これは極東にて『朝廷』に仕える氏族二人物語。
名を、輝夜と深雪。幼くして出会った二人は。オラリオで会う約束を交わす。
そして、五年前の事件前に約束が果たされる。
本来破滅に向かうはずだった《アストレア・ファミリア》はオリ主と共に、『破壊者』に立ち向かう。



お久しぶりです。あらすじ下手の時雨シグです。
久しぶりに何か書きたいと思いこの創作を書きました。
輝夜の口調がおかしいと思います。ご了承ください。戦闘描写はほぼないです。

余談ですが、筆者はダンまちの創作を読まなくてですね、書き終わった後、少し他の方のを覗かして頂きました。その際、めっちゃ主人公の出身だったり見た目だったり《アストレア・ファミリア》と関わるところが似ている作品がありました。大変驚きましたね。なんかすみませんでした。

これはジャガーノート戦の話です。脳死読書を推奨します。

あ、20000字です。


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夜に輝く月に照らされ雪は煌めく

 

 

 

この国は首の皮一枚繋がっている、を体現しているかのように荒れていた。都では政争が日々激化し、蹴落とす蹴落とされが果てしない。また、都から離れれば離れるほど、どこを見ても戦!戦!している。生き急ぎ野郎にも程があるだろ。

 

《アマテラス・ファミリア》。

とまぁ、それがこの国を組織する超巨大派閥の名だ。だが、見ての通り見せかけに過ぎなくない。

そんな《アマテラス・ファミリア》もとい『朝廷』に仕える高位の氏族、八家八天王的なアレやソレが(まつりごと)を一手に担っている。

 

これはそんな『朝廷』に仕える、政争に辟易したとある氏族二人の物語。

 

 

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side:???

 

 

その夜は年に一度あるかないかで起こる、月がもっとも輝き大きく見える日であった。そんな月下において、まるで死人のように木にどさりと腰を下ろした少年がいた。瞳に生気はなく、どこか現世を見限ったような雰囲気を漂わせていた。歳にして、六つ程だろうか。

 

 

「...疲れた」

 

 

少年らしい声ではあるが、いささか可愛げがない。

 

 

「なんで俺がこんなことをして生きていかなきゃなんねぇんだ」

 

 

この少年は『朝廷』に仕える氏族の一人である。日々身を削りながら家業に携わっていた。醜い大人の世界での立ち回り。面倒くさい主神の世話。時には地方に行き処理を行う等々。

 

ノブレス・オブリージュ。高貴なものは高貴なものなりに義務が伴う。高位な家に生まれてしまったのなら、例え嫌だろうと務める必要がある。

それが少年にとって苦痛で、生まれてきたことに後悔すらできる日々であった。

 

 

「死のうかな...」

 

 

だからこそこんな言葉を吐露してしまう。

 

 

「そこで何しておられるのですか?」

 

「っ!?誰だ!?」

 

 

声をかけられるまで存在を認識出来なかった。その事実が脳内を警鐘が駆け巡る。

 

 

「これはこれは失礼致しました。死んでいるかと思いまして」

 

「他の言い方はなかったのか...」

 

「そのようなことを求められましても」

 

 

声からして女性。木によって月明かりが閉ざされており、彼女の顔は見えない。

 

 

「そうだな、悪かった。では俺はもう行く。それと女性がこの様な遅い時間に出歩くのはすすめない。君も早く帰るといい」

 

「おや、もう行ってしまわれるのですか?ここで会ったのも何かの縁。少しお話致しませんか?」

 

「悪いが、俺にも色々あるんだ。ではな」

 

「...それは命を狙われるお立場におられるからでしょうか?」

 

「....何を言っている?」

 

「ニジョウノ・深雪」

 

 

瞬間、ギンッ!という甲高い音が鳴り響いた。男が刀で女性を斬りつけ、寸前で女性が小太刀で防いだ際に出た音だ。

 

 

「お前、ゴジョウ家の者か」

 

「いきなり乙女を斬りつけてそれですか。まぁ仕方ありませんね。ですが安心してくだされ。別に命を狙いに参ったわけではありませんので」

 

「それを信じろと?」

 

「わざわざ話しかけるのは大分手間かと」

 

「...確かにな」

 

 

ニジョウノ・深雪。ニジョウ家の三男として生まれ、なまじ優秀であるがために三の歳から家業に携わってきた。それ以前に、大人の世界と言うものには生まれてきた時から見聞きしてきた。あまりにも醜い。それが大人の世界に対する感想である。だからこそ、自身がその醜さに溺れていく様が嫌で仕方がなかった。

 

 

「それで?特に用件がないのなら俺は帰るぞ、ゴジョウノ・輝夜」

 

「ほう...お分かりになりましたか」

 

「同じ『朝廷』に仕える家の構成を知るのは当たり前だ。ゴジョウ家で、全貌は暗くて見えないが背丈からして子ども、声からして女子。なら浮かぶのはお前しかいない」

 

「なるほど。変態さんでしたか」

 

「いやなぜそうなる!?」

 

「視姦されましたので」

 

「してねぇよ!暗くて見えねぇって言ったよな!」

 

「なら...聴姦ですね」

 

「造語してまで罪を着させようとするな」

 

 

深雪はこのやり取りがおかしかったのか、小さく笑った。小さくとも心の底から笑えたもので、このように笑えたのは乳児以来だったかもしれない。

 

 

「久しぶりに笑えたよ。礼を言う」

 

「そうですか。良かったですね、最後に笑えて」

 

「だから牢にぶち込もうとするな」

 

 

まだ姿見えぬ女性から視線を外し、家に帰るため付近の石階段を降りていく。

月明かりによって、極東男児にふさわしい漆黒の髪と海底のような蒼黎な瞳を持つ美形な少年姿が顕になった。

ニジョウ家の中でもっと端麗と評される彼。

そんな彼は妬み嫉み恨みが絶えない。高位なものは品性が問われる。美形であればあるほど、自ずと品性が付きまとい様々な面で有利である。だからこそ、幼い頃から利用価値があるとされ家業をさせられているのだろう。

 

 

ふと思う。たった少しとはいえ、家業を忘れ心の底から笑えたのは彼女のおかげだと。また話せるのなら話したいと。

また話せないか?と聞くため深雪は再び階段を登ろうと振り返る。しかし、登るまでもなかった。なぜなら、彼女が段上にて深雪を見下ろしていたからだ。

 

 

「...そのような姿形だったのだな」

 

 

少し見惚れてしまった。大和撫子と呼ぶに相応しい美しさが身を纏っており、それを助長させるかの如く、輝夜の背景には、光り輝く大きな月が彼女を照らしていた。それはまるで、昔から伝わる御伽噺のようで。

 

ただまぁ、まだ顕となっていないが、中身はなかなかに現実主義(イカつく)、口も悪いためギャップが凄まじい。そのギャップに萌え痺れ興奮するならば、今すぐ通報してあげよう。

筆者?筆者はもちろん興(殴

 

 

「思っていたより、美しゅうございましたか?」

 

「自分で言うな。ただそうだな...情報よりは綺麗だ」

 

「町奉行所は遠いですよ?」

 

「遠回しに自首を勧めるな。それよりもだ。もし良ければ、これからも話せないだろうか」

 

「...まぁ、私は構いませんが」

 

「ありがたい。では、月が満ちたとき、この木のもとで」

 

「分かりました」

 

 

