七精門の鍵の保管方法を変えようと大徳寺が言い出した。どうも、その手のプロだというマグレ警部という人物のアドバイスらしいが、仮に七精門の鍵を盗んだとしても、デュエルをして勝たないと所有権は移動しないので隠す意味がない。
なので、自分達で持つだけで十分だと遊矢が意見すると、マグレ警部は「デュエルで勝たないと所有権は得られないのか……」と、何も知らない様子だった。
それでその場は一旦解散になったのだが――その日の夜、遊矢と万丈目の部屋に、マグレ警部を筆頭にデュエルアカデミアで過ごしているミーネ先生、レッド生のチック、ゴーグ管理人、クリフ警備員の五人が現れ、デュエルを申し込んでくる。
どうやら彼らは数年前からこのデュエルアカデミアに潜入していた黒蠍盗掘団という名の盗賊らしく、セブンスターズの一人でもあるらしい。
ずっと鍵を探していたようだが、まさかデュエルで勝たないと所有権が移らないとは思っていなかったようで、長年の苦労が水の泡だと嘆いていた。
正体を明かした彼らから、遊矢は精霊の気配を感じる。ずっと人間だと思っていたが、どうやら彼らは人間に擬態していただけのデュエルモンスターズの精霊だったらしい。
「いいだろう、前回は闇ではなく海とかいう意味不明な勘違いをしたからな。今度こそ、この万丈目サンダーが闇のデュエルを受けてやる!」
万丈目は、遊矢が精霊と戦うのを嫌がったのを察したかのように、自分がデュエルをすると訴えている。遊矢としても、墓守次元の一件以来精霊相手はやりにくいので助かった。
とりあえず、室内で戦う訳にもいかないので場所を移動する。同時に遊矢も十代達に連絡を取り、セブンスターズが来たことを皆に伝えることにした。
遊矢が仲間達に連絡を取っている間に、万丈目はレッド寮から少し離れた場所まで移動していたようで、遊矢達が着く頃には丁度デュエルが始まる所だった。
「「デュエル!!」」
先攻はマグレ警部ことザルーグのようで、デッキからカードを引いていく。
「私の先攻! 私は、《キラー・トマト》を攻撃表示で召喚!」
《キラー・トマト》
効果モンスター
☆4 闇属性 植物族
ATK1400 DEF1100 攻撃表示
如何にも人を殺しそうなトマトがフィールドに現れる。
「さらに装備魔法、《妖刀竹光》を《キラー・トマト》に装備! さらに、魔法カード、《黄金色の竹光》を発動! 自分フィールドに『竹光』装備魔法カードが存在する場合、カードを二枚ドローする!」
減った手札も、ドローソースを使って上手く補充していく。
「私はリバースカードをセットして、ターンを終了する!」
ザルーグ 手札4枚 LP4000
フィールド キラトマ
魔法・罠 《妖刀武光》、リバース1枚
VS
万丈目 手札5枚 LP4000
フィールド なし
魔法・罠 なし
「俺のターン、ドロー! 速攻魔法、《武装竜の霹靂》を発動! デッキからレベル3のアームド・ドラゴンモンスター一体を守備表示で特殊召喚する! 来い、《アームド・ドラゴン・サンダーLV3》!!」
《アームド・ドラゴン・サンダーLV3》
効果モンスター
☆3 風属性 ドラゴン族
ATK1200 DEF900 守備表示
相手は様子見という感じだが、万丈目はお得意のアームド・ドラゴンコンボで、初っ端から飛ばしていくつもりらしい。
「俺は《アームド・ドラゴン・サンダーLV3》の効果を発動! 手札の《アームド・ドラゴン・サンダーLV5》とこのカードを墓地に送り、デッキから《アームド・ドラゴン・サンダーLV5》を特殊召喚する!」
《アームド・ドラゴン・サンダーLV5》
効果モンスター
☆5 風属性 ドラゴン族
ATK2400 DEF1700 攻撃表示
手札に二枚目のLV5がある以上、ここからは前回の焼き直しだった。ドラゴン族モンスターの効果のために手札から墓地へ送られたLV5によってカードがサーチされ、そのカードをコストに進化、カードをサーチ、進化を繰り返していく。
「俺は手札から墓地へ送ったLV5の効果でLV7を手札に加える! そして、フィールドのLV5の効果で、手札のLV7とこのカードを墓地に送り、デッキから《アームド・ドラゴン・サンダーLV7》を特殊召喚する!」
《アームド・ドラゴン・サンダーLV7》
効果モンスター
☆7 風属性 ドラゴン族
ATK2800 DEF1000 攻撃表示
そして、手札から墓地へ送られたLV7の効果でLV3をサーチし、再び進化する。
「これが最後だ! 墓地へ送ったLV7の効果でLV3を手札に加え、フィールドのLV7と共に墓地へ送り、デッキから《アームド・ドラゴン・サンダーLV10》を特殊召喚!!」
《アームド・ドラゴン・サンダーLV10》
効果モンスター
☆10 風属性 ドラゴン族
ATK3000 DEF2000 攻撃表示
前回、その圧倒的な力を見せつけた最強のアームド・ドラゴン・サンダーが降臨した。
攻撃力の数値が一、十、百、千、万で発動する効果が変わり、基本的に千までの効果は常時使用できる。
「墓地へ送ったLV3の効果でカードを一枚ドロー! さらに魔法カード、《貪欲な壺》を発動! 墓地のLV3二体とLV5二体、LV7をデッキに戻し、カードを二枚ドローする!」
前回もそうだったが、モンスターが墓地に溜まる都合上、《貪欲な壺》との相性は抜群に良い。これで、攻撃力3000をフィールドに出して尚、手札には6枚のカードがあった。
「俺は魔法カード、《デビルズ・サンクチュアリ》を発動! その効果で、《メタルデビル・トークン》を一体特殊召喚する!」
《メタルデビル・トークン》
トークン
☆1 闇属性 悪魔族
ATK0 DEF0 攻撃表示
おそらくはリリース要員だ。このターン、万丈目はまだ通常召喚をしていない。
「俺は、《メタルデビル・トークン》をリリースし、《アームド・ドラゴン・サンダーLV5》をアドバンス召喚!」
《アームド・ドラゴン・サンダーLV5》
効果モンスター
☆5 風属性 ドラゴン族
ATK2400 DEF1700 攻撃表示
どうやら、《貪欲な壺》でデッキに戻したカードを引き当てたようで、これで万丈目のフィールドに強力モンスターが二体並んだ。
各サンダーの進化効果は一ターンに一度しか使えないので、LV5はこのターンに進化こそできないが、既に十分な攻撃力を宿している。
「バトルだ! 俺はLV10で《キラー・トマト》を攻撃! サンダー・ビッグ・パニッシャー!!」
《アームド・ドラゴン・サンダーLV10》 ATK3000 VS《キラー・トマト》 ATK1400
装備している《妖刀竹光》は攻撃力を上げる効果はない。正確には0アップする効果があるが0はないも同然だ。よって、LV10の3000という攻撃力の前ではなすすべもなく散るしかなかった。
「ぐっ!」
ザルーグ LP4000→2400
「《キラー・トマト》の効果で、私は二枚目の《キラー・トマト》を攻撃表示で特殊召喚する! さらに装備されていた《妖刀竹光》が墓地へ送られた場合、デッキから《妖刀竹光》以外の『竹光』カードを手札に加える! 私は《真刀竹光》を手札に!」
装備カードの効果で、新たな竹光をサーチしつつ、二体目の《キラー・トマト》を呼び出していく。
《キラー・トマト》
効果モンスター
☆4 闇属性 植物族
ATK1400 DEF1100 攻撃表示
「ならば、LV5で再び《キラー・トマト》に攻撃! サンダー・バスター!!」
《アームド・ドラゴン・サンダーLV5》 ATK2400 VS《キラー・トマト》 ATK1400
続く攻撃に対しても、ザルーグはリバースカードを発動させずにそのままLV5の攻撃を受けた。
「ぐぬっ!」
ザルーグ LP2400→1400
「これで攻撃は終わった! 《キラー・トマト》の効果で、私は私自身、《首領・ザルーグ》を攻撃表示で特殊召喚する!
