【完結】匠 VS BETA   作:MMZK

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[2024/08/26]修正:アキを入れ忘れていたので追加しました。ターニャについての記述が不足していたので追加しました。


387(終). (マイスター)ジ・エネン・ニューレよ。新たに救いを求める声が届きました

 八百万圏守護神(ハーロ・イーン・パ・レイド)が出来てからそれなりの時代が経過した。どのくらい経過したかと言えば、匠衆(マイスターズ)の幹部が全員入れ替わって久しいほどだ。

 マブラヴ確率時空は完全に1つの世界に統合され、地球は内乱で5回ほど滅亡の危機を迎えながらもどうにか乗り越えていた。

 

 この日、デイリーライト5世の通信会議場にアヌビス神の厳かな声が響いた。タイミングは会議の終わり際で、緊急の用事ではなさそうだ。

 

アヌビス神「XXX(ではこれより神託を下す)」

 

 アヌビス神は匠衆(マイスターズ)設立当時から顧問を務める神だ。八百万圏守護神(ハーロ・イーン・パ・レイド)でも最上位に位置するクラエル神の直属の神でもあり、その信頼は篤いという。

 ちょっとした用事ならばアヌビス神から伝えられるのだが、今回はアヌビス神の口から伝えるものではないようだった。アヌビス神の宣言に応えるように、金髪碧眼の麗しい容貌の女神が会議場に降臨したのだ。これは急ぎでなくとも重要な申し伝えに違いない。

 

女神的存在「(マイスター)ジ・エネン・ニューレよ。新たに救いを求める声が届きました」

 

ジ・エネン「……我が神よ、詳細を伺っても?」

 

 通信会議場に突如降臨した女神的存在が神託を下し、それを受けた忠実なる(マイスター)匠衆(マイスターズ)88代目代表ジ・エネン・ニューレが詳細を問い質した。ジ・エネンの容姿は黒髪に褐色肌の少女だが、見た目通りの年齢ではない。神聖マヤ=アステカ帝国に生まれたジ・エネンは既に真化の扉を開いており、亜神のステージにも足を踏み入れつつある。

 ジ・エネンの遠い祖先にはかつて神聖マヤ=アステカ帝国で初めて匠衆(マイスターズ)と友好を結んだと言われるマルルッカがいる。そして人類を真化に導く偉大なる神ククルカンのお膝元である神聖マヤ=アステカ帝国は今では人材の宝庫として有名で、初代の頃から匠衆(マイスターズ)の投票権を得ていたことで歴史の重みもある。

 

 流石に88代も続くと匠衆(マイスターズ)そのものも何度も内部崩壊の危機を迎えていたので、地球を笑えないところがある。だがジ・エネンの代で大分健全化に成功しており、今は幹部についてはほぼクリーンな状態だ。組織が大きくなりすぎたので直接目が届かない末端までは分からないが。

 

女神的存在「その世界は創造神の箱庭となっており、あろうことか創造神が人々を苦しめて楽しんでいます。しかも創造神自体が魂の循環の根幹を担っている為に、討伐すれば万事解決というわけにもいきません」

 

ジ・エネン「それは難儀なことですね……」

 

 輪廻を司りながら人々を苦しめる邪神。ジ・エネンは伝説に聞く存在Xを思い浮かべた。

 

女神的存在「ただし大きさは2km程度で、管理下の世界は大陸程度です。振るえる力はさほどでもないでしょう。見た目は鯨に似ていますね」

 

 なるほど、聞く限りは初代達が他の世界の軍勢と協力して討滅したという伝説の存在達に比べれば強大な存在ではなさそうで一安心だ。真化融合に達した魔導衛士と重轟雷(じゅうごうらい)、或いは三重轟雷(みえごうらい)を出せば十分討滅が可能だろう。しかし問題は輪廻システムをどうするかだ。

 というか特徴に何やら聞き覚えがあるのだが。

 

ジ・エネン「あの、()()()、もしかしてその邪神はルドラサウムという名前では?」

 

 となれば今回は創作物にある世界のパターンであると推測出来る。そういったものは予めリストアップされているため、匠衆(マイスターズ)代表ともなれば頭に叩き込んであるのだ。初代代表もそういった知識を度々役立てたというので無駄にはならない。

 ジ・エネンがそのように問うと、女神的存在はサムズアップして破顔した。

 

女神的存在→始祖神トピア「正解(エサクタ)! しっかり勉強しているようですね。後輩が頼もしくて私も鼻が高いです」

 

