モンスターによって祖父を亡くした少年は力を求めて幼くして傭兵団へと入った


自身よりも大きな剣を振るい力を上げた


いつしか少年は成長して傭兵団の切り込み隊の隊長になり仲間達と共に様々な任務をこなしていった


いつまでもこの傭兵団と共に過ごせると思っていたが


唐突に…理不尽に…虫けらのように…すべてを奪われた


唯一生き残った少年は復讐を誓った


異形の化物共に…それを作り従えていた者達に…


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ただただ作者の妄想から生まれたカオスすぎる作品です


黒い兎

 

 

オラリオの街を満月が照らす中、一人の青年が歩く

 

 

 

首から下を隠せるほどの黒いマントをはためかせながら足を進める

 

 

 

体を覆い隠す黒いマントと正反対な白い髪をしており、瞳は血のように赤い色をしていた

右目は閉じられており、どうやら完全に見えなくなっているようであった。

 

 

 

そして、右肩の辺りからは武器の持ち手部分が見えているがマントによってほとんど隠されていた

 

 

 

 

 

 

 

しばらく歩き続けた青年は、少し小腹が空いてきたなと考えるとちょうど近くにあった店へと入っていくのであった

 

 

 

 

 

 

 

豊穣の女主人へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間を少し遡り、酒場『豊穣の女主人』の店内ではオラリオの二大派閥のひとつである『ロキ・ファミリア』が遠征から無事帰還したことを祝うために宴会を開き大騒ぎしていた。

 

 

 

そんな騒がしい酒場の店内にて、カウンター席に座っていた数名の冒険者達が何やら口論をし始めていた。

 

 

「なんでお前の取り分が多いんだよ!!おかしいだろ!?」

 

 

「モンスターにトドメを刺したのは俺なんだから当然だろうがよ!!」

どうやら報酬の山分けにてトラブルが起こってしまっているようだ。

 

 

 

「おいお前ら落ち着けって……」

 

 

「すぐそこにロキ・ファミリアの連中がいるからよ、もう少し「うるせぇんだよ!!」」

口論をしていた二人を(なだ)めようとする仲間の二人であったが、それでも止まることはなくさらに口論が激しくなっていった。

 

 

流石にうるさくなってきたのか宴会をしていたロキ・ファミリアの何人かが怪訝そうに眉を顰めて反応していた。

豊穣の女主人の店員もそろそろ対応しようかと考え始めた。

 

 

 

 

そんな中、ガチャリッと静かに店の入口が開かれた。

 

 

「あっ、いらっしゃいま………」

従業員である猫人(キャットピープル)が入ってきた客に声をかけようとしたが、その客を見た猫人(キャットピープル)は言葉を詰まらせた。

 

 

それもそのはず、真っ白な頭髪に黒マントという服装の人間が現れれば当然の反応であった。

 

 

それになにより

 

 

「(……で…デッカいにゃ〜………)」

 

150(セルチ)ほどしかない猫人(キャットピープル)の従業員が軽く見上げなければならないほど、黒マントの青年の身長はかなり高くおそらく200(セルチ)を超えているであろうことが(うかが)えた

 

 

 

「すまねぇ、ここは食い物と酒の持ち帰りは出来るか?」

 

 

「……ハッ!?も、もちろん出来るにゃ!!」

 

 

「そうか……なら…「なんだとテメェ!!もういっぺん言ってみろ!!」……チッ…」

黒マントの青年が注文しようかとした時、先程から口論していた男達から大きな怒声が響き渡り、注文を邪魔された青年は舌打ちした。

 

 

 

「何度でも言ってやるよ!!この能無し野郎が!!」

 

 

「ふざけんじゃねぇ!!俺のどこが能無しだってんだよ!!テメェこそトドメの時しか動けねぇ役立たずじゃねぇか!!」

 

 

「なんだと!?」

口喧嘩がヒートアップしてきたようで、ついには男達は己の武器に手をかけ殺し合いを始めようしたその時

 

 

 

 

 

 

「おい……さっきからうるせぇんだよ…」

低い声で発せられた一言によって喧嘩していた男達は動きを止め声の聞こえた方へと視線を向けた。

 

 

 

「ちょっ!?お客さん!?」

 

 

「……どいてろ」

店員が止めようとするが黒マントの青年は一言だけそう言うと騒いでいた男達に向かって歩いていくのであった。

 

