の子との140字チャレンジをしていたなーと年明けくらいに思い出して、そういやこの二人ポジション的な都合もあって縁のある相手色々と被ってるやん!と、こんなもん出来ました。祝え!(向こうの作者さんの誕生日更新)
ちなみに、番外編ということでお互いの本編で描写されてるようなことをまたくどくどやっても仕方ないし、そこはかとなくダイジェスト風味。お試しな向こうの子視点もあるよ!
あ、それと学年末のシーンもありますけど、あくまで『このコラボ内の未来』であって、主にこっちがメインストーリーといつの間にかその付属品になった舞台時空も蹴っ飛ばしてるせいで本編の未来とは限らないので、そこはあしからず。
入学式、多くの学生が夢や希望を抱いているだろうそんな日に、少し用事があって学外へ出ていた一人のリリィが、ほんの気紛れに学院近くの猫が集まると噂な森の一角を訪れる──それが、本来交わらないはずな二つの運命を、交錯させることになった。
『誰だこいつは』
なんてお互い同じことを考えているなど露知らず、不意の遭遇に身構える一匹と一人。その一触即発の雰囲気は、
「みゃー」
「……はぁ、チョコ食べる?」
「キュイー」
──まあ、妙に礼儀正しく受け取るから、別に悪いやつではないんだろう。
などと急な先輩からの呼び出し帰りだからと、普段なら通らないような道を選んだ事に不思議な運命を感じるリリィ──黒紅雪華と、後にピラトゥス、あるいは
◆◆◆
あれから、何かあればニンジャかアニジャかのように現れてはヒュージをスレイする、〈ピラトゥス〉と名付けられた竜の特型ヒュージ─どうにも梨璃ちゃんを始め感受性の強い何人かは、本当にヒュージなのか疑わしいと思っているようだし、私としても妙に縁があるこいつを、ただのヒュージとは思えずにいる─ともかく彼、あるいは彼女と何度か会っている内に『こいつはこっちの言葉を理解している』なんて気付くのには、さして時間はいらなかった。
であれば、今こうしているのも、ある意味では必然だったのだろう。
「これはこっち」
「キュイ」
「あ、それはそっちね」
「キュイー」
イルカみたいな声をしたピラトゥスからの合いの手に合わせて、二人で何をしているのか? と聞かれてもなんてことはなく、私が勝手に借りて散らかした分と、例のレストアの背中に突き刺さったままでゆゆりりのラブラブアタックに吹き飛ばされた分の回収、そしてピラトゥス自身が戦闘中にせっせと集めていたCHARMを、まとめて分別している。
その少し前には、夢結たちとレストアの戦いには加われなかった面子の中でも比較的血の気が多い、というよりその様子に圧倒されていた反動か、自分たちも何かしたいと逸って彼、あるいは……めんどくさいから彼女でいいや。理由? なんとなく。
「待った、それ本当に見た目通りに古いやつ? ティルフィングって陸ガ○みたいなレアもんのはずなんだけどなぁ」
「キュイ?」
ともかく、ピラトゥスがヒュージだからと警戒してCHARMを向けていたルーキーたちも、私と彼女がこんなじみぃーな作業をしているのを見ては、今更ドンパチな気分にもならないようで。
さりとてパシられてる私のように、色々とアレな人だなんて噂のある百由に目を付けられても堪らないと三々五々立ち去って、今はなんかニヤニヤしてこっちを見ている梅と、眼鏡を光らせながらひたすら端末をカタカタ鳴らしてる百由、そしてそれを眺めているミリアムちゃんや、これの手伝いまではしてくれない神琳さんと雨嘉ちゃんだけと、大分寂しい。
「で、百由。これで合ってる?」
「少なくとも、直近のデータと合わせて
「キュイ!」
これで用事も終わったと、戦闘直後に何やらCHARMを持ちながら共同墓地の方を示したピラトゥスの様子から、手向けたいのだろうとは理解したけど流石に全部となると百由側も困るので、最低限百合ヶ丘のCHARMはこちらに、と伝えれば「キュイー」と快諾してくれての今なのだから、百由からのお人好しという表現も間違ってないのだろう。
「キュイッ」
「ん、乗っていいって?」
スッと屈みながら羽根を降ろしてくれれば、どういう意図かなんて言葉も不要か、とピラトゥスの背に跨がれば、同じようにするのがもう一人。
「じゃあ梅も行くゾ! なんか、こいつも雪華サマもほっとけないからナ」
そうね、梅に私まで乗っていれば彼女を問答無用で撃ち落とそうだなんてバカも出てこないだろうし、向かいたいって先が少し気になる場所だからっていうのも、まあ。
ともかく黒竜の背に二人で乗ったまま、そのまま羽ばたき浮かぶ感覚に身を任せることにする。
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さて、こんなイベントあったっけ?
