何となく書きたくなった短編オブ短編。
気分によってはぼちぼち書きます。
バンドリ自体は四年五年前に音ゲーとしてやってたぐらいなのであまり覚えてないのでエミュがファンブルしてるかもしれないので解釈違いがアレルギーの人はおとなしくブラウザバックをお勧めいたします。
東京都文京区、江戸川橋駅付近。
商店街な故か、昼間は閑散としているものの夕方になるにつれて人の往来はそこそこ増していき夜になると今度は人っ子一人いない寂しさを覚える場所。
そこにはどこにでもあるただのラーメン屋、『ラーメンくりから』が静かに軒を連ねている。
「ご来店ありがとうございましたー!」
流れ作業の接客をしながら今日も平凡だなと遠い目をしながらぼんやり考え事をする。
この店は住宅地に軒を構えて居るものの、知る人ぞ知る名店……ってわけではないがそれなりに評判がいいんじゃない?とアルバイトをしている自分としてはそんな評価を勝手に下してみる。うーん実に陳腐で曖昧、こってりした豚骨スープとは程遠いと岩雑を得ない雑な感想だね。
ふと建付けられた時計を眺めていると夜の七時を回ったぐらいか、からんからんとお客さんが来店したことをぼくに知らせてくれる。
「いらっしゃいませ……どうもこんばんは、巴さん。」
いつも通りの挨拶をしてから顔を上げると特徴的な赤髪の彼女が今日も来店していた。
「おう、今日も食べに来たぜ
「はいはい、いつもの豚骨醤油ラーメンだね?あと義坊はいい加減勘弁してほしいな?」
彼女、巴さんがぼくを義坊と呼ぶ理由についてだけど。簡単にいえば僕の名前である
「んーそれは義坊が立派になったら考えておくよ、そうそう豚骨醬油ラーメン。それと聞いてくれよ~この前蘭のやつがさ~」
そう言って巴さんはぼくの苦情をあしらっていつものカウンター席に座るや否や、最近また始めたというバンドの仲間との楽しかった思い出を語りだした。こうなったときの巴さんはとても楽しげで聞いているぼくもとても気分が良くなる、例えるなら……そう、味噌ラーメンに最高のトッピングが乗るような心地よさを感じる。
正直言ってぼくはそういう巴さんの優し気な表情が好きだ。でもきっとぼくみたいな臆病者を異性として見てくれることは恐らくこの先一生ないと思う、統計学的にも女性は優しい男性より攻撃的な要素を強く持つ男性に惹かれるらしいし、こんな優しさだけが取り柄のヘタレを好くことなんて万が一もない、ラーメンにアイスを投入するぐらいにないよりのないだ。(所説はあるので一概にこうだと決めつける訳にはいかないので微妙なところ。
なんて戯言大会を表情を変えずに巴さんの話に相槌をうちつつ、ぼちぼち注文された豚骨醤油ラーメンが出来上がった。
「はい、豚骨醬油ラーメン。一丁上がり」
「ありがとな義坊!最近はより手際が良くなってきたし姉貴としては弟分の成長を感じられて嬉しいぞ!」
「あはは……そりゃどうもー」
「それじゃあ頂きます!」
一口食べるとどんどん箸が止まらなくなり夢中で巴さんはぼくが作ったラーメンを食べている、作った側からした本当あんなに美味しそうに食べてくれるのは物凄くうれしい。
それからも時々箸を止めてぼくと話しながら巴さんはどんぶりのラーメンを平らげた。
「ごちそーさん!今日も美味しかったぞー!」
そう言って巴さんは店を後にした。
「……ふふ、今日も素敵だったなぁ」
「相変わらずにあのお嬢さんにぞっこんなんだなお前さん」
「うへあっ!?なんですか大将さん!?」
がっはっはと大将が笑っている。巴さんに聞こえたらどうするつもりなんですか……!
「まぁ、ちゃんと好きなんならアピールしろ、優しいだけが取り柄じゃ嫌われるぞ?」
「わかってますよ…」
口では言えても、今のぼくにはただ拳を握ることしか出来なかった。