大海原の気高き碧い猛獣   作:布施鉱平

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修行の成果を見せて見ろッ!!

 三年経った。

 

 全力で修行(せいしゅん)していたからか、あっという間の三年だった。

 

 多くの人数に修行をつけた成果か、俺自身の『人に教える』能力も成長できた気がする。

 

 原作のマイト・ガイは優秀な指導者だったし、彼に少しでも近づけるよう、これからは自分だけじゃ無く教え子たちの修行にもより一層力を入れていかなきゃな!

 

 ……さて、では俺の生徒たちがこの三年でどれだけ成長したかを確認しよう。

 

 まずはテゾーロ。

 

 一度恋人と共に天竜人の奴隷にされ、絶望を味わった彼の覚悟は生半可な物では無かった。

 

 ステラを守り抜く、という覚悟を決めたときからすでに覇気に目覚め始めていたようで、修行を開始してから半年も経たずに見聞色と武装色の覇気をものにした。

 

 とは言え、やはり基礎の部分で体が出来ていなかったので、まずは肉体を限界まで酷使して鍛えるところからスタートした。

 

 方法は以前より考えていた(たまたま思いついた)、鉄製の鎖かたびらを身につけさせ、海に放り込むというもの。

 

 俺にこの修行方法を伝えられたときは若干頬が引きつっていたが、それでも文句一ついうでも無く、テゾーロは自ら海に飛び込んでいった。

 

 そして溺れた。

 

 ……うん、ちょっとこの修行は早かったかな、と反省し、まずは空を走れるようになるまでは地上で訓練を積むことにした。

 

 軽く組み手をしてみた結果、テゾーロは脚技よりも拳を使った攻撃の方が得意なように感じたので、脚は攻撃ではなく移動と回避に専念させ、覇気を纏った拳で相手を殴りつける、というボクサーのようなスタイルで鍛える方向に決めた。

 

 その指導方法がうまくハマったのか、テゾーロは見る間に戦闘能力を上げていった。

 

 鋭いフットワークで相手の攻撃を躱し、覇気の込められた的確なジャブでダメージを蓄積させ、僅かにでも隙を見せれば渾身の一撃で意識を奪い去る。

 

 そんな拳闘士(ファイター)へと成長を遂げたのだ。

 

 三年経った今では、俺の教え子たちの中でも三本の指に入るほどの実力者となっている。

 

 覇気の扱いも上達したし、天駆ほどの速度ではないにしろ空を走れるようになったし、もうそろそろ恋人のステラと一緒に、自分の夢に向かって動き出してもいい頃だろう。

 

 次に、ハンコックと女ヶ島の戦士たち。

 

 彼女たちは戦士としての才能が高いため、指導が非常にスムーズだった。

 

 特にハンコック、サンダーソニア、マリーゴールドのボア三姉妹の成長速度は凄まじく、中でもハンコックは群を抜いて強くなった。

 

 武装色、見聞色の覇気をある程度自在に使いこなせるようになり、しかも最近では覇王色の覇気にすら目覚めている。

 

 さすがは未来の女帝といったところか。

 

 そして、それ以上に進歩したのが技術だった。

 

 ハンコックの脚技は完全に俺の教えを離れ、独自の工夫によりもはや新しい流派と言ってもいいような動きを見せている。

 

 おそらく、原作に近い動きなのだろう。

 

 違いがあるとすれば、その速度だろうか。

 

 ハンコックの脚(さば)きは、攻撃だけに留まらず、移動にも才覚を見せたのだ。

 

 すでに一瞬に全力を注ぎ込めば、八門なしの俺に匹敵するほどの速度に到達している。

 

 そしてその速度から放たれる一撃は、海を割るほどの威力を発揮した。

 

 覇気を込められた状態でまともに喰らえば、赤犬とてただでは済むまい。

 

 この調子で成長し続け、さらにもしメロメロの実を手に入れるようなことにでもなれば、間違いなく原作を凌駕した強さを手に入れることになるはずだ。

 

 もちろん、メロメロの実なしでもそうなれるよう、これからも厳しく指導していくつもりではある。

 

 そして、最後にロビン。

 

 決して依怙贔屓したわけでは無いのだが、この三年で一番成長を見せたのは、間違いなくロビンだろう。

 

