おとうとはセカイのバグ   作:カタカタタカタ

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死亡フラグを立てまくっているのに、けっきょく死なないヒロインっぽい存在を書きたかった


21.カグツチ3

 

「ご主人さまーお嬢さまー、ただいま帰りましたー!」

 

 

不穏(ふおん)な空気になっていた場に、高い声が届く。

 

 

「――っあっ、ミーコ。おかえりー!」

 

 

ふっ、と尖っていた気配が(ほど)けて、メラは遠くから歩いてくる特徴的な外套――フードに猫の耳の飾りが付いている――へ手を振る。

 

 

目いっぱい手を振る姿は、7歳の女の子。

 

あの御方ではない。

 

 

掻き(やぶ)られて血を流していた首の傷も、見る間に治っていく。

 

心臓を操作する過程で血液に魔力を込めているメラの再生力は、鬼化を習得していない現段階でも高い。

 

 

「ふぅ……」

 

ため息を吐く。

 

知らず、入っていた肩の力が抜けた。

 

もう一度、ふぅ、とため息を吐く。

 

 

(――ダメだな。弟のことといい。どうにも、前世の記憶に引きずられている。最近は、特に……)

 

 

生活に余裕が出てきて、これまで落ち着いて向き合うことが出来なかった記憶を、頭が勝手に整理しようとしているのかもしれない。

 

もしくは逆に、“私”にとってヴェラの存在が思いのほか大きくなっていて、心が乱れているのか。

 

この身体にとっては一歳のときから、人生の大半を共に過ごした相手なのだから、あり得ない話ではない。

 

 

「わっ、どうしたんですか、お嬢さまっ! ウマそうなニオイさせやがって(そんなっ、首からたくさん血がっ)

 

「フスッ、フスッ」

 

 

思わずといった様子で舌なめずりするミーコの後ろにには、雨がっぱを着た茶色の大ねずみ――ビビンバが着いて来ている。

 

 

ビビンバの背中には、縄で縛られくくられたオオトカゲの死体。

 

岩石地域に生息しているやつだ。

 

 

どうやら、川を越えた先の隣の山に行っていたらしい。

 

どちらとも、強くなったものだ。

 

 

「うん? あっ、ミーコは血がごはんだもんねっ。――()めていいよ?」

 

「マジで?! いいんですか!」

 

「舐めるだけね?」

 

「わー☆ いただきまーすっ!」

 

 

「仲がいいな、相変わらず」

 

「フス?」

 

 

それまでまともな名前がなかった黒猫の獣人に、ミーコという名前を付けたのはメラだ。

 

 

だからなのか、メラとミーコはとても仲がいい。

 

よく二人で何かしている姿を見る。

 

ミーコの態度には多分に打算が含まれているのだろうが、おそらく、それだけではない。

 

本人に自覚があるのかはわからないが。

 

 

「れろ、れろ、れろ」

 

「んゅ」

 

 

「私たちは先に帰るか」

 

「フスッ」

 

 

ミーコがメラ首筋に残った血を舐めとる様に背を向ける。

 

 

二人はそっとしておこう。

 

そのうち、帰って来るだろう。

 

 

とりあえず帰ったら、身体を洗うことにしよう。

昨夜からいまにかけて、戦いで溜まった汚れを落としたい。

 

 

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

 

 

「ミーコ、お母さん死ぬって。ほんとに死ぬの?」

 

 

いたずらに高原を荒らさないように、作られた石の舞台の上。

 

 

片や夏の暑さの中で外套を着込む黒猫の少女、片や袖がないワンピースを羽織る黒髪の少女。

 

二人、座って向き合った状態で、つないだ両手をぶらぶら揺らしながら、会話をしていた。

 

 

「さぁ~……どうでしょう。ご主人さまは~?」

 

「どうにかするって。――でも、できないかもって」

 

「あぁ~……ついに、やるのですね~」

 

 

