『世界は英雄を求めてる』が原作以上にアグレッシブな黒竜により切実で切迫したものであったら、というお話

 ただし"世界"はFate/のアラヤやガイア的なものであるとする

1 / 1


『投影』とは
 1.ある物事に他の影響があらわれること。
 2.物の姿(=影)を何かの面にうつすこと。その像。
 3.比喩的に、ある物の存在や影響が、他の物の上に具体的な形となって現われること。また、その形。




『投影』って世界がしていいことじゃないと思う

 

 

 

 ――『運命』というものを信じるだろうか?

 

 

 

 誰かがそう問うてきたなら、(わたし)は迷うことなくこう答える。

 

 『ああ、間違いなくある(ええ、あると思います)』と。

 

 幼い頃はその存在を肯定も否定もしない中庸な思想の持ち主だった事を記憶している。よく言えばありきたりで、平凡な男だった。誰かを魅せる事も、誰かに惹かれる事もなく、気高い決意なども持っていなかった。

 

 取り柄といえば向こう見ずなきらいのある楽観的な思考。

 

 "冒険"に夢を見て、未来に希望を持って、無邪気にはしゃいでばかりいたように思う。

 

 

 ――それらが崩れ去ったのは、きっと『必然』だった。

 

 

 "黒き災厄"としか表現できないモノの襲来で全ては崩れ去った。

 

 名を『黒竜』。字義そのままの見た目のソレが、日々を営む人を襲った。(わたし)もその場に立ち会った事をよく覚えている。

 

 

 ――あの日から、(おれ)(わたし)へと変わった。

 

 

 変わらざるを得なかった。

 

 変わらない事を認められず、また拒む事も出来なかった。

 

 拒めば多くの人が死んでいた。ともすれば、人類種の滅亡もあり得た。黒竜が襲った場所は世界でもっとも強い者が集う都市だったからだ。己の存亡を危惧して狙ったのかは定かではない。

 

 確かな事は、黒竜の襲来を受けた都市に住まう者達は、そのほぼ全てが太刀打ちできなかったという事。抗う姿勢こそ崩さなかったが、本音で言えば『勝てない』と誰もが悟っていた。

 

 

 ――その先に待っていた『運命』を変えたのは人ではない事を(わたし)は知っている。

 

 

 それを為したのは"世界"だ。

 

 神話に語られる神々によって創成され、造られた命である人類の存続のために、その場にいた人間一人を人柱として選んで滅びの未来を捻じ曲げた。

 

 その選ばれた人間が(わたし)

 

 黒竜を討つ。

 

 ただそのためだけに選ばれ、歩むはずだった未来を奪われ、書き換えられた憐れな人間。この身に世界の全てを背負わされた人柱。

 

 強大な悪を討ち、"世界"が望む世界を守るようにと、"世界"が記録している過去の英雄達を投影させられた操り人形。

 

 それが(わたし)の現状なのだ。

 

 

「まったく、腹立たしい限りです。それに純正の英雄が生まれてくれませんかね。そろそろ本来の(わたし)の姿が朧気になってきて性自認や自己統一感が危うくなってきてるんですが」

 

 

 夜闇に沈んだ迷宮都市を、望郷の念を覚える程度には浸蝕を繰り返したホームの一角から見渡しながら、(わたし)は独り言ちる。

 

 黒竜を討つに足る英雄が居ないからと補填された英霊の影が(わたし)。元の姿に戻るには黒竜を討つか――あるいは、(わたし)がお役御免になるほどの誰もが認める英雄が生まれるかと考え、その登場を待っているのだが、しかし待てど暮らせど一向に現れたとは聞かない。もちろんこの身が戻る事も無かった。

 

 さて、どうしたものかと、幾度目かも覚えてない悩みと共に(わたし)も床に身を沈める事にした。

 

 

 ――その直前、部屋に置かれた姿見に己の姿が映る。

 

 

 要らないと言っても、身だしなみを整えるには不可欠だと押し切られて置かれたそれには、誰もが認めるだろう『金髪碧眼の美少女』が映っている。

 

 その『姿』が自分のものとは思えず、また同時、記憶の中に合致する存在がいるせいで猶更憂鬱になって、(わたし)は顔を顰めた。鏡の中の美少女も連動して顔をくしゃりと顰める。

 

 

「『投影』で騎士王様にされるだなんて予想外にも程がある……」

 

 

 がくりと肩を落とし、暗鬱に呟く。

 

