「ねぇ、お姉さん達のパーティに同行してくれないかな?」 作:なごりyuki
「ごめんなさい、セツナさん。今のあーし、めっちゃ足を引っ張ってるよね……」
碌に力が入らないあーしの身体を、セツナさんは肩を貸して支えてくれている。そんなセツナさんに向けて、こんなことを言うべきじゃない。そんなことはあーしも理解しているが、言わずにはいられなかった。
「……お前のスキルは、アイツの身体を動かしている」
セツナさんの声は鋭く、低いかった。
「お前が居なければ、私もアイツも、あの黒フードに斬り捨てられていただろう」
睨むようなセツナさんの眼差しは、アッシュ君と黒ローブの少女――アナテとの激烈な打ち合いに向けられて続けている。悔しそうに。自らの不甲斐なさに苛立つように。
「この場で足を引っ張っているのは、私だけだ」
奥歯を噛み締める音と共に、セツナさんが溢す。あーしは何も言えなくなる。ただ、セツナさんと同じく、アッシュ君が戦う姿を見守った。
あーしの半身は、今もアッシュ君に接続されている。
あーしの身体の半分は、アッシュ君の意志で動いてる。
今のあーしは人形遣いのスキルによって、アッシュ君の肉体機能を補助する装置に過ぎない。戦闘に於ける感覚も判断も技術も、全てはアッシュ君の意志を反映している。
あーしは、アッシュ君の戦闘に入り込めない。
半グロッキー状態のあーしは勿論だが、そのあーしを支えてくれているセツナさんも、そもそも近づけない。
アッシュ君に襲い掛かっている少女――アナテが纏う鎖の嵐が吹き荒れていて、周りにある植え込みの木々をへし折り、引き裂き、薙ぎ倒し、バラバラに砕き散らしているからだ。
魔力で編まれた鎖の濁流と共に、アナテは猛烈無比な手斧の連撃によってアッシュ君を脅かし続けていた。
「“ルフルちゃんと、それからえぇと……、セツナちゃん、だったかな?」
あーしの口から、あーしの意思とは無関係に男の声が零れてきた。
「“苦労だったねぇ。今の状況は悪くないよ。この場を整えることができたのは、ルフルちゃんとセツナちゃんが居ればこそだ。2人して落ち込むことはないさ”」
場違いで不真面目な口調が、楽しそうに弾んでいた。お気楽なその声音の奥に、どこか礼儀的で奇妙な気遣いの気配さえ漂っている。
「“ルフルちゃんとセツナちゃんには、まだ大事な役割がある。あの戦闘が終わったらアッシュと合流して、ジュードとかいう隊長に追い付いてくれ”」
明らかにアッシュ君が勝つことを確信している口振りだった。それに、ジュード隊長の名を口にした声音には、不気味な薄ら笑いが滲んでいる。
あーしの脳裏には、さっき見た映像が再生された。どこか虚ろ目で、負傷しているサニアを雑な手つき担いでいくジュード隊長の姿。あの違和感と、この男の声が繋がる。
猛烈に嫌な予感がした。今すぐにでも、サニアを追いかけたかった。だが、それもできない。アッシュ君を置いていくことなんて、できるわけがない。
「あのジュードという男が率いる部隊は、歌姫も護衛している。……あのレーヴェスというネクロマンサーが襲撃に現れる可能性は捨てきれんな」
険しく眉間を絞ったセツナさんが、アッシュ君とアナテとの一騎打ちを見据えながら呟いた。緊張が漲っている。今の状況で、己にできることを問い続けているという顔つきだ。
「そういうことだねぇ。それに……、いや、これはネタバレになっちまうな」
一方で、半笑いのような男の声。嫌味な程の余裕と鷹揚さは、この戦場を掌握した証なのか。
「“とにかく、あのジュードって隊長が行く先には、ほぼ確実にレーヴェスの野郎も現れる。捕まえるチャンスだ。でも、タイミングも重要だからねぇ。動くにはまだ早いよ。それを待つ間、ちょっとしたショーを楽しんでおくれ”」
男の声は、無残なほどに暢気な口振りだ。
笑えない。腹も立たない。感情が追い付かない。
