オヤブン個体のトリトドンとトレーナーの話
随分前になる熟練のトレーナーしか行ってはならないと
言われている湖の畔に卵が落ちていた
可哀想にと思い暖めていた所カラナクシが生まれ
トリトドンまで育て上げたが体が異様に大きい
カラナクシの頃はお腹の上に乗るのが好きだったのだが
今では到底無理な大きさだ
とても人懐っこいトリトドンに成長してくれた
人間に害をなさない程度の力で戯れて来てくれる
とても可愛い気を使うのが上手い相棒
可愛いと言うには大きすぎると気味悪がられても
あいつらにはこの子がとても優しいと話しても分かるまい、
仲間にバトルの仕方が気色悪いと言われ悪評を流され
仕舞いには異常なカラナクシを育ててると言われ
居心地が悪い人里を離れ手持ちのポケモン達と
過ごす事を決めた俺の気持ちが。
この子はずっと傍に居て気を使ってくれる優しい子なのに
トリトドンはこの前のバトルで
同族から【のしかかり】を受けた、ダメージはほぼ無かった
だが悩みであったトレーナーとの関係に光が差したようだ
トレーナーを力ずくで何とか出来ることを理解してしまって【のしかかり】に似たようにすればトレーナーは
自分だけの物になると思っていたが
トレーナーはトリトドンに進化してから
性的に見るようになっていた
元々人間に裏切られ、辺境に来たトレーナー
信頼出来るのは手持ちのポケモン達だけ
その信頼と人間嫌いが恋人に寄せる感情になってしまった、それだけだとトレーナーは自分の中で納得させてしまっていた。
トリトドンは卵から育ててくれたトレーナーに
恋情を抱く前は同族と交尾をしトレーナーの為に
子孫を残すべきだと考えていたが
同族はどうしても成熟してない個体ばかり
居たとして自分と同じ大きさの同族なんて居ない
その孤独感をトレーナーは癒してくれた。
同族を好きになれない、
生命として報われない者同士が慰め合う様に受け入れ
皮肉にも同族がする様に
人間とポケモンそれぞれ違う本能に従い
トレーナーはカラナクシを愛し
カラナクシはトレーナーを愛した
あの巨体で揉まれてトレーナーは圧死し、
トリトドンは死体を食べトレーナーと
一体になることを選んだ。
トリトドンはひっそりと姿を隠し
人間に姿を見せることはなかったが
その後
やたらと人懐っこい通常では考えられない大きな
カラナクシが出ると噂が人里に広まった
遠く離れた熟練のトレーナーしか辿り着けない湖の畔
人々は気味悪がり近ずいてはならないとした
だが、また人間に裏切られ途方に暮れた
熟練のトレーナーが1人湖の畔に向かうといい
消息を絶ち長い時間が経ってしまい
そして噂はこう変わっていた
人を惑わすポケモンが湖の畔に居ると
まだカラナクシの噂は形を変えたものの
消えていないのだった