そう言いながら、デッキからカードを出していく。「せっかくなので、私が前に出よう」と言って、ザルーグ自身がフィールドゾーンまでやってきた。
《首領・ザルーグ》
効果モンスター
☆4 闇属性 戦士族
ATK1400 DEF1500 攻撃表示
「俺はリバースカードを一枚伏せてターンエンドだ!」
万丈目 手札3枚 LP4000
フィールド LV10、LV5
魔法・罠 リバース1枚
VS
ザルーグ 手札5枚 LP4000
フィールド ザルーグ
魔法・罠 リバース1枚
「私のターン、ドロー!」
「この瞬間、《アームド・ドラゴン・サンダーLV10》の効果を発動! 攻撃力が1000以上の時、相手のターンに一度、手札を一枚墓地へ送ることで、フィールドのカード一枚を破壊し、攻撃力を1000アップする! 俺は、そのリバースカードを破壊する!」
「ならば、チェーンして罠発動! 《トラップトリック》! デッキから《トラップトリック》以外の通常罠カード一枚を除外し、その同名カードをデッキからセットする! 私は罠カード、《必殺!黒蠍コンビネーション》を一枚除外し、デッキから同名カードをセット!」
「だが、効果を発動しても、LV10の効果でカードが破壊されるので攻撃力はアップする! さらに墓地へ送られた《おジャマジック》の効果発動! デッキからおジャマ三兄弟を手札に加える!」
ザルーグも上手く除去を回避したが、相手のカード除去、モンスターの強化、手札の補強、その三つを一遍にやって見せる辺り、万丈目の強さが伺える。
《アームド・ドラゴン・サンダーLV10》 ATK3000→4000
「構わぬ。さらに装備魔法、《真刀竹光》を発動し、私自身に装備! そして、二枚目の《黄金色の竹光》を発動! カードを二枚ドローする!」
またも竹光を上手く使って、ザルーグは手札を徐々に増やしていく。何かを狙っているのは間違いなかった。
「何を狙っている……?」
「私は魔法カード、《黒蠍団集結》を発動! 自分フィールドにザルーグが存在する時、手札から『黒蠍』と名のついたモンスターカードを全て特殊召喚することが出来る! 集まれ、野郎共! 仕事の時間だ!」
ザルーグの手札から四体のモンスターカードがデュエルディスクに叩きつけられる。
同時に、デュエルを見学していた四人の仲間が、真の姿となってフィールドに飛び込んでいった。
「黒蠍一の力持ち、強力のゴーグ!」
《黒蠍―強力のゴーグ》
効果モンスター
☆5 闇属性 戦士族
ATK1800 DEF1500 攻撃表示
「黒蠍団の紅一点、茨のミーネ!」
《黒蠍―茨のミーネ》
効果モンスター
☆4 闇属性 戦士族
ATK1000 DEF1000
「どんな罠でも朝飯前、罠外しのクリフ!」
《黒蠍―罠外しのクリフ》
効果モンスター
☆3 闇属性 戦士族
ATK1200 DEF1000 攻撃表示
「お宝頂きゃ後はトンズラ、逃げ足のチック!」
《黒蠍―逃げ足のチック》
効果モンスター
☆3 闇属性 戦士族
ATK1000 DEF1000 攻撃表示
「「「「「我ら! 黒蠍盗掘団!!」」」」」
五人揃ったことでポーズまでしっかり決めている。どうやら、これこそがザルーグの狙いだったようだ。
「ここで、《トラップトリック》の効果で伏せた《必殺!黒蠍コンビネーション》を発動!」
「なにっ、セットしたターンに罠発動だと!?」
「《トラップトリック》の効果で伏せたカードは、そのターンに発動が出来る。このカードは、自分フィールドにザルーグ、クリフ、チック、ゴーグ、ミーネが表側表示で存在する時のみ発動が可能。これらのカードはこのターン、相手プレイヤーに直接攻撃が出来る!」
「なっ、直接攻撃だって!?」
「ただし、この効果で直接攻撃する場合、相手プレイヤーに与えるダメージは一体につき400ポイントになる。だが、十分な数値だ! いくぞ、バトルフェイズ! くらえ、黒蠍コンビネーション!!」
万丈目のフィールドには二体の強力モンスターがいるが、ダイレクトアタックの前ではそれも無力と化す。
「まずは、私自身でプレイヤーにダイレクトアタックする! 受けてみよ、竹光の味を!」
《首領・ザルーグ》 ATK1400 VS万丈目 LP4000
ザルーグが万丈目に竹光を振り下ろす。しかし、罠カード、《必殺!黒蠍コンビネーション》で与えるダメージは400となった。
「ぐぅっ!!」
万丈目 LP4000→3600
しかし、それでも実際に斬られたかのような痛みが万丈目の体を襲う。
前回のアナシスの時は勘違いだったが、今回は本当の闇のゲームということで、万丈目も初めての闇の洗礼を受けていた。
「私の効果を発動! 私が相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた時、相手の手札をランダムに一枚捨てるか、相手のデッキの上からカードを二枚墓地へ送ることができる! 私は貴様の手札を一枚ランダムに捨てる!」
「なにっ!?」
墓地へ送られたのは、《光と闇の竜》――手札の中に居るおジャマ三兄弟のブロックをスルーされた上に、切り札を捨てさせられてしまった。
「続けて、《真刀竹光》の効果! このカードを装備したモンスターが直接攻撃で戦闘ダメージを与えた時、相手フィールドのモンスターを全て破壊する!」
「なんだって!?」
罠カード、《必殺!黒蠍コンビネーション》の効果で400になっているが与えたのは戦闘ダメージ故に発動条件は満たしている。
おまけに、アームド・ドラゴン・サンダーには効果破壊耐性がない。LV10は攻撃力100で戦闘での破壊に耐性を持つが効果破壊は防げなかった。竹光によって、LV5とLV10がバラバラにされていく。
「くっ、俺のモンスター達が!」
「続けて、クリフでプレイヤーにダイレクトアタック!」
《黒蠍―罠外しのクリフ》 ATK1200 VS万丈目 LP3600
自慢のナイフで、クリフが万丈目を切り裂いた。だが、ザルーグ同様、罠カード、《必殺!黒蠍コンビネーション》で与えるダメージは400となっている。
