そんなヴィランの中の1人の夢。
彼には野望があった。
決めつけられた概念。
それによって生まれる差。
それを変える為に、彼は戦う。
例え、それが悪だと言われても。
これは、とあるヴィランが、常識を変える為に戦う小さな物語。
そう、デカデカと画面を埋め尽くすような鮭の切り身がポトリと落ちた。
シャケに似た姿で、大量のイクラが体から飛び出てている怪人。
それこそ、現在、世間で騒がせている迷惑ヴィラン、鮭怪人である。
ヒーロー社会と呼ばれるこの社会の中、警察の手からも逃れ、ヒーローからの追跡からも逃れる妖怪サーモン。
そんな妖怪サーモンの事件の1つ。
それはとある場所で行われた。
「それじゃ、50個」
『高値でも売れる』と思った商品を店頭などで一気に買い占め、その後は一気に価格をつり上げて、売る転売ヤー。
その転売ヤーは、店で並んでいるゲームを買う為に並んでいた。
「あの、他のお客様も買いますので、必要な分だけ買って貰えないでしょうか」
そう、店員がなんとか転売ヤーを説得しようとするが。
「あぁ、50個必要なんだよ。
文句あるかよぉ」
と、転売ヤーは言う。
そして、転売ヤーはそのままゲームを買おうとした。
その時だった。
転売ヤーの肩を叩く者が居た。
振り向くとそこには鮭を持った怪人が立っていた。
「今俺を見たな? ならば鮭を食え!!!」
「なっ、なんだよ、てめぇ!!」
その怪人は、その手に持った鮭を無理矢理、頬に押しつける。
それは鮭の切り身だった。
食べられるように加工しているのか、そのままでも食べられそうな程、新鮮な鮭だ。
だが、その鮭には無数のイクラがついていた。
鮭を渡された男は困惑した表情を浮かべながら、その鮭を見つめる。
「いや、なんですかこれ?」
そう、困惑しながら尋ねる男に対して鮭を渡してきた怪人は答える。
「これは、鮭だ」
「いや、見ればわかるよ!
なんで、こんなの、俺が買わないといけないんだ!!」
そう、転売ヤーに対して鮭怪人は
「ゲームを50個も買うぐらいだったら、鮭を食え!
というか、ゲームなんて、1個で十分だろ!!
多くても、50個なんて、企業ぐらいだろうがぁ!!」
非常識な塊である鮭怪人の言葉から出たとは思えないような常識的な一言に、その場にいた転売ヤー以外の全員が頷いてしまう。
「というか、鮭なんて、食えるか。
どうせ、マグロやウナギには勝てないのによぉ!」
その言葉に、鮭怪人の怒りを買った。
「だったら、見せてやるよ!
鮭の力を!」
同時に鮭怪人が取り出したのは。
「それは」
「シャケハラス!」
鮭ハラスとは、たっぷりのった脂ととろけるような食感が魅力で、好んで食べている人もいるのではないでしょうか。ハラスといえば鮭と広く知られていますが、実はハラスとはお腹の部分を表す言葉で、魚の部位のひとつを指します』
「今の声はなんだ!」
「気にするな! 天の声だ!
そして、これが、そのシャケハラスを使った料理だ!!」
同時に鮭怪人の目が光る。
「なっなんだ!」
転売ヤーは何が起きたのか、分からず困惑する。
同時に、その横には鮭ハラスがあった。
「うわぁ、なんだこれ、酒!」
「あっ熱い! 、熱っ!」
鮭が焼けたら仕上げにレモン汁をかけて、ざっと絡めて出来上がり』
「ぐぇえぇ!!」
料理を完成させると共に、転売ヤーは、そのまま地面に転がりながら、気絶する。
そうして、ねぎ塩レモン鮭ハラスを作り終えると同時に、鮭怪人は叫ぶ。
「あっ、美味い、酒のつまみにはぴったりかも」
それと共に完成した料理を食べている店員は、思わず呟く。
「むっ、この匂い!
まさか、これはチキン!
すぐに行くぜ!!」
「あっ行っちゃった」
「結局何だったの、あれは」
彼の名は鮭怪人。
突然、現れては、通りかかった人間に対して、鮭を無理矢理勧める迷惑なヴィラン。
個性は鮭であり、それ以外はない。
幻覚を見せたりする事ができないのに、なぜか出来るこの世界でも未だに謎の多い存在。
ただし、魚アレルギーを持つ者には渡さない。
正直に言います。
思わず書いてしまいました。
ドンブラザーズがいよいよ終わるという事で、ドンブラ脳とゼンカイ脳が合わさり、なぜか思い浮かんだサモーン・シャケキスタンチン擬きが主人公の小説。
シリアスだと思って読んだ人、申し訳ございませんでした。
そして、ヒロアカの小説なのに、ヒロアカ要素がほとんどない謎小説で申し訳ございません。
たぶん、続きません。