TS憑依ソフィーのアトリエ 不思議な魂の錬金術師   作:不思議シリーズマン

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第11話

 

 

それはなんて事のない1日。今日はめっちゃ天気が良く気温も丁度いい、そよ風が気持ちいいある日のこと。

こんなに穏やかなそよ風を感じているとオレの頭の中で『そよ風のアロマ』のレシピがふと……

 

閃いてくれれば良かったよなァァァ!?!?

 

【ソフィー】君、君はおかしいよ。どうして家の前でそよ風に吹かれたらあの中盤終盤のチートアイテムを調合できるようになるんだい?その頭の中を覗かせておくれ……まあ、今はオレなんですけどぉ〜……

 

はぁ……

 

 

「ふて寝だふて寝……たまにゃ休む日があってもいい……」

 

 

オレが今いるのはキルヘンベルの西側、エリーゼの店よりももっと向こうの地区でゲームじゃ来れないエリアだ。特に何か理由があってこちらに来たわけではないのだが、今日はプラフタから休日を言い渡されているのでなーんにも考えずふらふらと散歩して来たというわけだ。

 

そんな西区の適当な公園のベンチで横なっているオレだが、ぶっちゃけ暇なのだ。

 

 

「ここ最近はミナさんだったり、ルアードだったりと忙しい日々だったからな。これくらいの暇が丁度いい」

 

「お姉さん……なにしてるのです?」

 

「んあ……あ?」

 

 

目を閉じていたオレだが誰かに話しかけられたので目を開けた。そこにいたのは東洋風の格好をしたちびっ子……コルネリアがいた。

 

 

「散歩してたらここに着いてなー」

 

「ここ……いいですよね。私も好きです」

 

 

正直、心臓バックバクです。めちゃくちゃびっくりしたぁ……!!

なんだってこんなとこにコルネリアが居るんだよ。しかもまだ年相応に幼いし。

 

 

「君、ここらの子?見たことないんだけど」

 

「コルネリア、というです。この辺に住んでるのです」

 

「ああ、わりぃ。よいしょっと……改めて、オレはソフィー・エルレンマイヤーだ。よろしくなコルネリア」

 

「よろしく、です」

 

 

オレは体を起こしてコルネリアに向き直って挨拶をした。この頃から礼儀を覚えているのかコルネリアはしっかりと腰を折って挨拶をした。凄いな、オレがコルネリアくらいの頃なんか何も考えず遊んでただけなのに。

 

コルネリア

 

【ソフィー】と同じく錬金術を扱う少女だが、オレ達の扱う錬金術とは違い、1を2にするという錬金術を使うことができる錬金術士だ。物心ついた時からいなかった父親を探すために、メインストリートで商売を始めるというすごい子だ。まあもちろん原作での話なので2年前である今はまだなにも始めてないだろう。

 

 

「エルレンマイヤー……って、聞いたことあるのです」

 

「あの丘でアトリエをやってるからな。最近噂になってるみたいだし」

 

「アトリエ……錬金術士?」

 

「お、それそれ。いやーコルネリアくらいn「あの!!」……お、おう?」

 

「私の服みたいな服を着た人、見たことないですか?」

 

「んー……無いな」

 

「そう……ですか」

 

 

コルネリアが大声上げてるところ、ゲーム含めても聞いたことなかった気がするわ。やっぱり、まだお父さんがいない事に慣れて無いのか。

 

 

「綺麗な服だな。出身はキルヘンベルじゃないのか?」

 

「東の方の一族……って聞いてるです。それ以外は……」

 

「ほーん……」

 

 

シリカのこと、教えてあげるべきだろうか。まだ出会ってない人間の事を知ったふうに言って怪しんだりしないかな。流石に、幼子にあれこれ言うのも憚られるしなぁ……

 

まあ、錬金術の方ならいいか。

 

 

「関係あるか分からないけど、東の方に1つの物を複製……2つにする錬金術を使うことができる一族がいるってのは聞いたことあるな」

 

「っ!!それです!!私、それ使えるです!!」

 

「え、マジで?じゃあその一族か。うーん、でもそこまでしか聞いたことないんだよなぁ」

 

「お姉さん、ありがとうございますです!!」

 

「誰か探してるのか?」

 

「……お父さん。私が小さい頃から、居ないんです。会いたくて」

 

「なるほどな」

 

 

