鬼舞辻無惨がムチムチにされて力を失い滅ぼされる話

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名前の思いつきをやってみただけの一発ネタ


強制ムチムチ無惨

 好奇心は猫をも殺すというが、まさかこんな事で終わりを迎えるとは無惨は思いもしなかった。いや、誰が聞いても予想できるものでは無いだろう。ただただ運が悪かった、それに尽きる。

 

 その日無惨は貿易商の跡継ぎとして活動するなかでとある噂を耳にした。何でも、変わった絵を書く画家がいて好事家の間で高値で取引されているとか。

 

 玉壺の作る普通の壺のように売りものになるかもしれない、そんな考えのもと無惨はその画家に会いにいった。

 

 日が落ちて直ぐの時間に画家の住む家にやってきた無惨は画家の家の戸を叩く。声をあげて来訪を告げるが一向に誰も出てこない。

 

 しびれを切らして戸に手を掛けると、鍵が掛かっておらずがらがらと音を立てて戸が開く。

 

 開いた戸の奥には明かりを付けてスタンドに置かれたキャンバスの前に座る男と、大量の散乱したキャンバスで足の踏み場もないような部屋が見えた。

 

 くだんの男は目をかっ開き眼球が飛び出しそうな程にキャンバスに描かれた絵を凝視して、フシュー、フシューと鼻息荒く呼吸している。

 

 しかもキャンバスに描かれた絵は肉付きのいい女の絵。目がやたら大きく描かれているが、僅かな布で体を隠している様子は完全に春画だ。

 

 その春画を鬼気迫る様子で凝視する姿は、無惨ですら思わず一歩後退りし関わりたくないと思わせた。その直感は大正解だったが今の無惨は知るよしもない。

 

 だが戸を開けた事で風が入り立てられた蝋燭の火が揺れる。それと同時にぐるんっと玄関の方を向く男。無惨は後ろ向きの二歩目を踏んだ。

 

 しばしじっと無惨を見つめる男。出来れば今すぐ何も見なかった事にして帰りたい、そう思いつつも蛇に睨まれた蛙のように無惨は動けなかった。

 

 一秒、二秒と見合うだけの時間が過ぎる。男が何を考えているかさっぱり読めない。生きるために逃げろと本能は叫ぶのに訳の分からない恐怖で声を出すことすら出来ない。

 

 そしてとうとう男が動く。スタンドに置かれたキャンバスを投げ捨て新しいキャンバスを置くと一心不乱に何かを書き始めた。

 

 その速度は無惨ですら認識出来ない程速く、僅か数秒で絵が描きあげられた。そしてまた男は始めに見た時と同じようにその絵を凝視している。

 

 無惨は男が絵を描きあげそれを凝視しだした瞬間、全速力で逃げ出した。人間への擬態もかなぐり捨てた全力の逃走だった。鳴女に移動させる事すら忘れる程に。

 

 初めて敗北したあの剣士、それを凌駕する速度で筆を動かす"あれ"から少しでも離れたい。数時間は走り続けようやく冷静さを取り戻した無惨が足を止める。

 

 一体あれは何だったのか、何故あれに恐怖を感じたのか、考えながら振り返った無惨は、そこに目を見開き笑う画家の男がいて腰を抜かした。

 

 男は遺影のようにキャンバスを持って、描かれた絵を無惨に見せながら狂気を感じる笑みを浮かべて立っている。

 

 鬼の身体能力を全力で使っての逃走だったはずなのに、息一つ乱さず気付かれること無く追い付いてきた何か。だが二回目な分少しだけ余裕が出来た無惨は、その男が持つ絵に描かれたものに気が付く。

 

 そこに描かれていたのは黒い髪に大きな目、そして太っているとは言えずさりとて痩せているとも言えない絶妙な肉付きの女の絵。そしてそれは女のふりをして情報を集めている時の無惨に酷似していた。

 

