幻想郷にロボット襲来! 守矢神社一行と宇宙からの来訪者が今、邂逅する!
 ロボットの正体は一体何なのか?
 作者は東方にわかですが、楽しんでいただけたら幸いです。

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 とあるB級映画のキャラを幻想入りさせたかったけど、見たことがない映画だったのでオリキャラでやりました。
 東方の雰囲気に合わないかもしれませんが承知の上でお読みください。

 気が向いたら続くかも?


侵略ロボットが幻想入り

 時は深夜、夜空満天に輝く星空から一筋の光が落ちてくる。それは外界から閉ざされた世界である幻想郷の妖怪の山に墜落した。妖怪の山にある、守矢神社の境内に。

 

 守矢神社に住まう巫女『東風谷早苗』と、その親代わりで信仰の対象である『八坂神奈子』『洩矢諏訪子』の三人は突然の轟音に目を覚ました。

 眠い目を擦りながら外へ出ると、その光景に驚愕した。何故なら目の前に玉虫色の装甲を持ち、頭部に一対の金色のアンテナがあるロボットが倒れていたのだから……。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 ロボットはその目を赤く点滅させて何事もなかったかのように、のそりと立ち上がる。そして彼自身もこの事態に困惑していた。

 

 

 

 

 

 何があった? 私は今すごく困惑している(・・・・・・)。…………なんだと? 困惑しているのか私は? 状況を整理するために自分の情報を思い出す。

 私の正式名称は『惑星調査兼侵略用ロボット・Z-260』、製作者である『ザップ星人』……マスターの忠実な下部だ。

 六十六年前に新型兵器の実験によって滅びた惑星『ザップ』の代わりとなるであろう惑星、太陽系第三惑星地球を新たな故郷とするために調査として送られたのだ。

 『ニホン』と言う国の山奥が着地地点の筈だったのだが、此処は何処だろう? 確かに山の中だが着地地点にはこのような建物は無かった筈だ。

 しかも先程思ったように、自分が困惑していることが不思議だ。私は脳から身体の細部に至るまで機械であり、感情というものはプログラミングされていなかった筈だが……。

 

 先程通ったバリアのようなものを潜った瞬間バランスを崩し、そのまま頭部を強打したことでバグが生じ、感情が芽生えたというのか? いや、今はそれどころではない。

 

 周囲を見ると、その建物の中から三人の地球人の女性と思われる人物が出てきた。私は立ち上がり彼女らを見る。

 一人はまだ若そうな緑の体毛を頭から生やした少女だ。おそらく頭髪というものだろう、マスターたちには頭髪がないからな。その髪には細長い生き物の飾りがつけられており、脇の出た服装をしている。……寒くないのだろうか? もう一人は丸い目玉のある帽子を被った金髪の小さな子供、最後は紫の髪で赤い服を着ている女性だ。

 後の二人はこちらを警戒するような目でこちらを睨んでいるが、緑髪の少女は目を輝かせて見ている。

 

「あっあの!」

 

 緑の少女が話しかけてきた。緊張しているのか怖がっているのか、声が震えている。

 

「ロボット、ですよね!? もしかして宇宙から来たんですか!? 何しにですか、もしかして侵略しに来たとかっ!? お名前は何ていうんですか、素材は何でできているんですか、誰に作られたんですか!!?」

 

 物凄く興奮した様子で捲し立てる。その剣幕に私は少し押されてしまう。

 何だこの少女は? 地球にもロボットはある筈だが、そんなに私が珍しいか?

 

「こら早苗、彼が困っているでしょう。やめなさい」

 

 紫髪の女性がそう叱りつける。

 

「……すみませんでした。私は『東風谷早苗』、この守矢神社で巫女をやらせて頂いています。こちらがこの神社の神様である『八坂神奈子』様と『洩矢諏訪子』様です」

 

「私が八坂神奈子よ。よろしくね」

 

「洩矢諏訪子だよ。よろしく〜」

 

緑の少女がコチヤサナエ、紫の女性がヤサカカナコ、帽子の子供がモリヤスワコか。なるほど、此処は日本で間違いないか。それにしても神、だと存在したのか。マスターたちにも神を信仰する宗教はあるがあれも実在するのか?