黒髪の少女――メラが口にした『どうにかする』方法に、心当たりがあった黒猫の少女――ミーコはそれを思い浮かべる。

 

 

(――いくら自力で鬼化できないからって、鬼の血を飲ませて直接鬼化させるなんて、それこそムリだろ)

 

 

それをやるくらいならば、もっと別の空想じみた方法。

世に伝わるおとぎ話のような手段を探したほうが、まだ可能性がある。

 

と、他でもないクレア本人が先送りにし続けた方法だ。

 

 

「ミーコはお姉ちゃんがなにするのか、知ってるの?」

 

「はい。話を聞いただけですけど……」

 

 

ミーコは、クレアが鬼について調べるために様々な検査や検証の対象にされた、被検体であり実験体だ。

 

 

そのとき、鬼の血を他者に摂取させ、直接その対象を変質させることで、鬼化させることができる可能性を口にしていた。

 

 

他にも、血液(ごはん)をもらいに部屋を訪れたときなどに、独り言を漏らしていることがある。

 

そのとき、ミーコが(たず)ねれば、隠してもいずれ気が付くだろうと判断して、内容を聞かせてくれるのだ。

 

――眷族を作るなら責任は取れよ、眷族の罪は主が負うことになるぞ、と(くぎ)を刺されて。

 

 

「お母さん、たすかる?」

 

たぶん(さぁ~)そのまま死ぬよな、理論上?(ワタシにはなんとも……)

 

「やだっ! お母さん、死んじゃやだっ!」

 

「あっヤベッ」

 

もっとも言葉に気を付ける場面で、ミーコの悪癖(あくへき)が発動した。

 

本音と建前を言い間違えて、本当のことを言ってしまった。

 

つないだ手を放したメラに、肩を(つか)まれて、前へ後ろへ揺さぶられる。

 

 

「お母さん、死ぬのやだよっ! やだ! どうすればいいの?! ねぇ、どうすればいいの、ミーコ!」

 

「ヤ、まだ死ぬって、決まったワケじゃないですよ~。

――そりゃー、魔力を練り込んだ血を根幹(こんかん)にしている鬼に、魔力精製できない奥さまが、なれるワケないですケド」

 

「血? 鬼?」

 

「ヤベッ」

 

 

メラも鬼の存在は知っている。

 

血液操作の技術を(みが)いているメラは、なりたいならいつかなれるようになる、と。

その素質はある、と。

 

言われていた。

 

 

しかし、いまの練度では、鬼になるとなかなか人間に戻れなくなる。

 

そのため、あと数年間はなってはならない、と止められていた。

 

 

「鬼になれれば、お母さん死なないの?」

 

「ア~、でもそれは、ほぼ不可能っていうか、机上空論ですらないカケっていうか~……ネ?」

 

 

対象に、主の血を飲ませて、直接身体を操作し、変質させれば鬼になる。

 

しかし、それはあくまで鬼になる手助けをするだけ。

鬼になったあと、その鬼の身体を維持(いじ)するのは、鬼にされた対象自身なのだ。

 

魔力を練り込ませた血――鬼の血ともいうべきものを命の根幹に()えている鬼は、自らで鬼の血をつくり出し鬼の身体を維持しなければならない。

 

 

だが、いま会話の主題となっているヴェラは、自力で魔力が精製できない体質である。

 

自力で魔力が精製できないヴェラに、血と魔力が必要な鬼の血をつくり出すことは不可能であり、ゆえに理論上、ヴェラは鬼になることができないのだ。

 

 

「え~と、え~と、そうだっ。ヒトとして生きてヒトとして死ぬのも選択のひと――」

 

「ミーコ」

 

威圧感。

 

それは天性のものか、十に満たない幼子が発するには不相応(ふそうおう)な焼け焦がすような威圧感。

 

 

常人なら少し浴びるだけでくずおれるほどのそれが、メラから全方位に放たれていた。

 

 

「はい」

 

「 お し え て 」

 

 