思いもよらぬ楽しみが出来、満足そうに頷いた深雪。そして、再び階段を降りていく。月に一度ではあるが、心逸らせるには十二分なもの。帰りの足取りは来た時よりも軽快であった。

 

 

「少し面倒だが、まぁ暇潰しにはなるだろ」

 

 

段上にて、月を見上げながらそう呟いた輝夜。言葉こそ怠げだが、顔を見れば小さく笑みを浮かべていた。

 

 

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「なぁ、輝夜。外の世界はどんなだろうな」

 

「どうした?詩にでもハマったのか」

 

「そういうわけじゃねぇよ。ただ政争ばかりで外の世界を知らないなと思っただけだ。この国は閉鎖的でもあるしな」

 

「確かに、気にならないと言えば嘘になる」

 

「外の世界には、空まで届く山や果てしなく続く草原。底の見えない滝壺。そして、神の遺物。聞いただけで心踊ったよ」

 

「この国はどこもかしこも荒れ果てているからな。見映えは全くない。奥地ならあるかもしれないが」

 

 

女子らしくない話し方をする輝夜。月に一度の交流会?をしているうちに、本性が顕となった。最初の方こそ、いや猫被りが酷すぎだろ!?と思っていたが、不思議なもので今となっては猫被りが逆に気色悪く感じる。毒牙にでもかかってしまったのだろうか。

 

 

「またいつかそれらを見に旅をしないか?」

 

「面倒ですね」

 

「こいつ...!だからちんちくりんなんだよ」

 

「あ?貴様もういっぺん言ってみろぶち○すぞゴラァ!!」

 

 

ゴジョウノ・輝夜。何故か発育に関して妹に負けており、内心かなり気にしているらしい。

ちなみに深雪曰く、色々な煽りをすることで怒らすことを徹底している。同じ煽りではキレなくなったり反応が薄なるかららしい。ただの変態野郎である。

 

 

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「オラリオに行こうと思う」

 

「...突然だな」

 

 

初めて木の元で出会ってから数年が経つ。月に一度という短いようで長い時間を待ち、輝夜に会うことを楽しんでいた。恋慕を抱くのは必然で、いつかは...と思うことも多々。しかし深雪にとってはなかなか悲しいことがあり、それは輝夜がいっこうにそういった素振りがないことだ。

アプローチはかけてはいるのだがなぁ...と日々悩んでいた。実態はかなり遠回しなアプローチであるのだが...

まぁ、極東らしい奥ゆかしさと言えばらしいものだ。

 

 

「もう縛られた生活には飽きた。自由になりたい」

 

「そんなことで自由になれたら苦労しないぞ」

 

「最終手段は逃げればいい。それに私が居なくなったとしても妹がいる」

 

「確かに、お前より仕事が出来て発育もよい妹がいたな」

 

「あーなんかシバキ回しとぉございますねー」

 

 

こうして煽っているが、内心焦りまくっている深雪。輝夜は順当にこの国を出ていくだろう。もしそうなれば、こうして合うことも話すことも出来ない。深雪も出ればいいだけの話なのだが、《アマテラス・ファミリア》に所属しているため簡単に抜けることが出来ない。

 

 

「いつ発つんだ?」

 

「近いうちに」

 

「そうか...」

 

「もしかしたら、今日が最後かもしれないため礼を言っておく。深雪のおかげで退屈な時を過ごさずに済めた。いつかまた会えたとき、今のように話できるのを期待しておく」

 

「ふっ...当たり前だろ」

 

「何スカしてんだよきめぇ」

 

「絶対いい場面だったろ!空気読めよ!」

 

 

今日が最後かもしれない、ということあってかいつもよりも長く話した二人。別れ際、俺もオラリオに行くよ。と約束を交わす。この日もまた、年に一度あるかないかの満月が地上を照らしていた。

 

これでもし次の満月日に会うことになれば大変恥ずかしくて、穴を超えて墓に入りたくなるだろうが、その日を待たずして輝夜が家を出たという情報が耳に届いたのだった。

 

 

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「待ってくれ深雪!行かないでくれーっ!」

 

「嫌です!何年譲歩してあげたと思ってるんですか!今度の今度こそ行きます!」

 

「妾の愛情を無碍にするのか!?」

 

「愛情という名の仕事でしょ。そんなもん要らねぇ」

 

「この青二才が!神に向かって生意気な!出ていけ!」

 

「分かりました。今までお世話になりましたさようなら。イヤッホォォォォイイ‼︎‼︎」

 

「あ、すまん!嘘じゃ嘘っ!!頼むから戻ってきてくれぇ〜〜っっ!!!」

 

「15の歳には出ていくと言いましたよね?アマテラス様の願いで三年伸ばしましたが、もう無理です」

 

「嫌じゃ〜っ!」

 

「無理なものは無理です。それに本来このやり取りだって無駄なんです。早く次の場面に移りたいです。つまらないので。なのでもう場面切り替えます」

 

「まっ、待っておくr

 

 

ゴジョウノ・深雪。現在、18歳。この日オラリオに向けて旅立つのだった。

 

約10年の歳月は長いもので。逸る気持ち逸る気持ちが更に年月を長く錯覚させた。だが、やっとこの日がやってきた。

今、輝夜はどんなファミリアに所属しているだろうか。Lv.はいくつだろうか。どんな冒険をしてきたのだろうか。怪我はしてないだろうか。も、もしかして男はいないよな.....HAHAまさかいるわけ無いよな。あんな見た目詐欺にも程があるやつだもんうんうん。

と、輝夜のことを考えただけで顔が緩む。

 

最初の言葉は何にしよう。そんなことを思いながら旅路を歩むのだった。

 

 

深雪は知らない。一年前、オラリオで大事件があったことを。

深雪は知らない。一年後、輝夜の所属するファミリアが最悪な結末を迎えることを。

 

ただそれは、深雪という男が居なかった世界線の話だ。

 

 

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side:深雪

 

 

極東を出てもう一年程経ち、ようやっとオラリオに着いた。この時既に深雪は19の歳になっていた。すぐにでも輝夜に会いたい気持ちはあったが、初めての外の世界を無視するのはそれはそれで勿体ないと言うことで、少しばかり寄り道をしながら向かったため約一年もの時間が経った。

 

だが、オラリオの一つ前に立ち寄った『メレン』にて、オラリオが『闇派閥(イヴィルス)』という悪の組織によって壊滅的状況に陥った話を聞いた。その際、多くの冒険者が亡き者となったという話も聞いた。その話を聞いてから、深雪は気が気でなく、休むことなくオラリオへとやってきたのであった。

 

長い列に並び、厳重な入国審査を終える。オラリオに入ると、やはりと言うべきか、ピリピリとした雰囲気が漂っていた。

大厄災は退けれたとはいえ、まだ残党が陰謀を巡らせているのだ。街の雰囲気が悪くなるのも仕方がない。

 

 

「よし、早速《アストレア・ファミリア》の本拠地、『星屑の庭』に行くとするか」

 

 

検問の際、門番にゴジョウノ・輝夜について聞くと色々教えてくれた。

正義と秩序で安寧を守る《アストレア・ファミリア》に所属しており、Lv.は4。団員は女性だけで全員が全員麗しい外見のため、かなりの人気を博していた。いた、と言うのは二年前の事件で一時期支持が地に堕ちていたからだ。

ただそんなことよりも、輝夜が所属しているファミリアが全員無事だと聞いて安心したのだった。

 

 

何度か住民に訪ねながら『星屑の庭』に向かった。

やがて、館へと着いたもののどうすればいいのだろうか?門番が居ないため、アポを取る方法が分からない。

そんな時だった。

 

 

「な、なんか黒髪着物イケメンが門の前に居るのだけど?もしかして、私の追っかけかしら!?おーいそこのイケメン君〜、なんでこんなとこにいるの〜っ!」

 

「アリーゼ!?何故自ら声を掛けるのですかっ!?敵だったらどうするんですか!」

 

「いや、敵だったらこんな真昼間に来ねぇだろ。つまり、ストーカーだな」

 

「やっぱりそうなのね!黒髪着物イケメンからもモテる私っ、あぁ...なんて罪な女なの!でもごめんなさい。私にはアストレア様がいるのっ...!」

 

「すげぇよなコイツ。ただ門の前に男がいるってだけでこんなにも捗ってんだからよ。マジキモイわ」

 

「言い過ぎだ、と言いたいところですが、擁護出来ないのがいっそ清々しいです」

 

 

なんか凄い勘違いされてる気がする...と困惑する深雪。確かに、女の園の前で男である深雪が佇んでいたら怪しさ満載ではあるのだが...

