使い方をとりあえず知るために、ピクシブに挙げてた二次創作小説を投稿しています。

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本作はテスト投稿です。今後の更新は予定しておりません。


【テスト投稿】異世界こんるる~異世界で無双して「なんかやっちゃいました?」って言ってるのが鈴原るるなら違和感ない件~

「あれ……? どうしちゃったんだろう……?」

 

 

 鈴原るるは辺り一面の景色を見て首を傾げた。

 

 広がるのは草原ばかり。人の通った跡と言えば、何やら二対あるわだち程度で、それ以外には一切の文明が感じられない。その光景は、現代と言う世界で、つい先程までゲームの配信をしていた彼女には、異常と言わざるを得ないものだった。

 

 

「………………私、もしかして……」

 

 

 ふと。鈴原は何かを悟り、目を大きく見開いた。

 

 

「寝ちゃった?」

 

 

 なるほど、これが明晰夢か。鈴原は納得したように頷き、この状況を理解した(つもりになった)。

 

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 ほんの少しだけ前の話だ。鈴原るるは今日もパソコンやスマホの前で待つ自身のファンのために、ゲーム配信をしていた。

 

 

「みなさーん! こんるる〜!」

 

 

 いつものように挨拶をして、いつものようにYouTubeのチャット欄に返事が返ってくる。1ついつもと違うことがあるとすれば、その日プレイしようとしていたゲームは、かなり特殊なモノだったということだった。

 

 否、ゲームが特殊なのではない。特殊なのは、そのゲームの入手方法と言える。家に帰りふとポストに何かが入っていることに気が付き、鈴原は紙袋に入れられたそれを開いた。

 するとどうであろうか、中には1枚のディスクと、1枚の手紙があった。わけもわからず手紙を読むと、どうやら自身のファンが鈴原鈴原を主人公にしたゲームを作ったとのことで、鈴原はその内容に喜ぶと共に、最後の一文に強く焚き付けられた。

 

 

『このゲームは極めて難しいです。頑張ってクリアできるものなら、やってみて下さい』

 

 

 挑発的であり挑戦的なこの一通に鈴原の闘争心は燃え上がった。必ずやゲームをクリアしてみせる、例え何度死ぬことになっても、と固く誓ったのである。

 

 そうして念の為にウイルスのチェックなどなどをして、ようやく安全性が確認されいざ配信を……という折。気が付けば、自宅のモニター前ではなく、こうして草原の中に立っていた。

 

 

 色々と大変で疲れてしまったのだろうか、しかしこのままではリスナーに申し訳がない。鈴原は『起きろー、私、起きろー』と念じながら、ふと、視界の端に映った四角い枠に気が付いた。

 

 チャット欄だ。YouTubeのチャット欄が、どういうわけか、画面ではなく視界の中に見えている。

 

 

「アレ、みんなのコメント……見れる……」

 

 

 チャット欄にとてつもない速さで次々とコメントが投げられる。鈴原のことを心配する声や、何が起きたかわからず困惑する声などなどが、彼女がコメントに気がついたことで、一気に「お、見えてるっぽい?」という声で埋まっていった。

 

 

「うん、見えてる見えてる! アレ、でもどうしたんだろう。夢の中まで配信が繋がってるなんてありえないし……」

 

 

 鈴原が首を傾げたその時、ぽん、と赤いスーパーチャットが送られてきた。

 

 

スパチャおじさん(以下スパおじ)(¥10000)『これ、異世界転移じゃないですかね?』

 

 

 異世界転移。最近アニメ化されることが多い、某小説サイトでよく見られるジャンルの作品。

 

 主人公が何かしらのきっかけで異世界へと行き、大冒険を繰り広げる。確かにそんな作品の冒頭の流れに近いものがあると鈴原は納得した。

 

 

「確かに! いやでもそんなことってあるの?」

 

 

 鈴原がボソリと呟くと、しかしコメント欄は、スパおじの言葉を肯定するもので埋め尽くされていた。

 

 

「え、あるんだ。じゃああるのかな」

 

 

 鈴原はなんとも素直に納得してしまった。

 

 

「あれ、待って。じゃあもしかして、私帰れないの!? え、もしそうだったらどうしよう! 流石にそれは困る!」

 

 

 鈴原は不安な気持ちに刈られ、ひとまず空間を両の手でガシッと掴んだ。

 そしてバリッと空間を引き裂き、自宅のPC前に時空を繋げる。鈴原は「あ、よかった、帰れはしそう!」と安堵のため息を漏らした。

 

 

「でも、どうしようかな。異世界に来ちゃった、ってことなんだし……」

 

 

 空間を元に戻し、鈴原は顎に指を当てて「うーん」と呟いた。

 ――とりあえず異世界に来て、且つ配信が繋がっているのなら、自分がすべきことは1つなのだろう。鈴原はぽくぽくと考え、出た答えをリスナーへと伝えた。

 