あーしは半泣きのまま、口から男の声を吐き出し、戦うアッシュ君の姿を見詰めている。それしかできない。
アッシュ君は現在進行形で傷を負い続けていく。
腕の肉が斬られる。頬の肉が削り飛ばされる。脚が斬られて血が舞う。脇腹がごっそりと抉られる。少女の笑い声。アッシュ君の血の飛沫。紅の霧。真っ赤に染まった地面。
少女の斧の閃きは、まだ激しさを増す。
刃を捌き損ねたアッシュ君の左目が吹き飛ぶ。
顔の左側上部が抉られたのだ。
激しい剣劇の火花に、アッシュ君の鮮血が塗される。
苦痛を堪えるように険しく眉を絞ったセツナさんが、喉の奥で呻くのが聞こえた。アッシュ君の身体を動かしているあーしも、悲鳴を飲み込もうとして、できなかった。
アッシュ君と精神を同期しているが、傷を負う痛みまでは伝わってこない。だが、自分の身体が損なわれる生々しい感触は、絶えず響いてくる。
あぁ……。もう、なんでもいい。
誰でもいい。誰でもいいから。アッシュ君を助けて。
思わず、あーしは願っていた。
かつて、魔物に町を襲われたときと同じ脆弱さで。
愚かにも。非実在の何かに縋ろうとしていた。
あのとは、あーしの祈りは女神さまにも無視された。
黙過された。何も起きなかった。悲劇はそこに在り続けていた。
皆死んだ。焼け野原になった。ただ蹂躙された。
だが、今は違った。
「“キミ達も見守ってやっておくれよ”」
あーしの口から出て来る男の声が、優しく、穏やかになる。
「“俺の息子の人生に於いて、なかなか有意義なイベントだからねぇ”」
男の声が途切れたのと同時だった。
プツン、と。あーしとアッシュ君を繋いでいた魔力の糸が切れた。いや、解けた。あーしの意思とは無関係に霧散してしまった。あーしの内部から、男の存在感と魔力が出ていく。アッシュ君との同期が切れたからだと分かる。
そして男の声と力は今、アッシュ君の中で響いている筈だった。
涙に濡れた視界で、あーしは見た。
もう瀕死だったアッシュ君が、手にしていた杖を地面に手放した。そして空いた両手で、少女が猛然と振り抜いてきた手斧の二振りを、ガッチリと掴み止めるところを。
肉が潰れる音。骨が砕ける音。密度のある音。無表情のアッシュ君の両手がグチャグチャになる。だが、猛攻を仕掛けていたアナテの手斧が止まっていた。
「やっとその気になってくれたんだね……」
アナテの笑顔が強張ったのが、あーしのいる場所からでも分かった。
だがあれは、アッシュ君の抵抗に怯んだのではない。傷だらけで血塗れのアッシュ君の様子が変わったことに、更なる歓喜と期待を抱いた高揚によるものに違いなかった。
狂気的な笑みを萌したアナテが、両手の手斧を更に強く押し込んでいく。
まるでアッシュ君に口づけをするかのように迫るアナテの背後からは、濁流のように殺到する鎖の束。具現化された魔力の嵐。アッシュ君を今度こそ押し潰そうとしている。
絶体絶命。
だがそこで、血塗れのアッシュの唇が動いた。何かを唱えた。
“――I’m here.――”
唇の動きが、そう言っていた。何かを確かめるように。大事なものを握り締めるように。何かを起動させるためのキーワードだったのかもしれない。
瞬間、アッシュ君の身体から迸ったのは暗紅の魔力だった。爆発的な奔流は、ただそれだけで凄まじい威力を持っていた。
「う、ぁ……ッ!?」
手斧をアッシュ君に打ち込んでいたアナテが跳び下がっていなければ、その身体は粉々に吹き飛ばされただろう。実際、濁流のようにアッシュ君に殺到しようとしていた鎖の大嵐は、暗紅の魔力の余波に飲み込まれて霧散し、消し飛んでいた。
あーしは口を開けたまま目を瞠る。あーしを支えてくれているセツナさんも目を見開き、唾を連続で飲み込んでいた。
「アッシュ君……」
思わず、名前を呼んでいた。
だが、あーしの声が届いている気配はない。
