紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです! 作:ライドウ
このイベントがいつ行われたのかは、時系列がおかしいことにはなりますが
第4次雇用ラッシュの後と補完していただけると幸いです!
「ヘスティーナさん、働きすぎだからしばらく休んでくださいね?」
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と、統括メイド長になった
そんなこんなで
その三日間、俺は工房で働くことを禁じられてしまっているが、むしろありがたいと思える。
何せ
やれ武器が壊れるわ道具が壊れるわ……使ってる側は、壊さないように丁寧に使っているにもかかわらす、それでも尚、修理したり新しく製造したりする速度より壊れてしまう速度の方が多い。
ここには道具を治せる奴が……形を変える程度の能力を持つテレスや、不具合を認識する程度の能力のベンジャミンなんて、仕事仲間もいるものの、テレスもベンジャミンもそれぞれ調理メイド隊と雑務メイド隊の本来の業務があって、修理や修復業務が割り振られることはまれだ。
一応、俺が作れないもん……箒やらはたき見たいな金属をあまり使わないものに関しちゃ、その二人任せだ。
しかも、俺やテレスにベンジャミンが休みをもらえようとも、俺ら以外の業務は当たり前だが行われている。
特に最近だと警備隊が、完全攻略した後の庭園迷宮の片付けや残党の化け物共の討伐なんかも起きている。
幸いなことに、その残党狩りに割り当てられてるのは、武器の扱いに慣れてるベテラン連中だから、壊すことは少ないと思うが……それでも壊れる時は壊れるだろう。
だから、休日でも工房にこもって仕事することがあるのだが……ついこの前それがバレて
なんで、暇で暇でしょうがなくて、適当に
(……あ~、久々にキャンプ飯食いてぇ。)
ふと、前世の記憶がよぎり、そんなことを考えたのである。
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「きゃんぷ飯なんだよ?」「キャンプ飯?」
前世の記憶から、唐突にキャンプ飯を食いたくなった俺は、俺と同じように暇をしているテレスとベンジャミンに声をかけ、二人も巻き込むことにした。
俺が声をかけ、中庭の日差しの良い場所で俺の思いついたそれを二人に話すと、二人は首をかしげながら、だが興味深そうに眼を少し輝かせていた。
「あぁ、キャンプ飯だ。」
「そりゃぁええ考えじゃが、そもそもキャンプ飯ってどがぁなもんなん?」
「調理メイド隊の作るゴハンとは、違う感じなんだよ~?」
まあ、当然ながらテレスとベンジャミンは、前世の記憶を持つ俺とは違い、今世の記憶しかないから当然キャンプ飯なんてものは知らない。むしろ、調理メイド隊の作る飯の違いを聞いてくることも想定内だ。
「そうだなぁ……
「そうだよ~!ルージュさまって盛り付けにも拘ってるから、そういう風に教えてもらったんだよ~!」
「あっちも、あんだけキレイでうまいもんは、初めて食べた時びっくりしたけぇ。」
実際、調理メイド隊の作る飯っていうのは見た目もきれいだが味もうまいし、量もある。
俺も利用しているからわかるが、間違いなく調理メイド隊の昼食時と夜食時の忙しさのピークはほかのメイド隊と比べれば雑務メイド隊の書類担当メイドたちぐらいしか並ぶやつがいないんじゃないだろうか。
「あそこの作る飯と違って、焼いたり煮たりしたのをそのまま食うって感じだな!