 

今からどこか行く予定だったのか、玄関からでてきた少女たち。勘違いはされているが、ちょうど良かったと息を吐く。

 

 

「すまない!ここは《アストレア・ファミリア》の本拠地でいいだろうか!」

 

「ええ、そうよ!」

 

「アリーゼ!だから見ず知らずの人に簡単に呼応してはいけないと言っている!」

 

「大丈夫よ、リオン!イケメンに悪い人はいないわ!」

 

「います!逆に顔がいいからこそ容姿を利用して騙すのです!」

 

「あの〜、俺の話聞いてます?」

 

 

全然耳を傾けてくれず泣きそうになる深雪であっが、これも輝夜に会うための試練だと思う事にする。

 

 

「ちゃんと聞いてるわ。それで何かしら?申し訳ないけれど、完璧で究極な美少女アリーゼちゃんはアストレア様のものよ!」

 

「ここに、ゴジョウノ・輝夜はいるだろうか?」

 

「コイツッ、もうアリーゼに順応しやがった!...やるな」

 

「ふっ、極東で変なやつの対応には慣れているのでな」

 

「なん...だと...っ!極東にはアリーゼと同等のアホの子がいるってのか!恐ろしいぜ...極東っ!」

 

「...貴方たちは何をしているのですか?」

 

 

いや本当に何してるんだろな。そう思わずにいられない。まぁ、愉快な者達で良い人だと言うのはこの短いやり取りで分かった。

 

 

「俺は、ニジョウノ・深雪という。輝夜とは同郷で、小さい頃からの知り合いなんだ。こうしてオラリオに来たから、挨拶でもと思って訪れた。突然の来訪申し訳ない」

 

「全然構わないわ。多分もう少しで輝夜も出てくるはずよ。ほら、噂をすれば」

 

 

アリーゼと呼ばれていた女性の視線を追う。そこには、約10年もの間、ずっと会いたくて会いたくて仕方がない人物がいた。

10年前よりも、更に大和撫子とはまさにこの事だと自信を持って言える程に麗しくなっている。とても見惚れてしまった。

 

さて、最初の言葉はなんだろうか?会えたという喜び?遅いという怒り?

 

 

「なんだ?何かあった...ん?」

 

 

アリーゼ達で見えなかったのだろうか。アリーゼ達に並んでようやっと深雪の存在に気づいた。

 

 

「《ガネーシャ・ファミリア》は少し遠いぞ」

 

「久しぶりに会って一言目がそれか!?絶対他に何かあったろ!」

 

「だから私にそんなものを求めるなと言っているだろ」

 

 

思わず膝から崩れ落ちそうになるのを踏ん張る。

相変わらずのようで、安堵している自分がいるのが悔しい!

 

 

「ちょっと輝夜!こんなイケメン君と知り合いなら言いなさいよ!」

 

「なぜだ」

 

「もちろんからかうためよ!」

 

「だから言わなかったんだ」

 

「というか、輝夜みたいな人でも知り合いなんていたのね!」

 

「それは馬鹿にしていると受け取っても?」

 

「違うわ!ただ驚いてるだけよ!アリーゼちゃんびっくり!」

 

「イラ☆」

 

 

...まぁその訪れた身ではあるんだが、場所移さないか?そう思わずにはいられたかった。門を挟んでするやり取りではないだろうと。話の流れ的に面会に来た人なんよな。

と、その前にだ。

 

 

「輝夜、久しぶりだな」

 

「そうだな。相変わらず薄幸そうで安心した」

 

「一言余計にも程があるわ」

 

 

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あのあとすぐに深雪たちは別れた。《アストレア・ファミリア》にはやるべきことが沢山あるため、個人の事情で止めるのはよろしくないからな。まぁ、輝夜に会うという目的が達成出来たので全然良かったし、素っ気なさは変わってなくとも前の様に話せたので大変満足だ。

 

まだ昼前で時間がある。冒険者登録して、宿探しをして適当に寝るとしよう。『メレン』から精神的にも身体的にも疲労が溜まっているので早く休息したいし。と思う深雪。

 

冒険者登録の際、Lv.について驚かれたことと『闇派閥(イヴィルス)』ではないよな?という確認、ダンジョン説明でどえらい時間を食ってしまったことを追記しておく。

 

 

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「質問いいだろうか?」

 

「どうしたの?」

 

 

小人族(パルゥム)の冒険者がニッコリ笑って返事をしてくれる。

 

 

「どうして俺はこんなとこに連れてこられたのだろうか?誘拐はれっきとした犯罪ですよ!」

 

「黙れ」

 

「...ウスッ」

 

 

いや本当に何この状況?

 

 

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オラリオに着いてもう1週間以上経ったこの日。ダンジョンに潜っては酒場に行き、潜っては酒場に行きで自由な生活を送っている。2年以上前の深雪が今の深雪を見たら、とりあえず刀奥義をぶっ放すことだろう。あの時輝夜と一緒に出ておけば良かったと後悔するほどに素晴らしい。

 

一つ不満があるとしたら、輝夜とゆっくり話せていないことだ。日々忙しなく動いている彼女らや、他のファミリアを見ているので我儘なんてとても言えない。

 

とまぁ今日も今日とて、酒場で呑もうと歩いていると...

 

 

「いたわ!確保ぉーっ!!」

 

 

なんか聞き覚えのある声が聞こえ、そちらに視線を移す。そこには先程話題に出した《アストレア・ファミリア》と、仮面をつけた筋肉隆々な男性五人がこちらに走ってきていた。

誰かを追っているのか?と思ったていたが、真っ直ぐ深雪に向かって走ってくる。

 

 

「え?ちょっ!?な...っ!どわぁあああああああああああああああああっっ!!!」

 

 

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「別におかしなところはないけど?」

 

「完全におかしいだろっ!縄でぐるぐる巻きにされて、筋肉隆々な男どもに担がれて来たんだぞ!誘拐以外の何物でもないだろうが!」

 

「ごめんねイケメン君!流石にぐるぐる巻きはダメだったよね...」

 

「いや、アリーゼさん貴方の方がやばいことしてましたからね?なんか可愛い声で『えいっ♡』って言って、口に布貼りましたよね?声出させなくしたよね?躊躇いもなくしたよね?ね?なんでこれが容認されてるの?オラリオ怖すぎっ!」

 

「少しは落ち着け深雪。うるさい」

 

「そうだ輝夜テメェ!俺が運ばれてるとき、何回も殴ってたよな?普通に痛かったんだぞ!表出ろ。そのひん曲がった性格を矯正してやる!」

 

「...ううぅ...乙女に対してなんて酷いことを...今すぐ《ガネーシャ・ファミリア》に突き出しましょう」

 

「猫被ってんじゃねぇぇぇ...!」

 

 

本当におかしい。流石に扱い酷すぎると思いません?まだ全然関わりないですよね?なんでこんなことできるの?オラリオの冒険者も頭イカれてんだろっ!

