〖ブルーロックRPG〗実況プレイ   作:マルメロ

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全部書くと長くなりそうなんで今回短めに切ってます、すみません。


勝者と敗者

 

「け……決着ッッ!! 姫宮依桜のウルトラゴールでバスタード・ミュンヘンの勝利!! 新英雄大戦(ネオ・エゴイストリーグ)の王者が誕生したァァァァ!!!」

 

 

 依桜のスーパーゴールで5点目が決まり、バスタード・ミュンヘンの勝利が確定した。実況の声と共に世界中から歓声が上がる。その熱気は今までとは桁違い、それほど衝撃的なゴールだった。

 

 

「ハッ……! 嫉妬してまうやん女王サマ」

 

「持っていきやがったな姫宮!!」

 

「依桜……君はやっぱり最高です」

 

 

 依桜の周囲に烏や玲王、ネス達バスタード・ミュンヘンの面々が集まり、彼を讃えた。チームメイトでありながら競い合うライバルでもあった彼らだが、今はただ純粋に勝利と依桜のゴールを喜び合う。

 

 

「あはは……どう? ボク輝いてたでしょ?」

 

「はい、間違いなく君は最高の魔法で……世界一のストライカーです」

 

「当然……だよ……」

 

「……!? 依桜!!」

 

「おい姫宮!! 大丈夫か!?」

 

 

 最高の笑みでゴールを喜んでいた依桜だが、みるみる全身の力が抜けていきその場に倒れ込んでしまった。ネスに支えられながらギリギリ意識は保っているが、口から血を流し顔色も悪い。

 

 

「ヤバ……ちょっと無理しすぎたかも」

 

「依桜! すぐに治療を……!」

 

「ありがと……でも大丈夫だから結果発表だけでも見させてよ」

 

「……依桜」

 

 

 この戦いの結末だけは見届けたい、そんな依桜の言葉を否定できる者はいなかった。結果発表を待つ中、潔が依桜の前で足を止めた。潔が微かな吐息とともに依桜の名を呼ぶ。

 

 

「……姫宮、お前」

 

「世一……なりなよ、世界一。ボクの後でさ……誰も、世一のことなんか見向きもしないと思うけど」

 

「……!!」

 

 

 潔の全身に鳥肌が立った。依桜はもう自分が世界一になるビジョンが見えているようだ、いや……確定した未来のように言っているのかもしれない。その上で自分に世界一になれと言っている、依桜が死んだ後、潔が世界一になったところで誰も興味がないから……と。

 

 

「……ざけんなよ。お前がいない世界で1位になっても意味ねぇんだよ」

 

「…………♪」

 

「お前は俺が直接ぶっ倒してやる……だから、それまで死ぬんじゃねぇぞNo.1……!!」

 

「あはは♪ ……ボク、やっぱり世一のこと大好き♪」

 

 

 勝ち逃げなんて許さない。依桜に直接勝たない限り、潔が世界一のストライカーになる日は来ない。今の依桜の実力を見て、なおも戦おうとするエゴイストに依桜は胸を高鳴らせた。

 

 

『やあやあ才能の原石共。とりま優勝おめでとうバスタード・ミュンヘン。同時刻開催のイングランドVSスペインの試合も既に終了し、これで全試合の結果と落札価格が出揃った』

 

 

「……来たか、最終ランキング」

 

 

 モニターに映し出された絵心甚八。それを見た全員が固唾を呑んで彼の話に耳を傾ける。ついに生き残りを賭けた、最終ランキング発表が始まるのだ。

 

 

『これより全チーム・会場同時中継の年俸オークション最終発表を始める』

 

 

「依桜、君の1位は約束されてます」

 

「当然のこと言わないでよねおネス」

 

「これは失敬……」

 

 

『それでは新・英雄大戦(ネオエゴイストリーグ)を勝ち抜きUー20日本代表入りする23名の発表だ』

 

 

 全会場の空気が引き締まった。生き残りか、それとも脱落か。この発表で今後のサッカー人生の結末が大きく左右される。

 

 

「栄えある最高額オファー。青い監獄(ブルーロック)No.1評価は……」

 

 

1位 姫宮依桜 7億円

 

 

「……ッッ!」

 

「7億……」

 

「……マジかよ」

 

 

 7億、その金額に選手達は目を見開く。依桜が1位なのは予想がついた。しかしここまでの金額になると、流石に驚きの感情が強い。

 

 

「クソッッ……!!」

 

「チッ……!」

 

 

 そんな中潔や凛、一位を狙っていた者は悔しさや苛立ちで表情を歪ませた。勝てなければ意味が無い、今このブルーロックは依桜の物だと認めざるを得ない。

 

 

『それでは年棒ランキング、続いての順位を発表する』

 

 

2位 潔世一 2億9000万円

 

 

3位 糸師凛 2億8000万円

 

 

4位 士道龍聖 2億2000万円

 

 

5位 凪誠士郎 2億円

 

 

5位 御影玲王 2億円

 