というのが、山の中の新居(あくまで住み処にしてる場所の意)から見える、ヒュージの群れに襲われている第三演習場とやらの状況への感想。
俺の知る限りで、しぇんゆー絡みのイベントって言ったらアニメ4話のあれこれと、ゲーム版でのこんなん泣くでしょな神琳さん主役イベント〈朋友のブルーストライク〉。
あとは、雨嘉さんの妹さんが日本に来るってイベントが予告されてたってくらい?
悲しいことにそれ以降に公開された話は、こっちの世界にピラトゥスという野生の特型ヒュージとして転生してしまった以上、どんなネタがあっても分かるわけないんですけどねチクショウ!
で、一番最初はそりゃあもう丁寧にただの背景としてしっかり見守らせていただいたし、残りのふたつは少なくとも5月かそこらで起きるには早すぎる。
……というよりまだ一柳隊がちゃんと結成されてないのに起きちゃったら色々とマズいし、そもそもブルーストライクの舞台は九州だ。
そうなるとこれは俺の知らない話、小説版とか漫画版、あるいはアニメより古いらしい2.5次元舞台での出来事?
いや、あくまでメディアで描写されたのがそれらの話というだけで、当然そうでない時間も、リリィたちは生きて戦っている。
主にゲヘナとかゲヘナとかゲヘナとかゲヘナとか、あとゲヘナとかゲヘナのゲヘナのあんちくしょうの悪意蔓延る、この世界で。
「キュイ!」
なら迷う必要など微塵もない、この身はヒュージなれど、心まで畜生に落ちたつもりなどなく。
であれば、これまでの件で縁も繋がりもある推しカプを助けるのだ!
などと気合いを入れつつも、新居の周りに集まる猫やらあれこれを吹き飛ばさないよう、ゆっくりフワリと羽ばたけば、しぇんゆーと二水ちゃんがヒュージと戦っている演習場へまっしぐら!
──その結果、援軍と駆け付けた中にいたいつぞや作業を手伝ったセンパイが「電車斬り!」とか人様─今の俺ヒュージだけど─に乗りながら親玉ヒュージへかましていたのに、そういえばこの世界、設定上近未来って言うわりにサブカル周りは大分現代寄りなんだっけと、ノスタルジックな気分になったりならなかったり。
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「で、私が帰ってくるまでにこんなんなってましたと」
『あはは、どうもです』
ラウンジのテーブルで向かい側に座り、なんともな様子で返事をしてくるのは、首に付けたチョーカー型の装置のおかげで話せるようになったらしい、いかにも機械的な棒読みちゃん声。
とはいえ所々にドラゴン的な部位は残ってるにせよ、随分と人っぽい見た目になったのもあって、声が平坦ながらにちゃんと感情は察せられる、そんな『高松アルン』と名乗るようになった人の姿を得たピラトゥス──なんて東京帰りの疲れで幻聴でもしたかと疑った内容も、本人がこうもさらっと現れては認めざるを得ない訳で。
「ま、なんにせよこっちが一方的に喋ってるだけ、よりは健全なのかね?」
『その分質問攻めやらデータ取りやらで、こっちのメンタルはゴリゴリ逝ってますけどね……』
言いながらぐてーっとテーブルに力無く突っ伏してるのだから、まあご苦労様というか。
「それは仕方ない、〈イレギュラー〉のお約束みたいなもんだし」
私だって世代唯一の『円環の御手』だなんて発覚した時こそ色々とあったけど、結局何も特別なことはない、単なる遅咲きなだけだったと分かれば、それ以上騒がれることもなくなった。
『で、そっちは新宿帰りでしたっけ?』
「ふたつ隣ではあるけど、細かく言えばシモキタって世田谷区よ?」
東京の中で言えば近所だし、まあルド女の守備範囲で戦ったとだけ聞けば、どっちかと言えば浮かぶのはそっちか。
「一応、新宿の方にもヒュージが出てはいたみたいだけど、それこそホームなんだからルド女の子たちが対処にね? あたしの方はルド女組が何人か残ってたから、都内の他のガーデンから救援に来た面々とって感じ」
