誤字報告ありがとうございます。
助かります。
短い。でも、これが書きたかった
「四分の一の効果、ねぇ……」
ミドガル王国王都の夜。
とあるホテルの一室。
「不自然ここに
少年が腰掛ける椅子は窓際に置かれ、月光が差しこむ。
ベッドの上には少しまえまで生きていた、何かの残骸。
「不老不死を手に入れた私たちは、魔人の力を求めて来た。ならば、魔人の力が得られたならば、その次に求めるのは――さらなる力だ」
少年は椅子から立ち上がる。
「普通の人間より悪魔憑き、悪魔憑きより同じ鬼。食えば食うほど、鬼は強くなる。――ラウンズの中に、鬼になったやつが何人いるのだか」
部屋の
「決別のときは近い、か」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
人間、特に貴人の治療を行うために、運営されている
庭に
男の包帯が巻かれた両腕の先は、不自然に短い。
男の右脚があるべき場所には、ズボンの布がひらひらと揺れるのみ。
首も頭も包帯まみれで、わずかにのぞく肌の色は悪い。
樹木を見上げる男の目は
男は死にかけだった。
身体も、心も。
奇跡的に生きているだけで、いまにも死にそうだった。
男の名はオルバ。
ある日、妻を失い、
ある日、娘を失い、
ある日、未来を失った、
このミドガル王国の貴族である。
「あ……」
半開きの口から声が漏れる。
ぼーっとしているとふいに思い出す、
突然、化けものになり、暴走し、自分を負かして血肉を
虚ろな目から涙がこぼれた。
流れた涙はすぐに包帯に吸われ、姿を消す。
そんなオルバに近付く者がいた。
「――どうやら、私は長く生き過ぎたらしい。そのせいで、遺伝子が
オルバに近付く少年が喋り始めるが、オルバは反応しない。
風に揺れる樹木のほうが大事とばかりに、目を向けさえしない。
「鬼になってから、太陽の下に出られなくなってしまった。
オルバの無反応を少年は気にしない。
独白するがごとく、語り続ける。
「だが、希望はある。血にね、記憶が宿るんだ、鬼になると。――
少年の腕が形を変える。
そこでようやく、オルバはピクリと少年に目を
「ただの依り代ではダメだ。私の存在が大きすぎて、食らい
ついにオルバにたどり着いた少年に、オルバは反射的に構える。
しかし、オルバが構えた両腕には剣はなく、手もなく、魔力は
少年の剣の形の腕が、オルバの頭を正面から向こう側へ
「さて、お前は、与えられるこの血の量に耐えられるかな?」
「もう、どうでもいい、すべて、が……」
いざ、殺されてしまえば、オルバは簡単に命を手放せた。
生きていてもいいことはない、生きていたいわけではない。
なら、死んでいいではないか。
オルバの心には、
「報告では、お前の娘は大そう丈夫で、鬼になってすぐ術を発現した
「ぁ……ミリ、ア……」
少年の言葉に、力なく
「そうすれば、真祖教のやつらに回収されることも、なかっただろうに。まったく」
回収
『ミドガルの悪鬼』鬼化