 

7位 馬狼照英 1億1800万円

 

 

8位 烏旅人 1億1500万円

 

 

9位 蜂楽廻 1億1000万円

 

 

10位 乙夜影汰 1億円

 

 

11位 千切豹馬 8000万円

 

 

12位 オリヴァ・愛空 7500万円

 

 

13位 國神錬介 7100万円

 

 

14位 氷織羊 6700万円

 

 

15位 雪宮剣優 6500万円

 

 

16位 剣城斬鉄 5500万円

 

 

17位 二子一揮 5200万円

 

 

18位 我牙丸吟 4900万円

 

 

19位 黒名蘭世 4800万円

 

 

20位 柊零次 4750万円

 

 

21位 時光青志 4600万円

 

 

22位 日不見愛基 4500万円

 

 

23位 清羅刃 4300万円

 

 

 

Uー20 JAPAN BORDER

 

 

 

24位 蟻生十兵衛 4200万円

 

 

25位 閃堂秋人 3800万円

 

 

26位 雷市陣吾 3700万円

 

 

27位 七星虹郎 3250万円

 

 

28位 蛇来弥勒 2800万円

 

 

29位 仁王和真 2500万円

 

 

30位 灰地静 2400万円

 

 

31位 不角源 2200万円

 

 

32位 颯波留 2000万円

 

 

33位 超健人 1900万円

 

 

34位 鰐間淳壱 1820万円

 

 

35位 音留徹平 1700万円

 

 

36位 石狩幸雄 1600万円

 

 

37位 狐里輝 1500万円

 

 

38位 西岡初 1300万円

 

 

39位 五十嵐栗夢 900万円

 

 

40位 柚春彦 700万円

 

 

41位 猿堂寺暁 500万円

 

 

42位 劈大河 300万円

 

 

「ふぅっ……」

 

「キタコレ! ギリ生き残り!」

 

「うん、まぁぼちぼちやね」

 

 

 ドイツやフランスの生き残り面子、清羅、日不見、氷織がそれぞれ反応する。元の年棒から考えて生き残りがほぼほぼ確定していた面々も、やはり安堵の表情を浮かべている。

 

 

「2位……か」

 

「クソが……」

 

「不完全燃焼感パネェっつーの」

 

 

 しかし依桜に続く2位、3位、4位のメンバーは誰一人表情を緩ませなかった。それどころか悔しさから今にも爆発しそうだ。ここはブルーロック、1位でなければなんの価値もない。

 

 

『以上をもって最終年棒オークションの発表終了だ。上位23人に選ばれなかった者はこの先の青い監獄(ブルーロック)にはいらない。さぁ……退場しろ(ファック・オフ)

 

 

「……」

 

「七星……」

 

 

 松葉杖をつきながらベンチを立ち上がった七星に斬鉄が声をかける。だが彼の心配とは違い七星の表情は覚悟を決めた男のそれだった。必ず這い上がってやる、そんな覚悟を決めた顔だ。

 

 

「…………ッッ!!」

 

「閃堂……お前」

 

「愛空……日本代表はお前に任せた」

 

「……ああ、俺たちは必ず勝ち続ける。お前が戻ってくるまでな」

 

 

 震える拳を握りながら敗者ゲートへと向かう閃堂は愛空の短い言葉をかわし、彼に背を向けた。零れる悔し涙を誰にも見せないように。

 

 

 ──そしてスペインVSイングランドの会場でも。

 

 

「クソがッッ……!! クソがァァァ!!!」

 

「雷市……」

 

「我牙丸……!! チームZ(アイツら)にも伝えろ……!! もしも負けたら青い監獄(ブルーロック)ごとぶっ殺してやるからな!!」

 

 

 血管がはち切れる程怒りをあらわにする雷市は我牙丸の胸ぐらを掴み、咆哮をあげる。その悔しさを察した我牙丸は何も言わず、ただただ頷いた。

 

 

「俺……散るか」

 

「蟻生くん……!」

 

「突破おめでとう時光。俺の分までしっかりな」

 

「……」

 

「俺は……散り際までオシャ! でありたい」

 

 

 こんな時でも普段の調子を崩さない蟻生。痩せ我慢ではないかと心配する時光だが、蟻生はオシャを止めない。少なくとも人前では。

 

 

 その他の脱落者も涙を流す者、悔しさを無理やり押し殺す者、後悔の念に苛まれる者、様々な表情を見せる。しかしその胸に秘めた悔しさだけは誰もが同じだった。

 

 

「う……ぐぅぅ……!!」

 

「ッ……!!」

 

 

 敗者ゲートに入った雷市、蟻生は今まで我慢していた涙を流した。敗北者には、天を仰ぐようにただ天井を眺めるしかできなかった。

 

 

 勝者の喜び、敗者の屈辱、様々な感情が入り交じりネオ・エゴイストリーグは幕を閉じた。しかしこれは終わりではない、世界一のストライカーを生み出す物語の一節でしかないのだ。

 

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