万丈目も無事に保健室の仲間に加わり、代わりに亮が前線に復帰した。まだ完全回復ではないが、普通に動く分にはもう問題ないらしい。
ただ、闇のデュエルはもう少し控えた方が良いだろうということで、出番は遊矢達が全滅した後にお願いしている。それは病み上がりの十代も同じなのだが、どうも十代は「もう大丈夫だって」と言って、遊矢達の言葉を聞こうとしなかった。
そんなある日のこと。遊矢、十代、翔、隼人、亮、明日香の六人は、突如として謎のゾンビに襲われ、黄金の飛行船に連れ去られてしまった。
このメンバーということは、まず間違いなくセブンスターズが関係していると見て間違いないが、十代の近くにいた翔や隼人と違って、何故か寮に居るはずの大徳寺までおり、「何で、先生がこんな目に……」と、自分が巻き込まれたことを嘆いている。
こちらがある程度、現状の確認をしていると、遊矢達を呼び出してあるセブンスターズが姿を現した。
相手は自身のことをアビドス三世――と、古代エジプトで無敗だったデュエリストの名を名乗り、こちらにデュエルを申し込んでくる。
十代が真っ先に受けて立とうとしたが遊矢が止めた。本人は大丈夫と言ってはいるが、病み上がりの十代を戦わせるよりも自分が行くべきだろうと判断したのだ。
既に七精門を守るこちらのデュエリスト達も、一人が負け、一人は引き分け、一人は現在戦闘不能、二人が病み上がり、まともに戦えるのは遊矢と明日香の二人だけしかいない。とはいえ、女性の明日香に先陣を切らせる程、遊矢も非道ではなかった。
「相手は俺だ。それでいいか、最強のデュエリストさん?」
「構わん。しかし、最強ではない。その最強時代のデッキは、この世界のカードでは再現できないとアムナエルに言われてな。仕方なく、奴の用意したデッキを使っている」
古代エジプトでは、カードの代わりに石板を使ってデュエルをしていたらしいが、当然当時には有って今はないカードもあるのだろう。
十代は「ちぇっ」とつまらなさそうな声を出したが、遊矢にしてみれば有難いことだった。
それよりも問題は、またセブンスターズの口から、共通の人物の名が出てきたことである。
「また、アムナエルか……」
「なんだ、アムナエルのことが気になるか? とはいえ、余もそこまで親しい訳ではない。奴が余を蘇らせてセブンスターズとなってくれと頼んできたので、暇つぶしに引き受けたにすぎん」
経緯自体は、タニアと大体同じだった。おそらく、これ以上の接触はないだろうし、問い詰めても意味はない。
ただ、遊矢にはまだ確認すべき事が残っていた。
「アビドス三世。デュエルの前に一つ、聞きたいことがあるんだけど……いいかな?」
「なんだ?」
「これ、アンタと同じセブンスターズのカミューラって言って、闇のデュエルで負けて人形になったんだけど……」
「知らんな」
「まぁ、知ってる知らないはどうでもいいんだ。これ、直せるか? 俺が勝ったら元に戻してやって欲しいんだけど」
そう言って、カミューラ人形を投げ渡す。
前に約束したタニアは大怪我で約束云々という状態ではないし、前回の黒蠍団とのデュエルでは、あまりに突発的にデュエルが始まって聞く暇もなかったが、遊矢としてはできれば早くカミューラを元に戻して話を聞きたかった。
「ふむ。まぁ、そこまで難しい術式ではないな」
受け取った人形を見ながら、アビドス三世もタニアと同じようなことを言っている。
「よかろう、貴様が勝ったらこの術式解いてやる」
「約束したぞ」
投げ返されたカミューラ人形を遊矢が受け取ると、お互いにデュエルディスクを構えた。
とはいえ、相手は仮にも古代エジプトの最強デュエリストであり、おそらくは地縛神を使ってくる。全盛期ほどの力はないとはいえ、決して油断できる相手ではなかった。
「「デュエル!!」」
先攻はアビドス三世。お互いに手札を五枚になるように引いていく。
「余のターン、ドロー! 手札から《溟界の滓―ヌル》の効果を発動! このカードを手札から墓地へ送ることで、デッキから爬虫類族・闇属性モンスター一体を墓地へ送る! 余は手札のヌルを墓地へ送り、デッキから《地縛神Ccarayhua》を墓地へ送る!」
「早速、地縛神を墓地に……!」
「さらに、手札の《溟界の滓―ナイア》の効果も発動! このカードもヌルと同じく、手札から墓地へ送ることで、デッキから爬虫類族・光属性モンスター一体を墓地に送る! 余は手札のナイアとデッキの《溟界の黄昏―カース》を墓地へ送る!」
あからさまな墓地肥やし。さらにはキーカードであろう地縛神までもが墓地へ送られている。
「フフフ、こやつらは古代エジプトの神の名を冠した、余が操るに相応しきモンスター達よ」
遊矢も溟界というカテゴリーに詳しくはないが、どうやらアビドス三世のデッキはエジプト神話をモチーフにしたデッキらしい。
「余は墓地の《溟界の滓―ヌル》の効果を発動! 自分フィールドにモンスターが存在しない場合、又は『溟界』モンスターが存在する場合、このカードを墓地から特殊召喚できる! 甦れ、ヌル!」
《溟界の滓―ヌル》
効果モンスター
☆4 光属性 爬虫類族
ATK0 DEF0 守備表示
それは全身が黒く羽根の生えた蛇だった。金色の蓮花の上に鎮座しており、金のネメスを被っている。