「ぐあっ!!」
万丈目 LP3600→3200
それでも闇のゲーム故に痛みは強い。小さなダメージも積み重なれば、大きなダメージとなる。
「クリフの効果を発動! クリフが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた時、フィールドの魔法・罠カードを破壊するか、相手のデッキの一番上からカードを二枚墓地に送る! 私は、お前のフィールドの魔法・罠カードを破壊する!」
破壊されたカードは、罠カード、《武装竜の万雷》。アームド・ドラゴン達の攻撃力を上げるカードだった。竹光の効果でアームド・ドラゴン達が破壊されたが故に発動タイミングがなくなってしまったのだろう。
「続けて、チックでプレイヤーにダイレクトアタック!」
《黒蠍―逃げ足のチック》 ATK1000 VS万丈目 LP3200
チックが自慢の足を使って一撃を当てて離脱していく。しかし、仲間同様、《必殺!黒蠍コンビネーション》で与えるダメージは400となっていた。
「ぐっつぅっ!!」
万丈目 LP3200→2800
三回連続の攻撃で、万丈目の膝が震える。
「チックの効果を発動! チックが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた時、フィールドのカード一枚を持ち主の手札に戻すか、相手のデッキの一番上のカードをめくり、一番上か一番下に戻す。私は相手のデッキの一番上のカードをめくり、一番上か一番下に戻す!」
もう万丈目のフィールドにカードがないので、実質一択の効果だった。
万丈目がデッキの一番上をまくってザルーグに見せる。確認したカードは《ハリケーン》――ザルーグは即座にデッキの一番下に戻すように指示を出した。
「続けて、ゴーグでプレイヤーにダイレクトアタック!」
《黒蠍―強力のゴーグ》 ATK1800 VS万丈目 LP2800
ゴーグが真っすぐに万丈目に向かっていく。だが、やはり与えるダメージは400となっている。
「ぐあっ、くぅっっ!」
万丈目 LP2800→2400
しかし、万丈目も遂に片膝を付いた。ダメージはかなり大きい。
「ゴーグの効果を発動! ゴーグが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた時、相手フィールドのモンスターカード一枚をデッキの一番上に戻すか、相手のデッキの一番上のカードを墓地に送ることが出来る! 私は貴様のデッキの一番上のカードを墓地へ捨てる!」
チックの時と同じく、万丈目のフィールドにはモンスターが居ない。実質、一択の効果だった。
「最後に、ミーネでプレイヤーにダイレクトアタック!」
《黒蠍―茨のミーネ》 ATK1000 VS万丈目 LP2400
ミーネの鞭が、万丈目の肌を叩く。しかし、与えるダメージは400だった。
「ぐうぅっっ! ま、まだだ!」
万丈目 LP2400→2000
万丈目は立ち上がる。この程度でやられてなるものかと、気合で自分を鼓舞していた。
「ミーネの効果を発動! ミーネが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた時、デッキから『黒蠍』魔法カード一枚を手札に加えるか、墓地の『黒蠍』カードを一枚手札に加えることが出来る。私は墓地の《必殺!黒蠍コンビネーション》を手札に戻す!」
これで、次にまたダイレクトアタックの連続を受けたら、万丈目のライフはゼロになってしまう。何とかして次のターンで盤面を崩すしか無かった。
「どうだ、我々の必殺コンビネーションの味は!」
「……フン、この程度たいしたことは無い」
「良い強がりだ。私はリバースカードを二枚セットしてターンを終了する!」
ザルーグ 手札0枚 LP1400
フィールド ザルーグ、ミーネ、ゴーグ、クリフ、チック
魔法・罠 《真刀武光》、リバース2枚
VS
万丈目 手札4枚 LP2000
フィールド なし
魔法・罠 なし
「あのリバースカードのどちらかが黒蠍コンビネーション……万丈目君、大丈夫かな?」
「心配するな、翔。万丈目は、あのくらいじゃビクともしないぜ!」
「それに、あのコンビネーションは確かに厄介だけど弱点もある」
「そうね、多分万丈目くんももうその弱点に気付いているはず……」
そう、一見完璧に見えるあのコンビネーションも重大な欠点が隠されていた。
「俺のターン、ドロー! まずは手札入れ替えだ! 魔法カード、《手札抹殺》を発動! お互いのプレイヤーは手札を全て捨て、捨てた枚数分ドローする!」
魔法カード、《おジャマジック》のおかげで、手札には三兄弟がいる。よって、かなりのアドバンテージを稼ぐことが出来た。
「くっ、私の手札はゼロだ」
「俺は四枚捨てて、四枚ドロー!」
墓地へ送られたおジャマ達が『『『酷いよ、アニキィ~』』』と声を上げるが、今は無視である。
「よし、俺は墓地の光属性、《おジャマ・イエロー》をゲームから除外し、《暗黒竜コラプサーペント》を特殊召喚する!」
《暗黒竜コラプサーペント》
効果モンスター
☆4 闇属性 ドラゴン族
ATK1800 DEF1700 攻撃表示
墓地のモンスターを除外することで特殊召喚できる新たなドラゴン。黒い蛇のような見た目に羽根を生やしたこの新ドラゴンを使って万丈目は新たな境地を開拓していく。
「さらに、チューナーモンスター、《デルタフライ》を召喚!」
《デルタフライ》
効果モンスター チューナー
☆3 風属性 ドラゴン族
ATK1500 DEF900 攻撃表示
場にチューナーが出てきたことで、応援組も驚きの声を上げる。これまで、万丈目がシンクロ召喚など使ったことはなかったからだ。
「《デルタフライ》の効果発動! 一ターンに一度、このカード以外の自分フィールドのモンスター一体のレベルを一つ上げる! 俺はコラプサーペントのレベルを変更!」
《暗黒竜コラプサーペント》 ☆4→5
「レベル5となったコラプサーペントに、レベル3の《デルタフライ》をチューニング!」
