お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ 原作にちょっと沿ったver   作:狂骨

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怖い

 

 

千弘の抜刀

 

ネムに対する殺害予告から目覚め、全身という全身から練り上げられた殺気と怒りは、抜刀と共に銀架城を真っ二つに斬り飛ばすと、異空間をすり抜け、尸魂界へも、届かせていた。

 

「…!!」

 

「元柳斎殿…」

 

護廷十三隊 一番隊隊舎の隊長室にて、鎮座していた総隊長 山本重國 及び副隊長 雀部は僅かながらに感じ取り、動きを止めた。

 

「なんだ今のは…忽然と感じられたが…」

 

「すぐに消えたようですね…ただ、酷く禍々しい。霊圧というよりも純粋な殺意のような…」

 

 

ーーーーーー

 

決して届くことはない尸魂界へと漏れたその殺気は、周囲の空間を完全に満たしていた。

 

滅却師達は、その起こった現象に理解できず冷や汗を流し始めていた。

 

「な…なんだ今の…陛下の情報(ダーテン)にもあった黒崎一護の月牙天衝ってやつか…?」

 

声を震わせながらバズビーが尋ねると、リルトットは首を横にふる。

 

「いや…あれは霊圧を食わせて放つ技だ…だが、今の攻撃からは霊圧は一切感じなかったし、何なら霊圧が減少した気配がない…」

 

リルトットは壁に刻まれた切り込みへと目を向けると額から冷や汗を流す。

 

「純粋な斬撃だけだったって訳かよ…マジでバケモノじゃねぇか」

 

「「「「!?」」」」

 

その見解に他の滅却師達は表情を青ざめ、千弘へ目を向ける。

 

「おいおい…!!」

 

「マジ…かよ…」

 

「ただの雑用かと思ったらクソヤベぇじゃねぇか!」

 

その一方で、千弘は再び、鞘に収められた刀へと手を伸ばすと握り締めた。

 

「____」

 

「「「「「!?」」」」」

 

その姿勢を見た滅却師達の脳内に先程の光景が甦り、バズビーとナガージャックは声を上げる。

 

「アイツまたやる気だぞ!?」

 

「あんなの連発されたら洒落になんねぇ!!」

 

「じゃあ皆ゾンビになる〜?僕なら斬られても問題ないし〜」

 

「あぁ!?誰がテメェの気色悪いゾンビになるか!?」

 

ジゼルを一蹴したバズビーは再び炎を纏わせると、その指の先端を千弘へと向ける。

 

「やられる前にやって_____」

 

 

その瞬間 千弘の姿が一瞬にして通り過ぎると共にバズビーの右腕が斬り飛ばされた。

 

「…!?」

 

「____」

 

斬り飛ばされた腕が付け根から血を吹き飛ばしながら宙を舞い、それを見たバズビーはようやく気づく。

 

「テ…テメェ…!?」

 

「どいてろバズビー」

 

バズビーが片方の手を向けようとした時、細身ながらも長身の滅却師が飛来し、千弘の前に降り立つ。

 

「蒼都…!?」

 

現れたのは星十字騎士団の中でも寡黙な蒼都だった。与えられた聖文字は『I』【the iron-鋼鉄-】その身体を鉄のごとき硬さへと変化させることができるのだ。

 

バズビーの前にたった蒼都は千弘目掛けて武器を生成し、霊子の弓矢を放つ。

 

「___」

 

放たれた弓矢に対して千弘はただ虚な目で見つめながら全て刀で掻き消すが、その直後に、目の前に現れた蒼都は装着したアイアンクローを千弘目掛けて振り回す。

 

次々と繰り出されるアイアンクローの速度は、とてつもなく早く、振り翳した岩などを紙のように切り裂いていく。

 

それを千弘は何食わぬ顔で防いでいったが、蒼都は勢いを緩めなかった。

 

「さっきのは驚いたが、僕は簡単に切れないぞ。たとえ城を切れたとしても、僕の身体は_____」

 

その直後であった。

 

千弘の姿が一瞬消えたかと思うと、蒼都の懐へと現れ、その拳を握り締める。

 

「!?(全く見えなかった…!だが正面とは運が悪いな…!!)」

 

そう言い一瞬ながらも自身のユーハバッハから与えられた聖文字によって、その驚きと焦りが哀れみへと変わる。今の自身の身体は刀さえもへし折る鋼鉄だ。その身体に真正面から拳を放てば、その衝撃によって拳の骨は全て砕け散るだろう。

 

故に蒼都は勝利を確信する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、それは呆気なく否定された。

 

その瞬間

 

 

______ッ!!!!

 

「ガハァ…!?」

 

破壊音と共に腹から衝撃が伝わり、喉の奥から大量の空気と血が押し寄せた。それによって自身の口からは大量の血が吹き出す。

 

「な…ん…」

 

見れば千弘の拳が抉り込むようにして突き刺さっていた。そして、ゆっくりと引き抜かれるとその腕は骨一つ折れていないのか綺麗な形のままであった。

 

 

