キヴォトスの位階序列六位   作:エドアルド

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なんか久しぶりに投稿したらランキングに乗ってるしお気に入り登録も増えて戦々恐々しています。
ありがてぇありがてぇ。


シャーレ始動

 

「失礼しました」

“あはは……大丈夫だよ”

 

 つい昂って振り回していた先生を下ろして今はシャーレオフィスビルの先生のオフィスに来ていた。いくら嬉しかったとて少々はしゃぎすぎた、恥ずかしい限りだ。

 

「それで……連邦生徒会長からの依頼というのは本当でしょうか?」

 

 そう聞いてきたのは連邦生徒会首席行政官、七神リン。連邦生徒会長が居なくなった今の所の連邦生徒会長の代理になる人物。正直連邦生徒会とは関わりがほぼ無いからどんな人間かよくわかっていない。

 

「ああ、本当だとも」

「なんですか、この文字は?」

 

 そう言いながら持ってきた手紙を渡すとリンは眉をひそめた。まあ、無理もない。手紙に使われている文字はこの時代のものではなく大昔の大戦時代、しかも天翼種(フリューゲル)のものだ。キヴォトスの人間に読み解けるはずがない。

 しかし、やはりそうなると連邦生徒会長の正体がますます分からなくなる。

 

「……ですが手紙に使われている押印は間違いなく連邦生徒会と連邦生徒会長のものですね。内容はどのようなもので?」

「要約すれば僕に先生の護衛役をして欲しいというもので他には護衛をするにあたっての僕に対するメリットなどかな。先生は銃弾ごときで致命傷を負うか弱い存在だからね。他には君が欲しがっているような連邦生徒会長失踪の手がかりは無いよ」

“か、か弱い存在かぁ……”

「…………そうですか。元々シャーレは先生の裁量で自由に生徒を所属させる事のできる超法規的組織、貴方が所属する事については特段問題はありません。貴方ほどの戦力なら護衛の役目も十分でしょう」

「それじゃあ問題無いね」

「ええ、問題ありません。……そろそろ、仕事に戻らねばなりませんねので私はここで失礼します。シャーレに所属する為の書類だけお願いします。それではお二人とも頑張ってください」

 

 最後にそういうとリンは立ち上がって駆け足ぎみに部屋から出て行った。

 連邦生徒会長がいなくなってそうとう忙しいのだろう。まあ、トリニティ学園に所属はしていても特段部活や生徒会に入ってない僕としては頑張ってとしか言えないけど。

 

 とりあえず先生と2人きりになったのだしこれから

 

「それじゃあ改めまして。トリニティ学園所属の高等部3年生。エブリースだ、好きに呼んでくれたまえ、先生」

“うん、よろしくエブリース。私のことは気軽に先生で良いよ”

 

 そう言って手を差し出してくる先生と握手をする。改めてその手を握って見て確かめる。キヴォトス人と似通っていても決定的に違う人類種(イマニティ)の手。本当に人類種(イマニティ)である事を噛み締める。

 この時代まで生きて世界が一新していて自分だけが取り残された気がしていた、でも確かにあの時代から今に繋がっている事がこんなに嬉しいとは思わなかった。

 

「わかったよ、先生。僕がそばにいる限りは君の身の安全は保証しようとも」

 

 だから、うん、精一杯守るとも。なに、人類種(イマニティ)ならたかが80年程で死ぬ。たかが100年にも満たないその命、悠久の時を生きる僕にとっては瞬き程だ。

 

「さて、早速入部届けを書いて活動を始めよう。……なに1人よりはマシだろう」

“うん、よろしくね……”

 

 うん、先生のデスクにうずだかくつまれた書類には正直手を付ける気すら起きないけど。やると言ったからにはやらなければ行けないしね。

 いざとなったら分身術式で人手は何とかしよう。……うん、何とかなるはずだ……たぶん。

 

 いや、うん。大戦時代では事務処理なんてなかったし今の時代に来てからも学校関係に必要な書類程度しか触ってないし転生前の記憶はほとんど薄れてるけどなんとかなるはずだ。……不安になってきた。

 

 ……アルトシュ様に作られた進化個体(インフィニティナンバー)として醜態は晒せないんだ!書類程度に負けていられない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……意外と問題無かったね」

“すごいね。あっという間だったよ”

 

 意外と何とかなったよ。まあ、アルトシュ様謹製のこのボディにかかれば問題は無かったね。そもそも僕は学習型の個体、学習すればするほど優秀になるように作られているから最初はダメでも後からしっかり出来るようになっただろうし本当に問題なかったね。まあ、気持ち的にはあの量の書類と向き合うのはごめんだけど。

 

「今は連邦生徒会長がいなくなってゴタゴタしているからそのうち追加の書類が来るかもだけどね」

“考えたくも無いよ”

 

 まったくトップが消えて混乱するのはわかるけどあまりにも影響が大きすぎるね。一体どれだけ連邦生徒会長に負担をかけて来たのか、たった1人に頼りきったツケが回って来てるね。少なくとも連邦生徒会長は代替わりするものなのだからここまで影響が出てるのがおかしいんだよね、やっぱりこの時代は歪だ。

 

 今のこの世界の法則とでも言うもの、あのゴルコンダとデカルコマニーとやらの言うテクストが星杯(スーニアスタ)を手に入れた神の仕業なら何を思って作ったのか。

 まあ、そのうちわかるはずだ。それまで僕は僕のやるべき事を、刃を研ぐ事を忘れないようにし無ければね。

 

「先生、抹茶ラテを作るのだけどいるかい?」

“ありがとう。ぜひもらうよ”

 

 ただ、英気を養う事も必要だよね。




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