グチャグチャになった両手をだらんと下げたアッシュ君は、黙ったままで俯いている。動かない。ただ、そこに立ち尽くしている。立ち続けている。それだけなのに。
周囲にある全てに畏怖と沈黙を強いるような、この異様な存在感は何なのだろう……。
まるで、時間が制止したような感覚だった。だが、そんなワケがない。この場に唐突に現れた静寂には、巨大なネクロスライムが遠くで動き回っている轟音が混ざっている。戦況は現在進行形で刻々と変わっているが、それはあーし達の目の前でも同じだった。
“――Engage――”
低く呟く、アッシュ君の声。同時に、俯いたアッシュ君の背後に、禍々しい紋様が象れて、描き出された。暗紅の魔光によって編まれたそれは、神話で描かれるような光輪、いや、大きさから言えば光背というべきだろうか。
暗紅の魔光が線となって、更に魔法円と描いていく。それらは複雑な紋様を幾重にも刻みながら、アッシュ君を囲うように編み上げられ、風ではない風によって周囲の空気が揺さぶられた。
非現実的で、非実在的な情景が、あーしの目の前に現れていく。あらゆる法則や理を捻じ曲げながら、神話の光景が現実に割り込んできたかのようだった。
放散され続けて燻ぶる魔力は、アッシュ君の身体中にある傷口にも灯り、肉体再生を行っている。いや、寧ろそれは、アッシュ君の内部から傷口を塞ぎつつ、喰い込み、溢れ出しているかのようでもある。
破壊されたアッシュ君の顔の左上部からも、出血の代わりに膨大な魔力が立ち昇って渦を巻き、陽炎のように景色を歪めていた。
既にアッシュ君の顔以外の傷は、グチャグチャにされた両手も含めて、まるで時間を逆巻きにするかのように復元し、再生しつつある。
「あぁぁぁ……。すごいなぁ……。やっぱり、貴方はすごいよ……」
肩を揺らすアナテだけが歓喜している。陶然とアッシュ君を見詰めている。
今のアッシュ君の内面から浮き上がりつつある何かを待ち侘び、その完成を祝福し、命を懸けて迎えようとしているかのようだった。
「……はぁぁぁaaaahh……――」
そんなアナテに応じたわけでは無いだろうが、俯いたままのアッシュ君が息を、ゆっくりと吐き出した。その吐息にも赤黒い魔力が塗されていて、ドラゴンの吐火にも似た凄絶な迫力に満ちている。
そこでアッシュ君が、ゆっくりと顔を上げた。アナテを見たのだ。その左の瞳の色が変わっていた。破壊され、再生した左目が。昏くて青みのある、優しげな灰色をしていたアッシュ君の瞳が、目が覚めるような山吹色に輝いていた。
アッシュ君という人格が、決定的に損なわれようとしている。
そんな恐怖を、あーしは覚えた。恐らくは同じような感覚に見舞われているはずのセツナさんも、浅い呼吸をしながら、奥歯を噛み締めている。
あーしとセツナさんは、傍観者という役割の中に閉じ込められたままで、自分達の出番を待つしかなかった。舞台袖に引っ込んだまま、ステージで行われる演劇の進行を窺うように。見守るしかなかった。耐えるしかなかった。
一方の、舞台の上――。
狂気じみた笑顔のアナテは感極まっている。
「んふふふ……。凄い。凄い。凄いよ。魔王化なんて……。今まで誰も成功したことがない偉業だよ。歴史にプリントされるべき奇跡だよ。ぁあははは……っ。貴方はそれをやってのけた……!」
前のめりになって声を震わせるアナテは、欲しかった玩具の全てを目の前に積まれた子供のようだった。無邪気にはしゃいでいる。
「貴方は今、死体人形である私達という存在にとって、完璧な答えに到達している。あぁぁぁ。羨ましいなぁ。凄いなぁ。あぁぁはは!」
禍々しい光背を背負い、非現実的な魔力を纏うアッシュ君を目の前にして、彼女には恐れも畏れもなかった。
「そして私こそが……、貴方の過去を引き連れた私という存在が、貴方を魔王に導いた……! 今の貴方を足止めするために捨てられた私も、道具存在としての価値を極限まで体現してる……!」
