紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

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☆ 490冊目 8~10ページ

 

転生490年と7カ月8日目(月曜日、日中:雲、夜中:雲・多分三日月)

 

目が覚めたら医務室のベットの上だった件について。

しかも目を覚ましたと同時に、2人のアンナと咲夜(さくや)に泣き疲れてビックリしたのである。

そして、2人のアンナと咲夜(さくや)に話を聞いたところ、どうやら私は仕事中に倒れてしまったらしい。

 

なんて事だ、日頃の疲れが溜まっていたのだろうか。

そう思い、すぐに治して復帰するわねと娘たちに言っても、表情は曇ってしまった。

どうして?と、周りを見渡しても娘たち以外に誰もおらず、困っていたところレミリアお嬢様がルージュとべナミさん、セリアちゃんを伴い、お見舞いをしにきてくださったのだ。

 

少しの小話をした後、レミリアお嬢様は真剣な表情で私を見つめ、とある事を私に言い渡した。

メディーさん曰く、私は病気になってしまい、メイド長としての量の多い仕事は病状を悪化させてしまうらしく、その病気を治すためにも、私が娘たちのために長生きするためにも、紅魔館(こうまかん)メイド隊・統括メイド長を引退するように命令なさったのだ。

レミリアお嬢様はそれだけ伝えると、すこし悲しそうな表情を浮かべ、護衛の二人と側仕えのセリアちゃんを伴って立ち去ってしまった。

 

……ついに、この時が、タイムリミットが来てしまったのだろう。

予感はあったのだ、聖母(マリア)戦争の時から、自分の内側でなにか違和感があった。

少しずつ少しずつ、自分が自分で無くなるような、自分が失われていくような、冷たい感覚が……でも、それでもいいと思っていた。

いつ訪れるか分からない死に、私は少しも恐怖を抱かなかった。

もはやその記憶すら怪しいものの、元々私は短命で不幸な人間だったのだ。

いつか必ず、私には死が訪れる。その死が訪れるまで、私は毎日生きて、誰かに何かを託し、最期は安らかに眠るために準備をした。

だから、私は日々を大切にしようと、ついこの前から再び日記をしっかり書くことにしたのだ。

 

……だから、命令としてレミリアお嬢様に言い渡されても、いつかはそう言われたのだろう。

あぁ、でも、それがご命令ではなく、お願いであったのなら、この悲しみでさえ、受け入れることができたのに……。

 

 

転生490年と7ヶ月9日目(火曜日、日中:晴れ、夜中:晴れ・半月)

 

……昨日から準備を進めていた、私の統括メイド長の引き継ぎは、レミリアお嬢様がルージュを指名するなど、一悶着はあったけれど、私のメイドとしての最後のワガママで、何とか咲夜(さくや)に継承させることができた。

これまで、私の腕についていた統括メイド隊の腕章が、私の自慢の娘の1人である咲夜(さくや)の腕にあった。

本当は、もっとずっとずっと後の光景だと思ったけれど、けれどその姿を見れて嬉しかった。

 

……とうの咲夜(さくや)はすこし不安げにしてたけれど、そんな姿を他のメイド達に見せてはダメだと考えていたのか、クールな表情を浮かべて引き継ぎに望んでいた。

そして、引き継ぎは無事に終わったのである。

 

これで、私はただのマリア。

ただの、十六夜(いざよい)マリアとなった。

扱いとしては、家人待遇。これまでと違い、奉仕する側ではなく、される側……なんだかそれが落ち着かなくって、何度も何度も無意識にメイドとしての仕事をしようとしていた。

みんな、私がそういう妖精だと理解していて、今日だけで何度も止められてしまった。

……早く、何もしないことを覚えないとなぁ。

 

転生490年と7ヶ月10日目(水曜日、日中:晴れ、夜中:晴れ・満月)

 

今日は、趣味を探してみることにした。

お昼寝だったり、毛玉たちの毛を整えてみたり、読書だったり、絵を書いてみたり、休憩中のメイドたちとお話してみたり……とにかく、色んなことに手をつけてみた。

楽しかったり、本に夢中になったり、私は意外と絵がうまかったらしくそこそこ見せれる絵を書けたり……。

 

すこし、心が晴れたような感覚だったけれど……それでも胸の奥は、不思議な何かが刺さっていた。

 

今日のお昼の休憩時間の事だけど、咲夜(さくや)は第4次雇用ラッシュを行うようで、統括メイド隊直属の精鋭妖精メイド達(私がやめたあと、咲夜(さくや)が募ったメイドたち。大体がかつての咲夜(さくや)甘やかし隊の古参メイドたち)によって付近の妖精メイドや、近隣の村や森に噂を流布し始めていた。

 

それとなんだか赤いリボンのアンナがソワソワしてて挙動不審だ。

咲夜(さくや)にそれとなく伝えておいたから大丈夫だと思うけれど……。

咲夜(さくや)の初めての大仕事、咲夜(さくや)は優秀だから大丈夫だと思うけれど、けれどあの子の親である以上、心配事は尽きないのだった。

 

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