評価、お気に入り、ここ好き、ありがとうございました。
感想もありがとうございます。感想はいただけるだけでうれしいものです。
という訳で続きです。
中の都からそこそこ離れた上空。二つの影があった。
「しぶとい奴だな・・・今度こそ、息の根を止めてやる・・・」
影の一つがそうつぶやきながら手をかざす。
この次元世界で得られると踏んでいたキリが思っていた以上に少なく、調べてみれば驚いた。
確かに殺して消滅させたはずの孫悟空が、生きて走り回って拳を振り回しているのだ。面白いわけがない。
おかげで得られるキリの量は当初の想定を外れて少なくなってしまった。
今からでも間に合うはずだ。あの“孫悟空”が何者かは知らないが、息の根を止めてやればいい。
この次元世界で得られたわずかなキリを、再びあのピッコロ大魔王に注ぎ込もうとした。
今は孫悟空もピッコロ大魔王もカスほどの力しか持たない。毒虫をつぶすなら、幼虫のうちにするのがベストだ。
だが。
金色の光弾が腕先をかすめて、やむなく中断する。
「見つけた!性懲りもなくおじいちゃんの邪魔をして!許さないんだから!」
「おい!何してやがる!クソどもが!」
「これ以上、お前たちの好きにはさせない!」
出現した3つの影に、二人は舌打ちした。
タイムパトローラー。忌々しい、時の界王神の飼い犬どもだ。
残念ながら、孫悟空にちょっかいを出しながら相手にできる余裕はない。
命拾いをしたな。
影二つはタイムパトローラーたちに向き直った。
「覚悟はいいな!私のフルパワーの恐ろしさを思い知るがいい!」
ピッコロ大魔王の不敵な言葉に、すぐに悟空は表情を引き締める。
「なるほど、すげえパワーだ。言うだけあるな。
オラも思いっきり行くぞ!」
悟空が吠えた直後、ピッコロ大魔王が突っ込んできた。
掴みかかってきた左手を悟空は跳んでよけるが、ピッコロ大魔王は逃さない。振り向きざまに飛び上がり、そのまま身をひねるように右の拳を食らわせたのだ。
これには悟空もひとたまりもなかった。
地面に大穴をあけて埋もれてしまったのだ。
「終わった・・・フハハっ・・・木っ端みじんだ!」
ピッコロ大魔王は勝利を確信して叫ぶ。
「この私を倒せるものなど絶対に存在するはずはないのだ!」
天津飯が駆け付けてきたのはこの時だった。
「孫っ!」
悲鳴のように叫んで足を止めた天津飯だが、彼の三つ目は次の瞬間大きく見開かれた。
「かぁぁぁ・・・めぇぇぇ・・・はぁぁぁ・・・めぇぇぇ・・・!」
穴の中から聞こえてきた、力強い声によって。
ピッコロ大魔王と天津飯がぎょっとする暇こそあれば。
次の瞬間穴から飛び出した孫悟空はかめはめ波の構えをした両手を突き出しながら吼えていた。
「波ぁぁぁっ!」
「その技は通用せんぞっ!」
放たれた青白い極光を防ごうと、ピッコロ大魔王は両手を突き出した。
だが、悟空は焦らず、「今だっ!」と気功波を放つ両手をその構えのまま一振りした。
するとかめはめ波はその軌道が曲がる。ピッコロ大魔王の両手を迂回するように曲がり、その後頭部に命中したのだ。
「か・・・かか・・・!」
赤くなった後頭部を抱えて悶絶するピッコロ大魔王をよそに、悟空はストンと着地する。
うまくいったとにんまりしたい気持ちを押し殺し、表情を引き締める。
気功波はある程度気の扱いの心得があれば、その軌道を操るなど造作もない。とはいえ、こういうことはあまりしていなかったので、ぶっつけ本番に近かった。うまくいけば嬉しくもなるが、油断大敵だ。
かめはめ波を曲げるなどと言う芸当を目の当たりにした天津飯が絶句しているのをよそに、悟空はピッコロ大魔王に向かって言い放った。
「立て!大して効いてねえはずだ!
今のかめはめ波はただの脅しだ!」
「~~~っ!!