コラプサーペントが五つの星となり、《デルタフライ》の作る三つの環と共に光の道を作り上げていく。召喚条件はチューナー+闇属性モンスター一体以上。
「――深き闇より現れよ! レベル8、《ダーク・エンド・ドラゴン》!!」
《ダーク・エンド・ドラゴン》
効果モンスター シンクロ
☆8 闇属性 ドラゴン族
ATK2600 DEF2100 攻撃表示
万丈目のエース、《光と闇の竜》のが全身黒だったら、こんなドラゴンだったかもしれない。まさに深淵の主ともいうべき風格を、このドラゴンは宿していた。
遊矢が「いつの間にそんなカードを!?」と驚いたような声を上げるが、万丈目は「知らん! いつの間にか、デッキに入っていた!」と興味無さそうに答える。精霊の力を操り切れていない万丈目のデッキは毎日おかしな方向に変化しているらしい。
「俺は墓地に送られたコラプサーペントの効果を発動! このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、デッキから《輝白竜ワイバースター》を手札に加える! そして、墓地の闇属性モンスター、コラプサーペントをゲームから除外し、ワイバースターを特殊召喚!」
《輝白竜ワイバースター》
効果モンスター
☆4 光属性 ドラゴン族
ATK1700 DEF1800 攻撃表示
先程のコラプサーペントと対をなすドラゴン、全身青で白いウロコを身に着けたドラゴンが輝きを放って行く。
この時点で遊矢は、万丈目がまだ何かするつもりなのだということを察した。
「さらに《死者蘇生》! 墓地の《デルタフライ》を復活させる!」
《デルタフライ》
効果モンスター チューナー
☆3 風属性 ドラゴン族
ATK1500 DEF900 攻撃表示
再びチューナーが出てきたことで、遅れて他の全員も万丈目がまたシンクロをしようとしていることに気付く。
「《デルタフライ》の効果発動! 一ターンに一度、このカード以外の自分フィールドのモンスター一体のレベルを一つ上げる! 俺はワイバースターのレベルを変更!」
《輝白竜ワイバースター》 ☆4→5
一ターンに一度だが、一度墓地へ行っているので効果はリセットされていた。再びモンスターのレベルが変化し、シンクロの準備が完了する。
「レベル5となったワイバースターに、レベル3の《デルタフライ》をチューニング!」
今度はワイバースターが五つの星となり、《デルタフライ》の作る三つの環と共に光の道を作り上げていく。召喚条件はチューナー+光属性モンスター一体以上。
「――闇の中から輝きを放て! レベル8、《ライト・エンド・ドラゴン》!!」
《ライト・エンド・ドラゴン》
効果モンスター シンクロ
☆8 光属性 ドラゴン族
ATK2600 DEF2100 攻撃表示
万丈目のエース、《光と闇の竜》のが全身白だったら、こんなドラゴンだったかもしれない。まさに閃光の王ともいうべき風格を、このドラゴンは宿していた。
「ワイバースターがフィールドから墓地へ送られたことで、デッキのコラプサーペントを手札に加えることが出来るが、俺のデッキにコラプサーペントは一枚なので効果は発動しない」
どちらを先に出しても、相互補完が出来るようになっている。まさに、ダーク・エンドとライト・エンドを呼び出すためのモンスターと言って良かった。
「俺は、《ダーク・エンド・ドラゴン》の効果を発動! 一ターンに一度、このカードの攻撃力、守備力を500ポイントダウンさせることで、相手フィールド上のモンスター一体を墓地に送る! 俺は、ザルーグを墓地に送る! ダーク・イヴォレイション!!」
《ダーク・エンド・ドラゴン》 ATK2600→2100 DEF2100→1600
切り札の《光と闇の竜》同様に、ステータスを下げることで効果を発揮していく。
しかし、ザルーグは闇に包まれ墓地へ送られながらも、何とかプレイヤーゾーンへと退避していった。
「くっ!」
「良く分からんが、一応貴様は墓地へ行った扱いのようだな。これで、お得意のコンビネーションも発揮出来まい?」
そう、これが弱点だった。《必殺!黒蠍コンビネーション》は、ザルーグ、ミーネ、ゴーグ、クリフ、チックの五人がいて初めて発動出来る。
五人の内、誰か一人でもフィールドに居なければ、発動することすら困難なのだ。
「まぁ、どの道、このターンで終わらせるがな! バトルフェイズ! 《ライト・エンド・ドラゴン》で、ゴーグを攻撃! シャイニング・サプリメイション!!」
《ライト・エンド・ドラゴン》 ATK2600 VS《黒蠍―強力のゴーグ》 ATK1800
「この瞬間、《ライト・エンド・ドラゴン》の効果発動! このカードが相手モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時、このカードの攻撃力と守備力を500ポイントダウンさせることで、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力、守備力をエンドフェイズまで1500ポイントダウンさせる! ライト・イクスパンション!!」
《ライト・エンド・ドラゴン》 ATK2600→2100 DEF2100→1600 VS《黒蠍―強力のゴーグ》 ATK1800→300 DEF1500→0
これを通すことが出来れば、ザルーグのライフを一気にゼロに出来る。
「罠カード、《ガード・ブロック》! このバトルでの戦闘ダメージをゼロにして、カードを一枚ドローする!」
「しかし、戦闘破壊はされる!」
「退避だ、ゴーグ!」
「くっ、済まねぇ親分!」
ゴーグがフィールドから飛びのいていく。しかし、戦闘破壊はされた判定のようで、フィールドゾーンには空きが出来ていた。
「フン、《ダーク・エンド・ドラゴン》でミーネを攻撃! ダーク・フォッグ!!」
《ダーク・エンド・ドラゴン》 ATK2100 VS《黒蠍―茨のミーネ》 ATK1000
今度はダーク・エンドの一撃がミーネを追い詰めていく。だが、ミーネもまたフィールドから撤退することで戦闘破壊をされた判定になっていた。