 

 

「まぁその事は置いておくとして。今日君を呼んだのは、協力してほしいからなんだ」

 

 

この小人族(パルゥム)が一番おかしいわ。なに、何も無かったかのように話進めてるの?てか、呼んでないし。誘拐だし。首謀者絶対コイツだわ。夜道には気をつけるといい。後悔させてやる!

 

 

「僕は《ロキ・ファミリア》の団長、フィン・ディムナだ。Lv.は6。こんな見た目だけど、37歳だ。よろしくね」

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

 

アブねぇ...っ!歳下か同世代だと思ってたら、二倍近く上だった...!前言撤回。フィンさん最高!イケメン!若い!

 

 

「で、協力とは何を協力するんですか?」

 

「君は『闇派閥(イヴィルス)』について知っているかい?」

 

「はい、何があったかは聞いています」

 

「それなら話が早い。君には、『闇派閥(イヴィルス)』の掃討作戦に協力して欲しい」

 

 

二年前の大事件で『闇派閥(イヴィルス)』は大分減ったらしいが、生き残った者共がまたよからぬ事をしようとしているらしい。

 

 

「分かりました。微力ながら手伝わせていただきます。でもどうするんですか?俺は《アマテラス・ファミリア》で一人しかいません。個人で行動すればいいので?」

 

「そうだね...君は、ゴジョウノ・輝夜と同郷って話だったよね?」

 

「はい」

 

「なら、アリーゼ。君のファミリアに彼を付ける」

 

「全然構わないわ。イケメンは目の保養になるもの!」

 

「...HAHA。再考の余地をどうかっ」

 

「よし、では作戦を練ろう」

 

 

無視ですかそうですか...フフフ...歳が上だろうと、やりようはあるんですよフィンさん。この恨みは必ず...!

 

 

「でも、フィン?イケメン君を預かるのはいいけど、戦力になるの?私達、彼のLvとか知らないんだけど」

 

「ああ、それは問題ないさ。彼はLv.6だからね」

 

「ええっ、そうなの!?私達よりも高いわ!極東ってそんな過酷な場所なの?」

 

「別にそういう訳じゃない。ただ、俺が働かされすぎただけだ。あいつら、妬み嫉み恨みの目盛りバグってんだよ。というか、フィンさん?何故Lvをご存知で?」

 

「ギルドから教えてもらった」

 

「あ、すみませ〜ん。ここに犯罪者がいます。ギルドもグルだそうです。誰かお縄をお願いしても?」

 

「二大派閥(ファミリア)の特権だからね。お咎めないよ」

 

 

え、まじ?二大派閥にもなるとそんなこと出来んの?え、何それ俺も入りたい。どっちかでも入れてくれないかな?あ...そういえば出ていってもいい代わりに《アマテラス・ファミリア》を脱退するの禁止にされて、コンバージョン出来ないんだった.....あの駄女神め!こういう時だけ悪知恵働かせやがって!あの時、別にそれくらい大丈夫か。と思った自分が憎い。

 

 

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筆者は最近ダンまちを追えておらず、アストレア・ファミリアがどういった経緯でルドラ・ファミリアのあいつを追い込んだのか知りません。申し訳ないですが、読者様方で補完してくださると幸いです。

 

 

なんかアニメもいつの間にか終わってたし....おかしい。筆者の地域は放送されなかったのだろうか...毎期アニメの確認してるのに。

 

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その日の夜。満月の月に照らされて、二つの影が並んで地面に描かれていた。

深雪と輝夜だ。約10年振りにしっかり話す彼らは何を話すのか。大変見物だった。

 

 

「《ガネーシャ・ファミリア》に行くぞ」

 

「待て輝夜!これは冤罪だ!。俺は何もやってない!」

 

「セクハラをしていたな」

 

「してない!彼女らが急に触ってきただけだ!」

 

「例えしていなくとも、一度お前をぶち込みたい」

 

「テメェッ!完全に私利私欲じゃねぇか!」

 

 

変わっていなかった。深雪が可哀想なくらい変わっていなかった。

そろそろ読者も飽きてきた頃だろう。でも筆者の文才がないんです!ご了承ください!

 

 

「それにしても、まさか極東でLv.6になるとわな。どれほど過酷だったのか想像を絶する」

 

「実際かなりしんどかった。休みなんてなく、寝る時間すらほとんどなかった。良くあれを耐えたものだと自分を褒めたくなるね」

 

 

ひとえにその人生を乗り越えれたのは、輝夜の存在があったからだ。目を閉じれば、輝夜の顔が映る。それが唯一の支えだっのは言うまでもないこと。

 

 

「そうか...よく頑張ったんだな。オラリオは自由だ。何にも縛られずに牢の中で楽しむといい。よし、《ガネーシャ・ファミリア》行くぞー」

 

「だからなんでそうなるんだよ!?絶対いい場面だったろっ!てか、牢に縛られてるからそれ!」

 

 

二人して笑みが零れる。あの過酷な中にあったほんの少しの日常が、約10年振りに帰ってきたのだと。

 

 

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掃討作戦(何てものはなかったかもしれないが、一応あった方が描きやすいので)当日、深雪と《アストレア・ファミリア》は《ルドラ・ファミリア》を追い込んいでいた。30階層まで逃げた彼らは、何か企んでいるようで、警戒を最大限高める。

 

そして、30階層。

膨大な量の火炎石が爆発し、周囲一帯を破壊し尽くす。まるで大地震が起きたかのような揺れに、灼熱の熱波が暴れる。

しかし...《アストレア・ファミリア》は全くの無傷。《ルドラ・ファミリア》は驚愕せざるを得ない。

 

 

「終わりにするわ。『闇派閥(イヴィルス)』も悪の時代も」

 

 

剣を《ルドラ・ファミリア》に向け、そう言い放つアリーゼ。それに気圧され、彼らは恐れるように後退する。

 

そんな時だった...

