祝言を挙げた翌日。
ひとえは「きれい、かわいい」としとりに言っています。やっぱり、女の子として祝言は気になるんでしょうねと納得し、しとりもひとえと笑っています。
「ん、おはよう!」
スパンと勢い良く襖を開けるしとりにビックリしつつ、足の震えるしとりと、剣路君にソッと視線を逸らして気付かないふりをします。
ひとえは、途中で帰ってきましたけれど。
ええ、ええ、そうですよね。
「はい。おはようございます」
朝御飯の並ぶ居間に左之助さんも来ましたが、気絶しましたね。普段から私に似たことをしていても、娘がそうなったら脳は破壊されますね。
そんなことを考えながら、私は美味しそうにご飯を食べるしとりと剣路君を見つめて、「うちに一緒に住む?それとも神谷の家に?」と訪ねる。
「おれはどっちでもいいけど。しとりは?」
「けんちゃんの好きな方でいいよ?」
お互いを思っての会話ですね。しかし、左之助さんは何度も気絶して、そろそろ耐性を付けてもいいのでは?と思ったりもします。
いえ、分かっていますけど。
「あっちは弥彦さん達もいるからな。此方に住ませてもらえますか?」
「フフ、いいですよぉ」
そう言うとしとりも剣路君も嬉しそうですが、左之助さんは脳は破壊され続けるということです。
意外と残酷なのね
違いますが!?と言い返すものの。父親は娘に対して、こうも大切に扱う頻度の高さに少しビックリしていますけれども。
きっと、そういうものなんです。
「えと、景さんはお義母さんって呼べば?」
「ん、母様は母様」
「オレはお前に義父扱いされるのか」
「おはようございます、左之助さん。もう夫婦なんですから、良きことです♪︎」
「ぐっ、ぬうぅ」
そんな恨めしそうに剣路君を見られても私は過剰に干渉する悪い親にはなりません。......あれ?意外と過剰に干渉しているように、いえ、そんなわけないですね。
嫌なら嫌と言える子供達です。
「かーさま、おかわり!」
「はいはい。どれくらいですか?」
「いっぱい!」
「フフ、いっぱいですね」
「ん、よく食べる。負けない」
「太るぞ」
剣路君の言葉にしとりもひとえも不思議そうに、可愛らしく小首を傾げます。二人とも異能の燃費のせいで太らないんですよね。
よくよく考えると、ですけど。
「ん、十合食べても太らない。私、十合も食べたことないけど」
「あい!」
しとりの言葉にクスリと笑います。
少し幼さを感じる「わたし」が、大人びた「私」に聞こえてきました。
ですが、これも良いことです。