船乗りに語り継がれる伝説の1つは『クラバウターマン』

そしてもう1つは命を散らす瞬間に死を告げに現れるという…

その名は『ワンター・レン』



※なぜかわからないけど降ってきたため書いてみた

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ゴールディ・ロジャー死亡確認!!

 

 

 

「おれの財宝か?欲しけりゃくれてやるぜ…探してみろ、この世の全てをそこに置いてきた」

 

イーストブルーにあるローグタウンにて、世界を一周した海賊にして『海賊王』と呼ばれた男の処刑が行われた。

 

そして多くの人たちがその場に集い海賊王の最後を言葉を聞き見届けた…

 

「ゴールディ・ロジャー…死亡確認!!」

 

「「「「っ誰だ!?」」」」

 

処刑台の上には海賊王ゴール・D・ロジャーと海兵以外はいないはずだったが、いつからいたのか1人の男が海賊王の死体の横に立っていたのだ。

 

海兵たちはその突然現れた変わった風体に驚き銃を構えるも、男は気にした素振りすら見せずロジャーの遺体を見つめていた。

 

「我が名はワンター・レン!ここにロジャー海賊団船長であるゴールディ・ロジャーの死亡を宣言する!!」

 

ワンター・レンは赤い服を身に纏いラーメン丼を逆さにしたような奇妙な頭をしていたが、それ以上に観衆や海兵たちに向けて言った言葉が風体以上に奇妙だった。ロジャーの処刑を見ていた全員が首を落とされたところを目撃しており、わざわざ死亡を宣言する必要などなかったからだ。

 

ロジャー海賊団の誰かがせめて遺体だけでも弔うために奪い返しに来たのか、それとも海賊王となった男の死体を利用するために奪いに来たのか…その場にいるワンター・レン以外の誰もがどちらかではないかと固唾を飲んで見守る中、しかしつい先程までそこにいたはずのワンター・レンという男はどこにも見当たらなかった。

 

 

ゴール・D・ロジャーの遺体と共に……

 

 

 

……

………

 

 

 

「……ここは……おれは…どうなった……」

 

「起きたようだな、ゴールディよ」

 

「まさか起きてすぐお前の顔を見るとはな…ワンター」

 

処刑されたことで死んだはずのロジャー…のはずが、なぜか気がつけばベッドに寝かされておりロジャーとしても状況が理解できなかった。そしてベッドの傍にはワンター・レンが佇んでいたため、ロジャーは起きてすぐに気付けには十分な濃い顔を見せられたのだった。

 

自分がなぜか生きているということは理解できたが、ローグタウンから連れ出されたというのであれば覚えていないはずがない。死の間際の瞬間だからといって恐怖に意識を飛ばすような小心者だったつもりもないし、微かにだが首が飛んだであろうという感覚も残っている…気がする。

 

そして何よりも自分で決めた死に場所と、更に世界を巻き込んで死に花を咲かせ満足して死ぬはずだったのだ。

 

 

だからこそ目の前にいるワンター・レンに聞かなければならない。

 

 

この男と出会ったのは海賊団として旗揚げしてしばらくした頃だった…あまりにも一般人とも海賊とも海兵ともかけ離れたこの男に興味を持ったロジャーは遊び感覚で何度も戦っては宴会を繰り返していた。晩年は自分の身体の事もあり戦う気など湧かなかったが、やはり強者の風格を全身から放っているワンター・レンに挑む者はいた。

 

ワンター・レンは自分のことを深くは語らなかったし、ロジャーたちもしつこく聞こうとは思わなかったがどうやら『男』であるという事には何か拘りがあるらしい。この世には男と女がいるわけで…男であること等当たり前の事であって拘るところには思えなかったが、ワンター・レンにとっては大事な事なのだろう。

 

そしてあまり騒ぐタイプではなかったのか、酒を飲む時などはロジャーよりも副船長であるシルバーズ・レイリーと気が合っていたようだ。

 

一緒に旅をしようと誘ったこともあるが本人は既にどこかに所属しているようで、そちらがあるからと旅をすることはできないという事だった。その割には神出鬼没という言葉はワンター・レンのためにあるのかと思うほどに気がつけばいなくなっているし、反対に気がつけばそこにいたこともあった。

 

顔を合わせた回数は数えるほどしかなかったものの、縁があるのか要所要所でこの男と会うことがあったのだ。偉大なる航路を旅する上で覇気という力は必須のものであり、その中で見聞色の覇気は気配を感じることに長けた力である。しかしロジャー自身や船員の誰もがワンター・レンの気配に気付くことができず、これが敵だったら…という危機感も手伝って全員が力を磨くことに必死になったものだった。

 

「お前ェがどうやっておれを連れ出したのかはどうでもいいが…なぜおれは生きている?」

 

「ゴールディよ…貴様は海賊として悔いがないようだが、『男』として果たさなければならない事があるのではないか?」

 

「…そりゃおれのガキの事を言ってるのか?」

 

「思い当たることがあるのなら結構だ」

 

一体何をどうやったのか…なぜ生きているのかという問いに対してワンター・レンは答えることをせず、反対にロジャーに対して『男』としての責務を果たしていないだろうということを伝えてきたのだ。ワンター・レンが悪魔の実の能力者であると聞いたことはないが、海に入っているところを見たことがあるわけでもないため能力者ではないとも言い切れない。

 

実はゾンビであると言われたほうが納得できるのだが、少なくともそんな様子も見られないためロジャーとしても気持ち悪い感覚を拭うことができない。

 

それに自分の子供の事については海軍所属ではあるものの、幾度となく自分たちと交戦し時には共闘すらしたこともあるガープに任せている。そういう意味ではただ子供を作るだけではなく、ロジャーとしては残された妻子の事も「自分にできる事はした」と考えていた。

 

しかしこの状況を鑑みるにワンター・レンにとっては『男』として十分な責任を果たしているとは思っていないことは明白であり、どんな力や方法を使ったのかわからないが見逃すことはできなかったということだろう。

 

 

「もう貴様と会うこともないだろう。さらばだゴールディよ」

 

「だからおれはゴールディじゃなくてゴール・D・ロジャーだって…もういねェのかよ」

 

 

なにがどうなったのかわからないまま一方的に別れを告げたワンター・レン…

 

ここがどこかもわからないというのに最後まで面倒を見ることもせず、また何度も教えているというのに未だに名前を間違っているワンター・レンに言いたいことがあるロジャー…

 

しかしロジャーが文句を言おうとした時にはワンター・レンはそこにはいなかった。

 

 

 

呆れるものの「いつものことか…」と一息ついたところで誰かがこの部屋へとやってくる気配を捉えたロジャー。

 

 

 

扉を開けてそこにいたのは……自分が海軍へ出頭する前に一緒にいた女性だった……

 

 

 

 


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