 彼女は始祖神トピア。匠衆(マイスターズ)初代代表にして、七圏守護神(ハーロ・イーン)の創造神クラエル直属の従属神だ。クラエル神の導きによりこの世界に降り立った彼女は、殆ど身一つから七人の(マイスター)をまとめてBETAとの生産闘争に打ち勝ち、このはじまりの星を取り戻してから地球を救い、天の川銀河周辺のBETAと近縁種を滅ぼし、外なる神々と戦って時空震を収束させたという。

 始祖神トピアが指を鳴らすと、同期の神々が一斉に姿を現して好き放題コメントし始めた。

 

教育神九十九「どちらかといえばR18的なイベントの処理の方が面倒かもしれないネ」

 

 教育神九十九。始祖神トピアの師匠にあたる神で、今も尊敬の念を持って敬われている存在だ。教育神九十九を侮る者は始祖神トピアの逆鱗に触れ、それはもう恐ろしい目に遭うという。

 

文明神カミール「聞くところによると、大分変わった文明があるようだな」

 

 文明神カミール。あらゆる時空の文化を研究する神で、その文明知識は神々の中でも随一だという。

 

精霊神シュミット「オバチャンも興味があるだわよ」

 

 精霊神シュミット。精霊から真化した神で、全ての精霊を従える偉大な存在だ。とても面倒見が良いことで知られる。

 

戦女神(ヴァルキリー)ターニャ「あの世界は人間にもかなりの問題があった筈。まったく、世に邪悪の種は尽きまじですなあ」

 

 戦女神(ヴァルキリー)ターニャ。戦の指揮と直接戦闘の両方が極めて高レベルであることでも名高いが、死せる英雄達をヴァルハラへと導く存在でもある。そのため兵士や武人の多くに信仰されている。

 ターニャ神はかつて邪神によりこの世界に送り込まれたが、その意向に反して多数の人々を救った。そのせいで邪神の怒りに触れたわけだが、最終的に神々の黄昏(ラグナロク)で邪神と正面から戦い討滅した偉業はあまりにも有名だ。

 戦女神(ヴァルキリー)であるターニャ神は戦争狂(ウォーモンガー)だという記録も一部にはあり、確かに数多くの戦いに参加しているのだが、歴史を辿ってみればその割には自ら戦争を巻き起こしたという話は無い。どうにも違和感があるが、魔導衛士用の地獄の特訓の発案者らしいので、あまりの厳しさからそのような錯誤が起きたのかもしれない。

 

 ターニャ神は戦女神(ヴァルキリー)の他に『十一番目の女神』とも呼ばれる。七圏守護神(ハーロ・イーン)傘下では七圏守護神(ハーロ・イーン)そのもので7柱、更にアヌビス神、純夏神、(たける)神に続いて11番目に神格を得たことが理由である、とするのが一般的であるが、これだと純夏神が九番目の女神と呼ばれないことに違和感がある。

 実際のところこの名前の初出を探すと、ターニャ神が神格を得るよりも遥かに前、前世を過ごした統一歴世界に辿り着く。こちらではあらゆる公式記録上で塗りつぶされた11文字の謎の人物(※『ターニャ・デグレチャフ』で11文字、『Degurechaff』でも11文字)ということから識者の間でタロットカード11番である正義(ジャスティス)の女神になぞらえて『十一番目の女神』と呼ばれていたようであった。なおタロットカード9番の隠者(ハーミット)はおじいさんである。

 そしてこの呼び名にターニャ神が神格を得た順番が偶然一致してしまったのだ。この運命的な巡り合わせに、やはりターニャ神はなるべくして神になったのだと信仰が益々高まったことは言うまでも無い。

 何故そんな昔のことが詳しく判明しているのかと言えば、ターニャ神や周囲の神々が語った前世の来歴とその塗りつぶされていた謎の人物の情報が完全に一致してまさかの正体発覚という事件があったからだ。

 

王権神モモロゼッタ「民を蔑ろにする神が絶えないのは哀しいことですわ」

 

 王権神モモロゼッタ。匠衆(マイスターズ)に最初に加盟したテラリア王国の王女、後に女王で、真化する際に並行世界の同一存在であるモモ王女とロゼッタ王女が融合したそうだ。

 今は王権神授の証を申請した各種王家に対する審査を行っており、民を蔑ろにする王家は絶対に認めないので民衆の支持は大きい。

 

軍神マイン「好き放題やっているのは、自分より強い相手を知らんのだろうな。まったくアワレなものだ」

 

 軍神マイン。七圏守護神(ハーロ・イーン)の戦神アヴェニュー直属の従属神で、匠衆(マイスターズ)初代総軍大元帥。人間時代から歴史に名を遺す神算鬼謀ぶりは、軍人だけでなく歴史家にも大人気だ。その独特の喋り方を真似る者も少なくないが、正直分かりにくいのでジ・エネンは難儀している。

