陰の実力者の師匠になる   作:ディバル

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お久しぶりです。だいぶ時間が空きましたがまた書いて行こうと思います。


18話 新しい仲間

 

 

 

 

学園襲撃事件は、首謀者ルスランを殺し終結した。しかし、奴が手を回していたせいで、シャドウガーデンに罪をなすりつけられた。シャドウは、指名手配。そこには、アルファの名も載っていた。

 

以前、アイリス•ミドガルに名を明かした事が原因だろう。罪をなすりつけられた事に関しては、余り問題はない。騎士団程度では、我々の足元に及ばない。

 

ガーデンは、世界の敵として世間からは認識された。世界を敵に回そうと俺達がやる事は何も変わらない。ただ、一つの目標に向かって突き進むだけだ。

 

「世界を敵に回すのは二度目だな」

 

 

 

 

 

sideシェリー

 

半焼した学園を眺める人に少女がいた。彼女の名は、シェリー•バーネット。彼女は、今はなき義父について考えていた。

 

親が死んでルスランによって引き取られた。母親の意思を継ぎアーティファクトの解析をしながら、幸せな日々を送っていた。

 

しかし、真実は、残酷だった。シェリーの母親を殺したのは、彼女が最も信頼していたルスランだった。そして彼女は、ルスランに利用する為に側に置かれていた事。

 

悪い夢だと彼女は、思った。しかしそれが、現実だった。義父を殺された事に対してまだ夢だと思いこんでいる。

 

彼女の頭の中は色んなことが駆け巡りっていた。

 

その時、ふと彼から言われた言葉を思い出す。

 

『お前がこの世界の真実を知りたいのなら……全てを捨てる覚悟があるのなら教えよう。考えておいてくれ、この先どうするのかを』

 

世界の真実。自分達が過ごしている日常の裏には、黒い何かが、動いている。彼女は、研究者だ。自身の内なる好奇心が、「真実」について気になっている。

 

「数日ぶりだな……シェリー・バーネット」

 

半焼した学園の前で声をかけられる。振り返るとそこには、白髪で青の瞳を持つ少年だった。変装の為か眼鏡をかけている。

 

「気持ちの整理はついたか?」

 

「まだ……ですかね。色々あり過ぎて……」

 

「だろうな……そう簡単に割り切れる訳ない」

 

彼は、私の隣に立つ。それから暫く沈黙が続いた。

 

「貴方達は、何と戦っているんですか?」

 

沈黙を破ったのは、シェリーだった。

 

「そうだな……世界だろうか?皆が常識と認識している事。いつの間にか当たり前になっていた事。それに抗っている」

 

「世界……怖くないないんですか?」

 

世界。簡単に答える彼に対して彼女は、驚いていた。この世の全てを敵に回してでも抗って何かを変えようとしている。それが、何なのか知りたくなってくる。

 

「引き返すから今の内だ。知らなくていい事もこの世にはある。シェリー、お前はまだ若い。にわざわざ足を踏み込む必要はない」

 

シェリーの考えを見透かしたように言葉を返す彼。

 

「引き返したら私は、どうなるんですか……」

 

彼女は、シャドウガーデンのNo.2の素顔を知ってしまった。教団や騎士団は、ガーデンを潰しにかかっている。彼女が手にしている情報は重要だ。

 

下手をすれば殺される事もある。

 

「その時は、ガーデンに関する記憶だけを消す。記憶が消えたお前は、俺達を恨むだろう」

 

「そんな……悪かったのは、お義父様だったのに……」

 

父親が何を思ってあんな事をしたのか、知らない彼女でも、この事件の首謀者は、自分の育ての親だとわかっている。

 

「言っただろ。あんな父親でも、お前にとっては親だ。お前には、恨む権利がある。俺は、それを受け入れる」

 

真っ直ぐな瞳でシェリーを見つめる。その目には、嘘や偽りはなく、貴女の全てを受け入れると物語っていた。

 

「………知りたいです。この世界の真実。そして、お義父様が、変わってしまった原因を」

 

彼女の目には、強い意志があった。悩み抜いた結果、出した結論。それに対し彼は………

 

「先に言っておく辛いぞ……ミュナス・メモリアム」

 

彼女の頭に触れ魔法を発動させる。この魔法は自分の記憶を他人に共有するものだ。彼が共有した記憶は、「悪魔憑き」の真実とその大本「ディアボロス教団」の存在。シャドウの正体はトップシークレットなのでそこは明かさない。

 

「……悪魔憑きにそんな真実があっただなんて」

 

その事実は衝撃的な物だった。これまでの常識が覆った瞬間であり、迫害していた物が、世界を救った英雄の子孫であるという事に。

 

彼が言う皆が常識と思っている事、いつの間にかそれが当たり前になっていた事。まさに言葉どおりだった。

 

「もう一度聞く。この真実を知って尚、俺の手を取るか……選べ」

 

貴女の前に彼が手を差し伸べる。この手を取ればもう戻る事はできない。彼の手を取ったら世界と戦う事になるという事に他ならない。今戻れば、研究が好きな何処にでもいそうな女の子に戻れる。ただ、父親を殺されたと言う事実と恨みが残る。

 

「私は………お義父様を貴方達が殺した事を許した訳ではありません。言いたい事は沢山あります。でも………」

 

今度は彼女が彼の目をしっかりと見て思いを伝える。

 

