It'sMyGO!!!!!内の一番推しの絡み

1 / 1
惚気

「そういえば立希さん」

「ん?なに?」

 

毎度ながら頭の上に紙パックを乗せてくる海鈴。

こういう時はからかいがほとんどだったりするのだが。

 

「バンドは順調ですか?」

「サポートなら当分は平気だけど。何?」

「いえ。頼られなくなるのは寂しいですねと思っただけです」

 

要は構ってほしいってことなのだろう。

 

「そういえば」

「ん?」

「燈さんとはどうなんですか?」

「どう...どうってなに?」

「お付き合いされているのでは?」

「ぶっ!!」

 

何を言い出してるんだこいつは。

 

「咄嗟に顔を背けたのはいい判断ですね。さすがドラマー」

「関係ないし。てかいきなり何?なんで私と燈が付き合ってる話になってるの?」

「口を開けば「燈、燈」と言ってるのはあなたですが」

「いやそんな言ってないと思うんだけど...」

 

無意識なだけで口から洩れてるのかもしれない。

以後気を付けよう。

 

「それで?どこまで進んだんですか?」

「いやそもそも付き合ってないし。なんで海鈴はニヤニヤしてんの」

「人の惚気って聞くの楽しくないですか?」

「その感覚は分かんない」

「そうですか」

 

そう答えつつも、誰の惚気なら幸せに聞けるか考えてみる。

愛音は...ダメだ、なんかムカつく。

野良猫...あいつギターが恋人だろ。

そよは...長続きしなそうだな。

燈は...燈は...。

 

「何百面相してるんですか?」

「え、してた?」

「はい。顔の筋肉の運動かと思いました。変顔100連発でもするんですか?」

「しないけど。...やっぱその感覚分かんない。惚気聞いて楽しいとか」

「誰の惚気を想像したかは大体察します。なら私の惚気でもどうですか?」

「え?お前彼氏いたの?」

 

初耳だ。

いや別にそんなことを話す仲でもないけれど。

 

「今の時代、女が付き合うのは必ず男とは限りませんよ」

「いや...それは言葉の綾で...」

「まぁ、多様性を押し付けるのもハラスメントになりそうですが」

 

そう言って笑う海鈴の顔は、本当に嬉しそうに見えた。

 

「いい人ですよ。顔は少し怖めで、不愛想ですが根は優しく真面目で。周りも見えている」

「ほんとにいい人捕まえたね。よかったじゃん」

「...そうですね」

 

顔が曇った。

 

「...の割には、顔が暗いけど」

「そうですね。あとはその人が私の好意に気付いてくれるかどうかなんですが」

「え?付き合ってるんじゃないの?」

「付き合ってるなんて言いましたっけ?」

 

思い返せば言ってない気がする。

惚気って言っただけで付き合ってる話ではないし、何なら男の話でもなかった気がする。

 

「...おや、チャイムが鳴りましたね。では、私はこれで」

「え?いやちょ、最後まで話せって。気になるんだけど」

「...そうですね。続きはいつか、その人が私だけを見てくれた時にでも話しましょう」

 

 




うみたきって
付き合ったとて絡み変わらなそう

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。