 

魔神L.L.(エルツー)「撃たれる覚悟もなく弱者を虐げるその姿、あまりにも醜いな」

 

 魔神L.L.(エルツー)。軍神マインよりも直接戦闘能力が低いが、その分更に戦略に特化しているとされる。匠衆(マイスターズ)初代世代の中では加入時期がやや遅いのでこちらでの活躍の機会が限られているが、匠衆(マイスターズ)加入以前から他の世界のスーパーロボット軍団で大活躍していたというのは皆が知るところだ。

 また、本名は別にあったらしいが記録から抹消されている。

 

機械神マキューズ「まったく許せんでありますな!」

 

 機械神マキューズ。心の友(イバーク・ルイエ)の神であり、非生物からの真化が可能だとこの世界で初めて実証した存在だ。いや、スーパーロボット軍団の世界では既にマジンガーZEROという先行例がいたようだが。

 

英知の神夕呼「知らないって怖いわねえ」

 

 英知の神夕呼。人間時代から万能転移機関(ユニバーサルワープエンジン)をはじめとする数々の発明で神々をも驚愕させたことはあまりにも有名だ。統合前の一部の世界では人類を導いて壊滅寸前の地球を立て直すという偉業を達成したという。

 

交渉神ジョエル「全くだね。人に対する最低限の敬意も知らぬ者はいずれ足元を掬われるものだよ」

 

 交渉神ジョエル。マハトラ=ミエデ 二重帝国や太陽系連邦など、数々の統一政府の成立に多大な影響を及ぼしたという歴史に残る交渉神(ネゴシエイター)だ。「交渉人は多少腹黒いくらいが丁度いいが、リスク計算が出来ない奴はただの馬鹿だ」という金言は全ての交渉人が学ぶべきものだろう。

 

匠神トリオ「実際武力面では今更不足することも無いじゃろ」

 

 匠神トリオ。七圏守護神(ハーロ・イーン)の職人の神トゥーブ直属の従属神で、(マイスター)オブ(マイスター)とも呼ばれる至高の匠だ。元々匠衆(マイスターズ)代表として相応しい実力を備えていたが、管理職をやる気が全く無い為に話が流れたという。

 

産業神サティ「あれから1()3()()()()()も作ったし、改良も進んでいるものね」

 

 産業神サティ。七圏守護神(ハーロ・イーン)の工業の神フィステイン直属の従属神で、的確な生産計画の立案で生産力を支え、時には機動兵器のオペレーターまでこなすという。

 

魔法神タバサ「無敵結界は魔剣カオスや聖刀日光で破れる以上は次元力でどうにでもなるだろうしね」

 

 魔法神タバサ。魔法の神とされており、実際にそのような恩恵があるが、それ以上に常人には思いつかない奇想天外な発想の方が本質であるとされる。

 

大地神テクス「結局時天空より強いのは出てきてないでござるな」

 

 大地神テクス。七圏守護神(ハーロ・イーン)の大地母神ペディオ直属の従属神で、人当たりは良いのだが、()()幕を下ろす者(デウス・エクス・マキナ)システムの開発者ということを忘れてはならない。

 時天空というのは伝説に謳われる存在で、今まで匠衆(マイスターズ)が遭遇した中で最大の敵だったという。宇宙を外側から囲んで食べる超常存在とか言われてもスケールが大きすぎて意味が分からない。いや、映像には残っているので確かに実在はしたのだろうが。

 

弓神スコア「時天空そのものは大概だったがな」

 

 弓神スコア。七圏守護神(ハーロ・イーン)の探検の神グスト直属の従属神だ。弓は古来からある武器で、銃よりも魔法の効果を乗せやすいので未だ廃れていない。今も多くの弓士が彼に祈りを捧げている。

 

催事神ファム「あれはひどかったですねえ」

 

 催事神ファム。神事や祭りの神であり、人と神の交流が円滑になるように、それにまつわるあらゆることを指導してくれている。なお弓神スコアの妻である。

 

流通神アキ「まあ流石に文字通りの無限じゃなかったからどうにかなったけどね」

 

 流通神アキ。あらゆる世界を横断する流通の神であり、こちらも弓神スコアの妻である。

 

冒険神ラリー「でもあれ以上強い奴が出てこねえのは、不謹慎だけどちょっとつまんねえよな。その世界、俺が行ってみてもいいか?」

 