爬虫類族と宣言していたので、自ずとそれらのモンスターだということは察していたが、アビドス三世が言う通り古代エジプトの神の名を冠するだけあって神々しさがあった。
「さらに《溟界の漠―フロギ》を召喚!」
《溟界の漠―フロギ》
効果モンスター
☆4 光属性 爬虫類族
ATK1800 DEF1400 攻撃表示
全身が黒く、黄金の鎧を身に纏っている。鎧の頭部は赤い四目を模した蛇のようにも見え、左右の手には黄緑色の長剣が握られていた。
「余は、レベル4のヌルとフロギで、オーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!」
「古代エジプトの王がエクシーズ!?」
「ふふふ、余はしっかりとこの世界のデュエルを勉強済だ。王たるもの、流行には乗らんとな」
どうやら、アビドス三世は意外と新しいもの好きらしい。
「出でよ、ランク4! 《キングレムリン》!!」
《キングレムリン》
効果モンスター エクシーズ
ランク4 闇属性 爬虫類族
ATK2300 DEF2000 攻撃表示
名前の通り、グレムリンの王のようで、全身がかなり筋肉質なグレムリンがフィールドに現れる。
「《キングレムリン》の効果を発動! 一ターンに一度、オーバーレイユニットを一つ使い、デッキから爬虫類族モンスター一体を手札に加える! 余は、《溟界の漠―ゾーハ》を手札に!」
ヌルには、自身の特殊召喚効果で墓地から特殊召喚された場合、フィールドから離れる時にゲームから除外されるデメリット効果があるが、オーバーレイユニットとして変質しているので、効果は発動せず、そのまま墓地へ送られていた。
「さらに余は、墓地の《溟界の黄昏―カース》の効果を発動! 自分フィールドのモンスター一体をリリースすることで、このカードを墓地から特殊召喚できる! 余は《キングレムリン》をリリースし、カースを守備表示で特殊召喚!」
《溟界の黄昏―カース》
効果モンスター
☆8 光属性 爬虫類族
ATK400 DEF2400 攻撃表示
場の《キングレムリン》の魂を糧に、墓地から金色の鎧を纏った戦士が復活する。しかし、足は大量の黒蛇で出来ており、手と背には太陽を模した黄金の杖と飾りを身に着けていた。
「蘇ったカースの効果! このカードが特殊召喚に成功した場合、自分の墓地のレベル4以下の溟界モンスター一体を特殊召喚する! 甦れ、《溟界の滓―ナイア》!」
《溟界の滓―ナイア》
効果モンスター
☆4 闇属性 爬虫類族
ATK0 DEF2000 守備表示
同じ溟界の滓という名から、どうやらヌルと対になるモンスターのようだった。見た目はよく似ているが、ヌルが一匹だったのに対し、ナイアは二匹の蛇が金色の蓮花の上で動き回っている。
二匹とも頭には金のネメスが被されており、ヌルを二匹にしたらこんな感じになりそうだった。
「ナイアの効果発動! このカードが召喚・特殊召喚された場合、デッキから『溟界』魔法・罠カード一枚を手札に加える。加えるのは速攻魔法、《黎溟界闢》! 余はカードを一枚伏せてターンエンドだ」
アビドス 手札4枚 LP4000
フィールド カース、ナイア
魔法・罠 リバース1枚
VS
遊矢 手札5枚 LP4000
フィールド なし
魔法・罠 なし
引いた《黎溟界闢》をそのまま伏せるという剛毅なプレイング――それだけ自分の力に自信があるのだろう。
「俺のターン!」
遊矢がカードをドローする。
相手は古代エジプトで生涯無敗だった伝説を持つデュエリストだ。下手に手を抜こうものならその時点で瞬殺されてもおかしくない。序盤から全力で行かないと流れを一気に持って行かれそうだった。
「俺は、スケール2の《EMドラネコ》と、スケール6の《EMリザードロー》でペンデュラムスケールをセッティング!!」
遊矢お得意のペンデュラムが展開され、フィールドの両端に光の柱が現れる。これでレベル3~レベル5までのモンスターが同時に召喚可能となった。
「リザードローのペンデュラム効果! もう片方のペンデュラムゾーンに『EM』カードが存在するので、このカードを破壊してデッキからカードを一枚ドローする! そして、ドローしたスケール8の《EMオッドアイズ・バレット》でペンデュラムスケールを再セッティング!!」
これでリザードローをEXデッキに送れた上に、レベル7までのモンスターを同時に召喚可能になる。
「揺れろ、魂のペンデュラム! 天空に描け、光のアーク! ペンデュラム召喚! 現れろ、俺のモンスター達! まずはエクストラデッキから、レベル3、《EMリザードロー》! レベル4、《EMシルバー・クロウ》! そしてレベル7、雄々しくも美しい二色の眼、《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!!」
《EMリザードロー》
効果モンスター ペンデュラム
☆3 地属性 爬虫類族
ATK1200 DF600 攻撃表示
《EMシルバー・クロウ》
効果モンスター ペンデュラム
☆4 闇属性 獣族
ATK1800 DEF700 攻撃表示
《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》
効果モンスター ペンデュラム
☆7 闇属性 ドラゴン族
ATK2500 DEF2000 攻撃表示
