シュラハトくん見逃して   作:私貴方私(Y-ou@so-soなフリー)

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【幕間】人造勇者計画

 

 

 

 

 

 



 

 

 

「魔法とはイメージだ。ならば洗脳でもなんでもして被験体に出来ると思わせれば良い。

そうすれば神話すら現実にできるだろう。

そうだな、被験体は魔法に優れた種族がいい」

【とある魔法使い】

 


 

 

 

■ 気分がいい日

 

今日は気分が良い。

 

『物語』の中で『人にする魔法』という魔法を見つけた。

面白そう。

その辺りにいた人に試してみる。

彼はパサントくんというらしい。

ああぁ、突然叫び出して動かなくなってしまった。

 

これだけだとよく分からないので、他にも100人くらい試してみる。

幸い近くにたくさんいるしね。

 

 

■ 悩み中な日

 

みんな動かなくなってしまった。

『しょうぐん』やら『だいまぞく』やら名乗ってる子達もいたのに、みんな動かなくなってしまった。

残念。

あぁ、ひとりだけ大丈夫そうな子がいるね。

産まれたばかりだからかな?

これだけだと、よく分からないな。

やっぱり、すぐ『チリになる人』は強度に問題があるのかな?

次は『耳の長い人』や『小さくてモジャモジャの人』にも試してみよう。

 

 

■ 豊作な日

 

他にも色んな種類をたくさん捕まえて、『人になる魔法』を試してみた。

今回は、みんな何も起きなかった。

違いはなんだったんだろう?

 

面白くないなぁ。

もう飽きたから帰って良いよ。

 

あれ?あの子も居ないな。

『チリになる人』の中でも珍しくなんともなかった子だったのに、残念。

まあいいか。

 

 

■ 特別な日

 

今日は初めて『お友達』というものができた。

『物語』で聞いたことはあっても、ぼくには今まで『お友達』はいなかった。

うれしい。

 

シュラハトくんと言うらしい。

シュラハトくんいわく、彼は魔族という種族であり、『ぼくもその魔族のひとりらしい』。

へぇ、そうなのか。

 

魔族って何をする人なの?

ふむふむ。

魔族は魔法を極める種族らしい。

魔族は人を食べる種族らしい。

なるほど、理解した。

今度試してみよう。

 

どうやら以前の『チリになる人』というのが魔族だったらしい。

なら僕もチリになれるのかな?

今のところチリになったことがないのでよく分からない。

 

以前、ぼくが魔法を試していた『チリになる人』の中に『しちほうけん』?という人がいたらしい。

変わりに『しちほうけん』とやらには、ぼくがなろう。

『お友達』が困っているなら助けるのが当たり前だよね。

 

 

■ ワクワクする日

 

最近よく遊びに来てくれる魔族が増えて楽しい。

でもなぜか同じ子は二度と会いに来てくれない。

なんでだろう。

やっぱり、食べられるのが嫌なのかな?

 

シュラハトくんは「魔族は人を食べる種族」と言っていた。

だからこれが正しい魔族の在り方?挨拶?なはず。

あれ?もしかして魔族は人じゃなかったりするのかな?

 

でも、食べた後は元通りにしてるから問題ないはずだよね。

なんでまた遊びに来てくれないんだろう。

残念。

 

 

■ しんみりな日

 

やっぱり物語は子供が主人公のものに限るね。

可能性、不確定要素、ユウジョウ、どれもが良いスパイスになってる。

やっぱり、みんなみたいに大人にならず、子供の姿でいよう。

その方がたくさん友達もできるしね。

 

明日は城壁都市の孤児院に遊びに行こう。

 

 

■ 後輩ができた日

 

『しちほうけん』の後輩ができた。

でも、遊びに来てくれない。

取って食うだけだから、そんなに怖がらなくても良いのにね。

 

いや、もしかしたらぼくばかり食べるからダメなのかな?

