キングが胃薬を飲むだけ(飲めるとは言っていない)

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※pixivに投稿してたヤツを承認欲求のおもむくがままにこっちにも上げました。


第1話

午前10時

朝と呼ぶには遅く、昼と呼ぼうにもまだ早い時間に、ベットの中で携帯端末の画面を眺めていた男が、腹に手を当てたままようやく起き上がる。

 

(痛ってぇ……)

 

胃のあたりをさすりながら、男──“キング”はしばらくぶりのキリキリとした痛みに顔をしかめる。

 

『腹痛』

 

思い返せばヒーロー協会から招待状を押し付けられてもう一年あまり。最初の頃は酷いなんて言葉で言い表せるものじゃなかった。

 

襲いかかる勘違いの数々。

 

否定しても謙虚だと相手にされず。

 

自分より圧倒的に強いヒーロー達からの畏敬の眼差し。

 

もし嘘が暴かれたらどうなるかなど自明の理。

 

今でこそまともに生活できるようになったものの当時は後悔と腹痛で眠れず、飯も喉を通らなくて中身のない嘔吐を繰り返す日々が続いた。

 

昔を思い起こしながらよくここまで持ち直したものだとつくづく思う。慣れは良くも悪くも恐ろしいものだ。

 

 

再度、協会から配布された端末を見つめる。

そこにはS級の定例招集会のが今日であると示している。何度見直しても日付は変わってくれない。

 

 

2ヶ月程の頻度で行われる原則参加の招集会をキングは適当な理由をつけて不参加を貫いてきた。

最後に行ったのは他のS級達との顔合わせのときで、もう半年以上も前になる。

 

半分集まれば珍しいと言われるほどに参加者が少ないこの集まりを、今回も日時が設定された後に今までと同じような理由をつけて不参加にするはずだった。

 

しかしその時、先に協会から「そろそろ出たほうが良いですよ」という趣旨の電話がかかり、その際に了承してしまい、引くに引けずに今に至る。

 

 

家にある適当なもので飢えを満たした後。胃薬を飲もうと棚の中を漁るも、今日という日に限って切らしていることに気づく。

 

いつもと比べれば些細なものだが不幸は不幸。

ため息をつきながら時間を確認すれば、移動時間を差し引けばもうそんなに残っていない。

 

胃薬は道すがらに買うことにして、財布一つだけを持ってキングは家を出た。

 

 

(帰ったら録画した『キスキスキューティみゅうみゅう』ちゃんでも見よう……………録画したよな?)

 

そして家に引き返す。キングはキングだった。

 

────────────────────────

(キングさん……一体どうしたんだろう)

 

会議が終わった後、S級ヒーロー“童帝”は真っ先に帰っていった彼のことを考える。

 

 

今回の参加者は自身を含め、シルバーファング、クロビカリ、フラッシュ、ゾンビマン、タンクトップマスター、そしてキングの8名で始まった。

いない人達は任務中だったり一身上の都合だったり服役中だったりする。

 

殆ど会議に現れない彼が少し遅れて会議室に入って来た時には内心珍しいと感じたが、何より驚いたのがその表情である。

いつも以上に険しく張り詰めた顔をし、額には汗までうかべていたことに童帝を含めたS級ヒーロー達は不安を覚えた。

 

そして会議の途中、一切発言のなかった彼がついに手を上げた。

全員がようやくその理由が知れるかと身構えたとき、

キングは「なんでもない、忘れてくれ」と取り止めてしまう。

結局、彼が内容を話すことはなかった。

 

 

(何かやらなければならないことでもあったんだろうか…でもだったらいつものように会議よりもそっちを優先するはず。……ボク達に伝えたるために会議に参加した?じゃあなぜ即断即決のキングさんがここまで来て言うのを迷ったりしたんだろう…)

 

「ねぇゾンビマンさん。キングさんは何を言おうとしたんでしょうか。」

 

彼がいた席を見つめながら、童帝はいくらか気心の知れた仲であるゾンビマンに問いを投げかける。

 