 

 

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(ジャガーノートを、モンスター、だったり、蜥蜴モンスターと呼んでいます。この時はまだ個体名がないためです)

 

 

 

「なんだこの音は...」

 

 

それはまるで爬虫類が雄叫びをあげたような、耳障りな咆哮?叫び?《アストレア・ファミリア》でも聞いたことがない音が''天井''から響いていた。

 

天井から砂埃が舞い落ちる。それは次第に増えていき、やがて天井に穴が空いた。

その穴から出てきたのは、蜥蜴のような骨格。目は紅く、獲物を狙いすましたかのように輝く。

全員が、なんだあのモンスターは?と疑問や恐怖を抱き動きが止まる。いや、ただ一人。その人物だけは行動が早かった。

 

 

『停滞、それは雪の本質。視界を閉ざせ、体力を奪え、行き着く先は死のみであることを示せ。大気を大地を全てを白く染め上げ支配しろ。さぁ、白よりも深い白銀の世界を創り出せ』

 

 

『【ギ・グラキエス】』

 

 

《アストレア・ファミリア》、《ルドラ・ファミリア》には何をしたのか分からなかった。当然だ。この魔法は、深雪と対象にだけ見える幻覚のようなもの。いや、幻覚だけでは無い。存在もする。

どういうことかと言うと、脳に強制的に強く思い込ませるのだ。思い込ませることで、本物だと錯覚し、寒さを感じるし吹雪に殴られている感覚も生まれる。そのため、ずっと魔法でそう思わせておけば勝手に体力を消耗し、いずれ死に陥る。極めてやべぇ魔法なのである。

 

 

天井から顔を覗かしたモンスターは、突然眼下が白銀世界に変わったことに戸惑う。だが、『母』の意志より''邪魔者''を駆逐するためそのモンスターは天井から落下する。

やがて木の側面に張り付くと、邪魔者に向かって物凄い勢いで飛びかかった。狙われたのは、魔力を発していた深雪であった。

 

 

「深雪っ!!」

 

 

輝夜が叫んだ。それはLv.3ならば対応出来ない超スピード。Lv.4の彼女らだけが深雪に意識を向ける。

ただ、彼女らの視界に入るのは静かに佇む深雪の姿。恐怖で固まってしまったのか?そんか最悪な考えが浮かんでしまう。

 

 

『【フロスト】』

 

 

その瞬間、深雪の身体が蒼白いオーラに包まれた。

この効果は、雪属性を付与するというもの。アイズ・ヴァレンシュタインの【エアリエル】と原理は一緒。違うのは、これが魔法ではなくスキルだということ。

 

 

「居合の太刀」

 

 

そのモンスターはもう目の前。あまりにも鋭すぎる爪が、深雪を引き裂かんと振り下ろされた

 

 

雪華

 

 

ガギャンッッ!!!と心臓が痛くなるような重厚で、脳が劈く程の爆発的な音が響き渡った。

深雪の雪属性からなる技より、雪が舞い上がり姿が見えなくなる。

 

 

「ぐっ...!」

 

 

剣戟音と同時に呻き声が漏れる。

その後直ぐに、舞い上がっていた雪からモンスターが飛び出て、そのまま《ルドラ・ファミリア》に襲いかかった。

 

 

「イケメン君っ!」

 

「大丈夫か!?」

 

 

《アストレア・ファミリア》が駆け寄る。舞い上がった雪を剣風で退けると、目に映ったのは腕から血を流し、腕を庇うようにうずくまる深雪の姿だった。

それを見て咄嗟にポーションをかけたのは、流石は上級冒険者と言えるだろう。

 

ポーションをかけられたことで痛みが引いたのか、自前のポーションを取り出し飲み干す。

 

 

「あまり俺に近づくな。スキルの効果で冷気を纏っているからな。あと、大丈夫だ。脱臼しただけで、不能になったわけじゃない」

 

「そうか。お前が大丈夫と言うなら大丈夫なんだろう。それにしても、Lv.6の深雪が力負けしたんだ。これはかなり最悪な状況なんじゃないか」

 

「案外平常そうだな、輝夜」

 

「深雪が上手く対処してくれたからな。もし、あれが私らに向かっていれば平常では居られなかった」

 

「輝夜の言う通りね。ありがとうイケメン君。貴方がいち早く動いてくれたおかげで、団員を失わなかったわ」

 

「私からも礼を言います。ニジョウノ・深雪」

 

 

《アストレア・ファミリア》全員が頭を下げる。それを見て深雪は、心から安堵する。

だが、ゆっくりもしていられない。今は《ルドラ・ファミリア》を襲っているが、直ぐこちらに襲い掛かるだろう。

 

 

「今のうちに分かったことを伝える。まず一つ目だが、あのモンスターはLv.7は確実だろう」

 

「だろうな。じゃねぇとお前さんがそんな怪我するとは思えねぇ」

 

「そうだ。そして二つ目。アイツは魔法が''効かない''」

 

「何だと?」

 

「【ギ・グラキエス】は対象の速さを鈍らせるデバフ効果がある。しかし、今のアイツを見てれば分かるが全く鈍っている様子がない。何故か。それは、魔法を反射しているからだ」

 

 

【ギ・グラキエス】は生きてさえ入れば、魔法の影響下に入る。蜥蜴モンスターでもそれは例外では無いはず。なら、雪という概念、いやそれ以前に空っぽな存在のため、効いていないのかもしれないが、、

 

で、何故反射していることが分かったかと言うと、対象を襲ったデバフが深雪に襲いかかったからだ。

 

 

「反射ですって?そんなもの聞いたこともないわ。それにしても、あの一瞬でよく反射にいきついたわね」

 

「極東に、魔法を反射する魔法を使う奴がいたからな」

 

 

やはり《アストレア・ファミリア》でも知らないか。フィンさん達ならもしかしたらと思うがどうだろうか。

 

 

「にしても反射か...魔法を主体とするやつは戦力にならねぇな。いや、戦力どころか餌か」

 

「ねぇ、それってもう終わりじゃない?私たちも魔法やスキルで属性を纏って攻撃するわよ?」

 

「いや、多分だが属性付与なら反射判定にはならないと思う。火球のような魔法単体なら反射判定されるんだろう」

 

 

スキル名『氷姿雪魄(ホワイトアウト)』詠唱【フロスト】。

スキルとはいえ、身体に付与されているのは魔法である雪属性だ。刀と爪が当たった際、反射されることは無かったのでそう考察した。

 

 

「全員聞いてくれ。あのモンスターを倒すには俺たちだけでは無理だ。逃げることも出来ないだろう。だから...Lv.3の者達は応援を呼んできてくれ」

 

「なっ!?私も闘うぞ!」

 

「...そうね。イケメン君の言う通りにしましょう」

 

「団長!?」

 

「お願いみんな。私達が生き残るために」

 

 

アリーゼが団員に向け、頭を下げた。アリーゼ自身、この状況において彼女達が力不足であることを知っている。アリーゼ達Lv.4ですら足手まといとなるのだから。

 

やがて、決意したのか走り去っていく彼女達。ここにいるのは、深雪、アリーゼ、輝夜、リュー、ライラの五人。

 

 

「アイツの脅威となるのは速さだ。それさえ封じ込めれば時間は稼げる。絶対に跳躍をするな。地面に足をつけ、防御に徹するんだ。絶対に生き残るぞ!!」

 

『了解!』

 

 

タイミングよく《ルドラ・ファミリア》を喰い終えた蜥蜴モンスター。紅い目が深雪らを射抜く。

 

 

「一発目は俺がいなす!そしたら直ぐに攻撃を開始し足止めするんだ!」

 

 

蜥蜴モンスターは跳躍すると、木に掴まり深雪らに狙いを定める。先程のこともあり、学習しているならば同じ手は通用しない。

やがて、まるでバネのように跳ね突撃する。

 

 

「居合の太刀」

 

 

『雪華』の時の何倍も吹き荒れる雪。オーラが大きく揺れ、淡く光り輝く。

 

 

 

雪月花!」

 

 

居合の太刀『雪月花』。突き出された爪を絡め取るように横に流し、その流れで切り伏せる。攻守両立したものであり、自身に与えられる衝撃を最低限に出来る刀技。しかし、胴体は反射が反応するかもしれないので念の為斬らない。

 

 

「今だ!」

 

 

そう叫ぶと、彼女ら四人が一斉に攻撃を仕掛ける。蜥蜴モンスターは四人の猛攻により跳ぶタイミングを失い。反撃にうつる。

 