 

 

「おい、兄ちゃん……今俺たちに言ったのかぁ?うるせぇってよぉ」

 

 

「聞こえなかったか?こいつは参ったな……声がうるせぇ上に、耳まで悪いとはなぁ」

 

 

「この野郎っ!?ナメた事言ってくれるじゃねぇか!!腕の一本は覚悟しろやぁ!!」

さらなる挑発を受けた男は激昂し、己の武器である両刃剣を上段に構えて振り下ろそうとした。

 

ついに他人にまで危害を加えようとした男達を見かねたロキ・ファミリアの団員達が介入しようとするよりも速く

 

 

ガゴッ

 

 

武器を振り上げた男の顔面に"鉄の拳"がめり込んでいた。

 

 

()りィな、腕をやられちゃ困るんだよ……なんせもう()()しかないんでね」

ベリッと顔面を潰された男の歯が折れるイヤな音と共に拳が引き抜かれ、黒マントの青年の"鉄の義手"からは血が(したた)り落ちていた。

顔面を殴られ潰された男は床に倒れ伏したまま動かなくなっていた。

 

 

 

「テメェッ!?」

 

 

「よくもやってくれやがったな!!」

 

 

「ぶっ殺してやる!!」

 

 

「……待った」

リーダーの男がやられて頭に血が登った残りの男達も武器を構えた。

しかし青年は義手から(したた)る血を振るい落とすと、突然男達に待ったをかけたのであった。

 

 

 

「今更命乞いか?遅いんだよ!!お前は徹底的に痛めつけて殺してやる!!」

 

 

「そうだな……もう手遅れだ」

青年がそう言った瞬間、店の奥からとてつもない威圧感が放たれて武器を手にした男達はビクリッと肩を震わした。

 

 

そして、店の奥からややガタイの良い女性が現れたのであった。

 

 

 

「アンタ達!!喧嘩なら外でやりな!!これ以上騒ぐなら店から叩き出すよ!!」

 

 

「「「ひいぃっ!?」」」

豊穣の女主人のオーナーである女性『ミア・グラント』の気迫に圧倒された男達達は情けない悲鳴を上げながら店から逃げるように出ていったのであった。

最初に倒された男も一緒に連れて行かれ、(さいわ)いにもお金も革袋に入れられてカウンターの上に置きっぱなしであったため食い逃げになることもなかったようだ。

 

 

 

「で?…アンタはどうするんだい?」

 

 

「騒いですまなかった、持ち帰りで頼みたいだが大丈夫か?」

 

 

「あいよ……なにが欲しいんだい?」

ミアがそう聞くと、青年は腰のポーチから厚めに作られた革袋水筒とオラリオ通貨であるヴァリス硬貨の入った革袋をカウンターに置いた。

 

「悪いがこれに水を満タンで頼む……ラム酒を一瓶と干し肉のような保存のきく食い物もいくつか」

 

 

「ちょっと待ってな」

青年の注文を聞いたミアは、革袋水筒とお金の入った革袋を受け取ると店の奥へと入っていったのであった。

 

しばらく時間がかかるな、と内心考えながら青年はその場で立って待っていた。

 

 

 

すると

 

 

 

「ねぇ」

 

 

「あ?」

突然後ろから声をかけられ青年が振り返ると、そこには金髪の少女が立っていた。

それも普通の少女ではなく、人並み外れた神秘的な美しさをした少女であった。

 

そんな少女を普通の男達が見れば思わず見惚れてしまうのが男の(さが)というものだが、青年は興味なさそうにただただ少女に視線を向けていた。

 

 

 

「なんか用か?」

 

 

「えっと……」

 

 

「用がないなら話しかけんじゃねぇ」

口下手なのかすぐに話題を振れない少女にイライラした青年は、突っぱねるように会話を終わらせると再び前を向いてミアが戻ってくるのを待ったのであった。

 

 

すると

 

 

「おい、アイズ……雑魚になんかに構ってんじゃねぇ」

 

 

「……ベート」

少女の後ろから狼人(ウェアウルフ)の青年が現れたのであった。

 

 

「(アイズ……ベート………『アイズ・ヴァレンシュタイン』と『ベート・ローガ』……こいつら…ロキ・ファミリアの人間か…)」

金髪の少女と狼人(ウェアウルフ)の青年かお互いの名前を言ったおかげで、黒マントの青年はこの二人が何者なのかを知ることが出来た。

 

