特別な固有結界内でエクストラクラスなオリ鯖と一部ボスが邂逅な話。

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ACⅥが発売される前になんかやっときたいので書きました。
あとFGO側のネタバレを配慮してのあらすじとタグです。


首輪付きけもの

 思えば、ここに来るまでの道筋は酷く、そして無駄なモノであった。

 ぐだ男やぐだ子でもないのに、特異点を修復する為にけものと奔走してきた。

 それだけなら、辛いだろうが酷くはなかったであろう。酷かったのは、唯一側に常にいてくれた首輪付きけもの、或いは人類種の天敵による影響とおぼしき嫌われ概念だ。

 どこへ行こうと誰に会おうと、初手好感度が最悪になる呪いが時間の旅路を酷くした。人類史の危機を理解している者か聖者しか協力してくれず、その僅かな協力者も嫌悪感を隠しきれていなかった。

 初めから判っていた事だ。

 ロマニ・アーキマンは嫌われ者の背中を見て、ソロモンとして後悔の解決をする勇気を持てない事は。

 どうしようもない事だ。

 他のマスター同様にコフィンで冷凍保存されているマシュ・キリエライトが、盾の英霊の力で絶対不可侵の白亜の防壁で守ってくれない事は。

 

 それでも、進み続けたのだ。人理の救世主などになれはしないとしても、何もせずにただ消え行く事など認められなかった。

 復讐の為に鉄の巨人に乗る事も出来ない。

 レイヴンとして戦う事もできない。

 不可侵の境界線を越える事もできない。

 ナインブレイカーに成る為の訓練を突破する事もできない。

 アーキテクトとしてAIの調整ができない。

 インターネサインを破壊する為の、策謀を張り巡らせる事もできない。

 ドミナントになれない。

 人類種の天敵になる事もできない。

 心と身体を差し出してまで、勝利を追求できない。

 神様に戦いこそ人間の可能性と示せない。

 どういう形であろうと、勝利するイレギュラーになれない。

 

 ないない尽くしで辿り着いた終着点。人理焼却式ゲーティアの御前。もはや手元にいる首輪付きの気紛れの助力では、どうしようもない処刑台だ。

 

「醜い、醜いぞ人類最後のマスターよ。獣に汚染された魂に、人類種としての愚行。到底見れたモノではない。」

 

 罪禍を問うその視線だけでも、存在そのものが消し飛ばされそうだった。それでも、まだ生きている。心だって折れてはない。

 

「だとしても、進むだけだよ。その先に処刑人が5人居ようとも、自分で選んだ道なら続ける以外はないんだから…。」

 

 そうだ。最悪の最後になると判っていても、進み続けるしかないのがレイヴンやリンクスにミグラントだ。AC乗りの誰だって、黄金の時代を夢見つつも地獄を見てきたのだ。

 

「…呆れたモノだ。ならば終わりにしてやろう。第三宝具、展開。“誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの”

 ――さぁ、芥のように燃え尽きよ『誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの(アルス・アルマデル・サロモニス)』」

 

 人類史を薪として収集し、熱に変換された光帯より放たれる防御不能の熱光線。例え防ごうとも、ゲーティアを打倒する手段が無い以上は詰みだ。

 

―――首輪を外せマスター、そしたらあんなオカルト野郎なんざ始末してやる。

 

 ソレは駄目だ。首輪は簡単に外せるが、待っているのは獣同士の殺し合い。人類史は余波だけで滅びる地獄が顕著するだけだ。

 

―――まだ生きて心も折れてないだろ?なのに諦めるのか?

 

 諦めると言えばそうなのだろう。だけど、超えてはならない一線を越え、何も残らぬ未来にするくらいなら、ゲーティアの作る未来を残す方がマシだ。

 

―――……ああ、根負けだよマスター。お前は最後まで俺を拒絶をしなければ、依存もしなかった。お前は獣を、このビーストX(エックス)『叡知』の獣に打ち勝った。ならば、相応の褒美が必要だ。

 

―――【人類悪顕現】

 

 ゲーティアの最初にして最後の一撃になるはずだった攻撃を、単独顕現によって現れた鉄の巨人が盾となって防ぐ。

 

「どういうつもりだ?。」

 

 ずっと人類最後のマスターに付きまとっていた獣の、本格的な顕現に、ゲーティアは攻撃を止めて睨み付ける。

 巨人の握る銃―――相応に巨大な為、砲と呼ぶ方が正しそうな代物―――から、魔神柱達へと向けて弾丸が放たれる。

 