三体のモンスターが同時に召喚されていく。未だ、遊矢しか行えないこのペンデュラム召喚を見て、流石のアビドス三世も感嘆の声を上げているようだった。
「成程、これが噂のペンデュラム召喚とやらか。生で見るのは初めてだが、本当に上級モンスターまでもリリースなしで召喚してくるとはな……」
「まだまだ! オッドアイズの攻撃力は2500! そして、シルバー・クロウには攻撃宣言時にEMモンスターの攻撃力を300上げる効果がある! バトルだ!」
「おっと、ならば貴様のメインフェイズ終了前に、速攻魔法、《黎溟界闢》を発動! 自分フィールドの爬虫類族モンスター一体をリリースし、そのモンスターのレベル2につき一体まで自分フィールドに《溟界トークン》を特殊召喚する! 余はカースをリリース!」
「っ、カースのレベルは8……!」
「よって、余のフィールドに四体の《溟界トークン》が守備表示で特殊召喚される!」
《溟界トークン》×4
トークン
☆2 闇属性 爬虫類族
ATK0 DEF0 守備表示
真っ黒い蛇のトークンが出現する。これで、壁モンスターを破壊してダイレクトアタックに繋げることは出来なくなってしまった。
「なら、トークンを倒すまで! シルバー・クロウとリザードローで、《溟界トークン》に攻撃! この瞬間、シルバー・クロウの効果発動! バトルフェイズ終了時まで『EM』モンスターの攻撃力を300ポイントアップする! 」
《EMシルバー・クロウ》 ATK1800→2100 VS《溟界トークン》 DEF0
《EMリザードロー》 ATK1200→1500 VS《溟界トークン》 DEF0
二体のモンスター達がトークンを破壊していく。
「さらに、オッドアイズで守備表示のナイアに攻撃! 螺旋のストライクバースト!!」
《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》 ATK2500 VS《溟界の滓―ナイア》 DEF2000
ナイアもレベル4モンスターにしては守備力が高い方だが、それでもオッドアイズの攻撃を受けきれずに爆散していった。
「カースの効果で特殊召喚されたナイアはフィールドを離れる場合、ゲームから除外される。ふっ、だがまだ余のフィールドには二体の《溟界トークン》が残っているぞ」
「俺は、リバースカードを二枚伏せてターンエンド」
遊矢 手札0枚 LP4000
フィールド オッドアイズ、シルバー・クロウ、リザードロー
魔法・罠 リバース2枚
ペンデュラム ドラネコ、バレット
VS
アビドス 手札4枚 LP4000
フィールド トークン×2
魔法・罠 なし
「余のターン、ドロー! 魔法カード、《苦渋の選択》を発動! デッキからカードを五枚選択して相手に見せ、相手はその中から一枚を選ぶ。選んだカードを手札に加え、残りは墓地へ捨てる! 余が選ぶのは、この五枚だ」
そう言って出されたのは、《キラー・スネーク》、《溟界王―アロン》、《溟界妃―アミュネシア》、《溟界神―オグドアビス》、《溟界神―ネフェルアビス》の五枚だった。
選ばれた五体の内、《キラー・スネーク》以外の全てが溟界モンスターで、それもレベル8以上の最上級モンスターであり、アビドス三世の狙いはこれらのモンスターを墓地に送ることなのは明白。
しかし、だからと言って、安易に溟界モンスターを選択して《キラー・スネーク》も墓地へ送りたくはなかった。このカード――いや、そもそも《苦渋の選択》が遊矢の世界では禁止カードである。1/5でサーチ、4/5で墓地肥やしができるこのカードのどこが苦渋なのか未だに理解が出来ない。
また、《キラー・スネーク》も当然のようにエラッタ前なので、このカードも禁止カードだった。毎ターンのスタンバイフェイズに、墓地から手札に戻るという単純な効果だが、単純故に強力であり、このカードが一枚あるだけで手札コストには困らなくなる。
しかし、溟界の蘇生効果を見るに、相手が墓地からの特殊召喚を狙っている以上、手札に上級モンスターが居ても邪魔になるだけなのは間違いないはずだ。ならば、出来るだけレベルの高いモンスターを手札に加えさせた方がまだマシだと、遊矢は判断した。
「俺は、《溟界神―ネフェルアビス》を選ぶ」
「では、残りの四枚は墓地へ送る」
これで墓地には十体近く爬虫類族モンスターが溜まっていることになる。何かの拍子に爆発しても、遊矢は驚かなかった。
「ふっ、貴様が上級モンスターを選択してくるのも予想の内よ。余は魔法カード、《十種神鏡陣》を発動! レベルの合計が10になるように、自分の手札、又はフィールドの表側表示モンスターの中から任意の枚数だけモンスターを墓地に送ることでカードを二枚ドローする!」
「レベル10……!」
「気付いたようだな。先程、《苦渋の選択》で手札に加えたネフェルアビスはレベル10のモンスター、故に手札のこのカードを墓地に送り、カードを二枚ドローする!」
これで、手札で腐らせていた上級モンスターも処理され、手札は5枚。何でも出来ると言っていい。
「余は、墓地の《溟界の滓―ヌル》の効果を再び発動! 自分フィールドが『溟界』モンスターのみなので、墓地よりヌルを特殊召喚する!」
《溟界の滓―ヌル》
効果モンスター
☆4 光属性 爬虫類族
ATK0 DEF0 守備表示
再び、ヌルが墓地より復活していく。
「さらに余は、《溟界の漠―ゾーハ》を召喚!」
《溟界の漠―ゾーハ》