元来、臆病(おくびょう)な気質のミーコは、正面から詰め()られるのが苦手だった。

 

 

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

 

 

浴室で水浴びを済ませると、ヴェラの部屋へ足を運んだ。

 

 

個人の私室の中では一番、居間に近い。

 

 

扉を開けると、ヴェラはベッドの上で上半身を起き上がらせて、いつものように縫いものをしていた。

 

 

「悪魔さん、お帰りなさいっす」

 

「もう、大丈夫なのか?」

 

「まぁまぁ大丈夫じゃねぇっすねぇ。縫いものくらいしかできねぇっす」

 

「休みは取れよ?」

 

「言われなくても、疲れたら寝てるっすよー。趣味で寿命、縮める気はないんでー」

 

 

木製の戸を開けて、部屋に風を通す。

 

 

吹き込む夏風に涼しげに目を細めた。

 

 

風に消されたロウソクの煙が、高い位置にある採光(さいこう)(まど)から抜けていく。

 

 

「ヴェラ、お前は……生きたいか?」

 

「悪魔さん? なんすか、いきなり?」

 

「日に日に、体力は落ちている、体も動かなくなっている。――死が見えるだろう」

 

「そりゃあ、そーでしょーけど……はっきり言われると、クルものがあるっすねぇ」

 

あっはっはっ、と軽く笑う。

 

自分でも、なるべく深く考えないようにしているらしい。

 

 

「例えばひとを辞めてでも、生きたいと思うか?」

 

「ひとを……? あぁ、悪魔さんたちがやってた鬼になるってやつっすか……? あれは、あたしには、どうやってもできなかったんすけど……」

 

 

ヴェラの言うとおり、魔力が自力で精製できない体質を改善する可能性に()けて、鬼化の習得を試みたことがあった。

 

魔力の操作能力は明らかに必要水準を超えていたので、あとは魔力と血液を練り、身体を変質させれば鬼化が可能なのではないかと期待した。

 

 

結果は、失敗。

 

ヴェラはどうやっても、魔力と血液を練ることができなかった。

 

本人の所感と傍から見た感想から、何が起こっているのか推測するなら、魔力と血液が反発している。

 

私やベアトリクス、メラやミーコでも起こらなかった現象で、魔力と血液が水と油のように()け合わない関係になっていた。

 

 

検証してわかったことは、おそらく他人の魔力と自分の計画を練り合わせることはできない、ということだった。

 

 

「たしかに、自力での鬼化は成せなかった。が、鬼化には別の方法がある」

 

「別の方法? 別の名前じゃなくて? そんな都合のいいこと、あるんすか?」

 

「ある。都合はよくないが、可能性としてだ……」

 

「可能性ぃ?」

 

 

胡散(うさん)(くさ)げに首を傾げるヴェラ。

 

実際、これからする話は、上手く行くとは自分でも思えないようなことなので、その反応は間違っていない。

 

 

(――間違っていないが、なぜか腹が立つ表情だな……)

 

 

話を続ける。

 

 

「先に言っておくと、上手く行かない確率が高い。ただ、活路があるとすればそれしかないというのが、色々と探しまわった結論だ」

 

「治療法が見つからなかった、ってことっすね?」

 

「端的に言えば。

正確には、資料に存在が記されているだけの、古代のアーティファクトや幻の秘薬にも可能性があった。が、手に入れられる見込みがな……」

 

甲斐(かい)(しょう)が足らんかった、ってことっすね」

 

 

(――死ぬまえに、一回くらい殴っていいのでは?)

