異世界に転生したから頑張ろうと仕事の合間に鍛えていたら異世界転移してしまい、その場を統治していた神様に助けを求めるために御前試合を仕掛けたものの負けて奴隷にされました。

正直言って原神とワンピースニワカですが、欲望のままに書きました。後悔はしていません。

ワンピース要素をメインに書く予定は今のところ無いです。ご了承ください

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最高権力者の奴隷

「はあ、はあ・・・うぅ」

 

 『テイワット大陸』の遠くにある島国の『稲妻』の某所にて衆人環視の下に二人が一対一の勝負が行われていた。片方は黒髪黒目で少年で体のあちこちに傷を負い服がボロボロになっていて呼吸が荒くなっている。もう片方は絶世の美女で紫色の髪をしていて同じく紫色の装束を纏い、刀身に紫電が走る刀を持っている。こちらは自然体でいて傷一つも麗しい肌に付いていなかった。誰がどう見ても勝負の結末は明らかであった。

 

「はあ、ふう・・・剃!」

「それは既に見切っています」

「ぐあっ!?」

 

 少年は諦めずに技を発動して美女に接近して拳を走らせる。それを美女は刀を持っていない方の手で掴み勢いを殺さず地面に叩きつける。

 

「勝負はつきました。ここまで果敢に攻めたあなたは賞賛に値します。しかし・・・敗者であるあなたには勝者である私に従うのみです」

 

 美女は言葉を続ける。

 

「あなたは元の世界に帰るために神である私の助力を求めてこの御前試合を申し込んだ。あなたが負ければ、私に斬られるのに・・・しかし、ここまで戦い切ったあなたを斬るのは勿体ない。よって」

 

 神と名乗った美女は冷徹な眼差しで敗者である少年に命令した。

 

「これより、敗者の鈴は雷電将軍の所有物として永遠に生きること、異論は認めません」

「ぇ・・・?」

 

 それは少年にとって最も恐ろしい命令であった。

 

 雷電将軍がさっき言ったように少年は偶発的に異世界から迷い込んでしまったのだった。その異世界は治安こそ悪いものの、少年の生まれた村は全体で必死に頑張って生きていこうと団結して生きてきたのだ。その異世界から来た少年にとってその命令は世界の最高権力者(天竜人)の奴隷になると言う無辜の民にとって最も恐ろしい死刑宣告と同義であった。

 

「ぃ、嫌だ・・・」

 

 少年は震える

 

「言ったでしょう、異論は認めませんと、ましては敗者であるあなたには拒否権もありません」

 

 女神は宣告する。裁判の最終判決を下すが如く

 

「少年を牢屋に入れなさい」

『ハッ!』

「嫌だ!やめて!掴まないで!」

 

 紫の甲冑を纏う兵士達が少年を拘束して連れて行く。その様を雷電将軍はじっと見つめていた。

 

 

 

 

「(あれから一週間、嫌なことは何も起こらなかった・・・)」

 

 そう、起こらなかったのである。少年は牢屋に入れられたものの、夜になると監視付きだが風呂に入れてもらい、さらに牢屋内で医者に傷の手当てをしてもらった。ご飯も一日三食頂いている。少年には違和感しか無かった。それでも天竜人の奴隷になることと、雷電将軍の奴隷になることとは違うと認識した。

 

 ふと足音が聞こえた。牢屋の外を見ると、天狗の面を斜めにに掛けた女性がこちらを覗き込んでいた。

 

「小僧、将軍様がお呼びだ。出てこい」

 

 監視に書類を確認させて牢屋から出された少年は稲妻兵士についていき、とある部屋に着いた。

 

「将軍様、奴隷を連れて参りました」

『入りなさい』

 

 あの時と同じ凛とした声が入室の許可を出すと、天狗面の女性は襖を開けて少年を入れた。

 

「感謝します、それでは下がってなさい」

「失礼します」

 

 天狗面の女性がいなくなり、部屋には雷電将軍と二人きりになった少年は緊張した。あの時、御前試合を申し込んだり実際に戦ったとはいえ、その最中に彼女の美貌に惚れなかったといえば嘘になる。戦いに意識を割っていた時とは違い、その美貌を真正面から見ると、少年は顔が熱くなるのを感じた。

 

「鈴、怪我はどうですか」

「え?・・・はい。調子がいいので大丈夫です」

 

 雷電将軍に具合を問われて少年は元気よく腕を動かしながら答える。

 

「それはよかった。それともう少し近寄ってください。命令です」

「は、はい・・・」

 

 彼女はそれに微笑みながら少年に近づくように要求した。それに少年はぎこちない返事をしながら雷電将軍に近づく、近づいた少年は将軍に手を引かれて抱き寄せられる。あまりの出来事に少年は固まった。

 

「なるほど、これが男の子の温もり・・・手は少しゴツゴツしていますね・・・」

「へ?えぇ?」

 

 少年は後ろから雷電将軍に抱きしめられて混乱していた。それによって彼女になすがままになってしまった。しばらくして離された少年は将軍に話しかけられる。

 

「あなたには聞きたいことは沢山あります。あなたのことや、あなたが居た世界のことも・・・教えてくれますか?」

 

 その問いを真正面から受けてしまった少年は顔を赤らめながらこう言った。

 

「僕でよければ、喜んで・・・」

 

 まるで告白されたかのような返しに少年は恥ずかしさを感じていた。

 

 それからは、雷電将軍に自分のいた世界のことを話した。『ワンピース』『大海賊時代』『ゴールド・ロジャー』『悪魔の実』『天竜人』『偉大なる航路』その他諸々、一通り話した少年は将軍の顔を伺う。

 

「ありがとうございます。この世界では聞けない、大変興味深い話でした」

「はい」

「それではもう一度こちらに寄りなさい」

「はぃ・・・」

「ふふ、愛らしい」

 

 雷電将軍はそう言って再び少年を可愛がった。




主人公解説
名前:鈴・アルゴ
転生者。和の国から逃げた母を持ち、父は元奴隷。

転生者タグを加えたのは六式を与えたかっただけ、見切り発車なので徐々にワンピース要素ヲ入れていきたい


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