「ぐおおおぉぉっ!!」
ザルーグ LP1400→300
しかし、戦闘が発生したので、その差の分だけライフが削られていく。ただ、《ガード・ブロック》のおかげでギリギリ命を繋いでいた。
「ちっ、俺はカードを一枚伏せてターンエンドだ」
決め切れなかったが、敵の必殺コンボは封殺したということで万丈目もターンを終える。
万丈目 手札0枚 LP2000
フィールド ライト・エンド、ダーク・エンド
魔法・罠 リバース1枚
VS
ザルーグ 手札1枚 LP300
フィールド クリフ、チック
魔法・罠 リバース1枚
「私のターン! 魔法カード、《天使の施し》! デッキからカードを三枚ドローし、二枚を捨てる! さらに魔法カード、《終わりの始まり》を発動! 墓地の闇属性モンスターが七体以上の場合、その内五体を除外してデッキからカードを三枚ドローする!」
「貴様の墓地の闇属性は七体もいなかったはず……」
「《天使の施し》で三枚目の《キラー・トマト》と《黒蠍盗掘団》の二枚を捨てている。これで、七体! 私は三枚の《キラー・トマト》、《黒蠍盗掘団》、ゴーグを除外して三枚ドロー!」
序盤に破壊された《キラー・トマト》二体に、前のターンに墓地へ送られたザルーグ、ゴーグ、ミーネに、今捨てた二体で合わせて計七体。条件はクリアされていた。
「私はフィールド魔法、《地縛地上絵》を発動!」
「フィールド魔法だと!?」
わざわざフィールド魔法を使ってきたということで、万丈目の警戒心が上がる。よく見れば、相手のフィールドにはまだモンスターが二体残されていた。
「そして、チックとクリフをリリースし、《地縛神ChacuChallua》をアドバンス召喚!!」
《地縛神ChacuChallua》
効果モンスター
☆10 闇属性 魚族
ATK2900 DEF2400 攻撃表示
そう、あまりに黒蠍団のキャラが濃いのですっかり忘れていたが、セブンスターズは全員が地縛神という強力モンスターを所持している。
それはザルーグも例外ではなかった。
鳥、蛇、猿と続き、鯱の地縛神がフィールドに爆誕する。もし、ここに知識のある三沢が居れば、そろそろ地縛神が地上絵と関係があることに気付いたかもしれないが、今ここにいるメンバーはそこに気付けていなかった。
「バトルフェイズ! 《地縛神ChacuChallua》でプレイヤーにダイレクトアタック!!」
《地縛神ChacuChallua》 ATK2900 VS万丈目 LP2000
当然、地縛神なのでダイレクトアタック効果を持っている。通せば、万丈目の敗北だった。
「通すわけがない! 墓地の《超電磁タートル》の効果発動! このカードを墓地から除外し、バトルフェイズを終了させる!」
しかし、対策は出来ていた。いくら地縛神とはいえ、バトルフェイズを終了させられてしまえば何も出来ない。
「ぬぅ……メインフェイズ2で永続魔法、《燃え竹光》を発動し、《命削りの宝札》を発動! このターンの特殊召喚を封じる代わりに、手札が三枚になるようにデッキからドローする! 私の手札はゼロ、三枚ドローだ!」
このターン、ザルーグは通常召喚しか行っていないので条件はクリアされていた。
また、《命削りの宝札》には、このカードの発動後、相手が受ける全てのダメージはゼロとなるというデメリットと、エンドフェイズに手札を全て墓地へ送るデメリットがあるが、メインフェイズ2で発動すればバトルフェイズが終了しているので問題はなく、手札もセットしてしまえば問題ない。
「私は速攻魔法、《武装再生》を発動! 自分フィールド上の表側表示モンスター一体の攻撃力を800ポイント上げるか、自分又は相手の墓地から装備カード一枚を自分のフィールドにセットするか、装備可能な自分フィールドのモンスター一体に装備する。私は墓地の《妖刀竹光》をセット、そして発動、《地縛神ChacuChallua》に装備!」
「また竹光か、ドローでもするつもりか?」
「いいや、さらに速攻魔法、《非常食》! 《妖刀竹光》とセットされた《必殺!黒蠍コンビネーション》を墓地へ送り、ライフを2000回復する!」
ザルーグ LP300→2300
「墓地へ送られた《妖刀竹光》の効果発動! デッキから二枚目の《真刀竹光》を手札に加える!」
無意味になったカードを墓地に送りつつ、ライフ回復とサーチを両立させる一石三鳥のプレイングは、先程の万丈目がやった相手のカード除去、モンスターの強化、手札の補強にも負けていなかった。
「最後にカードを二枚伏せてターンエンド。このエンドフェイズに《命削りの宝札》の効果で手札を墓地に送らなくてはならないが、私の手札はゼロ枚なので無効となる」
ザルーグ 手札0枚 LP2300
フィールド チャクチャルア
魔法・罠 《地縛地上絵》、《燃え竹光》、リバース2枚
VS
万丈目 手札0枚 LP2000
フィールド ライト・エンド、ダーク・エンド
魔法・罠 リバース1枚
伏せたカードの一枚は、サーチしてきた《真刀竹光》だろう。《命削りの宝札》のデメリットで捨てられないためにセットしたと見て間違いなかった。
「だが、それに何の意味がある? 俺のターン、ドロー!」
「このスタンバイフェイズに罠発動! 《重力解除》! フィールド上のモンスターの表示形式を変更する!」
「このタイミングで表示形式の変更だと? 馬鹿め、メインフェイズに変更すればいいだけだ!」
「残念ながら、貴様にメインフェイズは訪れない! 永続魔法、《燃え竹光》の効果! このカードが魔法・罠ゾーンに存在する状態で、自分が『竹光』カードを発動させた場合、次の相手のメインフェイズをスキップする!」
「なんだと!?」
「私は前のターン、《妖刀竹光》を既に発動させている」
前のターン、《武装再生》で戻した《妖刀竹光》をわざわざセットしてから発動したのはこのためだったのだ。
「くっ、俺のメインフェイズはスキップされ、バトルフェイズに――」
「だが、バトルフェイズも訪れない! 《地縛神ChacuChallua》の効果発動! このカードが守備表示の時、相手のバトルフェイズをスキップする!」