深雪は再び脱臼したためポーションを飲みハメ治す。変色しまくっているが、まだ大丈夫だと言い聞かせた。

ふぅ...応援が来るのは早くても数時間。絶望しそうだが、生き残るためには死力を尽くさないと。

 

 

______________________

 

 

何分こうして足止めしただろうか。時に、五人による包囲網を抜け出され、その度に深雪がいなす。それによりついに限界を迎えたか、右腕が機能しなくなってしまった。両利きになるよう訓練したので、左腕で刀を振るう。

だが、深雪以上に限界だったのは輝夜達だ。防御に専念していたこともあって部位欠損はないが、強力無慈悲な攻撃によって、体内から殴られているかのような衝撃波に何度も襲われ、心身ともにダメージは果てしない。気を抜けば、直ぐにでも倒れてしまうことだろう。

 

このままではやばい....せめて、せめて彼女らだけでも生き残さなければ。

 

 

「お前ら!次このモンスターを逃がしたら、全力で逃げろ!後は俺が引き受ける!」

 

「たわけっ!貴様を放って逃げるわけがないだろ!」

 

「輝夜の言う通りです!恩人を見殺しにするなど私自身が許せない!」

 

「どうした深雪さんよ!?もう限界かっ!私らはまだまだイケるぞ!」

 

「イケメン君を亡くしたら、これから誰を目の保養にすればいいのよ!?」

 

 

いや、最後のは知らんがなと言いたい。

でも不味いなぁ...こうして一緒に戦ってくれるのはとても心強い。だが...俺らはもう限界。このままでは全滅も有りうる。

 

と、その時だった。これまでにない無理な動きで包囲網を抜け出した蜥蜴モンスター。その行動のせいで、深雪達が吹き飛ばされてしまう。

深雪は直ぐに立ち上がったが、四人はそのまま倒れ込んでしまっている。

もし、この状況で突撃されれば皆を巻き込みかねない。そう思い、モンスターの動向を確認する。

 

 

「...ん?何故襲ってこない...?」

 

 

アイツに体力というものはないはず。なら何故、あんなにもしんどそうに見える?

は...?身体が、崩れていってる...っ!?なっ!?【ギ・グラキエス】が効いているだと!?反射の膜みたいなのも少し剥がれているじゃないか!何故だっ?考えろ俺!

 

アイツは《アストレア・ファミリア》でさえ見たことないモンスターだ。こんなにも敵意剥き出しの癖に、『遠征』というもので襲われないわけが無い。だったら?アイツは''俺らを殺すためだけに産まれた''?落ち着いて考えたらアイツ、''魔石を持ってない''じゃないか。魔石は人で言う心臓だ。心臓がないなら動くことが出来ないのは明白。なら、あの状態は活動制限時間が近づいているから?

 

 

...はは。ハハハハハハハハハハッッ!!!勝てる!これは勝機があるぞ!

 

だが、と一旦冷静になる。勝機があると言っても深雪一人でどうにか出来る訳では無い。輝夜達四人の協力が必要だ。

 

 

「何か打開する策を思いついたようだな」

 

「っ!?ああ...協力してくれるか?」

 

「もちろんよ!」

 

 

先程まで倒れていたのに、フラフラになりながらも立ち、深雪に笑みを見える彼女達。そんな彼女達に最後の作戦を告げる。

 

 

______________________

 

side:ジャガーノート

 

 

そのモンスターは直感的に焦っていた。邪魔者を始末するために産まれた存在なのに、まだ排除しきれていないこの状況に。

崩壊が始まった身体。次の攻撃が最期になることを察する。だから、身体の状態を落ち着かせるよう身を捩らせた。

 

視線を邪魔者に向ける。邪魔者達の瞳は燃えていた。まだ諦めていないのだろう。それが、あるはずもないストレスが生じさせる。

 

 

やがて、足をまるでバネのように縮ませ反発力を溜める。

そして...

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

side:深雪

 

 

これまでで一番速いその突撃を、深雪は限界手前の左腕で迎えいる。狙うは足の破壊。

 

 

「居合の太刀 蒼白の秘技」

 

 

今っ!

 

 

雪崖断裂!」

 

 

ガンッッ!!!パキッ!とだった。

 

深雪の刀か、蜥蜴モンスターの爪か、また莫大な雪が舞い上がっておりどうなっているか分からない。

 

 

「やれ!」

 

 

雪煙からそんな声が響いた。これは成功の合図。それによって四人が動き出す。

 

 

『今は遠き森の空。無窮の夜天に鏤む無限の星々。愚かな我が声に応じ、今一度星火の加護を。汝を見捨てし者に光の慈悲を』

 

 

作戦内容はこうだ。まず、蜥蜴モンスターの特攻を深雪が止め、並行で足の破壊を行う。成功した場合、リューは詠唱を開始する。輝夜、アリーゼ、ライラが綻びた『魔力反射』の間を縫って『魔力反射』を破壊する。リューの詠唱完了。トドメ。というシナリオだ。

 

 

「『アガリス・アルヴェシンス』!燃え盛れ(アルガ)ッ!燃え盛れ(アルガ)ッ!!燃え盛れ(アルガ)ッ!!!」

 

「【舞い散る彼岸の紅蓮華】!五条一閃っ!」

 

「これでも食らってな!」

 

 

歩くことすら難しいほど消耗しているはずなのに、身体に鞭をうちモンスターへと駆ける三人。ライラが投げた爆弾が蜥蜴モンスターに直撃し仰け反らせる。そのチャンスを逃すまいと更に走力を上げる。

やがて...

 

 

『来れ、さすらう風、流浪の旅人!空を渡り荒野を駆け、何物よりも疾く走れっ!星屑の光を宿し敵を討てっ!!』

 

 

リューの詠唱が完了する。

後は、三人が『魔力反射』を壊すだけだ!

 

 

「いけ!そこだっ!!」

 

「ハアァアアアアアアアアッ!!全力炎力(アルヴァーナ)ッ!!!」

 

煌刃断絶っ!!!」

 

タクティカル・ローテーションッ!!」

 

 

絶望的な存在に打ち勝つため、放たれた三つの煌めき。それは星の軌跡のようで....

 

パリンッ!

 

その瞬間、『魔力反射』の割れた音が響いた。

さぁ、最後の仕上げた。

 

 

『リュー!』

「リオン!」

 

 

ルミノス・ウィンドッ!!!」

 

 

何条もの翠尾が、三つの煌めきを追うように軌跡を辿る。

『魔力反射』が消え、足も殆ど折られているため為す術なく魔法が直撃し、灰へと姿を変え消滅するのだった。

 

 

____________________________________________

 

 

蜥蜴モンスターとの戦闘が終わってから何分経っただろう。朦朧とする意識の中そんなことを考える。

輝夜達四人は、戦闘後すぐ様ポーションを飲ませ寝かせた。というよりも、気絶したという方が正しいか。

 

本当によく頑張ったと褒めたい。Lv.4でLv.7を撃破することが出来たのだから。この子達は将来オラリオを引っ張っていく存在になるはずだ。今でさえ、人目置かれているのだ。確実にそうなる。今のうちにサイン貰っとこかな?