そりゃそうだ。こんなに幼いんだから親というものに縋りたくなるのは当たり前。むしろ今どうやって暮らしてるのかが気になる。ちゃんと生活できているのかな。

 

 

「だったらこの街から旅に出れるくらい大きくなって強くならないとな」

 

「どうしてです?」

 

「色んな街に行って、色んな人に聞くんだよ。この街だって旅人は来るだろ?だから他の街に行けばさらに他の街から来た人に出会えるんだ。それを繰り返せばいつかきっと出会えるさ」

 

「なるほどです!!お姉さん、すごいのです!!」

 

「その為には、1人でも旅ができるように勉強して、体も強くしないとな」

 

 

オレだって1人でも戦えるように鍛えているからな。緑ぷにまでは難なく倒せるからすぐそこの森なら安心だ。

だが、コルネリアはまだ子供。過度な鍛え方は逆に成長に良くないらしいから、子供らしく行こうぜって話。

 

 

「はいです。でも……なにからやったらいいですか?」

 

「んー……よく食べて、よく運動して、よく寝る!!」

 

「そんなことでいいんですか?」

 

「おいおい、大事だぞ。普通のことを普通にやってから、色々挑戦しないと痛い目にあうぜ?」

 

「……分かりました。お姉さんを信じてみます」

 

「困ったことがあったらいつでもおいで。歓迎するよ」

 

「困った時じゃないとダメですか?」

 

「いつでも遊びに来な!!絶対だぞ!!」

 

 

こてんっ、とちょっと寂しそうな表情で首を傾げているコルネリア。

……可愛い。なんだこの生物は?持って帰ってウチの子になりませんか?いや、する。

 

『……ダメに決まってるでしょ』

 

ハッ!?……今、【ソフィー】の声が聞こえた気がした……

はい、落ち着きました。

 

コルネリアはオレに向かって一礼するとトテトテと走って行った。コケないか心配だな……

 

あー、すぅ……幼女っていいな(真理)

キルヘンベルの穏やかな環境で育った闇深少女……儚げな印象だがその内には確かな意思が感じられ、幼いながらも自分の力で生活してきたから凄い。

 

幼女っていいな!!

 

 

「ソフィー、こんなところで何してるのよ。だらしない顔しちゃって」

 

「うわっ、モニカ!?」

 

 

オレが宇宙の真理に気づいていたところに背後から突然モニカが現れた。

 

 

「い、いや、なんでもねぇよ。新しい友達が出来てな?」

 

「ふぅん。お友達にそんな顔してたワケ?」

 

「いやな、ちょっと真理に気づいただけだ」

 

「意味わからないわよ?まあいいわ、お茶行きましょ?今日お休みなんでしょう?」

 

「おーいいぜ……って、なんで知ってんだ?」

 

「プラフタさんが言ってたわよ」

 

「ああ、プラフタね…………ッッ!?!?」

 

 

プラフタ!?ま、まさか、バレたのか!?

 

 

「ふふ、やっぱり驚くわよね?ソフィーが居ない時にアトリエに行ったら本が浮かんで喋ってるんだからびっくりしたわよ。ソフィーの師匠なんですってね。絶対驚くと思うからイタズラすることにしたの。誰にもいってないから安心なさい」

 

「びっくりしたわ!!ほんっっっとにびっくりしたわ!!アトリエ畳んで逃げることすら頭によぎったわ!?」

 

「はー、面白かった。さぁ、行きましょ。私の奢りよ」

 

「…………全く、お茶目に育ちやがって」

 

「誰かさんのおかげね」

 

「ぐぅ」

 

「あら、ぐうの音も出たわ」

 

 

ホルストさんのお店に着くまでの間、オレは散々モニカにいじられました。

幼女に邪な考えを抱いたオレの負けです。お巡りさん、私です。

 

途中からオスカーの奴も参加し3人で仲良く談笑してお昼を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アトリエに戻ってきたオレだが、意外と手持ち無沙汰になってしまったのでばあちゃんが残した錬金術の書を読もうとしていた。

 

 

『ソフィー……結局錬金術の勉強してるじゃないですか。今日は休日と言ったでしょう?』

 

「これも立派な趣味だよプラフタ」

 

『…………ソフィーは錬金術が好きなんですね』

 

「あー……好き、なのかもな?」

 

『どうして煮え切らない答えなのですか?』

 

