転生したら原初でした。   作:ダイヤグラム

10 / 10

 駄文製造機ダイヤグラムです。
 生きています


魔王の会談

  

 クレイマンのクソ長い演説が終わり、ようやく来客のリムルの番となった。

 

 「…クレイマンだっけ?お前、嘘つきだな。」

 

 リムルは開口一番に言う。

 

 「何ぃ?」

 

 クレイマンとリムルの会話の応酬は続く。

 

 「ミュウランは生きてるし、俺は魔王の座なんぞに興味はない。大体、カリオンさんは謀略とか考えるタイプじゃないだろ。」

 

 「ハッ。そんな言い訳だけで誰が信じると言うのだ!ヴェルドラを手懐け、強気になっているようだが、貴様はしょせん邪竜の威を借りねば何もできぬスライムよ!」

 

 「…そこが一番違う。確かにヴェルドラの威光を使わせてもらうことはあるけどな、それ以前にあいつはただの友達だ。」

 

 「ともっ…!?…!?」

 

 「それに証拠がないのはお互い様だ。そっちの証言だって、配下の報告だろ?しかも、その配下はもう殺されたって?そんなもん、証拠とは言わねぇよ。あと、ミュウランは今俺の保護下にあるから、この場に呼んだとしても、お前に都合の良い証言はしないと思うぞ。」

 

 「…フッ。フフッ。そこまで卑劣な真似をするか。さては貴様、ミュウランの骸に悪霊でも取り憑かせたか。」

 

 「遺体に悪霊?するわけないだろ。さすが心臓を人質に脅迫する奴は発想が違うな。」

 真実を突かれ、クレイマンは焦りだす。

 

 「皆さん。いつまでこんな一介の魔人如きに話をさせるつもりです!?こいつは暴風竜の威でもって魔王に成り上がろうと────」

 

 クレイマンの話は、リムルの蹴った椅子の破砕音によって途切れる。会話の流れを乗っ取りリムルが話し始めた。

 

 「さっきも言った通り、魔王なんざどうでもいい。俺は俺が楽しく過ごせる国を作りたいだけでね。それには人間の協力が必要不可欠だし、だから人間を守ると決めた。それを邪魔する者は、人も魔王も聖教会も全て等しく俺の敵だ。」

 

 クレイマンを真っ直ぐ見て、リムルは言う

 

 「クレイマン。お前のようにな。」

 

  と。

 

 「お前も俺が気に食わないんだろ?なら、これは俺とお前の問題だ。」

 

 そうして、静寂が訪れる。その静寂を破ったのは、『魔王ギィ・クリムゾン』だった。

 

 「おい、お前。魔王を名乗るつもりはあるのか?」

 

 その問いかけに対してリムルの返答は

 

 「…ああ。既にジュラの大森林の盟主を引き受けているし、人からすれば魔王だからな。」

 

 だった。それに対して、ギィは「ならば良し。」と言う。

 

 「丁度ここには、見届け人が揃っている。オレ達の前で、クレイマンに勝てたなら、お前が魔王を名乗ることを許そう。」

 

 「ありがたいね。わかりやすくて。」

 

 リムルは答えた。

 

 事態は進み続ける。各々の思惑を持って。

 

 

 

 

 

 

 そもそも、魔王ギィ・クリムゾンにとって「十大魔王」など人間が勝手に決めただけの呼称である。故に数などどうでもいい。

 

 「皆さん、宜しいのですか?下等なスライムの暴挙を許して…。これは我々魔王に対する侮辱ですよ!?」

 

 クレイマンが何か焦ったように騒いでいるが、ギィは気にしない。なぜなら、弱者に"魔王"の名は相応しくないと考えるからだ。リムルが勝とうが、クレイマンが勝とうが、どっちでもいいのだ。強ければそれでいい。それは、自身を最強であると考えているがゆえの傲慢さの現れでもあった。

 

 「別にいいじゃねえか。クレイマン、お前も魔王なら、自身の力で持ってそいつを倒してみせろ。」

 