 当然無惨はその姿を男に見せてはいない、男は想像だけでその姿を描きあげたのだ。だが男の得体の知れ無さもあって、無惨にはそれが自分の事を知っているぞと言っているように思った。

 

 無惨の事を知る者となれば鬼殺隊の者だろう、だから無惨は即座に殺害を決意した。無論そこには男の異常性に対する恐怖から、今のうちに倒してしまおうという思いもあった。

 

 殺すと決めたらそこからは早い、無惨は腕を変化させ男を切り裂く。

 

 カギ爪のように鋭利な刃物に変化した腕が、男の持つキャンバスごと男を切り裂く。バラバラになったキャンバスと吹き飛ぶ男、間違いなく普通なら死んでいる。

 

 対して無惨は呆気にとられていた。視認出来ない速度の筆さばきに追い付いてくる身体能力、どちらも常人の範疇に収まらないものだ。

 

 それがこうもあっさりと倒せるものか?男は回避すらしていなかった。そして妙な威圧感は未だに健在で、それが男がまだ生きていると無惨に確信させた。

 

 突如男が吠える、まるで獣のように。痛み、嘆き、怒り、失望、そんな感情が無惨にもわかった。それは同時に先の攻撃で男が一瞬のうちに鬼になったと無惨に理解させた。

 

 殺すつもりで自身の血を送り込んだことが裏目に出た。だが鬼になったならばと即座に男を自壊させ殺そうとする。だが男が息を吸ってまた吠える、それだけでまた男の思考が読めなくなった。

 

 「鳴女!」

 

 一も二もなく無惨は逃走を決意した。吠えただけで呪いを消してくるとかなんだあれ。そして無惨は無限城へ転移……出来なかった。

 

 「な、鳴女!?」

 

 二度目の要請、だがやはり何も起きない。鬼の繋がりから分かるのは鳴女は既に何度も血鬼術を使っているということだけ。

 

 鳴女がダメならばと直接逃げる方向に切り替えたが、それは少しだけ遅かった。いつの間にか直ぐ側に近づいていた男が無惨の腕を掴んでいる。

 

「お前もムチムチにならないか?」

 

「は?」

 

 ようやく喋った男の言葉に無惨がそう返した直後、無惨はとてつもない激痛を感じた。それはヤスリで削り取られていっているかのような痛み、すりおろされているかのように、無くなった分次へ次へと体の端から端まで移動していく。

 

 痛みが収まったとき、そこにいたのはもはや鬼舞辻無惨とは思えない、ひたすらに肉付きのいい美女だった。

 

「なんだこれは!?こ、声まで!?」

 

 無惨は見る影もないほど変わった自身の肉体に驚き、声すら変わっていることに更に驚く。その姿は男の描いていた女を現実的に再現したような姿だ。

 

 直ぐに肉体を変えて元に戻ろうとするが全く変化しない。それどころか鬼の繋がりすら途絶えている。

 

 これが男の血鬼術なのだろう、ならば男を殺せば解除されるかもしれない。無惨は男を殺すためにまた腕を振る。

 

 だがそこに鬼の力は見る影もなかった。非力な女がぽかぽかと男を殴っている、そんな光景にしかなっていない。

 

「フォォォォ!!」

 

 男がまた吠える。するとどういう原理か男の着ていた服が散り散りになり、男はまた見開いた目で鼻息を荒くしながら無惨を見つめる。

 

 端から見れば美女を前に全裸の男が鼻息荒く迫っている事案確定な状況。無惨は初めての貞操の危機にやはり逃走を選んだ。

 

 だが只の女と同程度の力しか出せなくなった無惨が、鬼になった男から逃れられるはずもない。即座に追い付かれ組伏せられる。必死の抵抗もペチペチと音をたてるだけで無意味。

 

 もうダメだ、せめて抵抗せずにいれば事が終わった後解放されるかもしれない、死ぬよりはマシだ。と無惨が諦めかけたその時。

 