き、貴様、化け物か・・・!」
よろよろと立ち上がって忌々し気に悟空をにらみつけるピッコロ大魔王は完全に頭に血を上らせている。
「それはお互い様だ!」
悟空もまた身構えながらピッコロ大魔王に言い放った。
「この勝負は、どっちかがバラバラにならなきゃ終わらねえよ・・・!」
ここで、悟空は温存していた気を開放する。ふわりとその黒髪が白いオーラに揺れる。
「無論、貴様だ・・・!」
一瞬ピッコロ大魔王は気圧されたようだったが、すぐに不敵な笑みとともに負けじと言い放った。
再び、双方はにらみ合い構え合いながらじりじりと距離を測る。
仕掛けたのはピッコロ大魔王の方が先だった。
悟空はピッコロ大魔王のパンチをかわし、いなし、そのままこちらの攻撃を当て続ける。
悟空の方が小柄で手足も短い。リーチの差は当然、攻撃の威力にも影響してくる。ただし、小柄な分スピードがでる。
前の世界でのピッコロ大魔王との戦いにおいても、悟空は小柄さゆえのスピード重視の戦いで、ピッコロ大魔王を圧倒した。
片足を負傷して、如意棒を用いた動作補助を行ったものだが、今の悟空はベストコンディションであり、まだ負傷はしていない。
体躯の大きさは、単純に攻撃力とタフさに直結する。すなわち、悟空の一撃はピッコロ大魔王にとっては痛手にはなるが、ピッコロ大魔王の一撃は悟空にとっては当たり所が悪ければ致命打になりかねないのだ。
とはいえ、悟空はサイヤ人特有の瀕死パワーアップの恩恵も受けてしまっている。(何気に同時期の自分よりも、死にかけた回数が多い)
つまり、何が言いたいかといえば、ピッコロ大魔王はあっという間にボコボコの傷まみれになってしまったのだ。
しかも、ピッコロ大魔王が放った目からの怪光線も避けてしまい、悟空は足の負傷もしていない。多少の打ち身や擦り傷はあれど、大きなけがはなかった。
悟空は前の世界での記憶で、ピッコロ大魔王が目から怪光線を放ってくることも覚えていたのだ。当然警戒しており、その結果避けれてしまったのだ。
そして、目からの怪光線は視線によって最大限まで引き上げられている命中率と引き換えに、発動者の視界を奪うという弱点がある。
つまり、悟空にとっては光線発射で一時的に見えなくなったピッコロ大魔王の懐にもぐりこむのは、容易だった。そして、その左手を完璧にへし折ったのだ。
痛めた左腕を自ら引きちぎり、新しく生やしたピッコロ大魔王は怒声を張り上げた。
「おのれぇぇぇ!こうなったらこの街ごと消し飛ばしてくれるわぁぁぁ!」
空中高くに舞い上がったピッコロ大魔王は、高めた気をもって特大の光弾を放つ。
爆裂魔光砲。中の都の一部を消し飛ばした、ピッコロ大魔王の必殺技だ。しかも、あの時は本気ではなかった。ほんの余興でしかなかったのだ。
一度着地した悟空は、そのまま膝を折り曲げ、大きく飛ぶ。舞空術で加速をつけ、解放した気を鎧のようにまとい、真正面から拳を掲げて光弾に飛び込んだ。
「何ぃ?!」
ピッコロ大魔王は仰天しながらも、気の放出をやめない。あのエネルギーの中だ。骨も残さずに消え去るに違いない!
だが、次の瞬間ピッコロ大魔王は激痛にうめいていた。
光弾の中を貫通した悟空が、そのままピッコロ大魔王の胸を、拳で刺し貫いたからだ。
「オラの、勝ちだ!」
そのまま胸の大穴を通り抜ける格好で、悟空は空中で拳を握りしめたまま、雄々しく叫んだ。
爆裂魔光砲の内部を通過したせいで、如意棒の背負い紐が引きちぎれ、服自体が少しぼろくなって焦げ目があちこちについているが、大きなけがはない。
悟空が通り抜けた光弾は、中の都の大半を消し飛ばしていたが、以前の世界のように丸ごと荒野とまではいっていない。
「な、なんてことだ・・・こ、このピッコロ様がやられるとはな・・・。
クックック・・・み、見事というしかないな・・・」
空中でピッコロ大魔王はうめく。泣きも喚きもしないのは、大魔王の矜持ゆえか。
「だ、だがこのまま、ま、魔族が消えてなくなると思うな・・・!」
胸に大穴をあけているにもかかわらず、ピッコロ大魔王は最後の力で卵を作り出し、彼方目がけて吐き出した。
「我が子よ・・・いつの日か父の恨みを晴らしてくれ・・・!
