彼女は藤丸立香の親友だ。

死に物狂いで世界を救ってきた彼女と平和な夏休みを送りたいけど。どうやら彼女の周りではそういうわけにもいかないらしい。

ちなみに藤丸立香はガチ百合さん。

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どうやら世界を救ったらしい親友は「なっちゃんに会いたくて頑張ったんだ」とエグい顔で言った。それは女の子していい顔じゃないから

私の親友は世界を救ったそうだ。

 

まだ夏休みになる前、彼女が献血に行く前に約束していた「龍が如くシリーズ」を1ヶ月で全部クリアするという約束を守るために頑張ってくれたらしい。いまいち、彼女の世界を救ったという壮大すぎるスケールに着いていけてないけど。

 

私より小さかった彼女がいきなり大きくなっていたのだから信じるしかないし。なによりも親友の言っていることを信じるのは当たり前なのだ。まあ、彼氏や彼女、愛人だか新妻だか、よく分からない変人に狂人と個性豊かな知り合いもいるのだ。

 

まあ、ありがとね立香。と、私は藤丸立香にお礼を言うと自信満々にクラスでも一二を争うくらい(ちなみに私は三位くらい)デカい胸を揺らしながらふんぞり返っている。

 

「フフン、もっと褒めていいよ!」

 

すごいよーっ、かっこいい。

 

そんなことを話しながら騒いでいると立香の家のキッチンから褐色肌でクールそうなイケメンお兄さんが出てきた。

 

えっ、だれこれ?と困惑していると立香は「紹介するね、この人はアむぶっ!?」と嬉しそうに喋ろうとした瞬間、おにぎりで口を塞がれてた。

 

すごっ、早業だね、お兄さん。

 

「フッ、この程度は当然だよ」

 

そう言ってまたお兄さんはキッチンに戻っていった。なんだったんだろ、あれは?など思いながら立香に「キッチンの神様っぽいね」と言う。すると彼女は「いや、あれはオカンだよ。たはぁんっ!?」と言い返してきたらお玉が飛んできた。

 

「イテテッ、もうちょっと労ってよねぇ」

 

ブーブーッと文句を言っている立香の後ろにスタンドらしきものが見えた。世界を救ってきたのは信じるけど、マジでそっち系なのだろうか?

 

「ところでさ、約束覚えてる?」

 

えっ、うん。龍が如くでしょ?

 

そう問い返すと立香は気まずそうにゲームのディスクケースを取り出した。そういえば立香に預けてたんだったっけ。私はケースを受け取って中身を確認すると「我が如く」になってた。

 

「えっ、なにこれ?」

 

「あ、やっと久しぶりに聞けた。ほんとにどうやってるのか知らないけど、なっちゃんってば口動かさずに喋るからなっちゃんの喋り方ってどんなんだったっけ?とか思ってたんだよね」

 

ニコニコと笑っている立香に困惑しながら「こっちが本物だよ」と手渡されたケースを受け取り、今度は本物だと確認してテーブルに置く。

 

「それとね、なっちゃん。ずぅーーーーーっと世界を救いながら考えてたんだ、なっちゃんこと。なっちゃんに会いたいな、会いたいな、会いたいな、会いたいな、会いたいな、会いたいな、会いたいな、会いたいな、会いたいな、会いたいな、会いたいな、会いたいな……って、そればっかり考えてたんだよ?」

 

ゆっくりと近づいてきた立香は私の手を優しく握り、興奮しているのか少しだけ頬の赤くしながら恍惚とした表情で私を見つめる。

 

あっ、なんかやばいかも?

 

「もう離してあげないからね♥」

 

どうやら私は逃げられないようだ。

 




〈藤丸立香〉 

人類最後のマスター。

彼女にするつもりだった親友と楽しい夏休みを送るはずだったのに世界を救う戦いに巻き込まれて「告白も出来ずに死ねるか!!」と奮起して世界をマジで救ってしまった女の子である。ちなみにサーヴァントの告白やストーカーに対して「ごめん、私には助けたい人がいるから」と断っていた。


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