「無駄な事を…。」

 

 空間そのものとなっている魔神柱により、ゲーティアは決して滅びる事はない。先に魔神柱を滅ぼそうとしても、ゲーティアによって魔神柱が再誕する事で、その総数が減少する事は事実上存在しない。

 

『管制塔より報告!グシオン、カイム、欠落!補填、補填を!。』

 

「…なに!?。」

 

 その有り得ない報告を皮切りに、他の焼却式からも同様の報告が立て続けに入る。

 ネガ・インテレクト。ビーストXの固有スキルにより、自身より過去の叡知、即ち人類種とソレが生み出したモノへの絶対的な優位性を持つ概念。

 神秘によって存在するのに、古い方が結果として優位性を得やすいルールを真っ向から否定するイレギュラー。

 

「やはり愚かで醜い!人類最後のマスターよ!。

 獣を解き放ち!その食らい合いを高みの見物か!?。」

 

「…そんな訳ないだろ。能力はなんとなく察していたけど、相討狙いも出来ずに解放なんてさ。」

 

 その所業に、これまでの旅路で見せた力で、人類最後のマスターは首輪付きけものの能力を察していた。

 故に、相討ちによるビースト討伐を諦めていた。ビーストIたるゲーティアが倒れても、人類種の天敵が残ってしまっては本末転倒だ。

 

「だが、結末は不変だ!いかに獣といえども、この熱量の前には何一つ変わりはしない!。」

 

 再び放たれる熱光線に対して、ビーストXの選択は迎撃。先程は人類最後のマスターを狙っていたから防げたが、今度はビーストX諸とも消し去る範囲を焼失させるだろう。

 

「衛星軌道掃射砲!?。」

 

 光帯へと砲を向けて出現した代物に、ビーストXに摘まみ上げられた人類最後のマスターは目を剥く。

 既にチャージが終えていたようで、熱光線に遅れる事なくコジマ粒子による掃射が行われる。

 純粋かつ膨大な熱エネルギーの熱光線の前では、コジマ粒子を用いたエネルギー砲でも押し負けるのは必須であった。だが、ビーストXが操るとなれば話は変わる。

 純粋な出力差から、熱光線が消える事はない。故に起きるのは、熱光線を貫きそのまま光帯をも破壊する。

 

「っ何!?。」

 

 ネガ・インテレクトによる優位性ありきの結果だが、その事を知らないゲーティアからすれば、まるで真っ正面から宝具を打ち破れたかのようであった。

 

「時間神殿が、崩壊していく…。」

 

 ゲーティアを含む全てが、人間たるソロモン由来の為に、固有結界である時間神殿ソロモンすらビーストXの攻撃によって致命傷を負わされていた。

 光帯はほどけて大気に満ちるマナとなり、固有結界がソロモンの魔術回路を基盤としていたから、時間神殿の損傷がフィードバックしてソロモンの魔術回路まで破壊された。

 それでも、まだゲーティア自身と魔神柱が半数以上残っていた。

 ビーストXには勝てない。そう理解したゲーティアは、生き残っていたあらゆる魔術を停止させて逃亡を開始した。

 

「ッ!?ビーストX、ゲーティアを逃がさないでくれ!。」

 

 まさか逃亡に、人類最後のマスターは慌ててビーストXに頼むという形で指示を出すが、それよりも早くに弾丸の雨がゲーティアを襲う。

 

「……相性が良すぎるのも考えものだな。どの特異点よりも楽に終わるとか。」

 

 ドラマ性の無いゲーティアの呆気ない最後に、空元気でも笑った。どのような終わりであっても、ようやく彼の旅路は終わったのだ。

 

―――【人類悪検知】

―――【対召喚(カウンター)グランドサーヴァントを要請】

 

「今さら、いや人理を取り返したから抑止が働きだしたのか?。」

 

 珍しく働き出した抑止力に、どこか呆れつつも彼はビーストXの様子を伺う。どこか楽しげのなのを感じ取れば、彼は笑った。

 

(傭兵(リンクス)の生死は戦場にしかないからな。)

 

 ゲーティアは倒れ、人理は取り戻した。ならば後の彼とビーストXの関係は蛇足に過ぎない。互いに、付き合う必要はもう無いだ。

 

―――【承認、グランドクラス七騎を召喚】

―――【人類悪を排除せよ】

 

