楠木達にどうにか出来る手段は皆無と言っていい。だがそれは、躊躇う理由にはなり得ても交戦しないという理由にはなり得ない。

 相手の強弱に関係無くその身命を賭けて国家の敵を討ち滅ぼす者。それが国に所属する暴力装置の使命であり、DAとて例外ではないのだ。あくまで強硬手段に出ない理由は、翡翠が比較的従順なので其方の方が穏当に事が済みそうだと判断したからにすぎない。相手がどれだけ強大でも此方に害しか及ぼさない存在ならば、既得権益者達にとっては徹底抗戦以外の選択肢は無いのだから。

 そして翡翠を製造したと思われる組織は自分達よりも遥かに進んだ技術を持つ者達だ。此れまでの経緯から推察するに、緊急時の際には我々では想像も付かない方法で速やかな証拠隠滅を図る可能性は非常に高い。そうなれば足取りを掴むことはほぼ不可能。故に今のリコリコを取り巻く環境は、上層部が手懸かり喪失を危惧したが為の結果でもあった。

 

 皮肉にも楠木の宣言は、翡翠がいつぞやに言い放ったセリフの真意とよく似ていた。

 

 

『一応お前達にも忠告しておく。

 ソイツは言動や行動がどれだけマヌケでも(どれだけ思考を人に似せていても)マシンはマシンだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ということを忘れるな』

 

「ッ……!楠木さん……!」

 

 

 楠木の戒めに千束は何も言えない。判っている。確かにその通りだからだ。自分達と製造者達とでは余りにも技術格差が離れすぎており、どれだけ方々に手を尽くした調査をやっていてもすり抜けられている可能性を潰しきれない。で、ある以上、見逃してる前提で動かなければいけないのが実情だ。

 そもそも肝心の此処に送り込まれた目的も不明で、現在進行形で関係の在りそうな(やから)が我々に害を振り撒いている今、初めからなぁなぁで話が済ませれる訳がなかった。

 

 

『………現地までの足として、既にバンボディのトラックを装備と一緒に送っている。今は一刻も早い事態沈静化が最優先だ。お前達に下す指令は改めて其処で伝える。

 情報収集の為にもそのポンコツは必要だからな、荷台にでも積み込んでおけ。話は以上だ────』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────………本当に知らないの?」

 

『……謝罪……』

 

 

 街中を行く車の走行音をBGMに静かに揺れる車内。既に聞いた答えの変わらない問いを、ミズキは再度翡翠に問う。今、私達は、あの後直ぐにトラックと一緒にやって来た、DAの連絡役の人達の先導に従って、現場へ急行していた。

 

 仕事用の何時もの車には運転席にミズキ、助手席は先生が座り、後部座席にはたきなと私で、クルミは遠隔で後方支援(バックアップ)だからお留守番という態勢。トラックの方はそのまま連絡役の人達が乗っていて、翡翠と今回用の装備を積んで先導してくれている。

 

 乗ったら直ぐに楠木さんがブリーフィングをしてくれるのかと思っていたけど、現場のより詳しい情報を持って来てくれた連絡役の人達曰く、『作戦立案はお前達に一任する』だとか。……恐らく、出て来なかったのは司令部(向こう)も相当にバタバタしててその対処に手一杯だから、なんだと思う……。

 ……今回の案件は今までのとはかなり毛色が違うからね………。

 

 私の嫌いな感じの空気を弾き飛ばすのと、気合いを入れる意味合いも込めて、軽く自分の頬をはたく。

 

 

「──……翡翠は……今回の件について関係無いんだよね?」

 

『…肯定』

 

「ならば、ヨシ!」

 

「いや、よくはねぇだろ………」

 

 

 私の出した結論に、意図は察しながらも即座に何時ものノリだがトーン弱めでツッコミを入れるミズキ。それに対し私は直ぐ様自分の見解を唱えた。

 

 

「楠木さんはあんな事を言ってたけど、ホントに“敵だ”って思ってたなら今回の仕事に組み込まないよ。

 ……それに私は、翡翠の事信じてるから……」

 

「……………」

 

 

 軽く言ってのける私に、ミズキは唸って難しい顔をする。分かってる。今回の問題は翡翠本人(ソコ)じゃなくて翡翠の産みの親の真意(黒幕の目的)だ、って事は。

 でもそんなのを言い出したら相手が一枚岩じゃないからの結果かもしれないし、そもそも別組織だったから、なんて理由かも知れない。

 全く情報が足りてない私達では疑いだしたら切りのない話だ。だったら私は自分が感じた(モノ)を信じたい。例えこの案件が一時的な踏み絵程度の意味しか無かったとしても。

 …………ウジウジしているのは私らしく無いから。

 