「バトルフェイズもスキップだと!?」
デュエルモンスターズのルールでは、バトルフェイズを行わなかった場合、メインフェイズ2に移ることは出来ない。
つまり、このコンボで万丈目はドローフェイズ、スタンバイフェイズ、エンドフェイズ以外の行動が取れなくなったということだった。
「くっ、このためにわざわざスタンバイフェイズで表示形式変更を……だが、次のターンさえ凌げば――」
「お忘れかな? 私が前のターンにサーチしたカードを!」
「サーチした……ッ!?」
思い出す。前のターン、ザルーグは《真刀竹光》をフィールドにセットしていたことを。
つまり、万丈目は次のターンも何も出来ずにターンを終えるということになる。
「くっ、ターンエンド」
万丈目 手札1枚 LP2000
フィールド ライト・エンド、ダーク・エンド
魔法・罠 リバース1枚
VS
ザルーグ 手札0枚 LP2300
フィールド チャクチャルア
魔法・罠 《地縛地上絵》、《燃え竹光》、リバース1枚
「私のターン! 私はセットしていた装備魔法、《真刀竹光》を発動、《地縛神ChacuChallua》に装備!」
「くっ!」
「これで、永続魔法、《燃え竹光》の効果が発動! 貴様は次のターンもメインフェイズがスキップされ、地縛神の効果でバトルフェイズ、メインフェイズ2もスキップされる!」
「だが、地縛神が守備表示なら、俺へのダメージも与えられない! 結局は遅延行為にすぎん!」
「それはどうかな? 《地縛神ChacuChallua》の更なる効果を発動! 一ターンに一度、攻撃権利を放棄することで、このカードの守備力の半分のダメージを相手に与える!」
「バーン効果を内蔵しているだと!?」
「お判り頂けたかな? 時間は私達の味方だ! 《地縛神ChacuChallua》の効果で、貴様に1200のダメージを与える!」
「万丈目サンダーを甘く見るな! 墓地の《ダメージ・イーター》の効果を発動! 相手がダメージを与える魔法・罠・効果モンスターの効果を発動させた時、墓地のこのカードを除外してライフを回復する効果に変更する!」
全身黄色の蛇のような体を持った悪魔がダメージを吸収してライフを回復させていく。
万丈目 LP2000→3200
「くっ! やるな!」
「これで俺を倒すのに三ターンはかかるぞ!」
「ならば、それまで動きを止めるまで! 手札から魔法カード、《アームズ・ホール》を発動! 通常召喚権を放棄し、デッキの一番上のカードを墓地へ送ることで、デッキ、墓地から装備魔法を一枚手札に加える! 私は墓地の《妖刀竹光》を回収! ターンエンド!」
ザルーグ 手札1枚 LP2300
フィールド チャクチャルア
魔法・罠 《地縛地上絵》、《燃え竹光》、《真刀竹光》
VS
万丈目 手札1枚 LP3200
フィールド ライト・エンド、ダーク・エンド
魔法・罠 リバース1枚
「俺のターン、ドロー! くっ、ターンエンド!」
ドローカードは現状を打破できる物では無かった。メインフェイズ、バトルフェイズ、メインフェイズ2がスキップされる以上、エンドする以外に手はない。
万丈目 手札2枚 LP3200
フィールド ライト・エンド、ダーク・エンド
魔法・罠 リバース1枚
VS
ザルーグ 手札1枚 LP2300
フィールド チャクチャルア
魔法・罠 《地縛地上絵》、《燃え竹光》、《真刀竹光》
「私のターン、ドロー! 魔法カード、《死者蘇生》! 墓地の私を復活させる!」
《首領・ザルーグ》
効果モンスター
☆4 闇属性 戦士族
ATK1400 DEF1500 攻撃表示
再びザルーグがトレーナーゾーンからフィールドに飛び出していった。
「さらに、《真刀竹光》の効果発動! 装備されているこのカードを墓地へ送り、デッキから最後の《妖刀竹光》を選び、私自身に装備する! そして、前のターン、手札に加えた《妖刀竹光》も発動! 私に装備! これで《燃え竹光》の効果が適用!」
「わざわざ《妖刀竹光》を二枚も装備しただと……?」
「これで私の勝利が確定した! 《妖刀竹光》には、このカード以外の竹光カードを手札に戻すことで、装備モンスターに直接攻撃が出来る効果を与えることが出来る!」
「雑魚の攻撃など、防いでみせる!」
「直接攻撃が出来ることが問題なのではない。竹光を回収できる効果が大切なのだ。これで私は毎ターン交互に、《妖刀竹光》を発動できる!」
「ッ!? 竹光が発動する度に、俺のメインフェイズはスキップされる……!」
「そして、《地縛神ChacuChallua》が守備表示でいる限り、バトルフェイズがスキップされ、連動してメインフェイズ2もスキップされる! 貴様はドローするだけのマシーンと化すのだ!」
こうなれば、直接攻撃が出来る効果付与したとしても、ザルーグは攻撃してこないだろう。万が一にも、《妖刀竹光》を装備したザルーグを失う訳にはいかないからだ。
「私は、《妖刀竹光》Aの効果を発動し、《妖刀竹光》Bを手札に戻す! これでザルーグはダイレクトアタックが出来るが攻撃はしない! 私は《地縛神ChacuChallua》の効果で、貴様に1200のダメージを与える!」
もう防ぐカードはない。地縛神の効果が万丈目の体にダメージを与えていく。
「ぐああああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!!」
万丈目 LP3200→2000
直接攻撃では無くても、地縛神の効果は万丈目に想像以上のダメージを与えていた。
「ふはははは、これでターンエンドだ!」
ザルーグ 手札1枚 LP2300
フィールド チャクチャルア、ザルーグ
魔法・罠 《地縛地上絵》、《燃え竹光》、《妖刀竹光》
VS
万丈目 手札2枚 LP2000
フィールド ライト・エンド、ダーク・エンド
魔法・罠 リバース1枚
「俺のターン、ドロー……ターンエンドっ!」
万丈目 手札3枚 LP2000
フィールド ライト・エンド、ダーク・エンド
魔法・罠 リバース1枚
VS
