もし、saiが生身の人間だったなら。
 無理やり辻褄あわせたら、こんなん成りました(笑)

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 書いてはみたけれど………。


sai幻想、斎藤君の場合

 こんにちは。斎藤です。記者の方と伺いましたが。

 はあ、囲碁新聞ですか。いや、勉強不足ですいません。読んだこと無いもので。

 

 あ、はい、確かにネット碁をしたこと有りますよ。

 あれは卒業前の夏休みでしたね。三年の内に内内定もらって、就活終わってたから、結構時間あったんですよ。

 

 saiのHNですか。斎藤のsaiですけど。あんまりひねってもどうかと思ったんで。

 

 たまたま立ち寄った本屋で、なんとなく囲碁の本が目に入って、やったことなかったから試してみようかなって。入門編っていうルールを説明した本と、秀策棋譜集ってのを買いました。

 ええ、両方とも丸暗記しましたよ。特技なんです。丸暗記。

 

 なぜ秀策を選んだのかって。秀でた策でしょ。初心者だからどこにどう打てば良いかわからないし、お手本になるかなって。

 え、秀策って、人の名前なんですか。てっきり、優れた策って意味かと。それは知りませんでした。へえ、江戸時代の人。

 秀策そっくりって、そりゃ他を知らなかったんだから、似てたでしょうよ。

 

 定石が古いって言われても。えっと、定石って何ですか。あー、数学の公式みたいなもの? そんなかんじですかね。

 

 一通りルールも覚えたし、せっかくだから対局してみようって、ネット碁に手をだしたんですよ。

 ええ、結構強い人もいますけど、アマチュアですしね。初心者の僕でも何度か勝てたら、ハマってしまって。ひと月くらいかな。朝から晩までやってました。

 

 卒論のスケジュールとゼミの予定があったから、秋になる前にはもう止めてましたね。

 

 え、プロの人がいたんですか。ほんとですか。そりゃ知りませんでした。うん、凄く強い人とたまに当たったから、その人だったのかな。

 

 はい、久々にネット碁を覗いてみて、一局打ちましたよ。

 相手? さあ、なんか長めのHNの人だったと思います。

 

 HN? 覚えてないなあ。あ、でも、久々だったからかな、勝つのにすっごく手こずったの覚えてますよ。うん、強い人でした。

 

 はぁ? 塔矢行洋? 名人って、その人プロだったんですか。

 知らなかったのかって、プロの人の名前なんて、知りませんよ。

 僕は、趣味でネット碁を打ってたアマチュアですよ。碁石に触ったことも無いんですから。

 

 

 プロになる気はないのかって。ありません。碁は趣味だし、今の仕事を辞める気もありません。

 こんな僕がプロになるなんて言ったら、失礼でしょう。

 

 なりません、なりませんってば。

 止めてください。僕にその気はありません。

 

 その手を放してください。

 これで失礼します。二度と来ないでください。

 

 

 

 

 




 なんだか皆さん、不幸な事態に。
 ありえませんよねーこんな話。プロの皆様、ますます立つ瀬が無くなるし、知らないうちに最強棋士になってた自称初心者斎藤君の明日はどっちだ!!

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