 

「……まぁ、な。マッチポンプにしては意図が不明過ぎるのも確かだ………」

 

『……謝罪……』

 

「ハイ、謝るの禁止!」

 

 

 先生も難しい顔をしていたのを解いて、私の意見に同意してくれた。だったらとにかく今は作戦会議に集中だ。

 

 

「…………時間も押しています……。そろそろ話を進めましょう」

 

 

 そう言ってたきなは自分の膝に乗せていたノートPCを立ち上げ、前部座席用のモニターとリンクさせ全員に観えるようにする。

 

 先ず、私達の最優先目標は人質の奪還とリコリス(フキ)達の救助、そして脅威の排除だ。

 人質救助や脅威の排除は言わずもがなだから置いておくとして、実はフキ達も中に取り残された状況下(それなりにピンチ)にあるらしい。まぁ、突然の通信断絶に想定外の敵とかが重なれば、頭でっかちになりがちなフキだと(むべ)なるかな、とは思う。で、それらを達成する上で厄介なのが現在の取り巻く環境と例のMD(モビルドール)とか言う奴ら。

 

 

「現在、多数の民間人への被害や重度の通信障害など、前例の無い事態の多発でラジアータの情報統制能力の一部が麻痺。それにより少数ですが幾つかのマスメディアが浮き足立っています」

 

「みたいね……。たくっ、呼んでもないのにウジャウジャ湧いてるわねぇ」

 

『警察とかも呼び掛けてはいるが、『通信不良で本人まで連絡が届かない』、とか言ってるな。放送準備はバッチリなくせに』

 

 

 と、映像と伴ったたきなの概況解説にミズキとクルミが所感を述べる。そう、迷惑な事に現在、ラジアータの情報規制網を潜り抜けたパパラッチや報道ヘリが現場周辺を彷徨いていて、DAの動きをきつく制限させていた。一応リコリス達は、見えている限り襲撃犯に捕まってはいないけど、私達は民間(報道陣)にも見つかる訳にはいけないから、通信不能も合わさって撤退すら出来ない膠着状態。

 全く、此方の指示に従ってサッサと避難してもらいたい。こちとら人命が懸かってるんだから。

 ……まぁ、不幸中の幸いというか、一応リコリス達の直前までの位置と、今回のような状況をある程度見越したマニュアルとかも用意していたらしいから、合流する事自体はそう難し事じゃない……が………。

 

 

「人質の数は約100人強。

 場所はイベント用の吹抜け広場へ一塊に集められていて、ヘリの空撮で確認する限り緊急を要する容態の人は見受けられません……ですが……」

 

「普通だったら適当なタイミングで狙撃だの急襲だのでケリが付くんでしょうけど、ねぇ……」

 

 

 皆が言い淀む理由。目下一番の問題。人質を囲う様に立つ7機と、そこから少し離れた周辺を巡回する4機。計11機のMDが稼働している姿を観て、全員が揃って唸る。

 

 

「………随分と見やすい場所に立っているな」

 

『人間じゃないからな、狙撃の1発や2発なんて問題無いんだろ。………あとは、挑発や示威、とかだろうな………』

 

 

 渋面で考察を交わす先生とクルミの後ろで、私の眉間にもシワがよる。ミズキも言いかけてたけど、普通の犯人だったら消耗を見計らって攻め立てればいいが、今回の目標はそうはいかない。

 敵は全員疲労とは無縁で動機不明の重武装なテロリスト。仮に、コイツらが遠隔操縦(リモート)で動いていて中の人間の消耗を狙えたとしても、緊急時にはAI操縦に切り替わって無差別に発砲、なんてアルゴリズムを組まれていたら目も当てられない。

 

 

『交戦した警官も『拳銃程度では豆鉄砲にしかならない』って、言っている』

 

「DAからは着弾後の装甲表面の状態から大雑把な計算が出ていますが、少なくとも7.62㎜弾以上でなければダメージを見込めない、と………

 尤も、私達の知る既存の装甲材ならば、と注釈が付きますが………」

 

 

 あまりに高威力の火器の使用は人質の安全が保証できないし、かといって中途半端な損傷だとその後どういった行動に出るか読めない。

 SATとかの人達が動かないのも私達と同じ見解だからだと思うが……とにかく、これ以上の事態の拡大は絶対に避けたいDAとしては、表の人達が痺れを切らす前に決着(カタ)を着ける必要があり、全員が唸る。