 契約を破棄し、彼は崩れつつあるカルデアへの道をひた走り、ビーストXは召喚されたグランドサーヴァント七騎へと猛然と襲い掛かるのだった。

 

 

 

 

 カルデアまであと一息。けれども時間神殿の崩壊も佳境で、のんびりとしている余裕は無い時に、その声は聞こえた。

 

「貴様だけは、生きては返さんぞ。」

 

 ビーストXの攻撃によって、塵も残さず消滅したはずのゲーティアが、カルデアへの道に立ちはだかっていた。

 

「ッ!?そこをどけ!。」

 

 疑問など脇に置き、走りながらも唯一の武器たる自身の礼装へと魔力を通す。

 

(止まったら負けだ!一撃で倒して、そのまま通り抜ける!。)

 

 ゲーティアをよく観察すれば、体のあちこちが欠けている上に、どこか輪郭がボヤけて儚げであった。

 事実、ゲーティアは見た目以上にボロボロであった。ビーストXに勝てないと逃亡した際の攻撃で、ビーストとしての霊基は狙ってそうしたが破壊されている。

 更に、半数以上残っていた魔神柱もついでと言わんばかりに削られ、無事だった幾つかの柱はそのまま本当に逃亡したか、致命傷のゲーティアを延命する為に残留している。

 

「システム戦闘モード開始!。」

 

 後は無いと、令呪三画を魔力として消費する。異常にくべられた魔力が右腕を中心に渦巻き、彼はそのまま振りかぶる。ゲーティアも同じ様に、腕を振りかぶる。

 あわやクロスカウンターになるかと思われたが、彼の腕はゲーティアの腕よりも低い位置に突き出された。

 バシュッ!と解放音と同時に、彼の腕に括り付け、服によって隠されていた魔術式射突ブレードがゲーティアの拳とぶつかる。

 弱いサーヴァントになら、致命傷になるかもしれないその一撃を受け、ゲーティアは今度こそ延命すら不可能になる。

 その成果には目もくれず、彼はゲーティアの脇を通り抜けてカルデアへの道を駆け抜け―――

 

「言ったであろう、生きては返さんぞ。」

 

 まだ無事だった手で襟首を掴まれ、バランスを崩して転んでしまう。

 

「っあ…」

 

 そのまま、彼とゲーティアは穴へと落ちて消えてしまうのだった。




オリ主
一応神様転生でやってきた人。AC世界出身とかではなく、ACに脳が焼かれただけの人。嫌われの理由は「こいつ変なビーストと縁持ってるキモッ」ってなってた。

魔術式射突ブレード
オリ主の切り札。魔術で強化した射突ブレードでぶち抜こうぜ!な魔術礼装。
弱いサーヴァントなら倒せるかも。バサクレス(最強クラスのサーヴァント)を対魔力がないからって一回殺したアカイアクマはなんだって?あっちは現代魔術師の最高峰の天才ですしお…
カラサワもムーンライトも作るのが無理だったのでコイツを作った経緯がある。

人類種の天敵
ACfaの主人公のifの姿。君が産まれるならfate的に過剰な滅びで剪定事象喰らわね?は禁句。

『叡知』の獣ビーストX
人類の叡知を用いた個人によって、人類種の存続が左右される時に現れる獣。人類種の天敵は、人類の総数を減らす事で、人類の存続を決定的にした。
本文では「なんか変な縁を辿ったら人類消えそうになってるのが見えるw」って事で特等席で見に来た。
助力を乞われたり排斥しようとしたらゲーティアとカルデアを消しさるつもりだった。
無論fateには実在しないビースト。そもそもビーストは7の数字までしかない。数は十体越えそうだけど。

ネガ・インテレクト
自分より過去の人間と人間由来の技術に対して特効とか得る。サーヴァントのような過去の人間で、人間の技術で現界してるような要素が重複する相手には効果が重複する。
逆に言えば人間が無関係なORTとかには効果がないのでまず勝てなかったりする。
抑止力はこんな力を持った奴をどう倒すかって?ビーストXより未来の技術を使う奴をグラ鯖にして投入するなどして徹底的にメタって倒す。

ゲーティア
負け確だから人理戻してグラ鯖が投入される状況を整えて
自分はビースト判定くらわないまで霊基をボロボロにしてオリ主に「みちづれ」した。
ビーストXがオリ主の周りにいたから最後の時まではちゃんとオリ主を見た事がなかったりする。だから微妙にローテンションだった。

抑止力
最後だけ働いた。ゲーティアにビーストXの処分をやらされたとも言える。

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