効果モンスター
☆4 闇属性 爬虫類族
ATK1500 DEF1700 攻撃表示
ブロギのように全身が黒く、黄金の鎧を着ている。しかし、下半身は蛇で、手に持っている剣も、ブロギと違って一刀だけだった。
「フィールド魔法、《溟界の淵源》を発動! このカードがある限り、自分フィールドの表側表示の爬虫類族モンスターが戦闘又は相手の効果で破壊された場合、相手フィールドのカード一枚を墓地へ送る」
つまり、相手モンスターを破壊する度に、遊矢のフィールドのカードは除去されていくということだ。
おまけに、破壊された場合なので、トークンを破壊しても発動する。最悪、自爆特攻も可能であり、これで遊矢は迂闊に相手モンスターを破壊できなくなった。
「くっ……!」
「ふふっ、これで下準備は全て終わった」
相手のフィールドにはトークンも含めて爬虫類族モンスターが四体。墓地にはその倍の数の爬虫類族モンスターがいる。
「余は、墓地の《溟界王―アロン》の効果を発動! このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのモンスター二体をリリースし、墓地からこのカードを特殊召喚する! 余はトークンとヌルをリリース! 甦れ、《溟界王―アロン》!!」
《溟界王―アロン》
効果モンスター
☆8 光属性 爬虫類族
ATK2500 DEF2800 攻撃表示
王の名を冠するモンスターだけあって、他の溟界モンスターのように黄金の鎧を身に纏いながらも、顔にはモチーフになったであろうエジプト神アメンの化身である羊と同じ角が付いている。
また、手に持っているコブラを模した錫杖にも、アメンの象徴とされる二枚の羽根飾りがついており、まさに支配者の風格が漂っていた。
「墓地から特殊召喚する効果を使ったヌルがフィールドを離れる場合、ゲームから除外される。だが、この瞬間、余は墓地の速攻魔法、《黎溟界闢》の効果発動! 墓地のこのカードを除外することで、除外状態の爬虫類族モンスター一体をデッキに戻し、その後デッキから爬虫類族モンスター一体を墓地へ送る! 余はヌルをデッキに戻し、デッキから《溟界の昏闇―アレート》を墓地へ!」
これで除外されたヌルが再利用可能となる。
「さらに墓地の《溟界神―ネフェルアビス》の効果! このカードが墓地に存在する状態で、自分か相手の手札、デッキからモンスターが墓地へ送られた場合、このカードを墓地より特殊召喚する! 今、余のデッキからアレートが墓地に送られたことで条件は満たされた! 甦れ、《溟界神―ネフェルアビス》!!」
《溟界神―ネフェルアビス》
効果モンスター
☆10 闇属性 爬虫類族
ATK2200 DEF3100 攻撃表示
遂に神の名を冠する溟界モンスターが現れた。
真っ黒な羽根を広げ、まさに龍というべき姿をしているが、顔は蛇であり爬虫類族である。しかし、地縛神までとは行かないが、強大な姿をしており、攻撃力もオッドアイズを上回っていた。
「強力な効果だが、それ故に枷もある。ネフェルアビスの自己蘇生効果発動後、次の自分のターン終了時まで、余は爬虫類族モンスターしか特殊召喚出来なくなる。これは困ったな、フハハハハハ」
どう見ても全く困っていない。おそらく、デッキのモンスター全てが爬虫類族なのだろう。
「続けて余は、墓地の《溟界妃―アミュネシア》の効果を発動! このカードもアロン同様、自分フィールドのモンスター二体をリリースすることで墓地から特殊召喚できる! 余はトークンとゾーハをリリース! 甦れ、《溟界妃―アミュネシア》!!」
《溟界妃―アミュネシア》
効果モンスター
☆8 闇属性 爬虫類族
ATK2700 DEF2100 攻撃表示
王の妃だけあって、まるでアロンと対を成すように同じ錫杖を持っている。王、妃、神とエースモンスターが続々と復活していた。
「そして、墓地に送られたゾーハの効果を発動! 相手はデッキからカードを一枚ドローし、余はデッキからゾーハ以外の溟界モンスター一体を手札に加え、その後お互いのプレイヤーは手札を一枚選んで墓地へ送る」
「カードを一枚ドローして、そのまま墓地に送る」
「余はデッキからヌルを回収し、そのまま墓地へ送る。この瞬間、さらにアミュネシアの効果が発動! 相手の手札・デッキからモンスターが墓地へ送られた場合、自分の墓地からアミュネシア以外の光・闇属性の爬虫類族モンスター一体を特殊召喚する!」
場合なので、全てタイミングを逃さない。おまけに遊矢がゾーハの効果で墓地へ送ったのはモンスターカードだった。
「アミュネシアの効果で、余は墓地から《溟界神―オグドアビス》を特殊召喚する!」
《溟界神―オグドアビス》
効果モンスター
☆10 光属性 爬虫類族
ATK3100 DEF2200 攻撃表示
ネフェルアビスと同じく神の名を冠する『溟界』モンスター。しかし、ネフェルアビス同様に、大きな漆黒の翼を持つ、龍にも似た蛇だった。互いに対を成しているのは間違いなく、二体の神が王と妃と並ぶことで、圧倒的存在感を放っている。
「最後に《溟界神―ネフェルアビス》の効果! このカードが墓地から特殊召喚されている場合、ネフェルアビス以外の自分の墓地のモンスター一体を特殊召喚する」
「最後の一体……まさか!?」
「さぁ、満を持して出でよ! 《地縛神Ccarayhua》!!」