「ウォァァァ!!」

 

 目の前で男が日の光に照らされ苦痛の声をあげて焼失した。ずっと部屋の中で絵を描いていたからか、日光への耐性は皆無だったらしい。

 

 とりあえず貞操の危機はなくなりほっとした無惨だが、変化した体が戻ることはなかった。鬼としての力も同様に戻らない。

 

 そして周囲には既に日が照っていて逃げ場もない。偶然自分だけ日が当たらないようになる場所に岩があったから助かっているが、この体で日光をどこまで耐えられるか分からない。

 

 周囲に日陰を作れるものもなく、地面を掘ったり岩を動かす力もない。自力での脱出は完全に不可能な状態。だから無惨は周りには助けを求めた。

 

「誰かぁ~!助けて~!」

 

 下手に不信感を持たれて助けてもらえないと困るので、足を挫いて動けない女のふりをした。癪ではあるが見た目だけなら良い女なのできっと下心を持った男が助けにくる。そう考え助けを求めると、直ぐに人が来た。

 

 今の無惨を覆い隠せるほどの大男だ。逆光でよく見えないが人一人くらいなら軽く運べそうな男が来たことに、内心ほくそ笑みつつか弱い女を演じようとした。

 

「お前、鬼舞辻無惨だな?」

 

 だがその男がいった言葉に無惨はピタリと止まる。鬼舞辻無惨を知っている者など鬼殺隊関係者しかいない。だが今の姿から鬼舞辻無惨だと一発で見抜く事が出来るはずがない。

 

 無惨が見上げた男、鍛え上げられた筋肉が隊服をギチギチに引き延ばしボタンを止める事すら出来ていない、腹筋は割れに割れて賽の目状、日輪刀がまるで玩具のように小さく見えるほどの体格。

 

 そして何より特徴的な日光を現した耳飾りに背負った籠。それに加えて手足は所々鋼鉄に置き換わっていて、どう見ても機械仕掛けの何か発射できそうな大穴が胴体に空いている。

 

 だが無惨はその男に見覚えはなかった。しかしその耳飾りだけは忘れる訳がない。

 

「ま、まさかお前は!」

 

「そうだ、お前に留守中に家族を殺され、禰豆子を鬼にされた一家の長男。そして今や復讐のために己が身すら捧げた鬼殺隊士。そう、今の俺は……

 

 

 

 

 

アーマード・炭治郎だ!

 

 

 

「いや誰だ!?」

 

 それが無惨の最後の言葉となった。炭治郎の腕が振りに合わせて火を吹きその反動で加速、只の女となっていた無惨は剣筋を見ることも叶わずその頸をとばされ、追撃で胴体ごと日輪刀と同じ素材でできた射突剣によって空に打ち上げられる。そこに止めとばかりに太陽光を収束した熱線が炭治郎の胴体部から発射され、肉片一つ残さず無惨は消滅した。




絵描きの男
 転生チートキャラ。二次元にしか興味が無く、実は無惨は凄く見られるだけで終わっていた。
 鬼滅の刃の世界だと気付いたのは無惨に鬼にされてから。原作知識はネットミーム程度しかない。
 見た相手を即座に脳内変換して絵を描く。そしてそれを相手に見せて絵柄を布教しようとしていた。
 血鬼術は相手をムチムチだが普通の人間の女に細胞レベルで作り替える。

アーマード・炭治郎
 転生者。生まれて直ぐ鬼滅の刃の世界だと気付き、ひたすら鍛練に打ちこんだ。
 ただ原作知識はほぼ無く、家族が殺され妹が鬼にされて始まる事しか知らない。

鬼舞辻無惨
 偶然出会った相手がチートだったうえに弱体化させられて、殺意MAXの相手が丁度近くにいた。
 鬼にしていた相手も呪いによる繋がりで同じ目にあってるため、各地にやたら肉付きのいい美女が増えた。

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