 

 

「……とにかく、この方法で鬼化を試みれば、生きれる可能性は皆無(かいむ)ではない。失敗すれば死ぬ。

――どうする?」

 

「ん~~」

 

 

私の問いに、ヴェラは窓の外をしばらく眺めた。

 

そして、一つ、(うなず)いた。

 

 

「じゃあ、死にますよ、あたし」

 

 

意外な言葉だった。

 

私がこれまで(せっ)して来た、私が知るヴェラなら、何がなんでも生きのびようとすると思っていたからだ。

 

可能性がどれだけ少なかろうとも。

 

 

(――偽物……? いや、気配もにおいも動きも、ヴェラだ……)

 

 

「意外そうっすねぇ、悪魔さん。――あたしも意外っすよ」

 

「なぜ?」

 

「なぜって訊かれても、わかんないっす。困るっす。

なんかわからんけど、最近になって、もう死んでもいいんじゃないかな、って思うようになったんすよ」

 

 

ヴェラの、娘のメラにも引き継がれた橙の瞳と目が合う。

 

とても澄んだ、これまでで一番透き通った瞳だった。

 

 

(――あぁ、この目は……。本当に昨日今日で、前世を思い起こす出来事が多すぎる……)

 

 

「悪い気分じゃないのに、もう死んでもいいって思う。こんなこと、初めてっす。

じゃあ、この機会を逃す手はないじゃないっすか。

 

――この機会を逃したら、もとの死にたくないあたしに戻るじゃないっすか。

 

――そーすると、この先ずっと、死んでもいいって思えるタイミングが来なくなるかもしれないっす。

 

――それで、最期(さいご)には、死にたくない死にたくないって、泣きながら死ぬことになるんすよ。

 

――じゃあ、気が変わらないうちに死んどいたほうがいいじゃないっすか」

 

 

「………………」

 

 

「だから、死にますよ、あたし」

 

 

ふぅ、と言いたいことを全部吐き出し終えたように、満足げに息を吐くヴェラ。

 

 

「そうか……」

 

と、声に出すしか私にはできなかった。

 

 

 

そこに、

 

「お母さん!」

 

 

突然、部屋のドアが開けられて、なぜか猫耳を生やしたメラが飛び込んで来た。

 

 

猫耳は黒い色で、毛並みが少し荒い。

 

 

(――あの毛並みは、ミーコの耳……?)

 

 

 

飛び込んで来た勢いそのままに、ヴェラに(つか)みかかるメラ。

 

ベッドの上のヴェラはギョッとして――いや、「かわわわ」と口から聞こえる――メラの猫耳に目が行って外せなくなっているようだ。

 

 

ヴェラが実の娘に魅了(みりょう)されている間にも、私がなぜメラにミーコの耳が生えているのか首を傾げている間にも、事態は進行する。

 

 

(――ん? メラのにおいがしない。同じ部屋にいるのに……まるで、ミーコのように……?)

 

 

「生きて!」

 

「んんん?!」

 

 

掴みかかったヴェラの身体を押し倒し、その口に(くちびる)を重ねるメラ。

 

なんのつもりか、動揺するヴェラ。

 

 

「?! まずい! ヴェラ、吐き出せ!」

 

「んんん?!」

 

 

()()が、メラの口からヴェラの口内に入ってようやく、気が付いた。

 

 

(――血のにおいっ!)

 

 

においから、その血はメラの血だ。

 

それは確実だけれども、これまでのメラの血とは決定的に異なる異質な魔力が血に流れているのを感じる。

 

ミーコと同じ、私が鬼化したときと同じ、ベアトリクスが鬼化したときと同じ。

異質な魔力。

 

 

(――つまり、いまのメラは鬼化しているっ!)

 

 

ボォッと、炎が上がった。

 

それはベッドの上から、ヴェラがいた場所から上がった。

 

 

ボォッ、ボォッ、ボォォオッと、執拗(しつよう)に燃やし尽くす。

 

普通とは違う、橙色一色の明るすぎる炎。

 

 

メラは炎が上がったときに発生した風に吹き飛ばれされて、転がった壁際の床から呆然(ぼうぜん)とその光景を見ていた。

 

 

永遠にも思える、たったの数秒。

 

橙の炎はヴェラのベッドの上で燃え続けた。

 

 

そして、そのあとには、

 

 

「お母さん……?」

 

 