『都内の……エレンスゲとか、神庭辺り?』
「そうそう。後は御台場から四人と、戦闘前に会った鎌倉は相模からの子が……って、結構詳しいね?」
アルンちゃん……まあ一番下扱いだろうしこの呼び方でいいとして、こっち側に来てすぐでよく東京の事まで分かるなと思わなくもないけど、本人が微妙そうな表情になるなら、深入りはしないでおくべきか。
『まあ、色々と』
「ふーん? ま、勤勉なのはいいことだと思うよ」
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アルンの用意した『身代わり』を連れていく……ことすら叶わず、彼女による「オハナシ」の途中、現地と映像にて乱入してきた烏丸父娘の告発に加え、違法行為の数々を多数のメディア越しに白日の下に晒されては、正統性を失った指名手配の報いのように、事の首謀者な政府関係者たちは全員逮捕となった──
などという裏の事情はともかく、結局結梨が一人飛び出し海の向こうのギガント級へ立ち向かっていた時、本来の予定より早く駆け付けた『影』がひとつ。
「……いいところに来た!」
慣れた気配から空を裂く流星のような
「道を開けろっ! 竜騎兵のお通りだぁ!」
(
しかし今はアルンでなくピラトゥスの姿であり、彼、あるいは彼女もツッコミは心の中に留めて、雪華の張る多重バリア越しにギガント級から放たれた閃光の中を飛翔するという、中々レアな体験に身を委ねていた。
……なお、その後はずいぶんと余裕だった代わりに、調子に乗って雪華が結梨と一緒にヒュージ本体を十文字に両断してしまったせいで、しっかりとギガント級の爆発には巻き込まれた模様。なにやってんの。
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それから色々とあって、復活したアルンちゃんがより人と竜の合の子みたいになってしばらく、検査だということで学院の地下にある施設を案内していたら、私としては久しぶりな人に見付かった訳で。
「なるほど、噂の高松アルンとやらはお前か」
「は、はぁ。そうですけど?」
腰回りの感じから百合ヶ丘の制服がベースっぽくても、いかにもお偉いさんっぽい装飾華美な衣装に、一際目を引く大きな帽子。
そんなのを身に纏った見知らぬ相手に捕まったとあれば、アルンちゃんは戸惑い10割だけど、相手の方は気にするなと態度で示す。
「ふっ、そう萎縮せずともよい。咬月のやつが
(あの、雪華様。なんなんですかこの人……?)
目の前でひそひそ話も何もないだろうけど、まあ本人に直接聞くのは気が引けるというのも分かるから、こっちも控えめな声で答えようか。
(
(理事長!?)
(ま、私も中等部から高等部に上がった時以来に見たけど、あいっかわらず見た目変わらないなぁ。連中に身体弄られる最中、ヘンなクスリでも飲まされるか浴びるかしたのかねぇ?)
驚きっぷりから「知らないよこんな人!」と言いたげなアルンちゃんには悪いけど、私としては『高松』の名字を名乗っちゃってる以上、いつかはロックオンされるだろうなとは思っていたし「足掻くな、運命を受け容れろ」としか。それとも「ん、
「む? なんだ、そういう話ではなかったのか」
「いえ、そのー……高松ってそんな珍しい名字でもないらしい、ってことから名乗らせてもらってるだけで、別にそちらの家に養子に入るとか、そこまで厚かましい理由じゃないといいますか」
いくらアルンちゃんが謙遜しようが、理事長としてはその程度は想定の範囲内だと、余裕そうな態度で返すのみ。
「構わんよ。咬月が弟と聞けば分かるだろうが、私は見ての通りの身体でな。誰かと愛し合い子を成す……などと、普通の者のようにやれるかも怪しいのだ。どういう形にせよ家族が増えることに、否やと言うつもりはないさ」
(オレが構うんですけどぉぉぉぉっ!)