「キングのことだ、自分一人で対処できると考え直したのかもしれん。……もっとも、それが何なのかはわからないが。」

 

童帝と同じくキングの様子を気にかけていたゾンビマンは、恐らく争いごとに関するものだろうと考える。

 

「あんたも何か聞いてないのか?」

 

ゾンビマンは議長席に座る協会幹部、セキンガルに小耳に挟んだことはないかと話を振るが。

 

「いや、あいにくキング関連で特にこれと言った話はないな。…強いて言えば彼は日程が決まったときから参加するつもりだったそうだ。」

 

原則参加などど銘打っていはいるが、大体は──律儀に毎回参加する極少数とどの集まりにも来ない奴らを除くと──話したい内容があるもの達が参加している。

 

日程が決定したときにキングが参加の意向を示したのも、話すべきことがあったからなのだろうが、セキンガルもその内容は知らないらしい。

 

「あのキングさんが俺たちの助けを考えるほどの問題か…。」

 

童帝とゾンビマンの会話を聞いて、超合金クロビカリは手を顎に当てて呟く。

 

 

キングがS級の中でも一二を争う実力者あることを疑うものはいない。

己の力に絶対の自信を持つS級ヒーロー本人達でさえ、彼の実力は『(キング)』の名を冠するに足るものだと一目置いている。

 

 

だからこそ気になるのだ、あのキングがここまで苦慮するような問題とは何なのか。

 

あの時彼は何を言おうとしたのか。

 

そしてなぜ彼は言わなかったのか。

 

それぞれが考えを巡らすが答えは出ない。

 

 

「キングが話さない限り俺達にはどうにもできん。」

 

フラッシュがそう言って席を立つ。

彼自身気になってはいるのだが、キングが話すことではないと判断した以上、こちらから首を突っ込むような真似は不要だと考える。

 

そこにはキングの実力を知っているが故の信頼が見て取れた。

 

 

そう言って帰ったフラッシュに、残りのS級も帰り支度を始める。

 

フラッシュの言うとおり、いくら気になっても彼が話してくれない限り答えは出ないし、寡黙な彼が聞いたところで話してはもらえないだろう。

 

「じゃあまたな、童帝。」

 

「あ、お疲れさまでした。」

 

ゾンビマンも童帝に別れを告げ、もう会議室には童帝しかいない。

 

(このまま考え続けても仕方ない。)

 

ランドセルを背負い直し、童帝も帰路に着く。

 

 

(…一回トイレ済ませとこうかな。)

 

────────────────────────

「はあっ……はぁ…耐えきった…。」

 

 

会議室から最寄りのトイレ。キングは自分以外に誰もいないことを確認すると、洗面台に寄りかかり、深く息をついた。

 

(ギリギリに着いたせいで薬飲む暇もなく案内されて…痛くて死ぬかと思った…。)

 

途中、痛みに耐えきれずトイレに行こうと手を上げた。

 

しかし会議の最中にトイレに行くなんてS級ヒーローの沽券に関わる。

ましてや自分は『キング』である。

 

腹痛いから胃薬飲みに行くなんてバカ正直に言えるわけがないし、代わりの言い訳なんてあの状態で思いつけるわけない。

逆にキングに相応しいトイレに行く理由ってなんだよ。

 

そんなわけで彼は断腸の思いで腹痛よりもキングとしての矜持を取り、ヒーローキングの名誉を守り抜いたのだった。

 

余談だが彼が帰ると見せかけてトイレに行こうとした場合、職員に出口まで送られて地獄を見るはめになる。

 

 

息を整え、背すじを伸ばして顔を上げる。

 

そしてポケットから胃薬の箱と飲む用の水を取り出す。

もう山は越えたがまだ腹は痛いし、自分一人なので薬を持ってるのに腹痛を我慢する必要もない。

 

包装シートから錠剤を取り出し、水と一緒に飲み込み…

 

 

「…キングさん?」

 

「ブフォッ!!(ファッ!?)」

 

そのまま思いっきり噴き出した。きったねぇ!