「私の力で救える人達がいるなら救いたい」

 

彼女は手を取った。自ら足を踏み込み世界に抗うと決めた。側から見たらそれは、間違った選択かもしれない。しかし、シェリー・バーネットは選んだ自らの意思で。

 

「ようこそシャドウガーデンへ……シェリー」

 

こうしシャドウガーデンに新たな仲間ができた。

 

 

 

sideディバル

 

「それで私は何をすればいいんですか?」

 

学園から拠点である古都アレクサンドリアへ移動した彼は、ある場所に向かっていた。彼女を戦闘員にする気はなく、得意分野で活躍してもらおうと考えている。目的の場所に着き足を止める。

 

「シェリーお前にはアーティファクトの解析と魔法の研究をしてもらう」

 

「魔法?」

 

ドアを開ける部屋は書類と本の山そして、使用された実験器具で溢れていた。そしてらそこの真ん中には一人の少女が眠っていた。

 

「起きろイータ」

 

彼女の体を揺らす。

 

「……ディバル何の様?もう少し寝たい」

 

目を擦りながら気怠そうにしているのは七陰第七席イータ。彼女は研究がメインで表立って仕事はしていないが裏方として働いている。彼女に助けられた場面は多くある。

 

アーティファクトの解析はもちろんだがそれ以外にもミツゴシ紹介に出す商品の開発にも携わっている。ガンマがシャドウの陰の叡智の再現できたのはイータのお陰でもある。

 

彼女は、根っからの研究者であり気になった事があれば解剖、解析、実験とありとあらゆる手段を使って研究を行う。ベータがその犠牲になる事が度々起こる。

 

彼女を一言で言うのなら「好奇心の奴隷」だ。彼女がいなければ莫大な資金や教団との戦いで不利になっていた場面もあるだろう。

 

彼女の飽くなき探究心はシャドウやディバルにも向けられている。シャドウの「陰の叡智」。ディバルが待つ「魔道具」や「魔法」そして彼らの脳みそを見てみたいと思う程に。

 

「事前に言っただろ?お前の助手になるかもしれない奴を連れてくると」

 

「……この子が助手?」

 

彼女は立ち上がりふらふらと歩きシェリーに近づきじっと見つめる。つま先から頭のてっぺんまで隅々と観察を行う。

 

「この子……使えるの?」

 

不満そうに呟くイータ。ハッキリ言って彼女は、天才だ。彼女は魔法の研究も行っておりその過程で「魔道具」を作り出している。

 

魔道具とは、簡単に言えば魔法が込められた道具の総称だ。理論上は全ての魔法を込める事ができる。だが、これはあくまでも理論上の話だ。魔道具を作るのには技術や魔法に対する知識やイメージが必要だ。

 

例えば転移魔法これは、遠くの場所から移動する魔法だ。転移魔法は扱いが難しい魔法だ。

 

先ず、自分がいる地点と移動する為の座標を正確に割り出さないといけない。それだけではなく精密な魔力操作が不可欠となる。故に転移魔法を扱える物は少なく、ガーデンの中でもアルファとイプシロンくらいしか使用する事ができない。

 

しかも、彼女達の場合転移できる人数は一人で複数人で転移は不可能だ。転移魔法は上級魔法に匹敵する魔法だ。

 

そんな魔法を彼女は魔道具に込める事に成功した。予め座標を設定し最大転移人数は三人。しかも安全に転移できる様に結界付き。

 

彼女からすれば並大抵の研究者では、足手纏いだ。

 

「シェリーは強欲の瞳の解析に成功している。まだお前には及ばないが成長すればイータの助手として存分に力を発揮できる」

 

「……ディバルがそこまで言うなら」

 

渋々納得したみたいだ。ディバルはシェリー・バーネットに可能性を感じていた。この歳でアーティファクトの解析を行える彼女に。

 

「あの……イータさんのよろしくお願いします」

 

「先ずは……この魔導書を読んで」

 

イータは大量の魔導書を彼女の前に置く。魔法の基本的な知識を着ける為には必要な事だ。

 

「これを全部ですか?」

 

大量に積まれた本の山を見て戸惑うシェリー。

 

「……知識が必要……話はそれから」

 

魔法には知識が不可欠だ。知識が無いとそもそも魔法を扱えない。使わないにしろ魔道具を作成する為には避けては通らない道だ。そして、基本的な知識を得たらそこからは、応用が必要となる。

 

そこまでたどり着いたら後は技術とイメージが必要となってくる。

 

元々魔法の起源は「願い」。人々が願い思い追い求めた結果その「方法」として生まれたのが「魔法」。

 

願いを叶える為のイメージ。そのイメージを現実に落とし込む。それが魔法の起源であり初まり。魔法には無限の可能性を秘めている。

 

故にその魅力に焼かれ人生の全てを費やし研究に没頭する者も多くいた。

 

「……少しは期待……している」

 

「!!……はい頑張ります」

 

それだけを言い終えてまた眠りについたイータ。何故か俺に身を預けて。

 

「全く……ベットで寝る事を覚えろ」

 

シェリーはイータの助手として働く事が決まった。これは、少し後の話だがこの二人がシャドウガーデンの最大の危機を救う事になるだなんて……この時の俺は思いもしなかった。

 

 






シェリーさんがガーデン入りしました。イータの事を掘り下げたので次は、イプシロン辺りと絡ませたいと思います。
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