悪の根を絶やしてはならんぞ・・・!」
そう言い残したピッコロ大魔王は直後、「うっ!」とひときわ大きく呻いて大爆発を起こした。
それを見送ることなく、悟空は地面に降り立った。
だが、すぐに息を切らしてそのまま地面に大の字に転がった。
最後の一撃は気功波の中を貫通して大パンチという特大の無茶をしたのだ。ほとんど気を使い切ってへとへとだった。
ピッコロ大魔王の頑強な体躯、そこから繰り出される圧倒的パワーに対抗するために、悟空は気の開放後はありったけの気をフルスロットルで一撃一撃に込めたのだ。
前の世界の悟空であれば、そこまで細やかな気のコントロールができなかったので、その分手数で攻めなければならなかった。
だが、今の悟空は違った。
ぐずぐずと時間をかければ、スタミナの違いで悟空が不利になる。動きが鈍れば、手足を駄目にされ、ミノムシのようにされて殺される。
悟空はそう判断し、ピッコロ大魔王が気のコントロールに集中するその瞬間に、特大の一撃を食らわせたのだ。
横になったまま悟空は、目を閉じて気を探る。
ピッコロ大魔王が吐き出した卵の向かった先に、微弱ながら覚えのある気が出現している。おそらく、意図的に抑え込んでいるのだろう、ごくごくかすかなものだ。
生まれたのだ。悟空の知る、ピッコロが。
確かに、第23回天下一武道会で出会ったピッコロは、魔封波返しで神を封印するばかりか、その小瓶を飲み込んだ。勝つために武道寺をパパイヤ島もろとも吹き飛ばした。油断した悟空が悪いとはいえ、四肢を破壊して本気で殺そうとしてきた。大魔王の後継者。それが、あの頃のピッコロだった。
けれど、上の息子である悟飯との交流を経て、さらにいくつもの戦いを共にしたピッコロは、冷静沈着で頼りがいのある戦士になってくれた。
魔人ブウとの戦いの際、死人であった悟空があの世に戻らざるを得なかったとき、小さな子供たちの力に賭けるしかないと判断したが、悟空はピッコロがいるなら大丈夫だと思ったのだ。
トランクスは8つ、悟天は7つでの初陣で、相手は狂暴で凶悪な不死身の魔人ブウ。実力はともかく、精神はまだまだ未熟な二人を、ピッコロならばきっといい方向に導いてくれるはずだ、と。
そればかりか、悟空は自身もピッコロに救われた。
超サイヤ人4への変身がエネルギー切れで、爆発する地球に取り残された時も、瞬間移動に力を貸してくれた。
悪人たちの姦計で地獄に囚われた時も、脱出に協力してくれた。
感謝してもしきれない。
今の時点では、想像もつかないことばかりだった。
ピッコロは、かけがえない仲間なのだ。
まだ、ピッコロがそうなると決まったわけではない。けれど、そうなっていきたいと悟空は思う。
今度は、ピッコロが死ななくて済むように。
悟空はそう思いながら目を開けた。
「孫!無事か?!」
「・・・オッス、天津飯」
覗き込んできた天津飯に、悟空は力なく笑いかけた。
前記したが、悟空はかすり傷程度で済んでいるが、気を使い切ってへとへとすっからかんである。もし、ピッコロ大魔王の手下の魔族などが襲い掛かってきても、今の悟空では満足に動けずに、殺されるに違いない。
「孫悟空・・・まったく大した奴だよ、貴様は・・・。
本当によくやってくれたな・・・」
「へへっ・・・オラもへとへとでほとんど動けねえけどな・・・」
少し息が整ってきた悟空はのろのろと上体を起こした。
ここで、悟空は改めて天津飯を見やった。
「天津飯・・・クリリンと亀仙人のじっちゃん、
「! そういえば、貴様は気が読めるとか言ってたな。それで分かったのか。
その通りだ・・・」
念のため問いかけた悟空に、天津飯は一瞬驚いたように三つ目を見開いたが、すぐに力なく目を伏せて頷いた。
「そっか・・・」
「
続けた天津飯の言葉に、悟空もまた目を伏せた。
やはり神龍も殺されたのか。となれば、ドラゴンボールは使えない。
神に作り直してもらうまでは。
「お前はこれからどうするんだ?」
「カリン塔に行く。カリン様なら何か知ってると思うからさ」
何かどころか、カリンにしか頼めない。神に会わせてくれなんて。
「カリン様?」
「センビョー様だよ。修行付けてもらったんだ。
物知りだしよ」
天津飯の問いかけに答えながら、のろのろと立ち上がった悟空は周囲を見回した。
如意棒がない。寝っ転がった感触で気が付いたのだ。
あれがなければ、神殿へ行けず、神への謁見も果たせない。すなわち、ドラゴンボールの復活とみんなの蘇生ができないということになる。
「あ、あった!」
如意棒は少し離れたところに鞘ごと落ちていた。どうにか近寄って拾い上げる。背負い紐がちぎれてしまっているが、特に問題はなさそうだ。
「天津飯はどうするんだ?」
「オレはカメハウスに戻る。みんなにこのことを伝えておきたいからな」
「そっか。わかった」
「孫悟空よ。オレはこれからもっと真剣に修行に励むつもりだ!
お前にこんなに差を付けられたままじゃ悔しいからな!
