某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

1398 / 1398
ぎっくり腰、継続中 破

ぎっくり腰、五日目のお昼時。

 

私の身体は回復して来ました。寿命が伸びたという意味ではなく、ぎっくり腰が治ってきたという意味なので勘違いしてはいけません。

 

「杖をつくのは、初めてです」

 

「……」

 

「? どうかしましたか?」

 

「車椅子のほうが良くねえか?」

 

「車椅子だと左之助さんに負担を掛けてしまいますし、家の中を移動するときも大変になってしまいますから。それに歩くのは楽しいです」

 

そう左之助さんと一緒に町の中を歩いていると、チラホラと私の事を見つめる人がいます。また、新聞や瓦版に私の訃報を書き綴って喧伝していたんでしょう。

 

まだ、死ぬのは我慢です。

 

一年、あと一年ほど生きてしまえば私の勝ちです。しとりの花嫁姿を見ることが出来れば、私はもう思い残すことはありません。

 

ひとえの花嫁姿もみたかったのですけど。

 

もう無理だと理解しています。

 

だからこそ、しとりの花嫁姿を見たい。

 

「景、お前はきっと天国なんだろうがよ。オレと一緒に地獄に堕ちてくれるよな?」

 

「…釜茹ではイヤですねえ……」

 

「五右衛門風呂みてえなもんだ」

 

それはそれで違うのでは?と思いながら、左之助さんを見上げた瞬間、太陽の逆光によって眼鏡は光り、妖しさが増してしまった気がします。

 

違います、私は死神探偵じゃないです。

 

「左之助さん?」

 

手を握ってきた左之助さんに首を傾げ、彼の方を向くとヘンテコな物を頭に被っていました。いえ、よく見ると左之助さんじゃないですね。

 

「誰ですか?」

 

「だれだ、てめぇ?」

 

同時に声がして、後ろを向く。

 

鏡がありました。

 

「……あなた、鏡の妖怪ですね」

 

その言葉に左之助さんを真似ていた妖怪は変化を解いて、私に姿を見せてくれた。「ゲゲゲの鬼太郎」の劇場版「日本爆裂」に登場する妖怪・鏡爺が私の目の前に立ち、私を見下ろしている。

 

「アヤカシを鏡の中に引き込む術を教えたのはお前だ?なぜ、鏡の妖怪でもないお前に鏡を通り抜ける術が使える?教えよ」

 

「お、教えよ、と言われましても。私は科学に基づいて門を開いているだけですし。壊したものは直していますけど、勝手に貴方の世界に入ってしまったのは申し訳ありません」

 

考えてみれば、そうですよね。

 

鏡の妖怪も存在しているのに、外道衆とシンケンジャーを送り込んで戦わせるのは悪いことです。あとで志葉様にお手紙を渡して教えないとです。

 

「よい。あやつらの戦いを肴に楽しんでいる。しかして、ワシが気になっているのは、何故(なにゆえ)お前から閻魔の香りがするのかだ」

 

それは、地獄臭いということでしょうか?

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜(作者:札切 龍哦)(原作:Fate/)

生命を終えた、空虚な魂▼だが、末期の慟哭が虚ろなる世界の外側の住人──全能の観測者を呼び覚ます。▼観測者の計らいで、人理焼却…人類史における神話級の殺人事件──の為された世界を救うマスターのサーヴァントとして、無名の魂は未来を奪われた紅蓮の特異点へと転生を果す。▼器の名は英雄王ギルガメッシュ。神と訣別し、人の時代を始めた全てを見定める黄金の王。▼己である事す…


総合評価:32007/評価:8.27/完結:3000話/更新日時:2025年08月02日(土) 13:50 小説情報

人の体を乗っ取るスタンド使い(作者:九条空)(原作:ジョジョの奇妙な冒険)

スターダストクルセイダース既知転生原作沿い。戦闘能力なし、善人でなし。何度煎じても健康にいいから何度でもやる。▼FA https://x.gd/TfWJ5


総合評価:34651/評価:8.9/完結:84話/更新日時:2026年05月20日(水) 12:00 小説情報

【完結】残火の太刀を持ってるタイプの禪院扇(作者:照喜名 是空)(原作:呪術廻戦)

なお、刀の中の人は山じいだし、山じいに本気指導されて頭禪院のままでいられるほど扇は意思が強くないとする


総合評価:6781/評価:7.18/完結:30話/更新日時:2026年03月26日(木) 10:00 小説情報

転スラ世界に転生して砂になった話(作者:黒千)(原作:転生したらスライムだった件)

 原作知識あり転生(前世は男)主人公。砂の魔物(無性)に転生し、性能はリムルの下位互換。リムル、ヴェルドラと三体同格となり、ブラコンスライムと親バカ暴風竜の庇護を受けまくるポジション。周りからもリムルと同等の扱いで、チヤホヤされます。▼※当小説はほぼ転スラ漫画版に合わせて更新していますが、書籍版で明かされた内容については漫画化していない部分でも描写する可能性…


総合評価:28095/評価:9.18/連載:202話/更新日時:2026年08月12日(水) 23:56 小説情報

冬木アクターズ・ラプソディ ~観光に来た演劇バカの女子大生、うっかり龍之介を轢いてしまったので、キャスターの「ジャンヌ役」として聖杯戦争を完遂します~(作者:斉宮 柴野)(原作:Fate/)

演劇を愛し、演劇に愛された女子大生・聖上真樹(19)。 彼女は観光で訪れた冬木市にて、役作りの練習中に通行人を驚かせ、不運な交通事故を誘発してしまう。 その被害者は、指名手配中の連続殺人鬼・雨生龍之介だった。▼罪悪感(と興奮)に震える彼女の前に現れたのは、奇怪な術衣を纏った目玉の大きな外国人。 彼は涙を流し、真樹を見てこう叫んだ。▼「おお!! ジャンヌ!! …


総合評価:8732/評価:8.56/連載:85話/更新日時:2026年07月30日(木) 23:04 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>