もっとわかりやすく言うなら、野営とのときに作る飯って感じか?」
「……!わかったんだよ~!」
「あぁそういうことかじゃけぇ!」
どうやら、二人にはうまく伝わったらしい。
「ティーナさんのいう通り、確かにそういう焼いただけっていうのも食べたくなるもんじゃけぇな。」
「そうと決まれば準備なんだよ~!」
「まあ待て待て、今日いきなりやろうって言っても、場所も食材もなんもねぇだろ?」
「……場所は中庭に多目的エリアがあるじゃけぇよ?」
「食材もテレスがいるし、農園のみんなのおかげでお肉とか野菜が余りがちだから一応もらってこれるんだよ~?」
「……一応、火を使う許可だったり、使いたい道具があるから待ってほしい。」
「あっ、それもそうじゃけぇ。」
「使いたい道具って何なんだよ~?」
「へへっ、まあ、当日のお楽しみってわけだ。」
そんなこんなで、俺たちは休日の最終日……つまり3日目の休日にキャンプ飯をすることになったのだった。
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キャンプ飯、当日の夜
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「……で、なーんでマグがいるんだ?」
「うへ~……ひどいよヘスティ~。どうしてキャンプ飯に誘ってくれないの~?」
「少なくとも、旦那とイチャイチャしててそんな暇ねぇと思ったんだ。」
「えへへっ、そ、そうかな~そんなにラブラブかなぁ~????」
「あー……惚気んのはあとにして、来たんなら手伝いやがれ。」
どこからかうわさを聞き付けた、俺の親友……マグノリアがキャンプ飯の会場に文字通り飛んできたのである。
ともかく、前日と前々日のうちに、火の使用許可だったり、必要な道具……BBQグリルや、スキレットにホットサンドメーカーまで自作し、場所を借りた多目的エリアに設置していく。
ちなみにだが、作るときにベンジャミンの知恵を借りて一応いつでも量産できるように設計図も引いたりしている。
「それにしてもヘスティのキャンプ飯、久しぶりだな~……ジュルリ。」
「ダラダラとよだれをこぼすなよ、まだなんも焼いてねぇよ!」
「だって~!ヘスティのキャンプ飯楽しみなんだもん!!しかもこの道具がそろってるってことは、バーベキューでしょ!?アヒージョも、ホットサンドも期待していいんでしょ!?」
「一応、な。ほら、いい加減よだれ止めて木炭持ってくるの手伝ってくれ。」
……まあ、今日のゲストは何もマグだけじゃない。
実のところを言うと、俺がキャンプ飯をすると
いくら、
(……これが、ちっとでも和解の道に、なんてのは欲張りか。)
「へスティさーん、お肉もらってきたんだよ~!」
「野菜も魚もいっぱいじゃけぇ、酒も仰山もらってきた!!」
BBQグリルに木炭を放り込み、マグに火を吹いてもらいながら、なんてことを考える。
ふと、多目的エリアの中心に目を向けてみると、すっごいいい笑顔でルージュの姐さんがキャンプファイアーの骨組みを組み立てていた。ルージュの姐さんって、もしかしてこういうの実は好きなんだろうか……
しかも、調理メイド隊のメイドたちが、俺に許可をとってからそれぞれパスタやら焼き串やら、スイーツを出す出店みたいな感じで用意もしている……なんだか、縁日みたいな感じになってきたなと思いつつ、そんなこんなで準備が進み、ちらほらとメイドたちや警備兵の連中が集まりだしたところで、俺は最初の肉を焼き始めたのであった。
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肉や魚、野菜が焼かれ、様々な料理が作られては食べられ、時々酒や楽し気な笑い声が聞こえてくる。
バーベキューの当番を、目を輝かせて是非!と迫っていたルージュの姐さんに任せて、俺も自分が焼いた肉を警備隊が作った酒を飲みつつ食べる。
やっぱり、これである。野外でマナーを忘れて、景色や喧騒を楽しみながら食う飯。キャンプ飯なら、静かな自然の中で食う飯もうまいが、俺はどっちかっていうと今みたいな祭り騒ぎの中で食うのが好きだ。
周りを見渡せば……不仲なんて忘れたように、レミリアお嬢もフランお嬢も
マリアの姐さんたちもそうだが、マグたちや、テレスにベンジャミンも、新しく雇われた新人の連中だってみんな楽しそうに笑顔で騒いでいる。
(……あぁ、やっぱり―――
ちらりと、マリアの姐さんたちの方を見る。
レミリアお嬢もフランお嬢も、
(…………見なかったことにしよう。)
俺はまた、あの悲劇(笑)が起きるのを予感しつつも、キャンプ飯を楽しむのであった。
後日―――
「あ”ぁーっ、頭がいてぇ…………さすがに飲みすぎたか。
……本当に飲みすぎだよなこれ?」
噂で聞いた話だが、またパチュリーさんがヴワル魔法図書館の自分の魔法工房に引きこもったらしい。
インドア派なので雰囲気で書きました。