《地縛神Ccarayhua》
効果モンスター
☆10 闇属性 爬虫類族
ATK2800 DEF1800 攻撃表示
巨大なトカゲの頭が、飛空艇の上に姿を現す。こちらは空を飛んでいるにも関わらず、それでもまだ地縛神の方が高さが上だった。
「どうだ? 余の力は!! 貴様のモンスターに、これら五体の攻撃を受けきることは出来まい!?」
「くっ……!」
「バトルだ! まずは《地縛神Ccarayhua》で、プレイヤーにダイレクトアタック!!」
《地縛神Ccarayhua》 ATK2800 VS遊矢 LP4000
巨大なトカゲの手が、船ごと遊矢を潰そうと襲い掛かってくる。相手モンスター全ての攻撃を通せば、遊矢のライフはゼロになるだろう。
故に、遊矢も対策はしていた。
「罠カード、《エンタメ・フラッシュ》! 自分フィールドにEMモンスターが存在する場合、相手フィールドの表側表示モンスターは全て守備表示になり、次のターン終了時まで表示形式を変更できない!」
これで、五体の爬虫類族モンスター総攻撃は一旦防げている。守備表示になってしまえば、いくら強力なモンスターとはいえ、その力を振るうことは出来ない。
「ちっ、ならばメインフェイズ2で《溟界神―オグドアビス》の効果を発動! このカードがフィールドで表側表示で存在する限り一度だけ、墓地から特殊召喚されたモンスター以外の自分、相手モンスター全てを墓地へ送る!」
「なっ!?」
「余のフィールドは全て墓地より蘇ったモンスターだ。よって、この効果は貴様のモンスターのみ適用される! この効果は相手ターンでも発動できるが、モンスターは残させはせん!」
「くっ、フィールドのペンデュラムモンスターは墓地へは行かず、EXデッキに表側表示で加わる!」
「ほう、それは何とも面妖な……余はカードを三枚伏せてターンエンドだ」
強気に手札を全て伏せてきた。おそらく、様子見は終了ということなのだろう。だが、遊矢もアビドス三世が攻め気を出してくるのをずっと待っていた。
「このエンドフェイズ! 罠カード、《裁きの天秤》を発動! 相手フィールドのカードが自分の手札・フィールドのカードの合計よりも多い場合、その差の分だけドローする!」
「余のフィールドのカードは九枚!」
「俺はペンデュラム二枚と《裁きの天秤》の三枚、手札はゼロ! よって、その差六枚をドロー!!」
「くっ、オグドアビスの効果を逆手に――だが、貴様がドローフェイズ以外でカードを手札に加えたことで、アロンの効果を発動! 相手の手札をランダムに一枚捨てる!」
六枚から一枚が墓地へと捨てられていく。だが、これで遊矢は手札を大幅に回復することが出来た。
「チッ、今度こそターンエンドだ」
アビドス 手札0枚 LP4000
フィールド コカライア、オグドアビス、ネフェルアビス、アロン、アミュネシア
魔法・罠 《溟界の淵源》、リバース3枚
VS
遊矢 手札5枚 LP4000
フィールド なし
魔法・罠 なし
ペンデュラム ドラネコ、バレット
流石のタクティクスとも言うべきか。これには対峙している遊矢だけではなく、応援している十代達も言葉が出ずにいる。これまでのセブンスターズも一癖二癖ある実力者だったが、アビドス三世は目に見えてわかる強者だった。
墓地を利用した高レベルモンスターの特殊召喚もそうだが、その多彩な効果で相手を苦しめている。流石は古代エジプトにて無敗の記録を持つ男だけのことはあった。
「――俺のターン!」
「この瞬間、罠カード《毒蛇の供物》を発動! 自分フィールドの爬虫類族一体と、相手フィールドのカード二枚を破壊する! 余はネフェルアビスを破壊し、貴様の二枚のペンデュラムを破壊!」
「ペンデュラムを封じてきたか……!」
オグドアビスの効果でEXデッキに加わったモンスター達を再利用されるのを嫌ったと見ていいだろう。
しかし、この手札ならまだ戦うことが出来た。
「なら、俺はスケール1の《星読みの魔術師》とスケール8の《時読みの魔術師》でペンデュラムスケールをセッティング!!」
「ええい、やはりまだいたか……!」
アビドス三世もペンデュラムを張り替えてくる可能性は考慮していたようで苦々しい声を出している。
おまけに、先程までと違ってこれでレベル2から7までのモンスターが同時に召喚可能となっていた。
「再び揺れろ、魂のペンデュラム! 天空に描け、光のアーク! ペンデュラム召喚! 手札から、《EMオッドアイズ・シンクロン》! 《EMトランプ・ガール》! そして、EXデッキより蘇れ、《EMシルバー・クロウ》! 《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!!」
《EMオッドアイズ・シンクロン》
効果モンスター チューナー ペンデュラム
☆2 闇属性 魔法使い族
ATK200 DEF600 守備表示
《EMトランプ・ガール》
効果モンスター ペンデュラム
☆2 闇属性 魔法使い族
ATK200 DEF200 守備表示
《EMシルバー・クロウ》
効果モンスター ペンデュラム
☆4 闇属性 獣族
ATK1800 DEF700 攻撃表示
《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》
効果モンスター ペンデュラム
