無個性でもヒーローを目指して……   作:ユンケ

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結果発表

 

 

 

「おっ、雄英から手紙が来てるな」

 

実技試験が終わって数日、自由登校なので鍛錬に時間を費やし、ジョギングから戻ると郵便受けに俺宛で雄英から手紙が来ている。

 

しかし持ってみるて中に丸っこいものが入っているが、何だこれは?合格通知なら手紙のはずだが……

 

疑問に思いながらも自室に入って椅子に座り、手紙を開けると、中からは小さい円盤型の機械が出てきた。

 

「なんだこりゃ?」

 

見たところスイッチはないが、何の機械だ?

 

『私が投映された!』

 

「うおっ!」

 

いきなりモニターが現れて、オールマイトがドアップで映し出されて思わず腰を抜かしてしまった。いきなりの不意打ちとはな……

 

『なぜ私が投映されたかって?実は来年度から雄英で教師をするからさ!』

 

マジか。No.1ヒーローが教師かよ。しかしわざわざこんな事を話すって事は合格か?よくよく考えたら受験生には一人一人にこんな再生機を送るなんて非合理的だからな。

 

 

『さて、結果を発表しようか。結果だが、まず筆記は問題なく合格してるね!』

 

筆記は心配してない。一応中学ではA評価だったし。

 

『そして実技についてだが君が倒した仮想敵のポイントは46ポイントだ!更に救助活動、レスキューポイントというものがある!これは我々雄英が見ていたもう一つの基礎能力で、君のポイントは30ポイント!合計76ポイントで次席合格だ!』

 

そんな風に言ってくるが多分灰色の髪の女子を助けたからだろう。そうなると俺のナイフを拾ってくれた彼女にも入っている可能性はある。

 

『来いよ紫炎少年!雄英が君のヒーローアカデミアだ!』

 

最後にオールマイトが高らかに笑いながらそう宣言して放送は終わる。とりあえずスタート地点に立つ事は出来たが、油断は出来ない。入学までにやれる事はやっておく必要がある。

 

俺は携帯を取り出して電話をかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、もしもし消太さんですか?お久しぶりです……はい、ありがとうございます。はい……はい。雄英教師の消太さんに聞きたいんですけど、雄英って合格発表日から入学までの間にインターン的なものってありませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜……

 

「龍牙の合格を祝って……乾杯!」

 

「おめでとう龍牙。史上初無個性で雄英合格なんて、アンタは私達の誇りよ」

 

「ああ、2人に祝ってもらえて嬉しい」

 

夕食の食卓にて両親がビール缶を突き出してくるので、俺もウーロン茶の入ったコップをぶつける。

 

「とはいえここからが本番だ。授業、体育祭、仮免試験、インターンなど障害は山ほどあるから一つずつこなしていけよ」

 

親父の忠告に頷く。仮免は非常時における個性の使用許可証だからぶっちゃけ無個性の俺には不要だが、試験の内容が救助活動などもあるので自分の成果の確認のために受ける必要がある。それにヒーローの資格試験の為には仮免の習得は必須だし。

 

「もちろんだ」

 

「それと入学まで時間があるし、雄英でインターンを頼んだらどうかしら?」

 

「もう消太さんに頼んで、了承を貰った」

 

ダメ元頼んでみたが、「受験が終わっても弛まずに鍛錬に時間を使うのは合理的」と許可を出してくれた。

 

結果、授業の見学と一部のグラウンドの使用と食堂の利用を認めてくれたので、しっかり学ぶつもりだ。自宅や両親の持つ修練場も広いが、やはり学校の施設が1番だからな。

 

「それは何より。しっかり学んできなさい」

 

「ああ」

 

頷いてからお袋の料理を口にする。合格者は間違いなく強い個性持ちだ。そんな連中に食らいつくには幾ら努力しても、努力し過ぎって事にはならない。1分1秒噛み締めていかないとな。

 

 

 

 

 

 

 

翌日……

 

 

「いやー、まさかウチから雄英進学者が出るとはな!」

 

放課後の職員室にて俺はご機嫌と今担任に褒められている。

 

