【完結済み】怪力な聖女様は伝説の魔王に愛されている~追放と称してダンジョンで突き落とされた私、最下層に封印されていた美少女魔王を力技で救ったので一緒に旅をしようと思います~   作:早乙女らいか

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第15話:まさかの事実

「さて、これで戦いやすくなった!!」

 

 私はまだ元気なキングリザードに向けて突撃を開始する。

 キングリザードも反撃するために自慢の舌を私に向けて伸ばしたのだが

 

「甘いわっ!!」

「キシャッ!?」

 

 ムーナが魔法で横やりを入れたことで動きが鈍る。

 先ほどまでとは違い、今は1VS3の状況。

 つまり楽に倒せるってこと。

 

「よし、さっき見たこれでっ……!!」

「メイス?」

 

 私は杖先を騎士が使っていた棘付きのメイスに変化させる。

 重い一撃が出せて、取り回しが良さそうだと思ったからだ。

 

「とりゃああああ!!」

 

 キングリザードの懐に入り、顎に向けて思いっきり振り上げる。

 

「ギジャア!!」

 

 メイスの重い一撃が顎を砕き、脳を振動させ、その巨体を宙に浮かせた。

 

「たった一撃であんなに……」

「ムーナ!! 後はお願い!!」

「任せよ!! ヘルフレイム!!」

 

 宙に浮いたキングリザードをムーナが燃やし尽くす。

 身体が一瞬で灰と化し残されたのは少し大きめの魔石だけだった。

 

「残りの二匹もやるかのう……よいか?」

「あ、それなら私がやるよー!! 素材とか回収したいし!!」

 

 気絶している二体の元に行き、頭を的確にメイスで叩き潰す。

 うーん、大物モンスターがこんなに。

 これはかなり稼げちゃうかも?

 

「うわああああああ!! 宝箱の中身凄いですね!!」

「あぁ……これならすぐにでも弁償できそうじゃ!!」

 

 一足早く宝箱を開けたらしい二人。

 何が入ってたんだろう……気になる。私は解体を後回しにして二人の元へと行く。

 ほんとは先にやんないといけないけど、頭を叩き潰したから大丈夫でしょ。

 

「んー? おおおおおおお!!」

 

 そこにあったのは光り輝く財宝の数々。

 

 一つ目の宝箱には希少な貴金属類が。

 二つ目の宝箱には聖なる魔力が込められた光り輝く槍と弓が。

 三つ目の宝箱には紅に輝く大きな宝石が。

 

 どれもかなり貴重な代物だ……!!

 

「どうします? どうします!?」

「うーん……全部売ろう!! そしてお金をいっぱい手に入れよう!!」

「賛成じゃ、この中にある物でわらわ達が使えそうな物はないからな」

「ですね~……あーこれ全部売れば何回カジノに行けるんですかねぇ」

「お主の場合一瞬で溶かしそうじゃがな」

「酷!? これでも大賢者スライムにお小遣い管理されてるんですよっ!!」

「それ、信頼されてない証拠じゃん……」

 

 取り敢えず全部売っても問題はないと思う。

 二番目の宝箱に入っている物も私が使えそうで使えないし。

 

「さーて、アイテムボックスにまとめるよー」

「はーい……ん?」

「ん?」

 

 宝箱の中身をぽいぽいとアイテムボックスに入れていく。

 その時である。

 

「キシャア……」

「え」

 

 急にヌルっとしたものに掴まれたと思えば、一瞬で引っ張り出され辺りが真っ暗になった。

 

「ショコラさんが食われたぁ!?」

「ええい!! あのトカゲまだ生きておったのか!! もう一度……」

「ダ、ダダダダメですよ!! ショコラさんごと消し済みになりますよ!?」

「ぐぬぬー!!」

 

 あ、私食われたのか。

 どうりで周りがベトベトしてて暗いと思った。

 しかし、どうしようか。

 このままだと飲み込まれそうだし、後なーんか臭くて汚い……

 

「ええい、さっさと出せっ!!」

 

 取り敢えず思い切り口の中を殴る。

 しかし、ビクッとしただけであまり反応がない。

 よーしこうなったら!!