───────────────────────────

トイレのドアを開けた童帝は、目の前の光景を信じられないでいた。

 

「…キングさん?」

 

ほぼ無意識のうちに名前が口から出る。

 

目の前の男───“キング”はまるで今まで気が付かなかったかの様子で、薬と共に口に含んだ水を噴き出し、激しく咳き込む。

 

「ど、童帝くん!?」

 

キングが口に手を当て、狼狽えながら彼は振り返って自分に目を向ける。

 

 

これまでの数秒の間、童帝は始終呆然としていた。

 

 

信じられなかった

 

これは幻なんじゃないかと思った

 

現実であると認められなかった

 

『あのキングが名前を呼ぶまで自分に気づかず』

『あのキングがなにかの薬を服用していた』

 

今目の前で行われた()()が信じられなかった。

 

 

「どうかしたのか。(不味い!胃薬見られたか!?)」

 

キングからの質問に我に返る。

その言葉にとりあえず会話を繋げなければと思い巡らすが、結局ありきたりな返事しか返せなかった。

 

「あ、えっと、ちょっとトイレに…。」

 

「そうか(セーフ!)」

 

そう言って彼は小さな箱──体が邪魔でよく見えなかったがおそらく薬が入っているのだろう──を素早くポケットにしまうと、トイレから出ていこうと動く。

 

 

行かせちゃいけない

 

 

熟考した結果の結論でも、知的好奇心でもない。

まさしく直感と呼べるものが童帝の体を突き動かした。

 

気がつくとキングと出口の間に童帝は立っていた。

 

キング()の前に、立ちはだかっていた。

 

 

「…っ!(なんて威圧感だ……‼)」

 

「………。(…セーフ?セーフだよな?え?)」

 

キングは童帝を見るだけで何も言わない。

しかし彼から響くキングエンジンが『退け』と雄弁に語りかけているかのように童帝を威圧する。

 

何十メートルも上から見下されているかのような錯覚を起こし、目眩がしてくる。

 

まるで海底にいるかのような息苦しさを感じ、呼吸が早く、浅くなる。

 

 

だがそれでも童帝も退く気はなかった。

どうしても聞かなければならないことがある。

 

 

「…キングさん。会議のときあなたは何を言おうとしてたんですか?」

 

「………。(アウトォォォォ!!!)」

 

のしかかる重圧に耐えながらも、キングの目を見据え、童帝はあのとき切り上げられた発言の内容を尋ねた。

 

 

キングがS級達に打ち明けることを考える程のナニカ。

普段は全く来ない定例会の場にわざわざ訪れたのは、おそらくソレを話すためだったのだろう。

 

それにセキンガルが言っていた。キングは日程が決まったときから参加をするつもりだったと。

そして参加したにも関わらず彼は躊躇い、結果何も言わなかった。

 

つまりキングは、

少なくとも日程が決まった日から今日まで、およそ一ヶ月以上も前から内容を話そうかと悩み続けたことになる。

 

キングがそれほどまでに苦悩するモノは、おそらく自分が考えているよりも遥かに深刻で重大なのだろう。

 

フラッシュの言うとおり、キングが話さないと判断した以上、自分がこうして出歯亀するのはただの迷惑なのかもしれない。

 

でも、同じ命をかけて戦うヒーローが悩みを抱えているのならば、力になりたいのだ。それがたとえ微力だったとしても。

 

 

「………。(キングさん……ごめんなさい。あなたは話さないと決めていたのにしつこく聞いてしまって…。)」

 

「………。(やべぇ……やべぇよ…! 早く…早くそれっぽい言い訳言わないと!考えるんだキング!…………全っ然思いつかねぇ!!)」

 

ピリピリした沈黙が場を満たす。お互いがお互いの瞳を見つめる。

 

最初に動いたのは───キングだった。

 

「なんでもない。もう終わったことだ。(だから、な、もう行かせてくれよ、ね、頼むから!)」

 