☆7 闇属性 ドラゴン族
ATK2500 DEF2000 攻撃表示
手札とEXデッキから新たに二体ずつモンスターが特殊召喚されていく。ターンを回せば回すほど、出て来るモンスターが増えるのがペンデュラムの強みの一つだ。
アビドス三世もそれを早期に理解したからこそ、ペンデュラムを封じようとしてきたのだろう。
「俺はオッドアイズ・シンクロンの効果を発動! 一ターンに一度、自分のペンデュラムゾーンのカードを一枚選択し、効果を無効にして特殊召喚する! 来い、星読み!」
《星読みの魔術師》
効果モンスター ペンデュラム
☆5 闇属性 魔法使い族
ATK1200 DEF2400 守備表示
ペンデュラムゾーンから《星読みの魔術師》がフィールドに飛び降りてくる。
「そして、オッドアイズ・シンクロンの効果で、特殊召喚したモンスター1体とこのカードでシンクロ召喚する!」
「ぬっ、シンクロ召喚だと!?」
「俺は、レベル5の《星読みの魔術師》に、レベル2の《EMオッドアイズ・シンクロン》をチューニング!」
星読みの魔術師がその姿を五つの星に変え、オッドアイズ・シンクロンが二つの光の環となり、五つの星を導いていく。
「――その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て! シンクロ召喚! 現れろ、レベル7! 《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》!!」
《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》
効果モンスター シンクロ
☆7 風属性 ドラゴン族
ATK2500 DEF2000 攻撃表示
オッドアイズと同じく、遊矢の頼りにするドラゴンの一体。その白き体を震わせながら、相手を威嚇せんと咆哮していく。
「続けて、《EMトランプ・ガール》の効果! 一ターンに一度、融合モンスターによって決められた、このカードを含む融合素材モンスターをフィールドから墓地へ送り、その融合モンスターを融合召喚する! 俺はフィールドの闇属性のトランプ・ガールとシルバー・クロウを融合!」
「シンクロに続いて融合だと!?」
「誇り高き銀狼よ、あやかしの技を操りし者と一つとなりて、新たな道を指し示せ!」
両手を合わせ、エクストラデッキからモンスターを呼び出す。
「――融合召喚! 現れろ、飢えた牙持つ毒龍! レベル8、《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》!!」
《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》
効果モンスター 融合
☆8 闇属性 ドラゴン族
ATK2800 DEF2000 攻撃表示
クリアウィングに続いてのドラゴンモンスター二連続に、十代が「いっけー!」と声を上げる。スターヴ・ヴェノムもそれに同調するように、大きな咆哮を上げた。
「スターヴ・ヴェノムの効果発動! このカードが融合召喚に成功した場合、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター一体を選び、その攻撃力分このカードの攻撃力をターン終了時までアップする! 俺はオグドアビスの攻撃力をスターヴ・ヴェノムに加える!」
相手フィールドのモンスターは墓地から特殊召喚したモンスター故、全てのモンスターが対象となる。その中で一番大きい攻撃力を持つモンスターを遊矢は選択した。
《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》 ATK2800→5900
「さらに、スターヴ・ヴェノムのモンスター効果! 一ターンに一度、相手フィールドのレベル5以上のモンスター一体の元々のカード名と効果を得る! 俺は地縛神を選択し、そのカード名とダイレクトアタック効果を得る!」
これにより、スターヴ・ヴェノムは《地縛神 Ccarayhua》となり、アビドス三世の強力モンスターを無視してダイレクトアタックが出来るようになる――
「クハッ!」
――はずだった。
「クハハハハハハ! 神の名を騙る愚か者め! 地縛神はフィールドに一体しか存在することを許されぬ!!」
「なにっ!?」
「これは全ての地縛神に共通する効果! 故に、後から現れた偽物には天罰が下る!!」
効果により、地縛神となったスターヴ・ヴェノムが急にその体を膨らませて爆散していく。
地縛神はフィールドに一体しか存在できない故、名前をコピーしたり、二体目が出た時には後から出た方が破壊されるという効果があった。これは分類されない効果故に、クリアウィングの効果でも無効にすることは出来ない。
「っ、スターヴ・ヴェノム!!」
「地縛神ならぬ自爆神の出来上がりだな! フハハハハハハハハハ!!」
「まだだ! スターヴ・ヴェノムの効果! 融合召喚されたこのカードが破壊された場合、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する!」
「なにっ!? くっ、余のモンスターは全て特殊召喚されたモンスター……!」