 そんな具合に散文的な思考で視野が狭まり、あーでも無いこーでも無いと画面を睨んでいた私達に、クルミが今回の件での一番の専門家を思い出させてくれた。

 

 

『──そう言えばだが、あの時気になる事を言ってたな。翡翠』

 

『肯定。今回確認されているMD群には、不可解な仕様変更が見受けられる』

 

「不可解?」

 

 

 そうして“映像で確認された限り”と枕詞が付くが、再び表示された図解を片隅に置いて解説された話を3つに纏めると────

 

 その1。装甲厚が翡翠の記録よりも薄くなっていて、本来なら装備している筈の防護用パッケージ等も一部取り外され、かなり際どい軽量化が図られている。

 

 その2。これも正式仕様なら持っている筈の格闘兵装や内蔵火器がオミットされ、エネルギー確保に余念の無い設計にされている節がある。

 

 その3。間接部やセンサー部が記録よりも手厚く補強され、また、各部に配置されたスラスターもレイアウト変更や増設がされており、特にドムと呼称される機体はその部分が多い────なのだとか。

 

 

『──元来、MDのその多くは、当機、機能拡張発展機(インテグレートハイエンドモデル)を開発する過程で産まれた、理想値を導き出す為のデータ上のみの存在、廉価版概念技術試験機(機能特化型低コストモデル)である。

 特に、今回確認されている機体はその性質が顕著であり、現在展開されている作戦環境には適切ではない』

(とか何とか書いてるッス………)

 

『………何か今凄く聞き捨てならない事を言っていたような気がしたが……まぁ、置いておくとして……つまり?』

 

『結論。機体コンセプトにそぐわない仕様変更により、性能の大幅な低下を確認。推測するに、技術不足を補う為の仕様変更と思われる』

 

 

 ………解説を聞いてた全員が頭痛を堪える様なポーズで思ったことは、『コイツ本当に反省してるんだろうか?』だ。…イヤ、単にセキュリティとやらに引っかかって喋れなかっただけなんだとは思うけど………コレが終わったら小一時間程問い詰めてやりたい。そんな益体も無い考えをしまい、顔を上げる。

 

 

『更に報告。現在向かっている作戦エリアでは、当機でも通信機能に制限が掛かる事から、有人による遠隔操縦(リモート)ではなく、独立したAI制御である可能性が極めて高い』

 

「フム……。ならコイツらがお前さんほどの優秀なおつむ(有機的なAI)を積んでいる可能性は?」

 

『否定。対象となる機体群には、非効率的な画一行動パターン、及び、リアクションを多数観測。その事から、単純な受諾命令しか処理出来ないと推測』

 

 

 ──なるほど。分断や誘導は十分狙える訳だ……。悪い条件ばかりと思ってたけど、光明も見えた。翡翠と顎に手を添えて思案していた先生の質疑応答を聞いて、バラバラで形にならなかった作戦(アイディア)が固まっていく気配を感じる。

 

 

「よし、なら、そっちに積んである武器(ヤツ)で有効そうなのを見繕っておいてくれ」

 

了解(ラジャー)

 

 

 ───……うん、イケる。私の中でも考えが纏まった。

 

 

「───………ねぇ、ちょっと思い付いた事が有るんだけど───」

 

 

 車は走る。現場へ向けて。前代未聞の敵に、退っ引きならない状況。100人を超える人質と、相手大火力も踏まえれば、懸念要素は過去最大かも知れない────

 

 ───だけど、意外と不安は小さかった。

 

 …………フキ達の事もある。急ごう。

 

 

 

 

 






捕捉という名の架空Q&A、と設定


Q.実際の所楠木は翡翠に対してどう判断してるの?
A.ほぼミカと一緒。
 怪しいのは怪しいけどマッチポンプにしちゃ意味不明だし、凝り固まった思考はもしもの場合を考えると危険過ぎるな、という判断で取りあえず様子見の構え。
 後、即座に円満に解決出来そうなのも翡翠以外だと無理筋っぽいから、という判断も在る。

Q.何で楠木じゃなくて千束達が作戦立案を立てていたの?
A.未知の敵(常識外の技術)という事で、ラジアータの予測が全く当てに為らないから。ソレとDAの上層部(一部)がこれ幸いと思って翡翠の戦闘データを欲しがったのもある。少しだけ。


Q.大事に為ったっぽいっけど何でSATみたいな組織が動かないの?
A.DAに連なる上の組織が自分達の不祥事隠蔽とMD関連の情報秘匿を優先したため。
 因みに、立て籠り犯の要求は身代金目的、という事になってる。表向きには。


