四方世界の神様の遊び
そこに新しい神様が遊びに来ました

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信仰とは

 

今日も神様たちは盤を囲み、ダイスを転がして一喜一憂しています

そんなある日、そこに新しい神様がやってきました

見た目は軟体生物のようであり、体の中には黄金の光が走っている、その形はドラゴンのようにも見えなくもない、なんとも不思議な神様でした

その神様は手のひらに乗せた駒を見せ、言いました

 

―――昔、僕が作った盤の駒なんだ

良ければこの駒も君たちの遊びに加えてくれないかな

 

神様たちは喜んで迎え入れました

別の世界の駒なんて、なんだか新しい冒険や物語の予感がひしひしとしてくるじゃないですか

そんな娯楽を神様たちが拒むはずがありませんでした

 

[この駒はどんな種族で、どんなステータスなんだい?]

 

―――褪せ人という種族だけど、君たちの盤に合わせて只人ということで構わないよ

それと特筆するステータスは、信仰が99でカンストしてる

そんなとこかな

 

信仰とはどんなステータスなのか、神様たちはいまいちわかりませんでしたが、未知の駒がこれから織りなすであろうストーリーに胸を躍らせていたため

 

[まあいいや、それじゃあ始めよう]

 

その声とともに、新たな駒が四方世界に置かれたのでした

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして

 

 

 

 

 

 

[ちょっと聞いていいかい?

君がくれたこの駒のことなんだけど]

 

他の神様と同じように盤を覗き込む軟体の神様に、他の神様たちが声をかけました

 

―――なんだい?

僕はこの盤に不慣れだから、なにか間違えちゃったかな

 

[いや、そういうわけじゃないんだ

君のこの駒は随分楽しい冒険を起こしてくれているし、感謝してるんだよ]

 

その駒は勇者のように強く、フーテンのように小狡いところもあり、鉄拳のように硬い意思を持ち、同胞でも狩るようなところも見せる、掴みどころのない駒でした

だからこそ神様たちでもどう動くのか読みにくく、その駒の起こすイベントや冒険に興奮するのでした

 

―――じゃあ、聞きたいことって?

 

[この駒を盤に置く前に言ってたじゃない?

この駒は信仰が99でカンストしてるって]

 

―――うん

 

[でさ、ここまで見てて思ったんだけど

その駒が信仰してる対象って、何なの?]

 

そう聞くと、軟体の神様は椅子に腰掛け、低い唸り声を上げました

 

―――信仰してる対象、かぁ……

難しいこと聞くんだね

 

[いやいや、難しいことはないでしょう

神様とか、自然信仰とか、龍信仰なんてのもあるし、その駒が何を信仰してるのか分かればロールプレイや新しいイベントにも深みが出そうだしさ]

 

―――う〜〜〜ん………

そういえば今まで考えたことがなかったよ

信仰ステータスを上げて劣等種殲滅波を撃つと強いってことは知ってたけど

 

[劣等種殲滅派!?

あの牧場をゴブリンの群れに襲わせたとき一気に薙ぎ払ってたあの魔法、そんな名前だったの!?]

 

―――いや、本当の名前は違うしあれ魔法じゃ……まあいいや

でも本当にあれが何を信仰してるのか、僕も知らないんだ

 

[でも君の盤で信仰の対象っていうものは色々あるでしょ?

その中のどれかじゃないかな

よければどんなのがあるか教えてくれないかな?]

 

―――そうだなぁ、一番の信仰の対象といえばまずは黄金樹だね

その世界の光の根源であり、黄金樹に起因する奇跡なんかもたくさんあるんだよ

 

[それだ、それに間違いないよ

そういえば周りの駒を回復させたり、攻撃力や防御力を上げる奇跡をよく使ってたけど、その度に金色の木が後ろに見えてたもの

なぁんだ、考えてみれば簡単だったね]

 

―――そうだね、黄金樹の回復や黄金樹に誓ってはすごい使いやすくて良い奇跡だよね

 

[うんうん]

 

―――てもそいつ、黄金樹燃やしたよ

 

ガターン

と、神様たちがずっこける音が響き渡りました

 

[待って待って、その黄金樹を燃やした張本人が黄金樹に誓ってなんて奇跡を使ってるの?]