ベッドの上には、黒い炭のかたまりがあって、さっきまであったヴェラの姿はそこにはない。

 

 

橙色の炎、流しこまれた血、鬼化しているメラ。

 

すなわち、これは、

 

 

「血鬼術か……」

 

 

メラが発現させた血鬼術なのだろう。

 

 

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

 

 

「お母さん……? お母さん……、おかあさーん!」

 

 

炭のかたまりに、あるいは、部屋のどこかにいるかもしれないヴェラに呼びかける声。

 

 

だんだんと悲痛なものになっていく。

 

 

そんなメラに生えた猫の耳がぐにゃん、とつぶれて、団子になってメラから外れる。

 

ワンピースの内側、尻のあたりからも猫のしっぽのようなものが落ちてきて、さっきの団子と合流した、

 

 

そして、メラのにおいが(あら)わになった。

 

そのにおいはもう人間のものではない。

 

魔力も異質なものであり、血の流れ方も異常である。

 

 

「鬼になったのか……」

 

 

メラから外れた黒い団子がぐにゃんと変形して、一度、猫の形になった。

そして、またぐにゃんと変形し、人の形をとる。

 

それは、黒猫の耳としっぽの獣人――ミーコだった。

 

 

「血鬼術 化け猫モード・融合形態、解除……っと。ハァ、マジか……」

 

「お前が鬼にしたのか……?」

 

 

もう、大方の種は割れた。

 

ミーコは、彼女は彼女なりに鍛練なり経験なりを積んで、力を磨いていたらしい。

 

血鬼術を、自分だけでなく他者に(ほどこ)す技を編み出していた、ということのようだ。

 

 

「成り方を教えたのはワタシデス……。眷族化したわけじゃないですヨ? お嬢さまは自力で鬼になりました。

それで、奥さまの鬼化に協力することになって。ご主人さまがためらうようなら自分がって……。

まさか、こんなことになるナンテ……」

 

「そうか……」

 

「冷静デスネー、ご主人さま。ワタシの見立てではもっと動揺すると思ってました」

 

「いや、動揺している……。同時に納得の気持ちが大きい……」

 

「なっとく?」

 

 

「メラの心臓はヴェラのものだったのか……と。

あぁ、そういえば――

 

――前世でも、こんな鬼がいたな――

 

と」

 

 

(――たしか、妓夫(ぎゅう)太郎(たろう)堕姫(だき)だったか……)

 

 

「ぅぁあああ!! ぁああああ! ママぁーー!!」

 

「なんすかー?」

 

 

「ん?」

 

「ママぁあぁ――ん?」

 

 

ビリッ、とメラの服が破れた。

 

ぺちゃ、と床に落ちたのは肉塊、脈打つそれは心臓の形をしていた。

 

メラの身体から、服を破いて心臓が飛び出てきたのだ。

 

 

「?!!」

 

「?!!」

 

 

心臓からは血が流れ出て、この血は床に広がらずに、糸のように編み込まれていった。

 

さっきのミーコと似た光景。

 

編まれた血は、やがてひとの形をとる。

 

 

グー、パー、と手を開閉するそれはさっき燃え尽きたはずのヴェラ。

 

その身は鬼の気配を放っているが、たしかにヴェラのものだった。

 

 

「ママ?」

 

メラがおそるおそる声をかける。

 

 

「なんすか、メラ」

 

ヴェラはそれに(やわら)らかく応えた。

 

 

「ママぁ! ぁああああ!!」

 

 

気持ちがあふれ出したメラが、その胸に飛び込んだ。

 





〇オリ血鬼術紹介

・血鬼術 熾火(しか)贈火(ぞうか)
……メラが発現した血鬼術。
自分の魔力を練った血液を材料にして、他者の魔力もしくは血液に着火する。
一度、これで火を着けられると、高密度の魔力で消火するか魔力を練った血液で隔離するなどの対処を取らない限り、炭になるまで燃え続ける。
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