次の天下一武道会はまたオレがいただくからな!」
「ヒヒッ。そうはさせねえぞ!」
不敵な笑みをかわしてから、悟空は空を見上げた。
「筋斗雲よーい!」
呼び出した黄色の雲の上に、悟空はのろのろと乗り上げた。
「じゃ、またなー!」
「ああ!あとで会おう!」
天津飯に別れを告げ、悟空は青空に飛び出した。
中の都では、激戦の終わりを察してか、すでに人が集まりつつあった。筋斗雲から見降ろすと、何やら人々が集まってきて、飛び去る悟空を見上げて指さしてきている者もいる。なんだかテレビカメラやマイクを持った連中も混じっている気がする。
それを見て、悟空はウヘエッといやそうな顔をした。
あの手の連中のしつこさは、前の人生で十分学んだ。関わり合いになりたくない。
悟空は筋斗雲の速度を上げてカリン塔を目指して飛び去った。もちろん、如意棒はしかと握りしめて。
悟空が去った後のことだ。
天津飯もまた押し寄せる野次馬たちを尻目に、さっさと引き上げた。
幸いというべきか、焼け石に水であろうともと駆け付けた仲間たちがいたので、彼らと合流してカメハウスに戻ったのだ。
悟空の知る前の世界であれば、この時悟空が忘れていった如意棒を天津飯が回収してくれるのだが、今回の悟空はきっちりそれを覚えていたので、特に細かなトラブルはなかった。
ただ、マスコミやほかの連中に絡まれるのはごめんだったため、早々に退散した。
さて、カリン塔である。
なお、前の世界であれば何のかんの言いつついろいろ世話を焼いてくれたヤジロベーは、悟空とかかわりが薄かったせいかカリン塔で留守番していたらしい。
悟空は仙豆を食べて、負傷と気の消耗を回復した。
悟空が無事、ピッコロ大魔王を倒したことにカリンは喜びと驚きを禁じ得なかった。
行かせはしたものの、カリン自身も悟空がピッコロ大魔王を倒せるとは思っておらず、いい所相打ちだろうと思っていたのだ。
たとえ死んでもドラゴンボールで甦らせればいい、と。
だが、そんなカリンは悟空からの言葉――神龍の死を聞かされ、絶句した。
確かに、ピッコロ大魔王ならば、やりかねないし、できるかもしれない。
となれば、死者の蘇生は不可能となる。
命あるものはいずれ死ぬ。それは自然の摂理だ。だが、魔族に殺されたものはそうはいかない。
魔族というのは、あの世とこの世の輪廻に対するバグのような存在だ。
生きとし生けるものは死ねばあの世へ行き、そこでしばらく過ごした後、生前の記憶を浄化して新しい命として生まれ変わる。ところが、この作用に魔族は横やりを入れられる。連中に殺されたものは、あの世に行くことができず、永遠に苦しみながら宙を漂い続ける。いずれ魂そのものが滅び去るまで。
それを聞いたヤジロベーが殺されなくてよかったと安堵するのをよそに、悟空が再三問いかける。
「なあ、本当にドラゴンボールを元に戻す方法、無いんか?」
「・・・っ!
あるぞ・・・!」
カリンはしばし考えた後、はっとして言った。
「わしともあろうものが肝心なことを忘れておったわい!」
猫らしくクシクシと頭を掻いてから、カリンは言った。
「ドラゴンボールを作った本人にあって、神龍を復活させていただくよう頼むんじゃ」
「あ、あの玉、誰かが作った玉だったのか?!」
「神様だろ?」
「?! 知っておったのか?」
「え?ええっと・・・」
あっけらかんと言った悟空にカリンがぎょっと聞き返す。それに悟空は言葉を詰まらせた。
その通り、知っていた。前の世界でのこのタイミングでそれを知った時はたいそう驚いたものだが、すでに悟空は知っていることなので驚きもせずに口をはさんでしまった。それがかえって怪しく見えるとはつゆとも思わずに。
「まあ、よい。その通り、神様じゃよ」
「ケーッ!ばかばかしい!
何を言うかと思ったら神様だってよ!こんな時によくそんなこと言うぜ!」
ヤジロベーが吐き捨てる。
「そんなもんいるわけねえっての!」
「知らねえからっていねえわけじゃねえだろ?
オラ、ピッコロ大魔王をやっつけたけど、世の中にはもっと強え奴がいっぱいいるんだ。
おんなじことさ」
「あいつよりさらに強い奴なんかそうそういてたまるか!」
あっけらかんと言った悟空に、ヤジロベーは顔をひきつらせた。カリンもまたそれにひそかにうなずく。
あの恐ろしいピッコロ大魔王のさらに上など、考えたくもない。
二人は知らない。この何年も後、ピッコロ大魔王なんて目ではない、宇宙レベルでヤバい敵がやってくることになるなんて。
ともあれ。
カリンは神様の居所について語る。
神はカリン塔のさらにはるか上空に浮かぶ、神殿にいらっしゃる。
筋斗雲はここより上にはいけず、ロケットなどの人工物は跳ね返されるため、余人では立ち入ることができない。
そこで、悟空の持つ如意棒である。それは、カリン塔の頂上と、神のおわす天界の神殿をつなげる神具なのだ。それがなければ、聖なる結界に守られた神域への侵入は果たせぬのだ。
かつて、この塔に至った武天老師にねだられ、その如意棒を与えた。その如意棒は養祖父である孫悟飯に受け継がれ、それを悟空が持つことになったのだ、と。
前記したが、前の人生の時は悟空が成人するまで持ち歩いていたので、ピッコロ大魔王との戦いにも用い、激戦の挙句手放してしまった。それを天津飯たちが回収してくれたので、無くしたとバタバタしたものの、どうにか神殿へ行くことができたのだ。
