【完結済み】怪力な聖女様は伝説の魔王に愛されている~追放と称してダンジョンで突き落とされた私、最下層に封印されていた美少女魔王を力技で救ったので一緒に旅をしようと思います~   作:早乙女らいか

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第18話:二つ目の依頼

「「……」」

 

 朝、ステラとエメラルがいる寝室にお邪魔すると、やけにツヤツヤな二人が眠っていた。

 いや、服はちゃんと着てるんだけどさ? 布団がやけに乱れてるし妙な臭いもするし……

 やっぱやりやがったな、こいつら。

 

「ん? おおお二人さんおはよう……ほら、ステちゃん起きないとあかんで」

「えー……キスしたら起きる」

「もぉ、しゃあないなぁ……ん」

「んー……♡」

 

 無言で睨む。

 いや、イチャつくのは別にいいんだけどさ。仲が良いのはいい事だし。

 ただ、ね?

 それを人のいるところでやるのは勘弁してほしい訳ですよ。

 

「ん? どうしたんですかー?」

「険しい顔しとるなぁ?」

「お……」

「「?」」

「お主らのせいじゃあああああああ!!」

「うえぇ!?」

 

 流石にムーナも思うところがあったらしく、二人からしたら理不尽にも捉えかねられない怒りを顕にした。

 

「どうどう……えーと、かくかくしかじかでね? うん……」

「あっ……」

「えーと、聞こえてました?」

「ちょこちょこ色んな音が入っておったわ……!!」

「「……すみませんでした」」

 

 その場で深々と土下座する二人。

 確かに仲が良いのはいい事だ。ただしその関係を密な感じで表現し、我々に迷惑をかけるのは流石にお控えいただきたかった。

 ストリップ劇場を見ているような気分だったよ。行ったことないけど!!

 

「取り敢えず朝ごはん食べない? 二人とも出会って間もないし、これからお互いの認識をすり合わせて頂ければさ……」

「そ、そうですね……」

「二人ともすまんなぁ。今度また何かおごらせてーな?」

 

 まあ、今度から気をつけてくれれば、それで良しとしようか。

 

〜〜〜

 

「お二人さんはどうするんや?」

「えーと、城の弁償の為に」

「ギルドじゃな」

「あー……がんばりなぁ……」

 

 朝ご飯を食べ終わり宿を出る。

 昨日だけでも大分稼いではいたが、まだまだ目標の金額には及ばない。

 ちゃっちゃっと終わらせて自由になろう。 

 

 ちなみにステラも連れて行く(強引に)予定だったが、デートしたい!! と言い出したので断念した。

 流石にエメラルに迷惑かけるのはよくないしね。

 

「それじゃ、ウチはステちゃんとデート行ってくるわー」

「えへへ……久しぶりですねえ」

「楽しんでおいでー」

 

 私達に手を振り、ギルドとは逆方向へと歩く二人。

 背中を見れば、指と指を絡ませた恋人繋ぎで嬉しそうに歩いている。

 

「いいなぁ……」

 

 本好きな私は恋愛系のお話もよく好んで読んでいた。

 

 王子様にお姫様がさらわれるお話とか、初々しい少年少女の恋愛模様とか。

 ムーナはこういうの恥ずかしくて苦手みたいだけど、私はむしろ逆。

 刺激的な話こそ流石に顔を赤くしてしまうが、実はけっこう興味はある。

 

 なので、ステラとエメラルのいかにも恋人って感じのムーブは、ロマンチックで憧れる。

 

「ん? 手くらいわらわ達も繋ぐか?」

「え!? ど、どどどどうしたの!? えっ、あう……」

「何を緊張しておるんじゃ……」

 

 ムーナの方から攻めてくるなんて!?

 いや、変に意識している私がおかしいのか? 

 女の子同士で手を繋ぐなんてよく見る光景だし……うむむ。

 

「ほれ」

「う、うん」

 

 差し出された右手を握り返して、ギルドへと向かう。

 先ほどのカップルみたいに指と指を絡ませてはいないものの、それでも妙にドキドキしてしまって落ち着かない。

 それ以上に大胆な事を二回もしているのに!! 

 こんな子供みたいな事で緊張するなんて……と、うろたえながらムーナを見れば

 

「あ、耳赤い……恥ずかしいなら言わなけばよかったのに」

「お、お主が物欲しそうな目で見ておったから……!!」

「あはは……はいはい」

 

 なーんだムーナも見栄を張っていたのか。

 そうまでして手を繋ごうとしたのは……私の憧れを察知したのと、自分も少し興味があったからかな。

 可愛い奴め、このこの。

 

「ありがとね」

「ど、どういたしまして……なのじゃ」

 

 初々しい様子で私達は少し早歩き気味にギルドへ向かったのだった。

 

~~~

 

「さて、この依頼をどうするかじゃが……」

 

 ギルドで受注した依頼を見て私達は悩む。

 

 内容はこの国で少し問題になっている盗賊団の壊滅。

 それなりの実力者達なうえに商人たちの荷物を盗んでしまう事から、ギルドへ依頼が出されたのだという。

 正直倒すだけなら私とムーナで何とかなると思う。だけど付随された条件に問題がある。

 

「生け捕りで報酬アップねぇ……う-ん」

「事情聴取等で色々聞きたいんじゃろうなぁ……殺しても構わんとは書いておるが」

「報酬は多いに越したことはないしねぇ」

 

 生け捕りというのが悩ましい点だ。

 だって私達、火力がバカすぎて人間の身体くらいあっさり吹き飛ぶから。

 かと言って加減していたら人数差で押し切られるだろうし。

 

「こーいう時こそステラの奴がおればのう……しくじったわ」

「あはは、確かに」

 

 ステラのトラップなら相手を傷つけずに捕獲する事が可能だけど、彼女は現在最愛の彼女と楽しくデート中。

 恋仲を引き裂くなんて真似、私はしたくない。

 ラブラブなのはいい事だしね!!

 

「あ、そうだ」

「ん? 思いついたか?」

「うん、出来るかわかんないけど……試してみよう」

「じゃな。ダメならぶっ殺そう」

「よーしレッツゴー」

 

 一個アイデアが浮かんだので盗賊団がいるらしきアジトを探す。

 別に殺しても報酬は入るし、そこまで気負わないで行こっか。

 

 ま、どちらにせよやり方が少々えぐい事に変わりはないと思うけど……

 

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