ザルーグ 手札1枚 LP2300
フィールド チャクチャルア、ザルーグ
魔法・罠 《地縛地上絵》、《燃え竹光》、《妖刀竹光》
誰の目にも万丈目の負けは明らか――だが、万丈目はまだ諦めては居なかった。
「私のターン! 手札の《妖刀竹光》Bを発動しザルーグに装備! そして、その効果で既に装備済みの《妖刀竹光》Aを手札に戻してザルーグにダイレクトアタックの効果を与える!」
「くっ、これでまた《燃え竹光》の効果で、俺のメインフェイズはスキップされる……!」
「ふふふ、そういうことだ。さらに《地縛神ChacuChallua》の効果発動! 攻撃権利を放棄することで、相手にこのカードの守備力の半分のダメージを相手に与える!」
再び、地縛神の効果が万丈目を襲っていく。チャクチャルアの守備力の半分1200が万丈目のライフから削られていった。
「ぐあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!」
万丈目 LP2000→800
「ふははははは! 次のターンで、我らの勝利よ! 私はこれでターンエンドだ!」
ザルーグ 手札2枚 LP2300
フィールド チャクチャルア、ザルーグ
魔法・罠 《地縛地上絵》、《燃え竹光》、《妖刀竹光》
VS
万丈目 手札3枚 LP800
フィールド ライト・エンド、ダーク・エンド
魔法・罠 リバース1枚
万丈目がデッキに指を置く。既に二回の地縛神の効果を受け、立っているのもやっとだが、それでも勝つことだけは諦めていなかった。
「――俺の、ターン!」
これが最後だと、カードをドローする。
「……このデュエル、俺の勝ちだ!!」
それは、万丈目がずっと待ち望んでいたカードだった。引いたカードをそのまま即座にデュエルディスクに差し込んでいく。
「スタンバイフェイズに速攻魔法、《サイクロン》を発動! 相手の魔法・罠カードを一枚破壊する!」
そう、速攻魔法だけはメインフェイズ以外でも発動が可能だった。そして、《サイクロン》は制限カード故に、デッキに一枚しか入れることが出来ない。
この土壇場で、万丈目はキーカードを引き当てたのだ。
「くっ、だがフィールド魔法《地縛地上絵》は地縛神が居る限り破壊されない! フィールド魔法を破壊しての地縛神破壊は出来ないぞ!」
「ならば、その面倒臭い永続魔法、《燃え竹光》を破壊する!」
「だが、既に《燃え竹光》の効果は適用されている! このターン、貴様のメインフェイズはスキップされることに変わりは無い! 一歩遅かったな!」
「そう思うならば、とどめを刺してみるがいい! 俺はこれでターンエンドだ!!」
万丈目 手札3枚 LP800
フィールド ライト・エンド、ダーク・エンド
魔法・罠 リバース1枚
VS
ザルーグ 手札2枚 LP2300
フィールド チャクチャルア、ザルーグ
魔法・罠 《地縛地上絵》、《燃え竹光》、《妖刀竹光》
「私のターン、ドロー!」
「貴様のスタンバイフェイズにリバースカードオープン!」
「このタイミングでリバースオープンだと!?」
「速攻魔法、《異次元からの埋葬》! ゲームから除外されているモンスターを三体まで墓地に戻すことが出来る! 俺は《超電磁タートル》と《ダメージ・イーター》を墓地へ戻す!」
ずっと伏せていたカードはブラフだった。
しかし、この状況になって、そのブラフが勝負を決める一手と変化する。
「くっ、デュエル中に一度しか効果が使えない《超電磁タートル》はともかく、《ダメージ・イーター》はまずい!」
効果ダメージが回復される以上、バーン効果で勝負が決められなくなり、攻撃でライフを削りきるしか手段はなくなった。
装備カード、《妖刀竹光》の効果でザルーグにダイレクトアタックをさせて、チャクチャルアは守備表示のままにしておくという手段もあるが、もしザルーグの攻撃を受けきられてしまったら、次の万丈目のターンでダーク・エンドの効果を使われてチャクチャルアは間違いなく処理されてしまうだろう。
「このターンで決めきるしかない! 私は全てのモンスターを攻撃表示に変更し、《妖刀竹光》Aをザルーグに装備! そして、その効果で《妖刀竹光》Bを回収して直接攻撃を可能にする!」
「ふっ、焦りが隠せていないぞ! もっと落ち着いたら見たらどうだ?」
「黙れ、バトルだ! 私自身でダイレクトアタック! これで終わりだ!」
《首領・ザルーグ》 ATK1400 VS万丈目 LP800
「だから落ち着けと言ったんだ! 俺は手札から《バトルフェーダー》の効果を発動! 相手モンスターの直接攻撃宣言時、手札からこのカードを特殊召喚することで、バトルフェイズを終了する!」
「なっ、バトルフェイズを終了するだと!?」
しまった――と、ザルーグが手札に目を落とす。手札には《守備封じ》の魔法カードがあった。
ライト・エンド、ダーク・エンド、どちらも攻撃力は2100。万丈目の言う通り、落ち着いてモンスターを攻撃表示に変更し、攻撃力2900のチャクチャルアで攻撃していれば、万丈目は攻撃を防げずにライフをゼロにされていただろう。
だが、ザルーグ自身もダイレクトアタックできるモンスターになっていたということもあって、万丈目のモンスターから意識が外れてしまっていた。
「くっ! リバースカードを一枚伏せ、ターンエンド!」
ザルーグ 手札2枚 LP2400
フィールド チャクチャルア、ザルーグ
魔法・罠 《地縛地上絵》、《燃え竹光》、《妖刀竹光》、リバース1枚
VS
万丈目 手札3枚 LP800
フィールド ライト・エンド、ダーク・エンド
魔法・罠 なし
「俺のターン、ドロー! これでようやくメインフェイズに行くことができる!」
「くっ!!」
「《ダーク・エンド・ドラゴン》の効果発動! 一ターンに一度、攻撃力、守備力を500ポイント下げることで相手モンスター一体を墓地へ送る! 消えろ、地縛神! ダーク・イヴァポレイション!!」
《ダーク・エンド・ドラゴン》 ATK2100→1600 DEF2100→1500