 冒険神ラリー。七圏守護神(ハーロ・イーン)の冒険の神リロー直属の従属神だ。冒険心が強すぎて冒険出来ないとストレスを溜めると言われているが、ラリー神を筆頭とするテラリアン出身の神々は大体戦闘狂(バトルジャンキー)であり、強い相手と戦えなくても不満が溜まるようだ。人類としてはあまりそういう方向で荒ぶらないでほしいものだ。

 

総務神グレーテル「冒険もいいですけど、必要書類は期日通りに出してくださいね?」

 

 総務神グレーテル。事務仕事の神である。その教えは今も匠衆(マイスターズ)に息づいており、この巨大組織が今でも正常に運営出来ているのは殆ど彼女のお陰であると伝えられている。また、このグレーテル神に教えを授けたのがターニャ神であるらしく、ターニャ神は事務方面でも大いに有り難がられている。

 

勇気の神(たける)「おい、逃げんなラリー! ……あれ、純夏今期分出したか?」

 

 勇気の神(たける)。この世界を司る夫婦神の一方だ。かつてはこの世界と恋人を救う為に万にも及ぶ時間遡行を繰り返し、戦い続けたと言われる。

 

慈愛の神純夏(すみか)「うわあん、タケルちゃん手伝ってぇー!」

 

 慈愛の神純夏(すみか)。この世界を司る夫婦神のもう一方で、慈愛を以て人々を見守るありがたい女神様である。純夏神がかつて時空をねじ曲げてループを作ったことが切欠で、地球人類だけでなくこの世界の各種知性体は滅亡を免れたと言われる。

 この二柱の偉業は愛と勇気の(マブラヴ)神話として今も残り、親しまれている。

 また、その仲睦まじい様子からこの夫婦神は恋愛の神様としても崇められている。(たける)神の方は同時に5人孕ませたという意味の分からない逸話から、子宝の神様ともされているが。

 

魔神C.C.(シーツー)「おかわりを要求する」

 

 魔神C.C.(シーツー)。名前からも察せられる通り、魔神L.L.(エルツー)と最も付き合いが長いパートナーだ。

 何やら人間時代から既に不老不死だったらしく、孤独感から自死を願っていたらしいのだが、こちらの世界に来てから不老不死仲間が増えたことでわざわざ死ぬのが馬鹿馬鹿しくなったそうだ。

 魔神C.C.(シーツー)は危急の事態にならない限りは食っちゃ寝しているし、危急の事態でも他の神々が何とかしてしまうので、その能力を見る機会はまず無い。逆に魔神C.C.(シーツー)が動かざるをえない事態ともなれば相当のことなので、ある意味では平和の象徴である。

 この魔神C.C.(シーツー)が食っちゃ寝しているにもかかわらず全く美貌が損なわれないので、永遠の美を求めて神への道を目指す者が後を絶たない。かくいうジ・エネンにもそのような下心が全く無いとは言えない。

 

料理神志津江「はいはい、まったく相変わらずだねえ、この子達は」

 

 手間が掛かって仕方がないねと溢しながらもニコニコしているのは言わずと知れた料理神志津江だ。文字通り神懸かった料理の腕は言わずもがな、その怒りに触れると神でも容赦なく料理されると専らの評判だ。

 

聖騎士神「まあ平和なのは良いことである。ウッ!」

 

 聖騎士神。民を慈しむありがたい神様で、人々が最も目にする機会が多い。聖騎士神は今も多数の分体で世界を見守っており、人の身では避けられぬ悲劇を度々駆逐してくれているのが目撃されている。明らかに御利益があるため、既にほぼ安定したこの世界では最も信仰を集める神の一柱となっている。

 ただし聖騎士神以外の神々も地上で目撃されるのは珍しくない。それは神域には娯楽が少ないからだという。なるほど、元人間がそんなところにずっといると気が滅入るだろう。聞くところによると、知り合いの水の女神の世界や不死の魔導王の世界にもよく遊びに行くらしい。

 

 以上、神々の黄昏(ラグナロク)で人類に勝利をもたらした初代(マイスター)と幹部達は、全員が七圏守護神(ハーロ・イーン)の従属神となって匠衆(マイスターズ)を引退してからも元気が有り余っていた。

 もはや同窓会で昔話に花を咲かせるOBやOGにしか見えないのだが、ジ・エネンはこの連中がどんだけヤバいのかを知っている。

 実のところ存在X、ラ=グース、時天空、それから宇宙怪獣、グレート・アトラクターといったヤバい連中は初代の時代に一掃されており、二代目以降では大魔導鎧の5段目以上は封印されたままで一度も使われたことがない。天元突破や超天元突破などもはや幻の存在だ。無論その解放権限は匠衆(マイスターズ)代表と幹部に引き継がれているのだが、使うような相手もいないのでそんな過剰戦力は恐ろしくて使えたものではない。

