【完結済み】怪力な聖女様は伝説の魔王に愛されている~追放と称してダンジョンで突き落とされた私、最下層に封印されていた美少女魔王を力技で救ったので一緒に旅をしようと思います~   作:早乙女らいか

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第12話:一緒に行こう(強引)

「取り敢えずどうやってお金を稼ぐか、だが……」

「やっぱダンジョンじゃない?」

「じゃな」

 

 腕を組みうんうんと唸りながら考えた結果、ハイリスクハイリターンなダンジョンがいいだろうと結論が出た。

 あそこなら素材等でかなり稼げるハズ。というか私達はそういう事しか出来ないからね。

 

「ステラ様、この近くにダンジョンはありますか?」

「ええと、ここから少し北の方に高難易度のダンジョンがありますよ。というかタメで大丈夫です」

「あ、わかった」

「ほう、丁度良いな。それでは行くか」

「あ、待って。まずはムーナの冒険者カードを作らないと。ギルド行こ」

「おお、そうじゃな」

 

 やっぱり冒険者カードはなかったか。500年も前だし仕方ないといえば仕方ない。という事で私達はギルドへ向かう事にしたのだが……

 

「いってらっしゃいませぇ」

「……待て」

「?」

 

 ムーナが何かを思いついたらしく、不敵な笑みを浮かべてステラの方を見た。

 

「はえ? な、なんですか?」

「のうステラ、わらわは城の弁償をしなければならない。そうじゃな?」

「はい……そうですね?」

「なのでわらわ達は外に出ようとしている。監視も無しでな」

「……? あー!! まさか逃げ出そうとしてます!? ダメですよぉ!!」

 

 ムーナは何が言いたいのだろうか。

 先程から自分の首を絞める発言しかしていない気がするけど。

 

「そうじゃな、だからわらわがこの国から逃げないよう監視役が必要じゃと思うのだが……」

「ですね!! それもムーナ様とショコラさんを監視できるくらい物凄く強い人じゃないと……」 

 

 あ、ムーナが言いたい事が分かった。

 

「のうステラ、わらわと一緒に来ないか?」

「……」

 

 ニッコリとした笑顔のムーナに対し、ステラは視線をそらし身体を震わせていた。

 

「え、嫌です……」

「何故じゃ!! どうせ寝て食って遊んでの繰り返しじゃろ!! 少しは働け!!」

「やーだー!! 元魔王が現魔王に偉そうにしてますー!! 城ぶっ壊したのにー!!」

「なっ!! ぐぬぬ……言い訳だけは立派じゃなぁ……!!」

「ふふふ、それに魔王が気軽に外なんて出ちゃいけないんですよー!! ちゃんと許可を取らないといけませんから~♪」

 

 形成が逆転するや否や強気な態度を取るステラ。

 気持ちがいい程のドヤ顔っぷりで悔しそうな顔のムーナに対して余裕すら感じられる。

 でも城を壊したのは事実だしなぁ……それにステラが偉いのは事実だしそう簡単に連れ出すなんて……

 

 あ、そうだ。

 

「じゃあ大賢者スライムに許可取りに行けばいいじゃん。二番目に偉いんでしょ?」

「え!?」

「ナイスアイデアじゃ!! ショコラ、こやつを取り押さえろ!!」

「はいはーい!!」

「えぇ!?」

 

 暴れるステラをガッチリホールドし、身動きを取れなくさせる。

 そして右腕で抱えるように持つと、そのまま扉へと向かった。

 

「よーし大賢者スライムに許可を取りに行くぞ」

「やだー!! 反逆罪で訴えますよー!!」

「罪なら弁償し終わった後にいくらでも受けてやるわ。それより、お主が魔王にもなってぐーたらな生活を送り続けているのが気にくわん!!」

「酷い!! ボクはただ自由に生きたいだけなのに……まだ寝たいよぉ……」

「メリハリが無さすぎるのも問題なのじゃよ……ほれ、大人しくしてろ」

「うぅぅ……」

 

 観念したのかジタバタもがいていたステラがぴたりと動かなくなった。

 私としてはステラがサボろうがどうでもいいんだけど、なんかこの子面白いじゃん?

 ムーナとの絡みも見てて楽しいし、自ら乗っかってみた。

 

「よく強気に出れるねぇ」

「こういうのはノリと勢いが大事なんじゃよ」

 

 お互いに笑みを浮かべる。

 結構無茶苦茶な旅になっているけど、ムーナの言う通りノリと勢いで押し切るのも悪くないなと思う。

 

~~~

 

「ステラ様とダンジョンに? 別に構いませんよ」

「ねぇえええええ!!」

 

 お隣の部屋にいた大賢者スライムは、ムーナの提案をあっさりと受け入れた。

 

「普段から外出許可は出してますし、別にダンジョンくらい行っても大丈夫ですよ。お目付け役も必要ですし」

「う、ううう……」

「魔王らしくダンジョンで実力を示すのも悪くないと思いますよ~」

 

 まあ外で遊び歩いているのなら許可は降りるよね。

 大賢者スライムもステラで遊んでいるような気もするし。

 

「あ、これもサインしないと……と、侯爵様への手紙も……あぁ、これは要望ですか」

 

 というか話しながら書類仕事やってて凄いね。

 複数の触手でババババッ!!と書き物をする姿は最早神業である。

 

「よかったのう、これでいっぱい稼げるぞ?」

「クソババアめ……」

「あ?」

 

 ド直球な暴言にムーナが反応し、お互い一触即発の状態になる。

 

「こうなったら実力行使だ!! 500年経ったボクの実力お見せしますよ!!」

「ほぉー望むところじゃ!! お主如きに遅れを取るわらわではないわぁ!!」

 

 室内だというのに魔力をバリバリに出し合う二人。

 まぁどっかでこうなるなぁとは思ってたよ。ステラもかなり強いだろうし。

 

「やめなさいっ!!」

「「ぐぉっ!?」」

 

 だけどこれ以上やると更に弁償する羽目になる。

 私は二人の額に思いっきりデコピンをかまし、一撃でノックアウトさせた。

 

「あぁぁぁぁぁ!! ああああああああ!!」

「ぐおおお……頭がぁ……」

「ムーナはまだ無理したらダメ!! で、ステラは戦うとムーナに負担かけるから大人しく従って!!」

「えぇ……ボク何にも悪い事……」

「私、かわいい子が泣く姿が好きなんだぁ……あ、この棒で殴ったら……」

「……わかりました」

 

 よし、これで大人しくなった。

 結構強引だったけど、まあいいでしょ。

 かなり強めにやったからか未だに頭を押さえ苦しんでいる。

 その二人を抱えて、私は部屋を出た。

 

「お主……ドSのフリでステラを従わせるとは……なかなかやるのう……」

「いや、フリじゃないけど……?」

「え」

「ひぃっ」

 

 一応補足するとそこまで過激なのは趣味じゃない。

 魔力切れのムーナが苦しんだ姿に興奮はしていないし本気で心配してたから。

 ただかわいい子が泣いている姿が好きなだけ。泣いてる子って感情がぐちゃぐちゃで高まってる状態だからすっごい好みなんだよねぇ……

 

 そんな一面を踏まえて、自分がSなんだろうなぁとは個人的に思っている。

 

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