 憎らしい事に思考と人格は――自覚できる範囲では――変わっていないが、表出される言葉、立ち振る舞いは完璧にトレースされている。男の意識なのに女性らしい言動や反応をしてしまって内心羞恥に駆られたとしても、『元来女性の騎士王』が男としての羞恥を持つなどあり得ないからか、それは表出されない。そんな感じのトレース具合は、流石に(わたし)の意志で出来るものではない。

 

 だからこそ"世界"による影響なのだと(わたし)は確信しているのだが。

 

 ……どうしてこうなったのだろうか、と内心で思う。

 

 現代日本に男児として生まれ、狭い範囲ながら一般的なサブカルに熱を上げ、同じ趣味の友人と駄弁って、家に帰れば勉強もそこそこにゲームをする日々だった。

 

 それが寝て起きれば異世界で、冒険者に憧れて迷宮都市に来て様々な経験を経て強くなったのはいいが――その『果て』がこれとはどうなのだ。

 

 あれか、異世界出身だから"世界"に目を付けられていたとかだろうか。それにしては中々酷い仕打ちだと思うのだが。

 

 

「あー……いけません、思考がネガティブに入っています。さっさと寝てしまいましょう。明日からめんど……もとい、忙しくなるのですから」

 

 

 もう疲れているのだろう。

 

 そう断じた(わたし)はベッドに身を投げ、フカフカの布団に包まって目を瞑り、意識を闇に沈めたのだった。

 

 

 






・黒竜
 ダンジョンから地上に進出した強大なモンスターの一体
 三大クエスト最後の一つの対象でもあり、レベル9や8の冒険者を擁していたファミリアを壊滅させた化け物。原作だとまだ出てきてない
 この世界線では一度オラリオに襲来し、アラヤをしこたま刺激したせいで撃退されている。討伐はされていない
 原作でも世界中で暴れてるらしいし、一回くらい来てもおかしくないんじゃないですかね……


・"世界"/アラヤ
 別名『カウンターガーディアン』
 Fate/で錬鉄の英雄が生前契約し、死後を召し上げたモノ。霊長の抑止力。人類の無意識下の集合体であり、霊長の世界の存続を願う願望そのもの
 世界の破滅を察知すると発動し、何らかの『形』(大体は一般人の後押し)で事象に介入して滅びの要因を抹消する。カウンターの名の通り自ら行動を起こすことはできず、起きた現象に対してのみ発動する。その分、抹消すべき対象に合わせて規模を変えて出現し、絶対に勝利できる数値で現れる
 アラヤ側の抑止力に『後押し』されて英雄になった人間は、その死後に『霊長の守護者』としてアラヤに組み込まれるともされる


・ガイア
 別名『運命』
 星の抑止力であり、星の意志、生存本能
 ある程度定まっている未来に沿うよう間接的に干渉する
 Fate/では星の意志そのものに等しかった神代の神々やギルガメッシュ、エルキドゥ、星の代弁者たる真祖が該当する
 英雄王が神代に幕を引いたのは、星の意志に人が従う事の終焉も意味しているらしい。エルキドゥを失ったのが神=星の意志によるものという事が大きいのかも


・投影魔術
 Fate/主人公や錬鉄の英雄の十八番
 オリ主が黒竜に対抗できるようアラヤ、ガイア双方が働き掛ける足掛かりになったものでもある
 これさえ無ければTSも無かった
 ちなみに現在も姿を変え続けているのはガイア(歴史修正力)によるバックアップ。黒竜を討たない限り解ける事は無い


・オリ主
 名前:オーリシュ・プレート・テン
 愛称:オーリ
見た目:謎のヒロインXX《フォーリナー》
 服装:アルトリア《セイバー》の服装
一人称:(わたし)(内心ではおれ、発話時はわたし)

 後天的且つ強制的なTSを食らう事になった転生者
 憑依転生という形なのでダンまち側の名前がある。逆から読むと『テンプレートオリ主』。種族はヒューマン
 主神から恩恵(ファルナ)を授かった時に『投影魔術』を習得。カッコイイポーズ等で愉しく冒険者生活を送っていた最中、黒竜が襲来。この時に無理を押して神造兵装である星の聖剣を投影した事がアラヤとガイアの目を引き、盛大なバックアップで黒竜を撃退する事に繋がった
 討伐出来ていないせいかバックアップは続いており、このまま黒竜を討って『英雄』扱いされると死後を召し上げられると考えているため他の英雄の成長を心の底から願っている
 なお元の姿に戻れるかはオーリ本人が今の体にどれだけ心が引き摺られているかに依存する



 以上、ダンまちのFate/のキャラや投影などのクロス作品と、『セフィロス転生』作品を読んで降って湧いた生存報告兼リハビリ作でした

 ……続きませんよ?

 だから誰か続き書いて?


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。