 

「オラオラオラオラァ!!」

 

 ひたすらに殴り続ける。

 連打に連打を重ねるとやがて口内の揺れが激しくなり、そして

 

「ゲボォ!!」

「うわぁ!?」

 

 汚い胃液と共に、外へと吐き出された。

 

「ムーナ様!! 今です!!」

「おう!! ヘルフレイム!!」

 

 吐き出されたタイミングを逃さず、ムーナがキングリザードを焼き払う。

 うう……凄く変な匂いがする。

 魔石になったのは確認したし取り敢えず綺麗にしよう、と自らにリフレッシュをかけ汚れを完全に消し去った。

 

「災難じゃったな」

「あはは……私の確認ミスだよ」

 

 本当にそれ。

 頭を潰したから大丈夫!! と油断した結果がこれだ。今度からちゃんと死んでるか確認しよ……と初心者に教えるかのように自分へ言い聞かせる。

 

「ひゃっ!! ショ、ショコラさん……その」

「ん?」

 

 振り向けば何故かステラが恥ずかしそうな顔で私を見ている。

 なになに? この状況でそんな気分になるの?

 なーんてくだらない事を考えていたのだが。

 

「服……溶けてます」

「え?」

 

 自分の体を見る。

 そこには至る所が溶けて破れ、ボロボロになった服の姿が。

 足元はスカートだから元々布面積が少ないので良いとして問題は上半身。

 それなりの大きさを誇る私の胸元が破け、いわゆるツンとした部分を……

 

「ひゃああああああ!?」

 

 思わず手で覆い隠す。

 同性しかいないけど、こんな格好で外にいるなんて恥ずかしすぎる!! 最悪!!

 

「ほれ、これでも羽織っておけ」

「あ、ありがとうムーナ……」

 

 ムーナから黒いローブを渡され、全身を覆う。

 

「次からは気をつけるのじゃぞ」

「うん……」

「えーでもムーナ様ぁ、ショコラさんに熱い視線を送っていたのは一体……」

「ん、んな変態みたいな事せんわ!!」

「何でちょっと動揺してるの。後、顔赤い」

 

 わかりやすっ。ムーナって意外とムッツリだったんだ。

 まあ私って体型はそこそこ整っているから、見たくなる気持ちも分からんでもない。

 胸の大きい人とか見かけるとチラ見しちゃうし。

 

「と、とりあえず外で服買お!! いつまでもこんな格好で歩くのヤダ!!」

「これがきっかけで露出に目覚めたり……」

「しないから!!」

 

 そんな変態になってたまるか!!

 いつまでも今の状態は恥ずべき事だと自らに言い聞かせ、私達はダンジョンを後にした。

 

〜〜〜

 

「な、なんだこの素材!? 本当に売ってもらえるのか!?」

「ええ、勿論です」

「ありがてぇ……!!」

 

 街中に着き、私達はギルドの買取窓口で素材の売買を行った(勿論先に服は買って着替えている)

 やはりというか、かなりの値打ちが付いたらしく受付の人もかなり喜んでいた。

 私達も高く売れそうで嬉しい。

 

「いやぁ高く売れてよかったですねぇ。そうだ、この後飲みにでも行きませんか!? 奢りますよ!!」

 

 飲みかぁ。そういえばデモニストの食事ってどんなのか知らないや。

 ちょっと楽しみ。

 

「ほう、随分と太っ腹じゃのう」

「働いた後はパーッとするのが一番ですし!!」

「普段働いてない癖に」

「うぐっ」

 

 事実をドストレートに刺す。

 まあ今回のダンジョン探索では(無理やりとはいえ)ステラはかなり活躍してくれた。

 これくらいにしておこう。

 

「まあ奢ってくれるならありがたい。よろしく頼む」

「私もお願いしていいかな?」

「勿論ですとも!! あ、そうだ」

「ん?」

 

 うなづいた後、何かを思い出したように口を開くステラ。

 

「ボクの彼女も連れて来ていいですか? もうすぐ仕事が終わると思うので」

「あぁ、一人くらい構わ……待て、今なんと?」

 

 ん? 私も聞き逃さなかったぞ?

 

「ですから彼女です!! ボクの恋人!!」

「はあああああ!? ス、ステラに彼女じゃとお!?」

「えええええー!! ステラって恋人いたの!?」

「えへへ……はい」

 

 顔を赤くし俯きながら頷くステラ。

 あ、これガチの反応だ。

 恋する乙女の顔してるし、女の子がいっちばん可愛い瞬間を出してるし……!!

 

「まさかステラを世話するヤツが現れるとはのう……」

「え、そこなの?」

「と、とりあえず!! 換金が終わったら彼女の元に行きましょうっ!!」

「あ、あぁ……」

「う、うん……」

 

 まさかステラに恋人がいたとは。

 そっちの衝撃が強すぎて同性と付き合っている所に突っ込めなかった。

 人は見かけに寄らないとは、こういう事なんだろうなぁ……

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