「いやさ、今までずっと義務感と使命感で錬金術をやってたんだよ。遠くない未来に来る災厄をなんとかしないとって。でもプラフタが目覚めてから自分の成長って奴が実感できるようになった。成功体験って大事なんだよ、オレみたいなしがない元一般人にはな」

 

『そうでしたか。なら教えた甲斐がありましたね』

 

 

意識せずとも錬金術に関係することをしている。プラフタの言う通り、オレはいつのまにか錬金術が好きになってたみたいだ。【ソフィー】のように誰かのためにじゃない、自分のための錬金術。それがオレの預かり知らぬところで誰かの役に立ってるなら尚の事良しだ。

 

 

「よし、いっちょやるか」

 

『何を作るんですか?』

 

「わかんね」

 

『……え?』

 

「思いつくまま、気の向くまま、自然に身を任せて適当に素材でも放り込んでみようと思う」

 

『ふふふ、良いですねそれ。私もやった事ないのでどんな結果になるか楽しみです』

 

 

オレは椅子から立ち上がり錬金釜の前に立つ。本当に適当に選んだだけの、レシピも品質も特性も用途もクソもないごった煮だ。

 

 

「うーん……コイツは今だな。こっちはもっと後、はいはいぐるこーん」

 

『ソフィー、これも入れてみましょう』

 

「おっ、いいな。どんどん入れろ入れろー!!」

 

 

あっっはははは!!2人揃って、理論も定石も吹っ飛ばして雑に素材を入れて釜を混ぜる作業。

くっそ楽しいな!!

 

そのままぐるこんぐるこんやっていると、釜が一瞬不穏に光った。

 

 

『……おや?』

 

「あー……はは、は。あれ、やっちまった?」

 

『そのようですね。まあ、私達の自業自得という事で』

 

「いやいやいや、何受け入れてんだよプラフタ。逃げるぞー!?」

 

 

どっかーーん!!

 

 

「うぎゃーーー!?!?」

 

『きゃっ』

 

 

爆発オチなんてサイテー!!と言わんばかりに、釜が暴発した。失敗の時の反応だった。

そりゃこうなるのは分かってたけどさ。もうちょい余韻ってもんがあるだろ!!

 

そして残ったのは、ボサボサになったオレの頭と散らかった釜周辺の惨状だった。

よしプラフタは間一髪無事だな!!

 

 

「…………」『…………』

 

 

見るも無惨な現場に、オレ達は言葉も出ない。揃って顔を合わせた後、耐えきれず笑いが出た。

 

 

「はは……あっはっっははっっは!!」

 

『ふふふ……ふふっ、あははははは!!』

 

 

ひとしきり笑い合った後、片付けを終えたオレ達は釜の中を覗き込んだ。

 

 

『久々に盛大な失敗ですね』

 

「おっかしいなー。【ばあちゃんの錬金釜】は失敗しない効果が付与されてた筈なんだけど」

 

『え……では、失敗じゃないのでは』

 

「……かもな。中身は……なんだこりゃ」

 

 

釜から取り出したソレは、何かの石だった。

なんか虹色に光ってるし、見る分には綺麗だなこれ。

 

 

『見たことがないですね。一体なんなのでしょうか?』

 

「いやぁ……分からん。まあいいんじゃね?せっかくだから飾っとこうぜ。師匠と弟子の初めての共同作業ってな」

 

『調合をしたのはソフィーですし違うと思いますが、そうですね。飾りましょう』

 

「……あっ。やっぱ飾るのなし!!ちょっと出掛けてくるわ!!」

 

『はぁ?……分かりました。あまり遅くならないようにしてくださいね』

 

「おう、行ってきます!!」

 

 

いいこと思いついた!!さーて、ハロルの兄貴、今やってるかなー。

 

 

今日の休みは新しい出会いと、変わらない日常と、ちょっとしたハプニングを添えた、楽しい日になった。

 




【ソフィー】


「わー……なんかすごい事になったね。でもそっか、【彼】も錬金術が好きになってくれてよかった。今日の調合は罪悪感とか感じなかったし、ただただ純粋に楽しいって気持ちだけでやってくれて、私も嬉しいな。にしても……【彼】も洒落たことするね。その石をそんなふうにするなんて、私じゃ思いつかなかった。錬金術で初めて負けたかも。あっ、別に競ってないんだけどね!?」

「私も早く、体が欲しいなぁ……人形の体、どんな感じだろう?ふふん、楽しみ♪」
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