 戦士としての素質はハンコックの方が上だし、覇気の強さも、成長速度もハンコックには敵わない。

 

 だが、ロビンはその差を努力で埋めて見せた。

 

 具体的に言えば、他の人の三倍の密度で、三倍の時間修行をしたのである。

 

 俺の修行は、そもそも楽なものではない。

 

 基礎訓練ですら、女ヶ島住民の中にも音を上げる者がいたほどだ。

 

 それをロビンは、時に自重の三倍の荷物を背負いながら、時に海楼石の腕輪を嵌めたまま、まさに鬼気迫る覚悟でこなして見せた。

 

 どうやら特別な自分ルールを課し、それを達成するために努力を重ねたんだとか。

 

 うんうん、やはり自分ルールはいいな!

 

 自分を成長させるために、これほど有効な方法はない。

 

 どんな自分ルールを課したのかは教えてくれなかったが、そのうち分かると言われたので楽しみにしておくことにする。

 

 さて、そんな厳しすぎる修行を終えたロビンであるが、なんと、ついに黒色・八門遁甲の第三生門をノーリスク(翌日筋肉痛)で開けるようになった。

 

 さらには天駆で空を駆けられるようにもなったので、約束通り、これからなにか行動するときはロビンも一緒に連れて行くことになる。

 

 ロビンにも、何か仮面を用意しとかなきゃなぁ……

 

 

 …………

 

 

 で、ここからは俺自身の成長についてだ。

 

 

 俺は────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────骨が頑丈になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………

 

 

 ……いや、そうとしか表現しようが無いのだ。

 

 俺は目標である骨格の黒色化を実現するため、四六時中武装色の覇気を自分の内側に込め続け、それが骨に浸透していくようなイメージを抱き続けた。

 

 最初のうちは特に変化を感じられなかったのだが、まず変化が表れたのは肉体だった。

 

 明らかに体重が増えたのだ。

 

 太ったわけでも、筋肉の量が増えたわけでも無い。

 

 むしろ体は引き締まり、以前よりも速く鋭く動けるようになったくらいだ。

 

 何というか、筋肉の材質自体が変化したとでも言ったらいいのか、うまく言えないがそんな感じなのだ。

 

 筋肉の繊維が鋼のワイヤーをより合せたみたいになったというか、何というか……

 

 簡単に言えば、重くなって丈夫になったのである。

 

 俺はその原因を、骨が頑丈になったからだと考えた。

 

 前世の科学雑誌か何かで読んだ記憶があるのだが、骨の強度と筋肉の強さは比例しており、強靭な肉体を持つ人ほど骨も丈夫なのだとか。

 

 であるならば逆説的に、骨がめっちゃ丈夫になれば、筋肉の質も上がるのでは無いかと考えたのだ。

 

 つまり、俺は骨格の黒色化に成功した! ……のではないかと思っている。

 

 なぜ断定しないのかというと、調べようが無いからだ。

 

 まさか肉を切って中を確認するわけにもいかないし、太陽に手をかざしてみたりもしたが、やはりよく分からなかった。

 

 ミホーク(カカシ)の黒刀と拳をぶつけてみれば分かるかも知れないが、最悪の場合そのまま腕がぶった切られる可能性もある。

 

 う~ん、困ったことになった……

 

 いや、肉体が強化されたのは凄く嬉しいのだが、俺は『骨の黒色化に失敗したら、マスク・D・サスケに扮してドフラミンゴの開催するオークションを軒並み襲撃する』という自分ルールを課していたのだ。

 

 自分ルールは絶対に守る! という誓いを心の中のマイト・ガイに立てているので、うやむやにすることも出来ない。

 

 襲撃するべきか、それともせざるべきか………

 

 

 …………

 

 

 ………

 

 

 ……よし、するか!

 

 たぶん黒色化してるような気はするけど、確認できてないから絶対じゃないしな!

 

 だから間を取って、軒並みじゃ無く半分くらい襲って潰そう!

 

 よし決定!

 

 という訳で、いくぞロビンッ!

 

 久しぶりの大暴れだッ!

 

 

 

 

 

 







と言うわけで、半分くらい襲撃することになりました。

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