とはいえ、それを知ったところでアイズという女が鬱陶(うっとう)しいことには変わりなかった。

 

 

 

「お仲間が迎えに来たんだ、さっさと行けよ」

 

 

「一つだけあなたに聞き「おい!!雑魚が気安く話しかけてんじゃねぇ!!」…あぅ…」

突っぱねられながらもアイズが青年にとあることを聞こうとしたが、さらにベートによって会話を中断させられてしまった。

 

 

 

「女の次は犬かよ……鬱陶(うっとう)しい」

 

 

「あぁ!?誰が犬だと!?」

 

 

「言わなきゃ分からねぇか?」

 

 

「てめぇ…!?」

オロオロするアイズをほったらかして、黒マントの青年とベートは一触即発の雰囲気(ふんいき)を漂わせ始めており、今にもベートが殴りかかろうとした瞬間

 

 

ヒュンッ

 

 

「ギャンッ!?」

店の奥からジョッキが猛スピードで飛んできて、黒マントの青年は後ろに目があるかのように見ることもなくジョッキをかわしそのままベートの顔面へと直撃したのであった。

 

 

 

「二度も言わせるんじゃないよ!!これ以上騒ぎを起こすなら叩き出すよ!!あとロキ!!自分とこの眷属(子供)手綱(たずな)ぐらいしっかり握っときな!!今度やらかしたら出禁だからね!!」

 

 

「ええぇっ!?ちょっ!?堪忍してぇな〜!!」

ミアの発言に、パッと見絶壁のような胸のせいで男に見える糸目の女性が悲鳴を上げたのであった。

おそらくこの女性こそ先程から宴会をしているロキ・ファミリアの主神であるロキ本人であった。

 

 

 

「まったく……おっと、すまないね!!それじゃご注文の水とラム酒、あと保存食の干し肉だね」

ミアは、手慣れた手付きで青年の注文した品をカウンターの上に並べていった。

 

 

 

「……干し肉が少し多いようだが?」

 

 

「ちょいとしたサービスだよ!!ウチの常連が迷惑かけたみたいだしね!!」

 

 

「……そうか」

そう言うミアに対して、青年は一言だけ答えるとカウンターの上の品々を腰のポーチに収めるとマントを揺らしながら(きびす)を返し店から出ていこうとした。

 

 

 

「待って……」

 

 

「あ?」

その時、後ろから声をかけられ振り返るとアイズがまっすぐに青年のことを見つめていた。

 

 

「……いい加減にしてくれねぇか?俺はお前らみたいに酒飲んでバカ騒ぎしてられるほどヒマじゃねぇんだよ」

 

 

「ひとつだけ……ひとつだけ聞きたいことがある…」

 

 

「……なんだ?」

 

 

「あなたの……名前は?」

 

 

「…ベル………『ベル・クラネル』だ」

 

 

「……ベル…」

アイズの質問に答えた青年もといベルは答えると、今度こそ(きびす)を返して店から出ていったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豊穣の女主人から出たベルは再び歩き出し、しばらく進み続けて人気のない街の片隅まで来ると裏路地へと入り、適当な場所で壁に背中を預けて座り込んだのであった。

 

そして腹ごしらえをしようと腰のポーチから干し肉を取り出し噛みつこうとしたその時、

 

 

 

ポツッ ポツッ ポツッ

 

 

 

「あぁ?…チッ!?雨か…」

雨が降り出し始め、ベルは干し肉の入っていたポーチとは別のポーチから雨避け用のフードがついた黒い外装を取り出し手早く纏うと今度こそ干し肉に噛みついて食べたのであった。

 

そして次第に雨は勢いを増していき、ついには辺り一帯を豪雨が襲うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あわわわ!?今日は雨が降るとは思ってたけど、こんなに降るなんてボクは聞いてないぞ〜!!」

豪雨の中を一人の幼い少女が慌てた様子で走っていた。

 

幼い少女は所々ほつれてしまっているワンピースと、用途の分からない青い紐を身に着けていた。

 

中でも特徴的な部分といえば、長く艶のある黒髪を両サイドで縛ったツインテールと、幼い見た目に釣り合わないほどの豊満な胸部であった。

 

 

 