これ、若干セクハラになってないかなぁ、とアルンちゃんの魂からした嘆きの声には恐れず怯まず退かず、このまま案内も押し付けられるだろうと巻き込まれる前に逃げようか。
◆◆◆
「おじゃましまーす、って今一人?」
「妹さんなら身嗜みがどうのって、楓さんに連れてかれましたよ、お姉様?」
空いた時間に寮の部屋まで顔を出してみたら、ここぞとばかりに茶化されるけど、あの子からは変わらず呼び捨てだし実感は……でもアルンちゃんのからかうような反応を見るに、周りから見たら違うのかなって、差し入れに持ってきたチョコをひとつ、留守番な彼女の口へ投げ込んでみる。
「あむ……そういや最初に会った時も、雪華様チョコくれましたっけ」
「ま、どうにも糖分欲しくなる時はあるからねぇ。そういや、アレ結局どうしたのよ? ピラトゥスの姿じゃ、流石に食べにくかったでしょうに」
「住み処に保管しておいて、
なんてご丁寧に両手を合わせて拝むようにしてくるから、本当に元ヒュージなのやら──けど、ゲヘナがそんなことをやれるならとっくに自分たちか適当なリリィの身体で試しているだろうし、どうにも一部で噂になってる彼女が『ゲヘナの被験者な元人間』だって話も、微妙に頷けない。
おじさまにそれとなく探って欲しい。と姉さんに頼んではみたけど、結果だけ言えば少なくとも日本国内でそんな実験が行われた痕跡はなかったみたいだし、海外でもここまで大層な計画を黙っていられるような理性を持ってるやつが、ゲヘナで人体実験なぞするものかよと……
「雪華様?」
「いや、結局私が考えても仕方ないことだしね」
神ならぬ人の身で全てが分かるなんて驕るつもりはないし、分からないなら必要じゃない答えってことだ。多分ね。
◆◆◆
「それにしても、いつの間にやら一柳隊も関係性のバーゲンセールですねー」
「んむ?」
「ほら、ゆゆりりに始まりしぇんゆー、もゆミリ、せつゆり、飛んでたづまい、んで仕上げのひばふみですよ」
ああ、急に何かと思えばそういう話ね。確かにレギオン内シュッツエンゲル三組、レギオン外とが二組、んで希望同室一組と、まあ制度的な関係性の
てーか、それを言い出すとアールヴヘイムなんてレギオン内でノルン二組、シュッツエンゲル二組、レギオン外のシルト一人と質では上回ってる気がしないでもない。
……いや、なんの因果かどっちも余り物が一人発生、なんて部分は同じだけどさ。大体自業自得なところも含めて。
「余りの一人、今ならお安くしとくよー? 実家も太くて本人も出来る女だし」
そうなると尚更、ご同類な亜羅椰ちゃん共々レギオン内唯一の生き遅れになった相手との縁は、活かして損はないという話をアルンちゃんに振ってみる。
「いや、ナニがあって家主サマとそういう関係に持ってけと」
残念。なら楓さんには最後まで余ってから、卒業後元鞘な葵ちゃんに何かしらといわず捧げてもらうとして、そんな私たちがラムネ片手に駄弁っているのは、こういう時に色々気楽な購買部。
「で、そろそろ学年末で寮替えも近いですけど、そこんとこどうなんです?」
「うーん、多分ですけどあの部屋やアルンさんのこともあるから、楓さんはこのまま三年間ずっと新館暮らしで、最終的に寮長辺りに納まりそうなところは?」
ついでだといつもの店員さんに『そっち側』としての意見を求めてみたら、凄くあり得そうな末路を提示されて、二人して「あー……」と納得するしかない。
「そうだよ、あの部屋が普通じゃないからオレも結梨ちゃんも押し込まれたんだったわ」
そう考えると、このまま産まれも育ちもバラバラな三人と一機の奇妙な共同生活は卒業まで継続で。
となるのが一番丸そうというか、三部屋ぶち抜きも新館だからこそ通った無茶ってところもありそうだし、最後まで責任持って使ってもらおうか。
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「「──って感じの夢を、近頃何度も見るんですけど!」」
などと『それぞれの』百合ヶ丘の購買部で、店員さんこと
結局よく分からない話や相談をするにはここが一番というのは、お互い現実でも変わらないようでちびちびとラムネを飲みながら続けたそれも、話し続ける内に三本は空になってしまっていた。
「私も出ているというのはともかく、何か縁のある相手、ということはないですか?」
「「縁って言われてもなぁ」」
あるとしたらそれは、本当に神やそれに準ずる存在にしか分からない領域での繋がりなのだから、二人ずつで頭を傾げても、分からないものは分からない。
つまり、これはそういうお話。暇を持て余した神々、あるいは筆の遊び──
「「とりあえずもう一本ください!」」
「はいはい、ただいまー」!
今回のゲスト(Re)
サク&いずみーるさんの小説
転生先が百合キャンセラーのバケモンとかどうにかならなかったんですか!? https://syosetu.org/novel/271141/
より今度は人モードでも出せたよ!なアルン君ちゃん。と
ぽけーさんの小説
もし百合ヶ丘の売店に「よく困ったことに巻き込まれる店員」がいたら https://syosetu.org/novel/259308/
より毎度の店員さんこと藤見布由リターンズをそれぞれお借りしましたー
や、向こうで絡んでたから、オチにこっちでも混ぜていいかなと…相性はいいと思うんですよね、この二人。良すぎて持ち込まれるトラブルの量まで跳ね上がりそうっすけど