だが、今回は悟空は如意棒をきっちり回収してきた。
カリン塔の屋根に上った悟空は、カリンから神への謁見資格の証である鈴をもらい、屋根の先端にある穴に如意棒の先を差し込んだ。
ヤジロベーは悟空の道着がボロボロであることを懸念してきたが、カリンはどうせすぐにボロボロになると言ってきたので、そのままだ。
そして、如意棒を伸ばし、悟空はその先端に掴まって上へ上へと向かう。
思えば、カリンは神様の事情を知っていたのだろう。悟空が驚く様子を想像して。趣味が悪い。
さて、伸びきった如意棒の先は上空に浮かぶ半球型の神殿の底部にある穴にすっぽりはまる。無事到着した。
悟空はすぐそばにあった梯子に移り、えっちらおっちらそこを上った。
登り切った先は、白亜の石畳が敷かれた庭園になっている。その少し奥には小ぢんまりした神殿の入り口があり、すぐ目の前には男が一人立っていた。真っ黒な肌にターバンを巻いたランプの精霊のような男だ。
悟空は知っている。神様の付き人であり、悟空の武術の師の一人でもある。Mr.ポポだ。
「オッス!」
「おっす」
悟空の挨拶に淡々と返し、Mr.ポポは自己紹介をする。カリンに渡された鈴を悟空が見せると、早速テストが始まった。
武術の試合で、Mr.ポポを倒す・・・できなくても、実力を示さなければならないのだ。
前の世界では、悟空はMr.ポポにはてんでかなわなかった。ピッコロ大魔王に勝てたのは、天津飯の助力、ピッコロ自身の驕りがあったが故もあったのだ。それをいやというほどわからせられた。
先手を打ったのは悟空。残像拳を仕掛けてみるが、あっさり見抜かれ、カウンターのパンチを食らいそうになる。
それをガードし、そのまま拳と蹴りの連続を仕掛ける。
Mr.ポポはそれを全てかわし、いなし、悟空の腕をつかんで投げ飛ばす。
悟空は空中で身をひねり、舞空術で反動を殺し、着地から再びMr.ポポに殴りかかる。
パンチをガードされ、Mr.ポポが反撃に出る。正拳突きだ。悟空はそれをいなし、肘打ちをたたき込もうとするが、Mr.ポポはそれを受け止め、腕をひねろうとしてくる。
とっさに悟空は尻尾でMr.ポポの顔をはたく。さすがにこれは予想外だったのか少し力が緩む。そこをすかさず腕を取り返して距離を取る。
今のは少し危なかった。
「お前、ピッコロ大魔王をやっつけた。なのに、自分が一番強い、思わないのか?」
「オラなんてまだまださ!世の中にはもっと強え奴がいっぱいいるんだ!Mr.ポポも強えな!」
「えっへん。Mr.ポポ、神様からいろいろ教わった。
神様、もっと強い」
「そりゃ楽しみだな!」
Mr.ポポは口元だけでにこりとほほ笑むが、すぐに真顔になる。悟空もまた。
来る。
悟空がそう感じた直後、Mr.ポポが動いた。
空のように静かに、雷よりも速く、間合いを詰めたMr.ポポは悟空を殴り飛ばそうとした。
悟空は飛び上がってその一撃をよけると、そのまま着地から反転して、Mr.ポポに殴りかかる。
『そこまでだ』
しわがれた声が二人の戦いを止めた。否、声ではなく、思念だ。
『気に入ったぞ。あってやろう。今すぐな・・・』
「ほんとか?!ありがとう、神様!」
「お前、ラッキー。よかった」
両手を上げて喜ぶ悟空に、Mr.ポポが言った。
「お前、神様の声、よくわかったな?」
「だって、ここにいるんだから、神様だろ?」
「それはそう」
言いながら、そのまま二人は神殿の入り口まで歩み寄る。
少々待っていると、神殿の入り口から一つの影が現れた。
しわがれた緑色の肌。とがった耳と額の触覚。纏った白いローブの胸元には、円の中に描かれた神の文字。紫のマント。それは、ピッコロ大魔王と分かたれたもう一つの半身、地球の神だ。
懐かしい。彼は悟空が闘病中にピッコロと融合して、姿を消す。融合後のピッコロにどこかおちゃめなところがあったのは、彼の影響があったのかもしれない。
こうしてまた会えるとは思わなかった。
「久しいな、孫悟空。精進しているようだな」
「オッス、じゃない、こんにちは!久しぶりだな!」
微笑む神に、悟空は片手をあげて挨拶した。
「ほう?私のことがわかるのか?」
「ユンザビットであったよな?気が同じだからよ」
「・・・この姿を見てもなんとも思わんのか?」
「ええっと・・・ピッコロの兄弟だったのか?」
今更ながら、悟空はピッコロそっくりの神を見てノーリアクションだったのはまずかったかと思い至った。とはいえ、それは遅すぎた。
だが、若干顔を引きつらせながら言った悟空に、神は怪訝そうにしていたものの深くツッコミを入れてくる気はないらしく、ゆるく首を振った。
それは、ピッコロと自分の事情を明かせないが故の後ろめたさあってのことだったが、悟空は気にしてなかった。
神は自身の事情を語りだした。
かつて一人の人間の天才武道家であった神は、神殿の存在を知って訪れた。神の後継者を志したが、先代の神はそれを認めてくれなかった。
神の中のわずかな悪心を見抜いていたためだ。
そして、修行の果てに、ついに神はその悪心を追い出した。その追い出された悪心の正体こそ、ピッコロ大魔王だったのだ。
神の座と引き換えに、ピッコロ大魔王が地上の人々を苦しめ、神は非常に申し訳なく思っていた。