一応合格発表されたので結果を報告したのだが、その後に職員室に呼ばれたのだが……

 

「特に緑谷は奇跡中の奇跡だし、爆豪と紫炎が2TOPだからな!」

 

「……………(ギリギリ)」

 

ウチからは合格者が3人で俺と爆豪と緑谷で、今現在爆豪が半端なくブチ切れている。唯一の雄英進学者を目標にしていた爆豪からしたら許せないのだろう。しかもコイツが主席って……雄英の入試に性格診断があれば間違いなく落ちるだろうに。

 

しかし緑谷が合格……確かにフィジカルは多少マシになったが、まだまだ足りないし、多分だがレスキューポイントで相当稼いだのだろう。

 

「何にせよお前らは卒業まで自由登校だし、ゆっくり休んで高校生活に備えろよ」

 

そんな言葉を最後に先生の話は終わったので俺達はもう用はないが、爆豪は確実に職員室を出たら突っかかってくるな。面倒くせぇ……

 

内心ため息を吐きながらも職員室を出ると……

 

「どんな汚ねえ手を使えば無個性のテメェらが受かるってんだよ?!」

 

案の定突っかかってきたよ。もうヤダコイツ……

 

「ロボット撃破で46ポイント、レスキューポイントで30ポイント、計76ポイント稼いだ。これで満足か?」

 

「レスキューポイントだぁ?」

 

「その反応じゃ知らないみたいだが、ヒーローらしい行動を取った受験生に与えられる」

 

まあコイツがレスキューポイントを貰えるとは思えないけど。しかしそうなるとロボット撃破だけで76ポイント以上稼いだ事になる。性格はクソだが個性そのものは桁違いだな。

 

「ハッ、つまりデクはそれでチマチマ稼いだってか?」

 

「知らんし興味ない。何にせよ受かったのは事実らしいし、それが全てだ」

 

「ざけんな!俺の人生設計を台無しにしやがって!他行けって言っただろうが!」

 

「言ったが、聞く義理はない。お前のみみっちい人生設計はダメになったが、そんなのは俺の知った事じゃない。わかったら退け、邪魔だ」

 

「あぁん?!調子乗ってんじゃっ!」

 

帰ろうとする中、爆豪が胸ぐらを掴もうとするので、先に腕を掴んでそのまま投げて地面に倒す。

 

「……ったく、相変わらずの猪野郎だな。もう帰らせてもらうぞ」

 

「あっ、ちょっと待って!」

 

今度は緑谷が呼びかけてくるが何なんだよ?

 

「何だ。バスの時間が近いから手早く頼む」

 

乗る予定のバスを逃したら次のバスは30分後だ。最悪走っても良いが、この後は用事があるから体力を余り使いたくない。

 

「えっと……紫炎君は個性無しでどうやって倒したの?」

 

「あん?持ち込んだナイフでロボットの関節部やレンズ部を破壊しただけだ。あのロボットは機動力はあるが攻撃速度は大した事ないし1回躱せば木偶の坊だし……しかしお前の言い方は何だ?その言い方だとお前には個性があるように聞こえるが、今頃個性が発現したのか?」

 

個性無しで言ったが、その言い方だと緑谷に個性があるように聞こえる。

 

「えっと……ごめん。つい最近偶然」

 

「なるほど。その個性でポイントを稼いだというわけか……しかし何故謝る?」

 

別に緑谷からは特に迷惑をかけられてないから謝る必要はないが……

 

「もし自分だけ個性に目覚めた事についてから余計なお世話だ。俺は無個性でヒーローでなると決めてるし、戦い方も鍛え方も個性がないことを前提に作り上げたから今更不要だ」

 

仮に今個性に目覚めても持て余すのがオチだし、当分は使わないだろう。

 

「話が終わりなら行く。お前もどんな形でも合格したなら、その個性を使いこなせるようにしといたほうが良いぞ」

 

そう締めてから昇降口に行き、外履きに履き替えて校門を通ってバス停に向かう。

 

そしてバスと地下鉄を利用して数日ぶりに雄英に到着する。

 

さて、入学までの1ヶ月半、少しでも糧にしないとな。

 

 

 

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