大爆笑していたアビドス三世だったが、その笑いも止まる。スターヴ・ヴェノムの爆発が自身のフィールドまで及び、残る全てのモンスターを誘爆していった。
「ならば! 速攻魔法、《禁じられた聖衣》を発動! ターン終了時まで、《地縛神Ccarayhua》の攻撃力を600下げることで、効果の対象にならず効果で破壊されなくなる!」
《地縛神Ccarayhua》 ATK2800→2200
「っ、逃したか!」
「《地縛神 Ccarayhua》にも、貴様のスターヴ・ヴェノムに似た、効果破壊された時にフィールドのカードを全て破壊する効果があるが、貴様のターンでは少々使いにくいのでな!」
自分のリバースカードやフィールド魔法を犠牲にしてまで、遊矢のフィールドを破壊することにメリットを感じないということだろう。
実際、残りの手札で遊矢に体勢を立て直されたらワンキルも有り得る。まだ遊矢に通常召喚権も残っていることをアビドス三世は見逃していなかった。
「だが、余の爬虫類族モンスターが貴様の効果で破壊されたことで、フィールド魔法《溟界の淵源》の効果を発動! 相手フィールドのカード一枚を墓地へ送る! 余は《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》を墓地に送る!」
「クリアウィング!」
「さらに、罠カード、《溟界の呼び蛟》を発動! 自分フィールドに溟界トークン二体を特殊召喚する――が、自分の墓地に溟界モンスターが八種類以上存在する場合、代わりに墓地からカード名が違う爬虫類族モンスター二体を特殊召喚する!」
アビドス三世の墓地には、ヌル、フロギ、ゾーハ、カース、アレート、アロン、アミュネシア、オグドアビス、ネフェルアビスの九種類が存在している。
よって、墓地から爬虫類族モンスター二体を特殊召喚する効果の条件を満たしていた。
「蘇れ! 《溟界神―オグドアビス》、《溟界神―ネフェルアビス》!!」
《溟界神―オグドアビス》
効果モンスター
☆10 光属性 爬虫類族
ATK3100 DEF2200 攻撃表示
《溟界神―ネフェルアビス》
効果モンスター
☆10 闇属性 爬虫類族
ATK2200 DEF3100 攻撃表示
二体の溟界神が復活し、再びアビドス三世のフィールドを盤石にしていく。
オグドアビスには相手ターンでも発動できる墓地送り効果が、ネフェルアビスには墓地の爬虫類族を蘇生させる効果があった。
厳しい状況は変わらない。
しかし、アビドス三世が最後のリバースカードを発動させたことで、遊矢はこのデュエルに勝利するための道を見つけることが出来た。
「俺は魔法カード、《死者蘇生》を発動! 墓地の《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》を特殊召喚する!」
《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》
効果モンスター シンクロ
☆7 風属性 ドラゴン族
ATK2500 DEF2000 攻撃表示
墓地からクリアウィングが復活する。オグドアビスの効果は、墓地から特殊召喚されたモンスター以外の全てのモンスターを墓地に送る効果なので、クリアウィングはこの効果で墓地へ送られることはなくなった。
仮に、《死者蘇生》にチェーンしてオグドアビスの効果を使っても、オッドアイズがいなくなるだけで、クリアウィングが復活することに変わりはない。まだ効果を使うタイミングではないと、アビドス三世も様子を見ている。
だが、クリアウィングが蘇生に成功した時点で、遊矢はほぼ自身の勝利を確信していた。
「俺は手札から《EMフレンドンキー》を通常召喚!」
《EMフレンドンキー》
効果モンスター
☆3 地属性 獣族
ATK1600 DEF600 攻撃表示
頭に小さなシルクハットを付け、腰にマジックボックスを付けたコミカルなロバがフィールドに現れる。
「フレンドンキーの効果発動! このカードが召喚に成功した時、自分の手札、墓地からレベル4以下の『EM』モンスター一体を特殊召喚する! 甦れ、《EMプラスタートル》!!」
《EMプラスタートル》
効果モンスター
☆4 水属性 水族
ATK100 DEF1800 守備表示
十代が「あっ」という声を出す。他の面々も、何度かこのモンスターを見たことがあるからか、ここから先の展開を予測できたようだった。
「プラスタートルの効果! 一ターンに一度、フィールドの表側表示のモンスター二体までを対象として、そのモンスターのレベルを一つ上げる! 俺はフレンドンキーのレベルを3から4に上げる!」
「これで、レベル4のモンスターが二体か、エクシーズはさせん! オグドアビスの効果発動! このカードがフィールドで表側表示で存在する限り一度だけ、墓地から特殊召喚されたモンスター以外の自分、相手モンスター全てを墓地へ送る!」
一度墓地を経由した故に、効果はリセットされ、もう一度発動が可能となっている。しかし、遊矢はずっとこの時を待っていた。
「《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》の効果発動! 一ターンに一度、このカード以外のフィールドのレベル5以上のモンスターの効果が発動した時、その発動を無効にして破壊する!」
「なっ! 効果を無効にするだと!?」