 

―――張本人かといえば語弊があるけどまあそうだなぁ

言われてみればすごい面の厚さだよね

 

[むしろ何を誓ってるのか気になるよ……

でもそうなると黄金樹への信仰じゃ無さそうだね

他になにか思い当たるのは無いの?]

 

そう聞くと、軟体の神様はまた悩み始めました

 

―――あの世界の神の遣いとして、二本指って存在がいてね、その由来の奇跡もあるんだよ

毒を治したり、炎や雷なんかから身を守ることができるんだ

 

[へぇ、そういえばそんな奇跡も使ってたね

ならその二本指を信仰しているのかもね]

 

―――でもそいつ、二本指と敵対してる三本指に抱かれたよ

 

[ええ……じゃあその三本指っていうのを信仰してるってことは?]

 

―――でもそいつ、三本指の加護の狂い火を消したよ

 

[なんなの!?そいつ何がしたいの!?]

 

―――その自分の中の狂い火を消す過程で古龍信仰最上位の龍王を殺したよ

 

[そいつの目的がもうわからないよ!]

 

―――僕だって分からないよ……

例えばその世界の女神に仕えて、目的を達した女神に婚約指輪をはめて、復活した女神と結婚して月への旅立ちを約束して

 

[いいねいいね!そういうの好きだよ!]

 

―――その挙げ句に女神を殺したり

 

[……そいつの人間性も限界と見える]

 

―――まあそれに関してはすごい後悔してたよ

二度とやらないって言ってたし

 

[一度もやるなよ!]

 

 

 

それからしばらく軟体の神様が、駒の行ってきた所業……もとい行為を話していましたが、その度に神様たちからのツッコミが続きました

当然です

獣の司祭から奇跡を教えてもらった、と話したと思ったらその獣の司祭を殺した

腐敗の女神の奇跡を使うことができる、と話したと思ったらその腐敗の女神(に最も近い神人)を殺した

なんて話が続いたのですから

 

[もうそいつ、目の前にいる存在を殺し尽くさなきゃ気がすまない異常者なんじゃないの?]

 

―――でも、基本的に敵対しなければ攻撃はしないんだよ、基本的には

親戚の上位者の月の魔物くんのとこの駒はR1が会話コマンドだと思ってるって嘆いてたし、それよりはマシじゃないかな

 

こいつは何を言ってるんだ

そんな空気になりかけたとき、ある神様が笑い出しました

頭のおかしい話を聞かされ続けておかしくなったのかな

そう周りが思っていると、その神様は笑いながらこんなことを言いました

 

[ようやくわかったよ、その駒の信仰している対象が]

 

ざわざわと騒がしくなってきました

聞かせて、早く教えて、いったい何を信仰してるんだと、今だけは周りの神様も盤から目を離していました

 

[それはね、君だよ]

 

―――え、僕?

 

[そう、君はその世界の神なんだろう?

そして君がその駒を持ってきたということは、君自身を信仰している可能性が高いんじゃないのかい?]

 

なるほどー、と周りの神様は声を上げます

 

[君はその盤ではすごい神様なんだよね?]

 

―――うん

黄金樹はその世界の光の根源だって言ったけど、その根本にあるのが(エルデンリング)なんだよ

 

[なら決まり

その駒の信仰対象は君で間違いないよ]

 

―――そうかなぁ……

 

[?]

 

 

―――でもそいつ、(エルデの獣)殺したよ

 

 

 

 

 

 

それから、神様たちはあまりその駒のダイスを振ろうとしませんでした

なんかこいつに関わるとろくなことが無さそう、というのが神様たちの共通認識ができあがっているのです

軟体の神様も、自分のおいた駒には極力触れず、四方世界の盤を楽しむのでした

 

―――まともな世界と正気なキャラクターって素晴らしいね!

今度、前に話した親戚の月の魔物くんも呼んでいいかな?

 

[いいけど駒の持ち込みはNGで頼むよ]

 




ソウルシリーズやエルデンリングのステータスである信仰とは、一体何に対する信仰なんだろう
そんなことを考えてできたお話です
楽しんでいただければ嬉しいです

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