食べる側をやるならみんな遊びに来てくれるかもしれないね。

 

今度孤児院の先生に料理を教えてもらおう。

魔族ってどう調理するのが良いのかな?

 

 

■ めちゃくちゃ気分が悪い日

 

最高だ。

勇者に負けた。

『しちほうけん』のみんなが揃って、シュラハトくんまでいたのにやられた。

みんな纏めて殺されかけた。

今も体が治ってない。

今までは簡単に元通りになってたはずなのに…。

 

これまでも、勇者にはたくさん会ってきた。

でも、どの子も大したことはなかった。

しかし、彼は本物だった。

カッコいい。

ぼくもあれが欲しい。

シュラハトくんがめちゃくちゃカッコよくやられた。

ぼくもあれがやりたい。

彼は南の勇者と呼ばれていたらしい。

彼の物語は全部取り寄せた。

どれもこれも面白い。

まるで未来が見えていたみたいだ。

未来が見えるシュラハトくんが負けたんだから、本当にそうかも。

おお!?これは彼の手記かな。

ふふ、中々愉快なおじさんだね。

エルフの女の子に振られてる。

ふふふ。

人助けしてる間に、奥さんが魔物に食い殺されてるじゃないか。

あハハハ。

しかも、そのまま家にも帰らず、ぼくたちを叩きのめして死んだと。

なぜひとりでぼくたちと戦ったの?

みんなでかかれば勝てたかもしれないのにね。

分かんないね。

ああ、でもこっちは分かりそう。

あのエルフの子を口説いてたのは、奥さんを守る為かな。

家には子供と奥さんの2人だけしかいなかったもんね。

おぉお、子供は生き延びたみたいだね。

この子はどんな物語を紡ぐんだろう。

楽しみ。

 

 

■ 最高の日

 

やっと彼の物語を全部読めた。

普段は流し読みしかしないけど、たまにはじっくり読むのもいいよね。

うぅん、疲れたけど達成感あっていいね。

それにしても彼は凄いね。

どうりでぼくたちが束になっても勝てないわけだ。

そうだ。

ぼくのための『勇者』を作って、『ぼくを倒してもらおう』。

そうすればきっとステキな物語になるよね。

欲しかったんだぁ。ぼくが主役の物語。自分だけの物語。

 

悲劇も喜劇も惨劇も復讐もギャグもシリアスも、ぜんぶ面白くて可笑しくて笑いが止まらない。

楽しくて美味しいなんて、人って本当に素晴らしい生き物だよね。

 

でも、読み友は欲しいね。

魔族はダメだ。

みんな、物語になんて興味ない。

読み友は人間がいいかな。

人間の書く物語は沢山あって飽きないんだよね。

 

どうやって作ろうかな『勇者』。

ああ、この間見つけた『魔法を付与する魔法』を試してみよう。

上手くいけば、みんな勇者になれるはず。

 

 

■ あんまりよくない日

 

うーん。

あんまり良くない。

うまくいかないなぁ。

 

お料理手順はこうだ。

まず、お隣に住んでる魔族のナハバールくんを用意します。

次に『物語を現実にする魔法(フィアランティア)』で勇者のおじさんを作ります。

そして、『魔法を付与する魔法』でナハバールくんにおじさんをくっつけます。

結果。

スライム?みたいなものになった。

なぁにこれ?

みんなに聞いてみたら(アンケート)魔族の身体に人間が入ると別の生命体になるらしい。

ふしぎぃ。

逆もやってみよう。

人間の体に魔族を入れる。

なんか不安定?