「さらに、このカードの効果でモンスターを破壊した場合、このカードの攻撃力はターン終了時までこのカードの効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする! ダイクロイックミラー!!」
オグドアビスの効果が無効となって破壊され、クリアウィングの攻撃力がアップしていく。
《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》 ATK2500→5600
「くっ、攻撃力5600……!」
「続けて、レベル4となったフレンドンキーとレベル4のプラスタートルでオーバーレイ! 漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う反逆の牙! 今、降臨せよ! エクシーズ召喚! 現れよ、ランク4《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!!」
《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》
効果モンスター エクシーズ
ランク4 闇属性 ドラゴン族
ATK2500 DEF2000 攻撃表示
これで四天の龍が全て召喚された。そして、ダーク・リベリオンの効果を知っている十代達はこのデュエルが終わることを察する。
「ダーク・リベリオンの効果! オーバーレイユニットを二つ取り除き、相手モンスター一体の攻撃力を半分にし、その攻撃力分、ダーク・リベリオンの攻撃力をアップする! トリーズン・ディスチャージ!!」
当然、対象となるのは攻撃力2200のネフェルアビスだった。これにより、ネフェルアビスは攻撃力が半分の1100となり、ダーク・リベリオンの攻撃力が1100アップする。
《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》 ATK2500→3600
《溟界神―ネフェルアビス》 ATK2200→1100
後は子供でも出来る計算だった。
遊矢のクリアウィングの攻撃力は5600、対するアビドス三世のネフェルアビスは1100、その差は4500となり、アビドス三世の無傷のライフを削り取ることが出来る。
アビドス三世が信じられないとばかりに目を見開いた。しかし、コカライアにもネフェルアビスにもこの状況を対応できる効果はない。フィールド魔法の効果も一ターンに一度で既に使い切っており、まさにお手上げ状態だった。
「余の負け……?」
「バトル! 《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》で《溟界神―ネフェルアビス》を攻撃! 旋風のヘルダイブスラッシャー!!」
《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》 ATK5600 VS《溟界神―ネフェルアビス》 ATK1100
自信の敗北が信じられないとばかりに呆然とするアビドス三世だが、遊矢は気にせず攻撃を続行していく。
クリアウィングの一撃でネフェルアビスが倒され、お互いの攻撃力の差の数値分がライフから削られていった。
「ぐあああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!!」
アビドス三世 LP4000→0
強力な一撃で、アビドス三世が吹き飛ばされ、飛行船の壁に体が叩きつけられる。その一撃で意識を失ってしまったのか、まるで眠るようにアビドス三世の姿が消えて行った。
「えっ……?」
おそらく、負けたことでアビドス三世に与えられていた闇のアイテムの力が消えたのだろう。遊矢との約束を果たさないまま成仏して行ってしまったようだった。
流石の遊矢も、これには苦笑いである。
気が付けば、黄金の飛行船は消え、遊矢達は全員デュエルアカデミアの灯台付近に降ろされていた。結局、カミューラは人形のままで、セブンスターズやナンバーズに対する情報は何もなし。骨折り損のくたびれもうけとはまさにこのことだった。
原作との変化点。
・#40『H・E・R・Oフラッシュ!』より、アビドス三世と遊矢がデュエルした。
十代の出番を悉く奪ってしまうが、ここでデュエルしないと遊矢がデュエルする場面がなくなる可能性があったので十代にはステイして貰った。
・アビドス三世のデッキは魔改造済み。
弱いままでは困るので、古代エジプトで使っていた石板はカード化されていないと嘘をついて溟界デッキを渡した。実際、スピリッツオブファラオデッキでは逆立ちしてもペンデュラムには勝てないので仕方なかった。カードがまともなら、そこそこ戦える王様になった。
・最後のターン、スターヴの効果にチェーンしてクリアウイングで爆散させるコンボも出来たがしなかった。
あの場面、遊矢から見てまだ地縛神の効果が不明だったので、クリアウイングの効果を温存した形となっている。スターヴのダイレクトが決まればそれで良し、迎撃されたらスターヴで爆散させれば良し、後詰にはダークリベリオンもいるので何とでもなった。
・アビドス三世と友達にならずに冥界へ送り返した。
お前弱いだろがなかったため、まさか自分が負けるとは微塵も思わずショックで冥界へ帰っていった。