そのピッコロを、悟空は倒したのだ。礼の意味でも頼みを聞こうというわけだ。
ただし、悟空がここで修業をするなら、と。
もちろん、悟空に否やはない。むしろ自分から頼み込もうと思っていたくらいだ。
そうして、改めてドラゴンボールの復活について話が移る。
神は悟空の望み――ピッコロ大魔王や魔族たちの犠牲者たちの蘇生をわかってくれた。
だが、神にその力はない。神龍ならばそれができる。そして、神龍ならば神は生き返らせることができる、というわけだ。
そうして、釘もさされる。自分に対しての頼み事はこれっきりにしてほしい、いざというときに神がいると頼られては困る、世界は自分たちの力で切り開くしかない、万が一のチャンスのためにドラゴンボールがあるのだから、と。
悟空は大きくうなずいた。
未来は、勝利は、自分の手で勝ち取るものだ。今までも。これからも。
神殿の奥から、Mr.ポポが透明な覆いのかかった丸い盆を持ってきた。覆いの中には、白い竜の模型が入っているが、今は無残にバラバラにされている。
これが神龍だ。
直せるか、という神の問いかけに、Mr.ポポは簡単とうなずいた。
盆をおいて覆いを外し、Mr.ポポは黙々と作業してく。ばらばらの神龍のパーツを接着剤で合わせ、細かな破片もピンセットでぴたりとはめていく。接着剤のバリをやすりでとっていくことも忘れない。
神様のものはMr.ポポが作り、神様がそれに命を吹き込むのだ。
魔法のように手際のいい作業をしげしげと眺める悟空に、神は改めて語った。
本当はピッコロに壊されたときに、いい機会だからそのままにしておこうと思っていた、と。
地上の勇気と希望のために作ったドラゴンボールは、私利私欲、あるいは強者が弱者を痛めつける手段にしか用いられない。グルメス公国も、レッドリボン軍も、ピッコロ大魔王も。ろくなことに使おうとしなかった。ならば、無くした方がいいのではないか、と。
しかし、悟空のようなものがわずかにでもいるならば、復元させるのもやぶさかではないと考えなおしたのだ。
直ったとMr.ポポは、元通りの竜の模型に覆いをかぶせる。
離れておれ、と神は言うと、悟空たちが模型のそばから離れたところで、指先に金の光を灯し、それを竜の模型に当てた。
すると、竜の模型が金色に輝き、そこから光の塊が放たれる。光は地上目がけて飛んでいった。
これで、ドラゴンボールが戻る。本来は1年石のままだが、特別にすぐに願いをかなえる。
「仲間たちの生き返るところに行かなくてよいのか?」
「行きてえって言っていかせてくれるのか?」
「ここで修業をすると約束したはず、というつもりだったのだ」
「だと思った。大丈夫、気が感じられるから、すぐにわかるさ」
神の問いかけに、悟空はあっけらかんと答えた。
空が不思議な暗雲に覆われ、そして間もなく明るくなる。
悟空は知らないが、神龍が殺されてただの石と化していたドラゴンボールは、仲間の遺体回収と合わせてブルマたちが回収してくれていた。
そして、そのドラゴンボールは今、再び黄金の輝きとともにカメハウスの上空に神龍を顕現させていた。
神龍は、復活の経緯と悟空の状況を語り、死んだ者たちを生き返らせてくれた。
遺体を納める冷凍保存カプセルのふたが開き、何があったのやら、という様子で中の人間たちが身を起こす。
そうして、神龍はその姿を金の光の塊に変える。そして、そこから7つの金色の珠が飛び散り、暗い空が晴れ渡った。
かくて、再び地上に希望の玉がよみがえったのだ。
地上に、覚えのある気が復活したのを感じ、悟空は微笑んだ。
クリリン、亀仙人、
だが、安心ばかりしていられなかった。
「孫悟空よ。気を感じられるならば、気が付いているか?ピッコロ大魔王が、今わの際に分身を残したことを」
「・・・ああ」
神が語る言葉に、悟空は表情を引き締める。
3年後の天下一武道会に、蘇った仲間と会えばいいが、その時にはピッコロの分身もまた、悟空の命を狙ってやってくるだろう。
奴は、前のピッコロからすべてを託されている。さらに、以前以上の力を付けようと修行もして力を蓄え始めている。
神殿にいれば地上から手は出せない。ここで力をつけ、3年後に必ず倒してほしい、と。
・・・神自身やMr.ポポには奴を倒せないわけがある、と後ろめたげに目を伏せて付け加えながら。
神はピッコロの分身であり、元々同一人物である。片方の死は、もう片方の死であることを意味する。だからこそ、神は手出しできなかった。元々神自身のまいた種である。どうにか責任を取りたかったが、どうにもできなかった。神に自殺など許されてないのだから。
事情を知らない悟空ならば、遠慮や手加減などせずに倒してくれるだろう、とこの時点の神は思っていたのだろう。
今の悟空はそんな事情も知ってしまっているが、いずれにせよ、もう一人のピッコロとは戦わねばならない。
気合を入れて修行をしなければ。
神殿のトイレに駆け込みながら、悟空は強く思った。
神龍が去ったカメハウスでは、生き返った仲間たちが喜び合いながら、事情を話し合っていた。
やがて、神龍が話した天界で修行という言葉を聞いた亀仙人が仰天する。
悟空は神に修行を付けてもらっている、と。
それを聞いた他の仲間たちもまた仰天する。孫悟空はいったいどこまで行くのだろうか?