 今も轟雷のアップデートは続いており、初代の頃よりはかなり性能が上がっているが、それでも四重轟雷(よえごうらい)まででは神々の黄昏(ラグナロク)当時の十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)にも及ばない。

 当時の敵勢力を見れば結果的に必要だったのは分かるが、電源を切っただけでブラックホール化する兵器なんて、一体何を考えてそんな恐ろしい物を事前に用意していたのだろうか。

 テクス神が作ったとされている幕を下ろす者(デウス・エクス・マキナ)システムも今では封印されており、熱量兵器が効きにくい相手には代わりにバスターマシン由来の冷凍ビームが使われている。単独でも文明を滅ぼす機界新種細胞と月光蝶を両方組み込んだシステムとか一体何なんだ。当時必要だったとしても発想が恐ろしすぎて、平和な時代に生まれたジ・エネンは震えるしかない。

 この神々は人間の頃から一撃で宇宙を壊滅させられるような兵器を使っていたと申し伝えられているが、一体どういう神経をしていればそんなことが出来るんだ、実は記録が間違っていて元々神だったんじゃないのかと現代では疑われている。

 でも戦力をアップさせなくても生活用品を充実させるだけでも普通に褒められるので、全員が戦闘狂(バトルジャンキー)戦争狂(ウォーモンガー)というわけでもないのだろう。だから益々分からない。一体どういう精神性をしているのだろうか。

 ただし神々の実力の方は全く疑われていない。というのも、先代にあたる87代目の頃に狂信者の手によって存在Xが復活したのだが、これに対処する為に彼女らが緊急出撃し、宇宙を超えたスケールの殴り合いで一方的にボコボコにする様子が全宇宙に放送されていたからだ。しかもそれ以降、存在XのZクリスタル像は土下座スタイルになった。コワイ!

 そのような事態が二度と起きないように友人の心の友(イバーク・ルイエ)達と一緒に匠衆(マイスターズ)の組織引き締めを行ったのがジ・エネンで、彼女はその手腕を神々に高く評価された結果、88代目に就任したのだ。

 そのジ・エネンの目の前で、始祖神トピアが話をまとめにかかった。

 

始祖神トピア「というわけで、手頃な脅威なのでこの際皆さんと一緒にルドラサウム大陸冒険旅行でもしてみようと思うのですがいかがでしょう?」

 

冒険神ラリー「お、いいねぇ!」

 

匠神トリオ「冒険っちゅうことは、初期装備を限定するレギュレーションじゃの?」

 

産業神サティ「現地に一から産業基盤を作っていくのね? 腕が鳴るわね」

 

大地神テクス「最初の戦いを思い出して何だかわくわくしてきたでござるなあ。それがしの新型Techブロックが火を噴くでござるよ」

 

弓神スコア「まあ現地民の犠牲を増やさない範囲ならアリだが」

 

軍神マイン「フン、今更その程度のことが出来んと思うか? 騎士(ナイト)を侮る者はリアルで痛い目を見て病院で栄養食を食べることになる」

 

ジ・エネン(ええー!? 業務命令じゃなくて本当に同窓会の告知だった!?)

 

 ジ・エネンは内心で驚愕したが、匠衆(マイスターズ)が把握していない世界に勝手に進出されるよりはそれを知らせてもらった方がいいし、神々の主戦力が外出中だと知らないのも問題なので、ここで告知する意味が無いわけではない。

 そうしている間にも参加希望者があれよあれよと集まっていき、八百万圏守護神(ハーロ・イーン・パ・レイド)の業務を回している総務神グレーテルまでも業務を滞らせないことを条件に承認してしまった。

 そしてその集まり具合に満足した始祖神トピアが拳を握って突き上げ、スローガンを叫んだ。

 

始祖神トピア「それでは皆さん、景気よく行ってみましょう。大量ーッ!!」

 

神々「生産ーッ!!」

 

 この88代の間にもはや知る限りの別宇宙との交易路が整備され、軍備も生活物資も必要十分な程行き渡っている。しかしそんなの関係ねえとばかりに匠の技を磨き続ける偉大なる匠神衆(マイスターズ・ザ・グレート)E & E(エンジョイ&エキサイティング)ぶりに、(マイスター)ジ・エネン・ニューレは引きつった笑みで応えるしかないのだった。




 これにて終幕でございます。長らくお付き合いいただきありがとうございました!
 宜しければ最後に評価など戴けましたら幸いです。
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