「しとり、ひとえ」
「ん、なに?」
「ちょっといいか?」
左之助さんに呼ばれて近づいていくしとりとひとえに視線を向け、直ぐにまた私は最後の仕合の取り決めに悩みます。全員の要望が緋村剣心なんですよね。
いえ、三人は違いますね。
姿お兄様、緋村剣心、剣路君。
大人組は剣路君と仕合を望み、剣路君はしとりとの仕合を望んでいるわけです。しとり本人は強い人と戦えれば満足というスタンスは変えていません。
しとりは強くなりたいし、恋もしたい。
そういうスタンスです。そう思っていると、しとりとひとえが私の両脇に座り込み、手を握って笑顔を向けて来ました。とてもかわいいですね。
やっぱり、しとりとひとえはソーキュートです。
よしよしと二人の頭を撫でてあげたいのに、両手は動かせません。これは、謀りましたか?と左之助さんを見るとニヤニヤと笑っていました。
「左之助さん、何をさせるつもりですか」
「ずっと動いてるからな、三人で昼寝しろよ」
「............それは、まだ会場の拡張もありますし。休んでいたら仕事は終わりませんよ?」
「オレもいるだろう」
「...えと、左之助さんって経理できますか?」
「出来ん!阿爛に押し付けてるからな」
「えぇ、まあ、そうですよね」
左之助さんは一緒に働いて、一緒に笑って、一緒に失敗も成功も共有しているわけですし。カリスマ性の高さもすごいですからね。
「ん!」
「あい!」
「あらぁ......」
二人に抱き上げられて、ドタバタと部屋を進む。
日向の当たる縁側近くに布団を敷いて、しとりとひとえは素早く浴衣に着替えようとしていたものの、左之助さんが見ていたので襖を閉じました。
「着替えは見せませんよ?」
そう言って二人の着替えを手伝って私も着替えます。お昼に眠るときもありますが、あれは薬が強すぎて睡魔に襲われているんですよね。
左之助さんはダメです。
「ん!ん!ん!はやく!」
「かーさま、はやく!!」
「あらあら」
バンバンと布団を叩く姉妹に急かされ、ちょうど時間なので薬を飲み、一緒に布団に入ります。掛け布団ではなく、軽めのタオルケットですけど。
「ん!ん!ん!ん!ん!」
「あい!あい!あい!」
「(ね、ねれませんよ……)」
左右から私の胸を優しく叩いて眠るようにしてくれていますが、骨が軋み、痛さで苦しみを味わっています。
うあっ、ひぐっ、へうっ。
「(お、折れます、骨が折れちゃいますっ)」
娘達にそんなことをさせるわけにはいきません。