ダーク・エンドのステータス変動と同時に、闇に飲まれるように、チャクチャルアの巨体がフィールドから消えていく。
また、チャクチャルアが攻撃表示になっていたことで、万丈目に課せられていたバトルフェイズを行えないという制限も解除されていた。
「さらに、二体のドラゴンを攻撃表示に変更し、墓地の《武装竜の万雷》を除外して効果発動! 墓地のアームド・ドラゴン魔法カードを手札に加える! 俺は速攻魔法、《武装竜の霹靂》を回収し、そのまま発動! デッキからレベル3の《アームド・ドラゴン・サンダーLV3》を守備表示で特殊召喚する!」
《アームド・ドラゴン・サンダーLV3》
効果モンスター
☆3 風属性 ドラゴン族
ATK1200 DEF900 守備表示
しかし、万丈目は油断しない。最後の最後まで、本気で相手を倒しに行く。
「魔法カード、《死者転生》を発動! 手札を一枚捨て、墓地の《光と闇の竜》を手札に加える! そして、LV3と《バトルフェーダー》をリリースして、《光と闇の竜》をアドバンス召喚!!」
《光と闇の竜》
効果モンスター
☆8 光属性 ドラゴン族
ATK2800 DEF2400 攻撃表示
万丈目デッキの不動のエースが降臨し、ライト・エンドとダーク・エンドの間に降り立つ。
まさに、二体を従えているかのような風格。二体のドラゴンも、エースの登場に喜びの咆哮を上げていた。
「バトル! 《光と闇の竜》でザルーグに攻撃! シャイニングブレス!!」
《光と闇の竜》 ATK2800 VS《首領・ザルーグ》 ATK1400
光の一撃が、フィールドのザルーグを飲み込んでいく。
「罠カード、《聖なるバリア―ミラーフォース―》!! 相手の攻撃宣言時、相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する! これで、次のターンのダイレクトアタックで我らの勝利よ!!」
「言ったはずだ、俺の勝ちだと! 《光と闇の竜》の効果発動! 攻撃力、守備力を500ポイント下げ、カードの発動を無効にして破壊する!!」
「なにっ!?」
「これで、ミラーフォースの発動は無効となり、《光と闇の竜》の攻撃が有効となる!!」
《光と闇の竜》 ATK2800→2300 DEF2400→1900 VS《首領・ザルーグ》 ATK1400
裁きの光によってミラーフォースが砕かれ、光の一撃がザルーグに命中する。
「ぐわああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!」
ザルーグ LP2300→1400
ブレスの直撃を受け、ザルーグがプレーヤーゾーンまで吹っ飛ばされていく。これで、ザルーグのフィールドにモンスターはいなくなった。
「これで終わりだ! 《ライト・エンド・ドラゴン》でプレイヤーにダイレクトアタック! シャイニング・サプリメイション!!」
《ライト・エンド・ドラゴン》 ATK2100 VSザルーグ LP1400
ダーク・エンドは効果で地縛神を処理したので、とどめはライト・エンドに譲ったらしい。《光と闇の竜》にも負けない光の奔流が、逃げ場を失ったザルーグに直撃した。
「ぐわああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!」
ザルーグ LP1400→0
ギリギリの状況だったが、何とか万丈目の逆転勝利でデュエルは終了する。同時にソリッドビジョンが解除され、ザルーグが元のカードに戻っていった。
「ぐぅぅ、無念。済まぬ、お前達……」
「「「「お頭!!」」」」
ザルーグがカードになると同時に、残りの四人もカードとなっていく。闇のデュエルで負けてカードになった訳だが、ダークネスと違って精霊が元のカードに戻っただけだった。
見ると、近くにはザルーグがしていた闇のアイテムらしき眼帯が近くに落ちている。しかし、今は万丈目の方が大切だと言わんばかりに、遊矢は万丈目の所へ駆けつけに行った。
「万丈目、大丈夫か?」
「……万丈目さんだ! この俺を甘く見るな遊矢。この程度、どうということはない!」
とはいえ、口では強がっているものの、立っているのがギリギリという感じだ。ダメージだけなら三沢にも負けていない。ツッコミを入れられた遊矢がそのまま黙って肩を貸す。
「しかし、メインフェイズやバトルフェイズをスキップしてのバーン……あんなデュエルもあるんだな」
「フン、俺だから何とかなったが、十代……貴様なら何も出来ずに負けていただろうな」
「でも、よくあの状況を覆せたわね。《サイクロン》を引く確率はそこまで高くなったでしょうに」
「天上院君、この万丈目サンダーに不可能はないんだ」
「万丈目君、一応落ちてた黒蠍団のカード拾っておいたよ」
「何で俺に渡す!? まぁ、預かっといてやるが……」
そう言って、翔からカードを受け取る。もうこのデュエルアカデミアで精霊担当は万丈目になりつつあった。
「とりあえず、保健室にいくんだな」
「……正直、鮎川先生に会いたくないが、そうも言っていられないか」
万丈目も話が出来るくらいの元気はあるようだが、体がボロボロなのは間違いない。隼人の言う通り、保健室に行くべきだろう。
ただ、三沢の怪我の時にも、鮎川先生に怒られたばかりだったので、万丈目も保健室に行くのはあまり気が乗らないようだった。
原作との変化点。
・#39『名探偵サンダーVS黒サソリ盗掘団』より、ダレるので三田一(サンダー)少年の事件簿パートをカットした。
これが小説ではなく漫画だったなら、三田一君と名探偵遊矢(EDミルキィネタ)の共演もあったかもしれない。ぶっちゃけ、デュエルしないと駄目だからそもそも隠す意味ないしね。
・懐かしのトマハンに見せかけての竹光チャクチャルア。
地縛神割り振ってるときから、ザルーグにはチャルアと決めていた。昔は竹光ザルーグもあって、竹光繋がりで使えると思った。
・サンダーが一時リタイア。
流石に8000ダメージ受けた三沢程ではないが、地縛神の効果を何度も受けていたので万丈目もボロボロになった。強がってはいるが、遊矢の支えがないと立てないレベル。