【完結済み】怪力な聖女様は伝説の魔王に愛されている~追放と称してダンジョンで突き落とされた私、最下層に封印されていた美少女魔王を力技で救ったので一緒に旅をしようと思います~   作:早乙女らいか

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第20話:またまたトラブルです

「私はアイです!! で、こっちが妹のマイです!!」

「私達は二人で一人の双子姉妹!! 一緒に情報屋として頑張っています!!」

「情報屋? って言う事は結構ヤバめな事も知ってたり?」

「それはそれは……」

「恐ろしい事を知っていますよ~?」 

 

 盗賊団を城まで輸送している途中、先ほど助けた双子姉妹と色々と話していた。

 ポニーテールなのがアイ、サイドテールなのがマイ。

 顔や体形は似てるし髪も目の色も同じだから、髪型で差別化してるのかな?

 

「で、なんで盗賊団に捕まってたの?」

「それが裏社会の情報を集めようとコソコソしてた所……」

「うっかり足を踏み外してバレてしまって……」

「「私達、隠れる事と逃げ足以外全然ダメなんですよねぇ」」

 

 だから得意な事を生かして情報屋になったという訳か。

 なるほどね。

 

「あいつらに何かされなかった? 大丈夫?」

「えーと、一線は超えてませんが裸をまじまじと見られましたね」

「まーじで気持ち悪かったです……」

「うわぁ……可哀想に」

 

 こんな野蛮な奴らに見られるなんて最悪すぎる。

 助けてよかった……

 

「でも捕まったおかげでお姉様と出会えました!!」

「こんなに素敵なお姉様に助けられるなんて、私達は幸せですっ!!」

「いや~えへへぇ」

 

 それにめっちゃチヤホヤしてくれるし!!

 甘えるように両腕に絡みついてくる姉妹ちゃん達に私は夢中になってしまう。

 あぁ……可愛がりたい。もう死ぬほど可愛がってもっと好かれたい。

 なんて邪念を抱いていると、後ろの方から明らかに不機嫌なオーラを向ける魔族がいた。

 

「ギロッ……」

「うっ……ご、ごめんってムーナ」

「何も言うとらん」

「でも何か思う事はあるでしょ?」

「知らん知らん!! 知らーん!!」 

 

 あーあ……完全に拗ねちゃった。

 姉妹ちゃん達と戯れるのは楽しいけど、この辺で止めにしなきゃ。

 

「ごめんね、ちょっとムーナの所に行きたくて……」

「? ……あー、なるほど」

「そういうことですか……」

「なになに? どうしたの?」

「いえいえ!! こちらの話ですから!! お姉様頑張ってください!!」

「応援しています!!」

「は、はぁ……」

 

 仲直りの話だよね? だよね?

 どこか引っかかる言い方に疑問を抱きつつ、私はムーナの元へ行き優しく手を握りしめた。

 

「……なんじゃ」

「ごめんね、構ってあげられなくて」

「別に、怒っとらんと言うとるじゃろ」

「そうじゃないとしても、私はムーナと手が繋ぎたかったの……ダメ?」

「……勝手にせい」

「ありがとっ」

 

 顔を背けてそっけない態度を取るも、ちゃんと手を握り返してくれるムーナ。

 拗ねやすいしちょっと素直じゃない。けど、そんなところが可愛いなぁと思う。

 友達に抱くには少し重めの感情かな? なんて考えつつ歩みを進めていく。

 

「おお……これは」

「お姉様と魔族の……これはよきです……」

 

 ……ニタニタと笑う姉妹ちゃんの姿が若干気にはなるけど。

 

~~~

 

「え、これ全員生け捕りにしたのか?」

「はい、首領から聞きだしたので間違いありません」

「はえー……すっげえ……」

 

 城に連れてこられた盗賊団の姿に、衛兵さんもぎょっとしている。

 ただ想定外ではあるものの生け捕りにしてくれた事は嬉しかったらしく、報酬額のサービスを取り計らうとまで言ってくれた。

 

「もう二度と悪い事はしねぇ……」

「ゆるして……ゆるして……」

「……あんたら何したんだ?」

「えーと、まあ……」

「ちょっと脅かしただけじゃよ」

「そ、そっか」

 

 間違ってはない。間違ってはないけど、少し過激だったかなーとは思う。

 改めて思い返したけど召喚獣をぐしゃっと潰す場面とか完全にホラーだし。

 まあやったのは私なんですけどねー!!

 はははー……

 

「お姉様は凄いんですよ!! なんせ、あの盗賊団をひれ伏させたんですから!!」

「ほぉ……この子が」

「一応わらわもおったのじゃが……何故触れんのじゃ」

「「好みが……」」

「私情だったのか!? わらわ怒るぞ!?」

「まぁまぁ落ち着いて……」

「お主はさぞ気分がよかったんじゃろうなぁ? のうお姉様?」

「うぐっ」

 

 見事な煽りが私の心に刺さる!!

 な、なにも言えない……

 

「しっかし城壊したヤツが盗賊団を捕まえるとは……お前らテロリストなのか英雄なのか分かんねぇな……」

「はは……」

 

 本当にその通りだと思う。

 やっている事が無茶苦茶なのは私も自覚している。 

 ま、まあ心を入れ替えたと言う事で、ね?

 なんて兵士と雑談をしていると。

 

 ビュン!!

 

「ぐぅ!?」

「「っ!?」」

 

 捕まえた盗賊の首筋に、どこからか飛んできた弓矢が命中した。

 

「あ、あぁ……!!」

「今の何!?」

「気配も一切感じぬな……じゃがまだ潜んでいるハズ……」

 

 辺りを見渡してもいるのは盗賊団と兵士達と私達四人だけ。

 それ以外の人影は見当たらない。

 既に逃げたか、それとも誰かに紛れた……?

 

「ぐ、グオアアアアアアアア!!」

「なっ!!」

「巨大化したじゃと!?」

 

 盗賊の一人が肉体を肥大化させ、城の門と同じくらいの大きさにまで成長した。

 張り裂けそうな程の筋肉に血涙を流した赤色の目。

 唸り声をあげながら荒く呼吸をし、そして私達を見た瞬間

 

「グオァ!!」

「うわっ!?」

 

 巨大な腕を私達の方へと振り下ろした。

 衝撃と同時に風が舞い上がり、その場にいた者が勢いで吹き飛ばされる。

 

「うわあああああああ!?」

「退避ー!! 退避ー!!」

「くっ、バカみたいな力じゃな……!!」

「あれなんなの!? 何で急に!?」

「知らん!! じゃが……」

 

 改めて暴走した盗賊を見て、私達は武器を取る。

 

「確実に生け捕りが一人減るな……」

「そうみたいだね……!!」

 

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