 

「えっとね、とりあえずね、このまま配信は継続……ってことにしようと思います。異世界に来たのなら、きっとみんなも楽しめると思うし」

 

 

 コメント欄が肯定の声に埋め尽くされる。鈴原はリスナーの嬉しそうな反応ににぱっと笑った。

 

 

「よし! じゃあ、早速どこか行こう。……えっと、どうしようかな」

 

 

 と、また赤いスーパーチャットが流れてきた。

 

 

スパおじ(¥10000)『とりあえず馬車? の車輪? の跡があるから、それを辿っていけば人のいる場所に着くと思います』

「わっ、ありがとう! へえ、これ車輪の跡なんだ。……あれ、というか待って、スーパーチャットはありがたいんですけど、ちょっと、大丈夫? かなり高いですけど……」

スパおじ(¥10000)『大丈夫』

「ダメだって! ちょっと、あんまりそういうことしちゃダメだよ! お金は大切だから! ね?」

スパおじ(¥10000)『分かりました』

「わかってない!」

 

 

 鈴原は景気の良いおじさんに頭を抱えた。

 

 

「いや、そうか。こうやって話しちゃうと余計にこうなるんだね。よし、じゃあとりあえず早く行こう。えっと、とりあえず、この車輪? の跡を辿っていきますので、しばらく何も無いかもしれませんが、どうか皆さん、お付き合いください」

 

 

『はーい』

『おk』

『大丈夫です!』

スパおじ(¥10000)『わかりました』

『よきです』

『いや草』

 

 

 鈴原は(おじさんの事が心配にはなったが)リスナーの声を聞きまたにぱっと笑った。

 

 

 かくして、バーチャルYouTuber鈴原るるの、異世界大冒険が始まった。

 

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 鈴原るるが草原を歩いていると。遠くの方に何やら高い壁のようなものが見えてきた。

 

 

「あ! 明らかに人工物だよね、アレ。城壁……かな?」

 

 

 コメント欄が鈴原の言葉を肯定していく。鈴原はしかしふと、何やら城壁の前で、大勢の兵士が槍を構え巨大な生き物と交戦しているのに気がついた。

 

 あれは、なんだろうか。ドラゴンのように見える。鈴原は少し首を傾げた。

 

 と。

 

 

スパおじ(¥10000)『アレはおそらくジャバウォックですね』

「ジャバウォック?」

スパおじ(¥10000)『ジャバウォックはルイス・キャロルの鏡の国のアリスを原典とした怪物です』

「アリス! 私好きだった!」

スパおじ(¥10000)『ファンタジーでは一般に森の中で出会うドラゴンとして描かれており、極めて強力なモンスターとして登場することが多いです』

「強力なモンスター……」

スパおじ(¥10000)『ジャバウォックは作品によっては最強と謳われることもある存在。もしかしたらですが、あの様子はかなりピンチなのかもしれません。しかしここは異世界です、焦らずに行動をした方が危険は少ないと思われます』

「ピンチ!? 大変、倒されちゃう!」

 

 

 スパおじの警告虚しく、鈴原はその単語を見て駆け出してしまった。

 スパチャ欄が『草』や『!?』などのコメントで埋め尽くされる。一部『大丈夫か?』と言った不安の声もあがったが、しかし、鈴原はそれでも足を止めなかった。

 

 そして視線の先に巨大なドラゴン、ジャバウォックを捉え、鈴原は足に力を込め勢い良く飛び上がった。

 

 まずい、まずい。間に合え。鈴原の頭はそんな感情でいっぱいいっぱいだった。

 

 だって、もしも間に合わなかったら、

 せっかく出逢えた強者を兵士たちに倒されてしまうから。鈴原の瞳は、闘争心に燃え上がっていた。

 

 鈴原はジャバウォックの後ろを捉える。次いで兵士たちが持つ槍の矛先からジャバウォックを逸らそうと、その巨体を軽く払い除けた。

 

 直後、ジャバウォックの体がバチンと音を立て、赤いキューブ状の物体が辺りに飛び散り霧散した。

 

 あまりに一瞬のことであった。鈴原が放った攻撃、否、ただ腕を振り物をどかそうとしたその動作だけで、ジャバウォックは倒されてしまったのだ。

 

 

「――あれ?」

 

 

 彼女にとってそれはなんてことのないことだった。ただペットボトルを机の端から中心に動かすような、そんな程度の気持ちだったのだ。

 故に彼女はあまりに素っ頓狂な声をあげた。故に彼女は、肩透かしを食らってしまったかのような気持ちになってしまった。

 地面に着地し。兵士たちが驚嘆のざわめきを見せる中、スパチャ欄が『草』『やっぱり鈴原』などで埋め尽くされる。そんな中、鈴原は後頭部をひと掻きし、思ったことをそのまま呟いた。

 

 

「…………私、なんかやっちゃった……?」


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