それを見た蒼都は悟った。

 

_____コイツには絶対に勝てない_と。

 

「がぁ…!」

 

腹から伝わる衝撃と痛みに耐え切れず、その場に崩れ落ちてしまう。見上げれば、自身を屈服させた千弘はこちらを見下ろしながら刀を引き抜いていた。その異様な姿に、もはや抵抗できる余裕などない。

 

「_____」

 

「ば…けもの…め…」

 

そのままなす術もなく、たった一撃で蒼都は意識を手放したのであった。

 

 

 

「………」

 

蒼都が気絶すると、千弘の目が今度は周囲の滅却師へと向けられた。

 

「___」

 

「コイツマジかよ…あの根暗野郎をパンチ1発で…」

 

リルトットが冷や汗を流す中、腕を切り飛ばされたバズビーも先程の威勢が消え失せ、完全に千弘を警戒していた。

 

 

その一方で、千弘は再び先程の斬撃を放とうと刀に手を掛ける。

 

 

 

 

 

 

 

その時であった。

 

「そこまでだ。双方ともに納めろ」

 

突如として千弘の前に長く金色の髪をなびかせる滅却師が現れた。その青年が現れた途端に、千弘は剣から手を離す。

現れたのは、先程、千弘を滅却師の聖兵と間違え、バンビエッタの部屋へと案内したハッシュヴァルトだった。

 

「な…ユーゴ…!?」

彼がが現れると、バズビーは攻撃しようとする手を止め、千弘も抜刀しようとした動きを止める。

 

「テメェ何の真似だ!?」

 

「陛下の命令だ」

 

「は…?」

 

そしてハッシュヴァルトは千弘へと目を向ける。

 

「お前を現世へ返してやる」

 

「なぁ!?」

 

突然と彼から発せられた言葉にバズビーは驚き怒りを露わにする。

 

「おいユーゴ!どういうつもりだ!?ソイツは侵入者だろうが!!」

 

「さっきも言った筈だ。これは私の意思ではない。“陛下のご命令”だ。奴を帰せとな」

 

そう言いハッシュヴァルトは千弘へと向き直る。

 

「これ以上はお前にも利益にならない筈だ」

 

「…」

 

すると、千弘は刀をゆっくりと鞘へと戻すと、次第に黒い霊圧が消えていいく。

 

そして、黒い霊圧が完全に消え去ると___

 

「良かった〜!!帰れる!!」

 

「「「「!?」」」」

 

____先程の呑気な雰囲気へと戻った。その代わりように一同は目を点にしてしまう。

 

それを横目にハッシュヴァルトは歩き出した。

 

「さっさと着いてこい」

 

「は〜い!いや〜話の分かる人がいて良かった〜!!」

 

まるで子供のように、無邪気についていくその様に一同は驚きのあまり固まったまま、ただ見ることしかできなかったのであった。

 

 

 

 

その後

 

ハッシュヴァルトによって千弘は太陽の門を通じて無事に“現世”へと送られ、見えざる帝国から姿を消すが、その影響や強さは彼らの記憶に強く刻み込まれるのであった。

 

ーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

所変わって、現世では、死神の力を失った“元”死神代行である黒崎一護は謎の男と交戦していた。

 

 

その男は、叫んだ。

 

「___『卍解』ッ!!!」

 

その瞬間 男の姿は煙に包まれると共に変化した。人間の形を保ちながらも、人間ではなく、別の生物へ。

 

その真っ白い髪と赤い目は、“虚”のようなものであった。

 

「その姿は…そうか。お前も死神代行“だったな”」

 

「そうだな…だがもう一つ忘れてるぜ?俺達は親を虚に襲われている…俺の中には…虚の血も混ざってんだ…!!」

 

「……そうか」

 

その恐ろしい風貌と告白に対して、一護は驚くよりも、寧ろ悲しむかのような瞳を向けながら、握り締めた刀を振るう。

 

それによって、空気が変わった。

 

「かかってこいよ銀城。さっさと片をつけようぜ」

 

「言うじゃねぇか……ガキがよッ!!!!」

 

 

その言葉に、銀城と呼ばれた青年は大剣を握り締めて飛び立ち、一護も向かっていく。

 

 

 

 

 

その時であった。

 

「わぁ〜!!!」

 

「「!?」」

 

突如として空が光ったかと思うと、その中から死覇装を纏った少年が落ちてきた。

 

突然と現れた闖入者に両者は驚きのあまり動きを止めてしまう。

 

「な…なんだ!?」

 

動きを止めた一護は、飛来した影へと目を向けると、その影は地面からゆっくりと立ち上がる。

 

それは、自身よりも遥かに小柄な少年であった。

 

「うわ〜尸魂界じゃなくて現世かよ… 尸魂界にするように頼むんだった〜…」

 

「な…お前は!?」

 

「へ?あ〜!!あなたは!!」

 

その少年に見覚えがあった一護は驚きのあまり声を上げると、少年も驚く。

 

「千弘!?」

 

「黒一さん!!」

 

 

 

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