 

〈実は私は先程の衝撃で自分が何者か忘れてしまったんです。なので自分の名前も先程の質問も分からないんです。〉

 

 嘘である。侵略のことを知られでもしたら、抵抗されるに決まっている。なるべく穏便に済ませたい。少なくとも今はまだ調査の段階なのだから。

 私の言葉にサナエは心配そうな顔をしているが、他の二人はこちらを怪しんでいるようだ。

 

「そうだ! もう深夜ですし、今日はうちに泊まりませんか? ……天狗が来る前に」

 

 『テング』とは何だ? と思いながら、良い潜伏先を見つけたので了承することにした。

 

〈ありがとうございます。ご厚意に甘えさせていただきますね〉

 

 

 

そうして部屋に案内されて時間が過ぎ、早苗たちが寝静まった頃、私はジンジャを出て母船に連絡をとろうとする。

 

〈応答せよ、こちらZ-260。地球に到着した、調査を開始の許可を求む。応答せよ、応答せよ〉

 

 駄目だ、繋がらない。やはりあのバリアのようなものが原因か? 感情が芽生えたせいで焦っていた私は背後の気配に気づかなかった。気配感知機能があるのにだ。

 

「へえ、『Z-260』。それが貴方の名前なのね」

 

 その声に振り返ると三人がいた、後をつけてきたらしい。

 

「キミ、何を企んでいるのかな?」

 

 スワコが私に問う。三人は私を鋭い目で睨みつけている。……此処で殺すのは簡単だが、事を大きくしたくない。騒がれたら増援を呼ばれるかもしれないからだ。

……降参だ。

 

〈とりあえず中に入ろう、話はそれからだ。〉

 

 

 

 

部屋の中で私とサナエたち三人が集まり、三人は相変わらず私を睨みつけている。

 

〈まず最初にだが私も知りたい情報がある。私の持つ情報を話すから、そちらも話してくれ〉

 

〈私が記憶喪失という話だが、あれは嘘だ。私の正式名称は『惑星調査兼侵略用ロボット・Z-260』、地球を調査しにやってきた〉

 

「嘘、ついたんですね……」

 

〈機密事項だからな、本来なら。続けるぞ、私を送り込んだのはザップ星人というお前たちでいう異星人だ。彼らの母星が滅びてな、似た環境の星として地球を見つけたんだ〉

 

「何故滅びたの?」

 

 カナコが問う。

 

〈新型兵器の実験でな。私が地球に着いたら彼らの母船に連絡して調査をし、それから彼らが地球を侵略するかどうかを決める……予定だったのだが、謎のバリアによって連絡は途絶えるし感情が芽生えるし……〉

 

〈私のことは一通り話した。私からも聞きたいことがある〉

 

「……何でしょうか」

 

〈此処はどこだ? 先程言ったようにあのバリアが何なのかも分からないし、着地地点にはこんな建物はなかった筈だ。答えろ、此処は一体どこだ〉

 

 私は少し語気を強めて問いかける。

 

「此処は『幻想郷』、忘れ去られたものがたどり着く場所です。幻想郷は『博麗大結界』と呼ばれる結界で覆われており、一種の隔離空間になっています。普通は外の存在は入って来れないんですよ?」

 

 ゲンソウキョウ、だと? こいつの言葉を信じるならば此処は異空間のようなものなのか。ならば連絡がつかないのも納得だ。

 

「それに私たちには外の人間が基本は持たない能力があるんです」

 

〈能力?〉

 

「私は『奇跡を起こす程度の能力』ですね」

 

「私は『乾を操る程度の能力』よ」

 

「『坤を操る程度の能力』だよ」

 

 後者二人はよくわからんが、奇跡だと!? それを自分の意思で起こせるなどマスターたち、いや全ての知的生命体が欲しがるぞ!?

 

「それで、キミはどうするの?」

 

〈連絡が取れない今は侵略を開始することはない。私を見つけた彼らがどのような行動を起こすかはわからない。共存を望むかもしれんし、皆殺しにするかもしれない。それはロボットである私にはわからないことだ。しかし、私は侵略を諦めはしない、いつか彼らの……マスターの安住の地が見つかるを私は願う〉

 

「「「…………」」」

 

 三人は黙り込んでしまう。

 

「今日は寝ましょうか、なんか疲れちゃったし」

 

「そうですね」

 

「そうだね」

 

「「「おやすみなさい」」」

 

 サナエたちは自分たちに部屋に帰って行った。

 私もシャットダウンするとしよう。

 …………これからどうなるのだろうか。

 そう考えながら私の意識は沈んでいった。

 

 

 

続く……かも?




 此処までありがとうございました。
 ここからは用語解説です。

【惑星『ザップ』】
 正式名称『U六十二星雲第十三惑星ザップ』。
 六十六年前、新型破壊兵器『アクシズデストロイヤー』の実験により滅びた。
 地球に似たような環境で、多様な生物が生息していた。しかし地球より二回り大きい。


【ザップ星人】
 Z-260の開発者である宇宙人。
 赤い肌で二足歩行の小さい体躯、大きな耳とナメクジのような触覚を持つ大きな黒い目の知的生命体。惑星『ザップ』に住んでいたが兵器実験により母星を失い、宇宙を漂流する。ザップ滅亡前は約百七十億人もの人口がいたが約五十億人にまで減少してしまった。
 高い科学力を有しており、五十億人を乗せた母船の内部は外観よりもずっと広い異次元空間になっている。
ザップ星人は水色と銀色のタイツのような服を着ており、首元の機械で言葉が翻訳される。
 腰に下げている銀色の銃は融解光線と麻痺光線を撃つことができる。

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