だが、武道家仲間たちは驚く一方で、うずうずした。
3年後の天下一武道会。その時に向けて、悟空以上の力を付けたい。
そうして、彼らもまたそれぞれ旅立っていく。
ギネは一人、パオズ山への帰り道をたどりながら納得していた。
おそらく、悟空はこうなることを知っていたに違いない。だから、天下一武道会から3年は戻ってこれないといったのだ。
少しばかりさみしいけれど、3年後が楽しみだ。
さて、月日は流れ、3年後。エイジ755、5月7日。
雨が降っているというのに、街角は活気に満ちていた。
それはそうだろう、明日よりここ、パパイヤ島の武道寺にて、3年に一度の武道家達の頂点を決める大会――天下一武道会が行われるのだ。
今日はその受付をしている日であり、雨の中であるというのに、世界中の腕自慢たちが一堂にこの武道寺に集っているのだ。
武道寺前の受け付けに、次々と参加登録をしていく武道家達をしり目に、雨中で再会を楽しんでいる一団がいた。
ランチの差し出した傘で雨をしのぐのは、黒いスーツを身に着けた亀仙人だ。
先ほど到着したタクシーから降りてきたのは、ウーロンとプーアル、すっかり大人の美しさを身に着けたブルマだ。
再会を喜ぶ一同だが、亀仙人はどさくさ紛れにブルマの尻を触り、ブルマに殴られていた。双方相変わらず、である。
談笑している一団に話しかけてきたのは、奇妙な青年だった。
真っ赤な唐傘をさした、青い衣をまとった背の高い青年は、白い布をターバンのように頭に巻きつけていた。幼さの抜けきらない顔には不思議な落ち着きがあり、りりしさとたくましさを醸し出している。
高いところに引っかかった風船をこともなく取ってやった青年は、それをブルマに渡す。ブルマは最初、風船を取ってほしがっていた少女に改めてそれを渡した。
そうして、落ち着いたところで、改めて青年と話す。
「じッちゃん、生き返ってよかったな!
みんなも元気そうだ!」
青年の言葉に、一同は顔を見合わせた。
こんな人物、知り合いにいただろうか?
「クリリンやヤムチャ、天津飯たちはまだなのか?」
きょろきょろと見回しながら尋ねる青年の口調に、まさかと思い当った一同が目を白黒させる。
「ま」
「まさか・・・!」
「ご、悟空」
「か?!」
「え?
何言ってんだ、当たり前だろ?」
キョトンと言い返した青年――孫悟空に一同は絶句した。
なにしろ、この青年を一同が最後に見た時は、まだちんちくりんの子供と言っていいほどの体格だったのだ。
それがたった三年でここまで背が高くなっていようとは、誰が予想しえたであろうか?
と、ここまで考えブルマはふと孫悟空の年齢を思い出す。確か今年で十八だったはず。ならば、ここまでしっかりした体つきになってもおかしくはあるまい。
この場にいる誰も――悟空自身も知らなかったが、サイヤ人は幼少は幼児体型で相手を油断させ、成長期になると一気に戦闘に適した体型に成長するのだ。
おかげで、悟空は神殿にいた時、成長痛のせいで一時的に寝台と友好を深める羽目になったのは余談だ。
「お?」
一同の驚愕理由が理解できなくて唐傘の下で首をかしげていた悟空が、不意に雨空を見上げた。
「おー、よかった!
雨が小ぶりになってきたぞ!」
笑って傘を閉じた青年の言葉に合わせるように、雨がやみ、雲が裂けて太陽が顔をのぞかせる。
「ほ、ほんとに悟空なの?!」
まだ驚愕の抜けきらないウーロンが震える声で尋ねると、悟空が苦笑する。
「何だよ、こいつ頭に巻いてるからわかんねえのか?
とってやるから、よく見ろよ」
と、悟空はシュルシュルとターバンをほどき始めた。パシャっと白い布が足元の水たまりに落ちる。
「どおだ!まちげえねえだろ!
オラ、孫悟空だ!」
あらわになったのは、カニのように左右にピンピンにはねた、特徴的な黒髪だった。
今度こそ絶句する一同に、悟空に不意に首をかしげた。
「ブルマとじっちゃん、縮まったんじゃねえか?」
「あ、あんたがでっかくなったのよ・・・。」
三年前までは見上げなければならなかった二人の目線が、再会すればブルマは自分よりやや下、亀仙人は完全に下になっていたのだから、悟空はらしくもなく戸惑っていた。
しかし、ブルマの言葉にきょとんと眼を瞬かせ、ややあって頭を押さえるように視線をさまよわせる。
「そういや・・・背、伸びたかもしんねえな・・・」
外界から隔離された天界――神の領域で一心不乱に修行三昧の毎日だったため、悟空は自身の体格の成長に疎かった。
とはいえ、懐かしい目線の高さだ。まだ若干背が伸びる余地はありそうなのだが。邪神の言ったとおり、悟空は再び成長して、大人になりつつある。
「ほ、ほんとにあの孫君、なの?」
震える声で尋ねるブルマに、悟空はきょとんと眼を瞬かせた。
「え?」
そんなに驚くようなことだろうか?