 

 

と、幾つもの足音がこちらに向かってきた。応援だと思うが、敵の可能性もあるため軽く構えておく。

 

 

「皆!大丈夫かい!?」

 

 

声と姿を確認すると、どっと疲れが押し寄せてきた。やっと自身も休めると。

応援に駆けつけてくれたのは《ロキ・ファミリア》と《ガネーシャ・ファミリア》の精鋭達だった。

 

 

「これは...っ?」

 

 

かなりの爆発があったと思わせる現場。また、大量の血液。五体満足だが、ボロボロで死んでいるかのように寝ている《アストレア・ファミリア》の四人。そして、腕が見るに堪えない程になっている深雪。何があったんだ!?と驚愕せずにいられないフィン。

 

 

「深雪くん、ここで何があったんだい?」

 

 

「...すみません。それは地上に戻ってからでお願いします。疲れたので...」

 

「...うん、そうだね。寝ているといいよ。後はこちらで対処する」

 

「ありがとうございます」

 

 

こうして深雪も気絶するように眠った。

あ、言っとくけど、男が輝夜を運ぶのは許さんからな。最後にそう絞り出すように言ったのだった。

 

 

____________________________________________

 

 

夢を見ていた。それは18歳まで過ごした極東での生活。自身に向けられる視線は決していいものではなかった。好意を見せてくれる人達はいたはいたが、下心あってのもので純粋な好意なんてものはなかった。輝夜がいなくなってからは、寝る間を惜しんで仕事をしていた。次々に追加される仕事。極東の『悪』全部排除出来んじゃね?って思うくらい仕事したと思うんだ。うんすまん。めっちゃ盛った!

 

とまぁ、あんなにも激務だったのに闇堕ちしなかったのは凄いと思う。いや本当に。それの要因は、輝夜がいたからだと自信をもって言える。それほどに輝夜のことを想っているのだ。

 

なぁ、輝夜。

お前が欲しいと思うことは傲慢だろうか?いや違うな。例え、傲慢であろう必ず迎えに行く。いつ死ぬか分からないんだ。後悔がないようにと俺は決意した。

 

....や、やっぱ、恥ずかしいかも...

 

 

____________________________________________

 

 

目が覚めた。ボヤける視界の中映ったのは知らない天井。周りを見渡すと、病室だと理解する。

ぼんやりしている思考を強引に覚醒させ、何があったのか追憶する。

 

そうか...あの蜥蜴モンスターを倒して、それで、フィンさん達が来たから寝たんだったな。

 

自身の身体を見ると、包帯でグルグル巻きだった。こんなに巻く?ってくらい巻かれている。まぁ必要なことなんだろう。と納得。

次に、輝夜達はどうだろうかと心配する。時間にして30分、いや1時間、2時間だったかもしれない。とにかく壮絶な戦いを行ったのだ。死ぬギリギリだったはずだ。

 

 

「やぁ、起きたようだね」

 

「フィンさん...この度は助けて頂きありがとうございます」

 

「いや、それを言うのは僕達の方だ。将来有望の若手冒険者を失わずに済んだんだからね。君がオラリオに来なかったら、多分彼女らはいなくなっていたはずだ」

 

「...ありがとうございます。それで、輝夜達はどうなってますか?」

 

「聞いた限りだと、死の淵にいたらしく、命尽きていてもおかしくなかったそうだ。生きているのが奇跡だと言っていたよ。でも、安心していいよ。今は安定してるから。それと、君に関してはもう少しで腕が使い物にならなくなっていたらしい」

 

 

包帯でグルグル巻きの両腕をみる。力を入れると痛みが走るが、ちゃんと動いている。ゆっくり息を吐いて安堵する。もしかしたら、もう機能しないんじゃないかと思っていたからだ。

 

 

「君達には、数週間の療養とリハビリが課されている。彼女達も日々頑張っていたからね。この機にゆっくり休んでくれ」

 

「はい」

 

「よし。なら、早速何があったか教えてくれるかい?」

 

「分かりました。ですが、他言無用でお願いします。もしバレてしまえば、悪用する人がいるので」

 

「約束しよう」

 

 

何があったか説明していく。とりあえず説明部分は省くとして、こうして説明していると、彼女達のおかげだと改めて分かる。彼女達だったからこそ遂行できた作戦。他のLv.4なら上手くいくことはなかっただろう。

 

 

「本当に頑張ったんだね。彼女達には何か餞別を渡さないといけないよ」

 

「武器とかはどうでしょう?多分壊れてる奴もいると思いますし」

 

「確かに壊れていた武器もあったね。武器だけでは全然足りないけど、一先ずはいいだろう。後は彼女達が起きた時にでも聞いておくよ」

 

 

行動がイケメン過ぎるよフィンさん。それで結婚できてないのが不思議でならない。

 

 

「それと、深雪君もだよ?」

 

「...いえ、俺はいらないです。大切な人とその大切な友人を守ることが出来たので」

 

「....カッコイイね。僕はそんなにも一途になったことがないから、君が羨ましいよ。分かった。また何かあった時は気軽に声をかけてくれると嬉しい。全力で協力するよ」

 

「おぉ、それは大変ありがたいです!」

 

「喜んでくれたなら良かったよ。なら、僕はもう行くとしよう。これでも後処理が沢山あってね」

 

「あ、すみません。忙しいのにわざわざお見舞いに来てくださって」

 

「ははっ、全然問題ないよ。じゃ、また来るね」

 

 

フィンさんはそう言って爽やかに出ていった。俺も後処理したいけどこの身体だし...とモヤモヤするのだった。

 

あー...暇だ。

 

 

______________________

 

 

フィンさんが帰った少しあとのことだった。もう一眠りしようかなと考えていたとき。とある女性が訪ねてきた。

 

 

「ニジョウノ・深雪くんでいいかしら」

 

「はい。そうでうぃえっ...?」

 

 

ふ...ふつくしぃい.....って危ねぇえ!俺には輝夜という女性がいるんだぞ!あまりにも美人な女性が来たからって現を抜かすな深雪!

 

 

「私はアストレア。貴方にお礼を言いたくて来たの。あの子達を助けてくれてありがとう。貴方がいなければ、大切な家族を失うところだったわ。本当にありがとう」

 

「...頭を上げてください。彼女達が生きて帰ってこれたのは彼女達の働きあってのものです。それに、俺が居なくても強い彼女達なら生き残ってましたよ」

 

「ふふ、そうね。なんたって、私の子どもだもの」

 

 

か...可愛えぇえ...なんて破壊力のある微笑みなんだ...っ!はっ!危ない危ない!俺には輝夜がいる!そう輝夜がいる!!

 

それにしても、輝夜の主神がこんなにも子ども想いの方でよかった。良い主神や仲間に恵まれて感慨深くなる。お父さん泣いたよ!(同い歳です

 

 

「それじゃあ、またアリーゼ達のところに戻るわ。寝そうになっていたところにお邪魔してしまって申し訳ないわね」

 

「いえいえ、暇でしたし、アストレア様と関われて嬉しかったので全然大丈夫です。むしろこれからも来てください」

 

「そう?ならまたお邪魔させてもらおうかしら。あ、そうそう。深雪くん、もしファミリアがなかったら私のとこにでも来る?」

 

「っ!?」

 

 

な、なんだそのあまりにも魅力的なお誘いはっ!?女の園に入るなんて...そんなことしちゃっていいんですか!?

いや待て待て冷静になるんだ深雪。アストレア様や輝夜がいるからって安直に考えるな。

 

 

「...《アストレア・ファミリア》って男性禁止ではなかったのですか?」

 

「それはアリーゼ達が私に男の子を近づけさせないために言ってるだけよ。別にファミリアのルールとかではないわ」

 

 

そうだったのか...確かに俺もそうするわ。全人類そうするだろう。それほどアストレア様には魅力がある!