魔法を一発使ったら形が崩れちゃった。

とりあえず100人くらい捕まえて試してみよう。

 

 

■ いい感じの日

 

取り敢えず100人くらい試して大体分かった。

人間の体に人間を入れるのが1番安定するね。

魔族の体に魔族を入れようとすると体が崩れて全部ダメだったよ。

 

結果分かったことは、こういう魔法は大人より子供の方が相性が良いみたい。

特に、肉体側から幻想体側に対して強い思いがあると良い感じみたい。

 

つまり、勇者大好き人間の幼体であれば、勇者のおじさんをくっ付けて人工勇者を簡単に作れるってことだね。

 

だから、探しに行こう。

相性のいい肉体。

 

 

■ 悲しい日

 

あれから友達のベーゼくんがやられちゃった。

あーあぁ、残念。

 

彼の物語を読んで思い出に耽ろう。

 

 

■ 悲しい日

 

魔王ちゃんがやられちゃった。

残念。

 

魔王ちゃんは長生きなのでたくさん物語がある。

良い暇つぶしになった。

 

 

■ 嬉しい日

 

魔王ちゃんを倒した勇者ヒンメルに出会った。

凄い、カッコいい、イケメン、強い。

見惚れてたら隣のエルフの子にやられちゃった。

あの子もいいね。

クールで可愛くて強い。

よく見たら、いつぞやの南の勇者をフッた『勇者たらし』じゃないか。

そうだ。

あの子をぼくの物語の『ヒロイン』にしよう。

それでぼくの勇者と恋に落ちて、らぶぱわーとかでぼくを倒すんだ。

きっと面白いはず。

ああ、ふりーれんって名前なんだね。

ふりーれんとヒンメルの物語も取り寄せよう。

楽しみ。

 

 

■ 楽しい日々

 

今、ぼくは近所の孤児院に遊びに来ているよ。

ここは人間の孤児院で、いろんな子たちがいるね。

選び放題。

楽しい。

そこでレンゲちゃんという子と仲良くなった。

この子たちはみんな、ぼくが話す物語が大好きだ。

ぼくはたくさんの物語を知っている。

好きなものを選んでね。

うんうん、君は賢者エーヴィヒが好きなんだね。

うんうん、君は開闢のフランメか、渋いね。

うんうん、君は盾の勇者か、頑張ってね。

うんうん、君は魔族が好きなんだね。

うんうん、おお、君は先読みの勇者が気に入ったんだね。ぼくも大好きだよ。

レンゲちゃんは、慈愛の勇者が気に入ったんだね。

じゃあ、この物語をあげるよ。

気に入ってくれると嬉しいな。

 

 

■ みんな元気な日

 

あの日からみんな大はしゃぎ。

大好きな勇者の力を手に入れて、勇者ごっこが今の流行。

 

なるほど、勇者ごっこなら敵が必要だよね。

それもぼくが用意してあげよう。

 

 

■ しょんぼりな日

 

あーあぁ。

みんないなくなっちゃった。

まあ、みんな喜んでくれてたし大丈夫だよね。

次は何して遊ぼうか。

絵本もいいけど、演劇も良いね。

そうだ、お芝居を観に行こう。

 

 


 

■ 実績解除

* 【DOING】最弱の七崩賢

 


 

■ 現在進行中の『物語』

タイトル:最弱の七崩賢

開始条件:『勇者』と『ヒロイン』が揃うこと

勝利条件: ()()()ゲシヒテを倒すこと

 


 

 

● 「調査結果は以上です」

 

◆ 「ふざけたことをしてくれる」

◆ 「あの馬鹿に付けた監視はどうしている」

 

● 「変わらず、問題なしとの報告が来ています」

 

◆ 「問題ないわけあるか。あそこには今、フリーレンもいるんだぞ」

◆ 「何か細工をされたな」

 

● 「まさか、そんなはずは…。彼は隠密のスペシャリストですよ」

 

 

◆ 「私のものに手を出して、タダで済むと思うなよ」

◆ 「すぐにシャーデンフロイデへ向かう準備をしろ」

 

 

馬鹿弟子が…

 


■ 次回

劇場版葬送のフリーレン『最弱の七崩賢』

 

 

 

 

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