だが、そう悟空が疑問を口にする前に、ドンとその背に誰かがぶつかった。
「わっと?!」
「~~~っ!」
とっさに悟空が振り向けば、ギネが悟空を背後から抱きしめていた。彼女の背も追い抜かしたらしい。悟空のほうが背が高く、ギネの頭が見える。
「か、母ちゃん?」
「! ご、ゴクウかい?ごめんよ!あいつにそっくりだったから・・・!」
呼びかけた悟空に、ギネは慌てては慣れる。その目元が少し赤い。
「そっくりって、父ちゃんのことか?」
「ああ。見違えたじゃないか!元々よく似てたけど、もう生き写しだね!
あ、でもあいつの方がもう少し難しい顔をしてたね・・・」
小首をかしげて問いかける悟空に、ギネは笑っていった。もしかしたら、先ほどは夫の名を言おうとしていたのかもしれない。
ここで、武道会の受付からアナウンスが入る。天下一武道会の受付は前日まで、参加者本人からのものしか受け付けていないのだ。
亀仙人に促され、悟空は急ぎ受付を済ませる。
すっかりたくましくなった悟空に、ブルマが少し見とれていた。ブルマも十分ミーハーである。
ここで、他の仲間たちも合流した。
クリリンはキャップをかぶった動きやすい格好。悟空ほどとまではいかないものの、三年前よりずいぶんと背が伸びている。
ヤムチャはまた髪を伸ばしたらしい。首の後ろでくくり、右目の上に刀傷、左頬に十字傷を作っている。
天津飯と
受付を済ませた四人が、一団に合流した。
「武天老師様、ご無沙汰してます!」
「武天老師様、お久しぶりです」
元気よく挨拶するヤムチャに対し、天津飯は笠を脱ぎながら穏やかに挨拶した。
「武天老師様、見てくださいよ、私なんかこんなに背が伸びちゃって」
頭をなでながら笑いかけるクリリンの肩を青年がポンッと叩く。
「久しぶりだな、クリリン」
笑いかけられ、クリリンが青年を見上げた。
「これで、全員そろったな」
穏やかに言った悟空に、クリリンは目を丸くし、ややあって震える声で尋ねた。
「ご、悟空か・・・?」
「ああ」
こっくりうなずいた青年――悟空に、クリリンは目をうるませ、抱きついた。
「悟空ー!会いたかったんだぞー!」
「あ、あれが悟空か・・・?」
「ああ・・・そうらしいな・・・」
ヤムチャと天津飯、
「ずいぶんでかくなったな・・・」
「ああ・・・その分、パワーもアップしただろうな」
ヤムチャの言葉に頷いて、天津飯は三つの目を細める。
「明日の試合、楽しみだぜ・・・」
「さあ、今日はワシが宿をとった。
旧交を温めつつ、英気を養うがよかろう」
亀仙人の鶴の一声で、一行は移動を始めることになった。
続く
※逆行悟空の特徴その13
ピッコロ大魔王とのリベンジマッチは、大けがはしなかったが気を使い切ってへとへと状態で勝った。
前の人生では足を怪我し、天津飯を人質にとられて右手一本残して四肢を全て使い物にならなくされた上での辛勝となったが、今回は足を怪我せずに済ませ、時間をかけるのは愚策とできるだけ短期決戦で済ませた。(このため、「オラのすべてをこの拳に~」の名シーンがカット。申し訳ない)
時間をかけてたら、体格差からのスタミナの違いで、悟空の方が負けていた可能性が高かった。
加えて悟空は知らないが、そうなっていた場合時間犯罪者たちが横やりを入れてきた可能性も高かった。ゆえに、短期決戦を決めたのは極めて良判断だった。
如意棒はちゃんと回収したので、前の世界のように如意棒なくてあわあわすることがなく、すんなり神殿に行けました。
Mr.ポポとの対決も、前の人生ほど一方的にされることはなかった。
でも、ピッコロ大魔王そっくりの神様見てもノーリアクションだったので、ちょっと怪しまれてしまった。
ともあれ、無事弟子入りからの修行開始はできました。
一気に成長したら、お父ちゃんとそっくり具合が加速したぞ!
後半の3年後の第23回天下一武道会受付の再会シーンは、かなり昔に書いたドラゴンボール二次のリメイクってのは内緒です。(だから微妙に作風が違うのです)そっちは公開しないのかって?いやだ、恥ずかしいことおっしゃらないでくださいませ、奥様!
Q.冒頭の時間犯罪者たちは誰ですか?
A.ミラとトワ辺りじゃないですか?あの人たちについては、スーパードラゴンボールヒーローズのコミックスでふわっとしか知らないので、あまりがっつりはしないと思います。
Q.・・・それでドラゴンボールのファン気取って二次創作書くなんて頭おかしいんじゃないですか?文体も界王様の語りと違って、気に入らないんですけど?
A.あの辺りの絡みが欲しいなら自分で書いてください。文体についても以下同文です。私は自分の書きたいように読みたいものを書きます。そもそも黒歴史扱いが大半のGTをお題にしてるあたりで、私の性癖と偏食具合をお察しいただけてたと思ってたのですが?
趣味の二次創作で、金取ってるわけでもないのだから、もっといいものが読みたいなら自分で書きましょうね。私も書いてるんですから!
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