 

 

「でも、俺男ですよ?アリーゼ達が拒むんじゃ?」

 

「あの子達は命の恩人を無下にするような子じゃないわ。むしろ、アリーゼなんかは喜ぶんじゃないかしら。まだ関わりも少ないはずなのにホームでよく話題に出るわよ?」

 

「そ、そっすか...」

 

 

とまぁもし《アストレア・ファミリア》に預かってもらうとして、考えられるのは...輝夜・アストレア様・その他団員の存在 < アリーゼのだる絡み・オラリオ全男性の妬み嫉み恨みにより居心地が悪くなる。

よし、やめよう。

 

 

「大変魅力的な提案ですが、御遠慮させていただきます。すみません」

 

「あら残念。アリーゼは元気で可愛いのよ?」

 

「何故アリーゼを要因と勘づかれたのかは置いておくとして、夜とか部屋に突撃してきて永遠に喋ったりしないでしょうか?」

 

「....たまにね」

 

「また誘ってください!」

 

「ふふっ、そうするわ。またね」

 

「はい!いつでも!」

 

 

寝る前になんとも幸せな時間を過ごすことが出来、大満足な深雪。いい夢が見れそうだとニンマリしながら寝るのだった。

 

その日見た夢は、輝夜によって連行され牢にぶち込まれるものだった。輝夜特製拷問付き☆

 

 

____________________________________________

 

 

まだオラリオに来て二ヶ月だと云うのに、振り返れば濃い生活を送っているなぁと目が虚ろになる。

 

フィンとアストレア様が見舞いに来てくれた二日後、輝夜達が目を醒ました。その後にちょっとした事件があったのだが...どうでもいいだろう...いやまぁ簡単に説明しておくと、

目を覚ましたあと、アリーゼと輝夜が病室を飛び出し、覚束無い足取りで俺の病室まで向かった。病室に入ると、死んでいたように寝ていた俺を見て、アリーゼが俺目掛け泣きながら飛び付いたらしい。俺として気持ちよく寝ていたのに、突然突撃されて全身激しい痛みが走り起こされた。

 

いや待てと。阿呆かお前はと。人を勝手に殺すなと。先に安否確認しろと。たくさん言いたい。おかげで療養期間伸びてしまったんだぞ。

なんか思い出すと恨みで長くなってしまったじゃないか。もういい。語れるだけ語ろう。

 

そして、四人娘と関係者が毎日俺の病室へと訪れる。それはいい。だが、アリーゼ。ほぼ毎日夜に来るのだけはやめて欲しい。寝たいの。分かる?お願い分かって!そうお願いしても、知らぬ存ぜぬ。

輝夜達に監督責任は《アストレア・ファミリア》だぞ。と言ったら、『私達は寝たいんだ』と返された。俺も寝てぇわ!『それに監督責任と言うなら深雪にもあるんだからな。アストレア様に誘われたのだろ?ならほぼ《アストレア・ファミリア》だ』違うよ?全然違うよ?断ったからね?おい、アリーゼ!違うと言ってるだろ!ライラ?面白そうじゃん。じゃないよ?面白くないから。リュー!お前は嫌だよな?男だよ俺!『....命の恩人なので』最後の砦崩れ落ちた。

 

 

【悲報】ニジョウノ・深雪。『星屑の庭』を拠点にする訳じゃないが、勝手に《アストレア・ファミリア》の一員にさせられる。

 

 

てか、なんでそんなに元気なんだよ。ボロボロ度合いでいったら絶対俺の方が軽いのに。『若さよ!』同年代だよクソが!

 

とまぁ、騒がしい生活を送り一週間前退院した。今日は訛ったからだを慣らすため、リハビリを兼ねてダンジョンに行く...《アストレア・ファミリア』と一緒に。

あぁ...男性陣の視線が痛い。

昨日久しぶりに酒場覗いたら、あんなに仲良かったのに邪険にされるし。泣いたよ。それはそれは泣いたよね。

 

 

「フィン達に武器や武具を新調してもらったし、新しい仲間も加わった。新《アストレア・ファミリア》爆誕ね!さぁ、これからも頑張るわよ!『正義』のもとに、オラリオの秩序を保つのよ!エイ・エイ」

 

『オーッ!!』

 

「...オ〜」

 

「そこ!声が小さいっ!」

 

「オー!」

 

「よろしい!」

 

 

元気の申し子かよ。ガネーシャ様とタメはれそうだな。

 

 

「深雪」

 

「どうした輝夜」

 

「これからもよろしくな」

 

「...ふっ、当たり前だろ。それにほら...その...おまえとの仲をもっと深めていきたいしな」

 

「それについては...また今度な」

 

「え...お前が雰囲気を壊さなかっただと...っ!?」

 

「団長〜、輝夜と深雪がイチャついててウゼェです」

 

「なんですって!ファミリア内でのイチャイチャは禁止よ!もししたいなら、私としなさい!」

 

 

全員が何言ってんだこいつ...?といった表情を浮かべる。いやまぁ、リューという被害者がいるから分からないこともないが。

 

 

「ああ、それと」

 

「ん?」

 

「あまりアリーゼやアストレア様に現を抜かすなよ」

 

「...ウスッ」

 

 

残念ながら今は昼なので月は出ていない。だがその日夜、宙に浮かぶ月は大きく眩しいくらいに光り輝いていた。

 

 

「好きだ、輝夜」

 

「知ってる。あの時からな」

 

 

月明かりに照らされたその微笑みは、あまりにも可愛かった。

 

 

 

____________________________________________

 

ステータス(簡単に)

 

ニジョウノ・深雪

《アマテラス・ファミリア》

 

Lv.6

 

力 :E 408

耐久:G 289

器用:E 462

俊敏:D 500

魔力:E 481

 

 

不屈:D

剣士:E

耐異常:F

魔道:G

 

 

《魔法》

 

【ギ・グラキエス】

詠唱式:『停滞、それは雪の本質。視界を閉ざせ、体力を奪え、行き着く先は死のみであることを示せ。大気を大地を全てを白く染め上げ支配しろ。さぁ、白よりも深い白銀の世界を創り出せ』

 

・対象に白銀世界を強制的に刷り込ませることで、雪山にいるかのように思い込ませる。

 

・対象の速度大幅低減。

 

 

【???】

刀技『冷華刹那』の混合技。作中未出。

 

 

《 スキル》

 

氷姿雪魄(ホワイトアウト)

 

・詠唱式【フロスト】

 

・自身に雪属性を付与する。

 

・耐久の高補正

 

 

【???】

 

 

【???】

 

 

 

《刀技》

 

『居合の太刀・雪華』

 

『居合の太刀・雪月花』:攻防両方備えた技

 

『居合の太刀 蒼白の秘技・雪崖断裂』:莫大な雪と氷を刀に乗せ、対象を破壊する。

 

『二条一閃・冷華刹那』:圧倒的物量の氷刀を生成する。二刀流になり、最後には投擲し対象を凍らせる。

 

 

 

刀名

 

『朱樺』

 

 

____________________________________________

 

 

 

 




ありがとうございました。

文才が成長してないのが筆者自身とても泣きたくなりました。

改帰する。の作品については途中で辞めてしまいすみませんでした。面白くならないと考えたこと。忙しくなったことで書かなくなりました。改めて謝罪します。
例えしょうもなくても読みたいと言う方がいらっしゃるなら感謝を込めて書かせていただきます。

では、さようなら。

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