 そろそろ、本物の魔王達による支配の時代が始まるべきだと考える。こんな軟弱な魔王ばかり増えられても困る。だから促す。リムルとクレイマンの戦闘を。勝者こそが魔王に相応しいのだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 視点はリムルとクレイマンの戦闘を紅茶片手に楽しんでいる、灰色の髪を持つ少女ニアに変わる。リムルとクレイマンの戦いは何故だか参戦したミリムとリムルの配下を交えて白熱している。

 

 だが、そんなことには目もくれず、一人思考していた。この戦闘自体、どうでもいいのだが、クレイマンを操れる存在(・・・・・)については興味がある。まずは、何故クレイマンが操られていることにニアが気づいたかを話さなくてはならない。

 

 話さなくてはならないとは言ったが、ただ単に違和感を感じただけである。クレイマンは確かに前から、傲慢な節はあったが、愚か者(・・・)ではなかった。以前のクレイマンなら、決してリムルにケンカを売るという愚行は犯しはしないだろう。触れないようにするか、媚びを売るか、また別の選択肢か。

 

 そういった違和感を覚えたから、念入りにクレイマンの状態を解析した。その結果、クレイマンが操られているのがわかったのだ。

 

 (とはいえ、解析し終わるまでにだいぶ時間かかったんですよね。)

 

 クレイマンとて、一介の魔王種である。簡単にスキルによる支配を受けるわけではない。考えられるとしたら、何らかの究極能力(アルティメットスキル)によるものだろう。

 

 そして、次に浮上するのが誰が操ったかだ。正直、この世界ではどうやって操ったのかは重要じゃない。手段なんていくらでもあるからだ。だが、なぜやったのかは違う。何らかの目的がないと魔王なんて操ろうとしはしないだろう。しかし、候補はあれど決定まで持っていけない。故に、ニアは一人考え込んでいるのだ。

 

 ただ、もしも本当にニアが思い至った人物がクレイマンを操っているなら、ニア以外に操られているのに気づく者はいないだろう。

 

 (さて、これからどうするべきですかね?リムルは明らかにクレイマンを殺そうとしていますが、私からすればクレイマンは重要な情報源。殺させる訳にはいかない。そうすると、下手したらリムルと敵対するわけで。…敵対覚悟で行くしかないかな。まぁ、下手したら敵対するだけだから、大丈夫大丈夫。)

 

 ニアが思考に時間を費やしている頃には既に状況は動いており、クレイマンは押され始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は少し戻り、リムルとクレイマンの戦闘が始まった辺りまで戻る。

 

 

 クレイマンとの戦闘は操られているミリムも参戦し、混沌を極めていた。

 

 

 ミリムにはリムルが。クレイマンにはシオンが。九頭獣(ナインヘッド)と呼ばれたクレイマンの配下にはランガが。ビオーラと呼ばれた人形には途中参戦したラミリスの配下であるベレッタが。それぞれ戦闘を始めた。

 

 

 (「俺はミリムを助ける!!」なんて、かっこよく言ったのはいいが、ミリムの猛攻がヤバすぎる!!しかも生半可な攻撃は当てることすら不可能だ。)

 

 

 

 もしかして詰んでね?そんな思考が生まれるくらい、ミリムは強力な存在だった。ミリムの気まぐれ一つで、自身を含め全滅してしまうのではないかというくらいだ。それほどの猛攻。拳の一つが掠るだけで確実にダメージが蓄積していく。打開策もなければ、有効な攻撃もない。そもそも、ミリムに異常を見つけられない。

 

 (積み…か?)

 

新進気鋭の魔物。最近の世界情勢の話題の中心なスライムはほとんど積んでいた。が、思いもよらないところで解決策がやってきた。

 

 

 

 時として、過去に何気なく行ったことが後に重要な役目を果たすときがある。だから、漫画の表紙と中身を入れ替えるなんていういたずらにも意味が生まれたのだ。 

 

 

 

 ミリムのフェイントに引っかかり、ミリムの一撃を受けるかという時にそれはやってきた。

 

 自身の友にしてこの世界に四体しかいない竜種の一角。暴風竜ヴェルドラである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 竜種の単位ってなんだろう?匹なのか体なのかなんなのか
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。