「早く帰って乾かさないと〜!!明日着る服が無くなっちゃうじゃないか〜!!」

そう言いながら、少女は雨に濡れて肌に張り付くワンピースの感触に眉を(ひそ)めながら、豊満な胸部を揺らして走っていた。

 

 

ガッ

 

 

「うぇっ?…へぶぁ!?」

しかし、なにかに(つまず)き少女は受け身も取れずに顔面から地面に転んでしまった。

(さいわ)い雨によって地面がぬかるんでいたおかげで、擦り傷などの怪我を負うことはなかったが全身泥だらけになってしまっていた。

 

 

「ペッ…ペッ……うぇ〜、口に泥が………もう〜、いったい何なんだい」

そう言いながら、自分がなにに(つまず)いたのか暗闇を見つめるが豪雨に加えて夜中のためかなかなか(つまず)いた原因を見つけられずにいた。

 

 

 

その時

 

 

 

ピカッと雷鳴と共に空に閃光が(ほとばし)り、暗闇が照らされて少女の視界に一人の人影が現れた。

 

 

隻眼でありながら鋭い眼光をこちらに向ける黒ずくめの防具を身に着け座り込む白髪の青年ベルの姿があった。

 

 

「ウヒャアァァッ!?」

突然、視界に飛び込んできた人影に少女は悲鳴をあげてその場で尻餅をついてしまった。

 

 

 

「お…おば……おばば…」

 

 

「誰がおばけだ」

 

 

「へ?」

恐怖に震える少女を見たベルはゆっくりと立ち上がると少女に歩み寄った。

 

 

 

「お…おばけ……じゃない?」

 

 

「生きた人間だよ……それよりも悪かったな俺のせいで服を汚しちまってよ」

 

 

「服なんていいさ、洗えばいいだけだからね…それよりも君はどうしてこんな所にいるんだい?こんな雨の中……家に帰らないのかい?」

 

 

「家…か、そんなもんねぇよ」

少女の言葉を聞いたベルは少しだけ悲しそうな表情を浮かべながらそう言った。

 

 

 

「………なにか訳アリっぽいね」

 

 

「まぁな」

 

 

「それなら………ボクの家に来るかい?」

 

 

「……は?」

 

 

「ちょっとばかりボロボロだけど雨風ぐらいなら(しの)げられると思うからさ」

 

 

「ちょ、ちょっと待てよ!?俺とお前は今会ったばかりなんだぞ、そんな奴を普通招くか?」

 

 

「困っている人を助けるのに理由がいるかい?」

迷うことなくそう言いきった少女に、ベルは呆気(あっけ)にとられるが彼女の底抜けの優しさを感じ取ったのかくつくつと笑い声を上げた。

 

 

 

「わーったよ、アンタには負けたよ……じゃあ、厄介になってもいいか?」

 

 

「もちろんさ!!それじゃ「その前に……」…へ?」

 

 

「俺の“目的”を終わらせねぇとな」

首筋からの"痛み"を感じたベルがそう言って振り返ると、雨の降る中複数の人影がゾロゾロと向こう側からやってきていた。

 

 

 

「な、なんだい?」

 

 

「たぶん俺が酒場で返り討ちにした連中だ、見知った顔がいくつかあるからな……仲間を連れてきたんだろうぜ」

そう話している間に、ベルと少女の前に男達が立ち塞がっていた。

 

 

 

「よぉ黒い兄ちゃんよ……酒場ではよくもやってくれやがったな!!」

先頭に立つ男は、酒場にて顔面に義手をめり込ませられた男であった。

その証拠に男の顔面には痛ましい傷が残っていた。

 

 

 

「ずいぶん元気そうだな、割と本気で顔面をへこませたつもりだったんだがな」

 

 

「黙れ!!その余裕がいつまで続くか見物だぜ……今回は助っ人も連れてきたんだ!!」

そう自慢気に語る男は、道を開けるように横に移動するとその奥からずんぐりむっくりとした体型の大男がのっそりと歩きながら現れた。

しかし夜のためかベル以外は誰も気付いてはいないが、ひとつおかしな点があるとすれば大男の顔には生気がなく目も心なしか濁っていた。

 

 

 

「……見ツケタ」

 

 

「あぁ……それはこっちのセリフだ………幸先いいぜ……お前で“1匹目”なんだからよ」

大男を見たベルは、怒りと歓喜が混ざりあったような笑みを浮かべると右手を後ろに持っていき腰から箱のような形をした物を取り出しガチャッと左腕の義手に装着させると

 