Q.楠木は何を積ませて送ってくれたの?
A.適当。
 ぶっちゃけた話、どのレベル兵器が効くか判らないからかなり厳ついのも含めて送ってる。後、それを許したのはどんな兵器なら有効か?というデータを楠木や上層部が欲しがったから。


Q.今回出てきたMDってどれくらいの情報が開示されたの?
A.主に表面上の情報。
 武装や対弾性能(この場合耐久性?)、推力等だけ。当然、熱核融合炉とかEカーボンとかの情報は伏せられてる。


Q.ティエレン、というかOO系列の機体とかで固めなかった理由は?
A.『博士』がとある理由で可能な限り色々な機体での実戦稼働データを欲しがった為。現在はここまでしか言えない事を御了承下さい。悲しいね、フル・フロンタル。



アンフ・レプリカ 設定その1

 とある男の遺稿から『博士』が再設計した模倣機。

 『博士』が再設計してきたMDの中で最もオリジナルのスペックに近づけた機体だが、それは単純構造だったり理解出来る範疇の理論や現行技術でも補う事が出来たアレコレなどが多分にあったが故。その為、かなり低スペック。
 特に装甲や動力炉等はオリジナ程の水準に達せなかった理由もあり、運動性を確保する為に装甲等を削ったせいで防御力は大きく低下している。
 とはいえ、口径の小さい火器ではダメージすら与えるのが難しいくらいには頑丈だし、本体の製造コストや維持費も『博士』が再設計してきた中ではかなり安価で手堅い機体。
 尤も、既存の兵器と費用対効果を比較すれば色々とかなり悪いのが実情だが。

 逆に言えば劣化がその程度で済んだのは偏に『博士』のアーキテクトとしての技量と頭脳あっての事で、流石はアランチルドレンと言ったところ。

 基本的に、主武装は既存の銃器をチョロっとカスタムしただけの代物で、とっても貧弱。しかし、そのお陰で調達も整備も楽チンになってる。

 今回の機体が装備しているのは、右腕に7.62mm機関銃(ぶっちゃけた話、見た目は殆んどザクマシンガン)を腕のハードポイントに設置。顎下?には9mm短機関銃、左腕のハードポイントには、捕獲用ネットランチャーや捕獲用ワイヤーガン、機体よってはテーザーガンを装備。格闘兵装はオミット。理由は後に語れたら語ります。(白目)



ドム推力試験型 設定その1

 アンフ同様に技術面の問題で装甲等を薄くせざるを得なかった機体。しかし、それだと『博士』が今回コレを採用した理由の意味が無くなるので、ある理由の為に元のコンセプトを活かせるよう推進器のレイアウト変更や増設などを行い、それなりの装甲の厚さと機動力の確保には成功させた。

 が、増設したり位置を変更したりしたスラスターのせいで、ウイークポイントが増えるという欠陥を抱える羽目に。実はあるの理由の為に他機種のデータとかも組み込まれた実験機としての要素が強い。

 武装はオリジナルよりデチューンされたジャイアント・バズにM-120A1(要はザクマシンガン。これを手直ししたものがアンフに装備されている)。デチューンしたのは技術面の問題だけではなくコスト面での理由もあった、本体もお高いし。拡散ビーム砲、ヒートサーベルは素材、技術、出力等、色々な面で再現出来ないのでオミット。そも製造出来たとしても本体のおつむも足りないからどっちみちアウト。


M-120A1 ザクマシンガン 小道具設定 その1

 サイズも人間大サイズまで小っさくなっているから当然威力も据え置き。口径が既存の銃火器の弾薬を使用しているのはそれの方が補給しやすいから。ただし、既存はあくまで弾薬だけで、銃身自体は見た目通りにガンダム関連の技術を転用して同口径同サイズの従来火器より高性能化している。人間には使えないが。

投稿間隔と文章量について:今回のアンケートは文章が短く切りが悪くても良いから少しでも早い投稿が良いか、がっつり読みたいから時間が掛かっても切り良く読みたいか、のアンケートです。他にも、単純に短い方が読みやすいか、長い方が良いか等でも選んでいただければ、と。ただ、リアルでの生活の状況でどうしても遅れたり、ストーリーの進行具合の関係で、一気に投稿したいが為に書き留めする事が有るのをご了承ください。

  • 切り悪くても早い投稿の方が良い
  • 時間が掛かっても良いからガッツリ読みたい
  • 単純に短い方が良い
  • 単純に長い方が良い
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