そう童帝に告げたキングは、童帝を避けて前に一歩進み、この話し合いから逃れようとドアに向かう。

 

「キングさん!待ってくださいっ!」

 

童帝は慌ててキング行く手を阻む。

 

「キングさん。あなたが何を悩んでいるのかは僕にはわかりません。僕達じゃ力不足なのかもしれない。でも、一人で抱えているより良いと思うんです。…仲間じゃないですか。」

 

「………。(詰んだよぉぉぉ!!もう逃げられないしこんな子供に純粋に心配されたら………………ん?……子供?………………………それだ!!!)」

 

この説得が最後だ。これがあしらわれたらもう童帝にはなにもできない。それに、彼はきっと話してはくれないだろう。

 

そう落胆して俯いた少年を見ながら、キングは切り出した。

 

「童帝、君の気遣いはありがたいが、安心してほしい。私は至って大丈夫だ。」

 

「…はい。」

 

「あのとき私が言おうとした問題は個人的もので、既に片は付いている。君が心配するようなことは何一つない。」

 

「…童帝。歳を取ると様々な問題が生じてくる。いくら頭脳明晰でも君は子供と呼んでも差し支えない程に若い、この問題は大人である私が処理すべき問題なんだ。」

 

「…っ!」

 

童帝がヒーローの道を目指す上で、もっとも難儀した壁は『大人』であった。

 

子供がヒーローを志すのは良い事だと大人は言う。

だがヒーローになれるだけの十分な能力と覚悟を持ち。

そしてヒーローになろうと行動すると話は変わってくる

 

常人とは比較にすらならない頭脳

 

頭脳派でありながらA級ヒーローに匹敵する身体能力

 

そして優れた人格者でもある

 

ヒーローとしての資質を十二分に持つ彼に唯一足りないもの、それは『時間』であった。

 

若すぎるのだ。いや、幼すぎると言ってもいい。

 

ヒーロー協会に参加した当時9才、誰もが少年の天才的な頭脳を認めても、子供だから、幼すぎるから等と言う『正論』で童帝を止めようとする大人は後を絶たなかった、その声はS級になり実力を示した今でも消えることはない。

善意で道を阻む者、悪意を持って利用しようとする者。

それらを説得し、または打ち倒して童帝はヒーローになった。

 

 

S級の中で最も『ヒーローになる』ことに苦労した者と言えるだろう。

 

故に童帝は子供扱いを嫌う。

それが相手が尊敬するヒーロー『キング』からのものならその心境は筆舌に尽くしがたいものだろう。

 

「………。(やっぱり童帝くん相手に子供だからダメってのはキツいかな、本人も気にしてそうだし……なんかいい感じのフォロー言って逃げよ。)」

 

膝を付き、手を童帝の方に乗せて、キングは子供に言い聞かせる様に──事実子供だが──話し始めた。

 

「童帝、時が経てば君は大人に、俺達は老人になる。君は素晴らしいヒーローだ、そして将来もっと素晴らしいヒーローになって新しい世代の先頭に立つだろう。だからこそ、今大人である俺達は未来に、君達に禍根を残してはいけないんだ。(もう自分でも何言ってるのか分かんなくなってきた…まぁ雰囲気でごまかせ。)」

 

そして忠言は終わり

 

「確かにあのとき君や他のS級に打ち明ける選択肢はあったし、話した方がより良い結果になったかもしれない。しかしそれをしなかった……これは私のエゴだ、許してほしい。(もう良いかな?漫画の受け売りとか言ったら元ネタ言い当てられそうだし…さっさと逃げるか。)」

 

懺悔を言い残してキングは去っていった。

───────────────────────────

残された童帝は一人、床を見つめたまま何もしない。キングの言葉をゆっくりと、理解しようとしていた。

 

……その頭脳は既に答えを導き出しているだろうに。

心を納得させるために何回も何回も解けた計算を繰り返す。何回も何回も同じ答えを反芻する。

 