 

ドッ ドッ ドッ ドッ

 

 

ハンドルのような部分を右手で回して弓矢を連射させたのであった。

それは無数の矢を放てるボウガンのようであった。

 

 

「ぐわっ!?」

 

 

「げぴっ!?」

放たれた矢は大男に当たり、さらにはその後ろにもいた男達にも当たった。

肩に刺さる者もいれば運悪く目や喉元に刺さり死ぬ者もいた。

 

 

「ちょ!?ちょっとなにやってるんだい!?」

 

 

「死にたくねぇなら下がってろ!!」

突然の行動に少女はベルを止めようとするが、ベルは少女に怒鳴るようにそう言いながら腰の矢筒から矢を取り出し連射ボウガンに装填させると再びハンドルを回して大男とその後ろにいる男達に次々と矢を放った。

 

 

 

「もうやめるんだっ!!」

平然と矢を放ち人を殺すベルを少女は左腕の義手に飛びかかるようにしてやめさせた。

 

 

「お前!?何すんだ!?」

 

 

「それはこっちのセリフだよ!!君はどうして平然と人を殺せるんだい!!」

 

 

「あいつは人間じゃ……っ!?どけぇ!!」

 

 

「うわぁ!!」

攻撃を中断させられた少女にベルがなにかを言おうとしたが、矢が刺さったままの大男が近付いてきたのを見て、ベルは少女を突き飛ばすように遠ざけた。

 

 

ドゴォッ

 

 

「ガフッ!?」

次の瞬間、大男の拳がベルの防具越しの腹に直撃し2(メドル)ほど後ろへ吹っ飛ばされた。

 

 

「ソンナモノ…効カナイ」

大男は頭や胸に矢が刺さっているにもかかわらず生きていた。

 

 

「オ前……食ウ」

そう言うと、大男の身体がムクムクと膨張し異形の姿へと変異し始めた。

 

身体は巨大化し3(メドル)ほどになり、大男の顔の上にさらに大きな犬のような頭が生えていた。

 

 

「食ベ残シ……良クナイ」

 

 

「あっ……あぁ……」

人間だと思っていた大男が目の前でモンスターのような異形に変わったのを見た少女は恐怖した。

そして、異形のモンスターが少女を見つけると大きな口からヨダレを垂らし始めたのであった。

 

 

「女神……最高ノ肉ダ……女神食エバモット強クナレル」

 

 

「いや……いや…」

少女は尻餅をついたまま後退(あとずさ)ろうとするが路地裏であったためかすぐに壁に退路を遮られてしまった。

少女は恐怖に震えて俯き、異形のモンスターは少女を捕食するために手を伸ばしてきた。

 

 

 

 

「……おい…」

 

 

「ア?」

 

 

 

ゴシャァッ

 

 

 

しかし、異形のモンスターの手が少女に届くことはなかった。

 

それよりも先に巨大な“なにか”によってその頭をカチ割られ地面へと倒されていた。

 

 

少女は驚き顔を上げると異形のモンスターの頭をカチ割った“なにか”が目に止まった。

 

 

 

それは剣というには あまりに大きすぎた

 

 

 

大きく ぶ厚く 重く そして大雑把すぎた

 

 

 

それはまさに鉄塊だった

 

 

 

「女見てヨダレ垂らしてんじゃねぇよ……俺はまだ死んでねぇぞ」

口から血を流しながらもベルは異形のモンスターを睨みつけていた。

 

 

 

「すぐに地獄に叩き落してやる……お前の同類も……お前らを作った奴らも……殺し尽くしてやる」

ベルは手に持つ巨剣を天に向けるように上に構えて

 

 

 

「これが………開戦の狼煙だぁ!!!!」

異形のモンスターに向かって振り下ろし、3(メドル)もある巨体を真っ二つに叩き斬った。

 

 

 

 

 

 

これは後に、オラリオにて狂兎(バーサーカー)と呼ばれる青年と黒髪の少女…女神ヘスティアの出会いによって始まる“眷属の物語(ファミリア・ミィス)”であり………絶望によって人生を狂わされた青年の“狂戦士の物語(ベルセルク・ミィス)”の始まりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本作品のベル君はガッツと同じく身長が204あって筋肉もあります、じゃないとドラゴンころしが振るえませんからね
それでありながら原作通りで年齢は14歳です

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