(キングさん……あなたは…もう……。)

 

S級ヒーロー『キング』

 

そう呼ばれる前に彼が何と言う名で、何をしていたのかは誰も知らない。

少なくとも今と同じように正義を背負い、戦いに明け暮れていたことだけは確かだろう。

 

自分が産まれる前から巨悪に立ち向かい、それを誰にも誇らずに人々の『当たり前の日常』を護り続けた本物のヒーロー。

 

彼は自分の質問に答えてはくれなかった。

ただ、ヒントをくれた。答えに辿り着けるように。

 

(僕が、真実に辿り着けるように……。)

 

………『点』はいくらでもあった。繋げずとも『線』が浮かび上がるほどに。

 

 

知りたくなかった

 

時を巻き戻せたらどれだけ良かったか

 

何より

 

仲間の為とのたまいながら彼が閉ざした扉をむりやり開けようとした自分が許せなかった。

 

 

顔を上げ、鏡に映る自分の顔から彼が最初の位置にいた洗面台に視線を移す。

 

近づいて中を覗くと、排水溝の縁に何かがある。

白く小さく、濡れて形が崩れてはいるが『ソレ』が何なのかは十分にわかった。

 

(僕が見たとき、キングさんはこれを、この薬を吐き出していた。)

 

なぜ薬を吐き出したのか、まさか自分が声をかけた拍子に驚いて噴き出したなんて理由じゃないだろう。

 

(吐き出したんじゃない…………()()()()()()()()んだ…………薬もまともに飲めない程に弱っていたんだ……………!)

 

 

それは、キングが最も隠したかったであろう真実。

それは、童帝が最も受け入れられなかった正解。

 

力には相応の対価が求められる

 

人知を超えた超能力を持つ少女は成長を

 

鉄の肉体を持った青年は家族と己の身体を

 

圧倒的な力を得たヒーローは燃える心と毛髪を

 

その『力』を手に入れるまでに費やした努力と時間も、十分に対価と呼べるものだろう。

 

 

無敵のヒーロー(キング)が支払った対価は『命』だった。

 

『キングエンジン』

 

心音が響きわたるほどに心臓を激しく拍動させ身体能力を上昇させるキングの戦闘体型、あれを常人が真似しよう者なら十秒と経たないうちに心臓が爆ぜ体中の血管が裂ける荒業。

 

並外れた肉体を持ち、なおかつ身体操作に長けた気功術の達人でもあるキングだからこそできる芸当だと童帝は今まで考えていた。

 

だが実際はどうだ。

 

あの技は彼ですら扱いきれぬ諸刃の剣だったのだ。

 

外側は傷1つない様でも内側はもう既に限界を迎えていて、そして内部の崩壊はついに外側にも現れめた。

 

 

涙が頬をつたう。

 

 

彼が会議で何を言おうとしていたのかが解った、そして、何故止めたのかも解った。

 

彼は、キングはその命が尽きるまで『ヒーロー』で在ることを決めたのだ。

存在するだけで怪人の、人間の抑止力になると言われた男の命が風前の灯火と世間に知られたら。均衡は大きく揺れ、混乱が世界に渦巻くだろう。

 

故に彼はあの場で覚悟したのだ。同じように人々の為に立ち上がったヒーロー達を見て、己も最期まで戦い続けることを誓ったのだ。

 

 

「……………本当に……………自分勝手な人だ……。」

 

 

もし彼が本当に話したくなかったのなら、自分の追及に対して答えを当てさせる様な真似はしなかっただろう。

 

彼が遺していった言葉を噛み締める。

 

(託されたんだ………僕は。)

 

自分の小さい手を見て、出来るだろうかと不安に駆られる。

 

……その不安を、覚悟で握りしめた。

 

やるんだ、託されたのだから、()()()()なのだから。

 

 

鏡に映った自分は、もう泣いていなかった

 

 

赤くなった目を擦り、ランドセルを背負い直す。

 

やるべきことは決まっている。

 

童帝はドアを開けた。




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