笑顔のままで目を見開いたアナテは、両手の手斧をギチギチと握り締めて空を仰ぎ、「KA、HAAAAAAA……!!」と大きく息を吐き出した。
「私は、この瞬間のために在ったんだ……!」
自らの感じている幸福と一体化し、余すことなく味わうように。アナテは今、己の命そのものと釣り合う程の充実と情熱の中にいるのだと、あーしには分かった。
「今の私達、最高に“生きてる”よね」
再び鎖の束を自らの周囲に顕現させる。決死の戦いを挑もうとしている少女は、本当に幸福そうに微笑んでいた。
「貴方に会えて、本当によかった」
「……僕は、もっと違う形で貴女に会いたかった」
体の中に残っている意志の力をかき集めて、僕は言い返した。
今の僕は、もう、僕ではなくなろうとしている。違う何かになってしまう。自分の内側から湧き上がってくる巨大な力の奔流に、押し流されそうになっている。
僕の内部で起動した何かと、僕は一体化しようとしている。
だけど僕は、僕がまだ僕のうちに、僕の理性と言葉で、この目の前の少女に応じるべきだと思った。
“器”として造られた僕の中には、膨大な量の魔術的な知識と記憶が埋め込まれている。それらが疼くようにうねり、僕の意識を侵食していく。
全く違う人間の思想や観念、思考回路が、僕の自我の上から刻まれるような感覚――。
それは、僕という人格からの大出血だった。僕自身とは全く無関係な何かに、僕の肉体と精神を奪われる無力感だった。
僕は、自分自身を必死に繋ぎ止める。
その抵抗を嘲笑うように、幼稚な全能感が僕の胸の内に滲んでくる。
手にした力の全てを使いたいという、原始的な欲求が湧いてくる。
――この欲望に、身を委ねてしまえば楽になるのかもしれない。
だが、ここで自制心を失えば僕は、取り返しのつかない傷を自分自身の記憶に刻んでしまうような気がした。僕のことを“優しい”と言ってくれたローザさんや、クレアさん達の信頼を受け取る資格さえ失うような、確信にも似た予感が背筋を走る。
「あはは……! さぁ……! 私達の存在に、貴方が決着を着けてよ!」
黒ローブの少女、アナテが、そんな僕に猛然と迫ってくる。
彼女が両手に握りしめた両手による斬撃と、魔力を具現化させた鎖の嵐が、縦横無尽に僕に殺到してくる。先ほどよりも遥かに苛烈に。少女自身の命を全て注ぎ込むかのように峻烈に。
だが――。あぁ……。
僕は、それら全てを拒絶している。
彼女が命と存在を賭した攻撃を、無造作に拒否している。
僕の内部にあるものが、結界を展開しているのだ。魔力で編まれた薄い膜のような、強靭な結界。僕自身でも理解できない程に強靭なそれが、アナテの猛攻を全て弾いていた。
ただの一撃も僕に届かせることがない。
まるで僕と外界を隔絶する、次元の断層のように。アナテの真剣さと必死さを嘲笑うでもなく、だが、やるせないような滑稽さを感じるほどに、ただ無情に遮断していた。
その強固な結界越しに、僕はアナテを見下ろしながら思う。
……この少女は、こんなにも非力で無力だったのかと。
それが、陳腐で単純な高揚が齎した、傲慢な感想だということも理解していた。僕は冷静だった。だが、このとき生じた強い欲求と快楽の予感が、僕の胸の内で木霊する。
この少女を、ズタボロにしてやろうよ。
ぐちゃぐちゃにしてやろうよ。踏み躙ってやろうよ。
お前の力など、そんなものなのだと叩き潰してやろうよ。
嘲弄して砕き、その身体も心も粉々にしてやろうよ。
あの少女という全てを、否定してやろうよ。
この力で、あのアナテという少女の存在そのものを、塗り潰してやろうよ。
暗く、深く、甘く残響する、欲望の声。
支配を望む声。その実現を僕に迫る、僕自身の声。
聞きたくなかった。無視する。
僕は右手で頭を抱える。左手を前に突き出す。
僕を守っていた結界が反転して、手斧や鎖の乱打を執拗に浴びせかけてくるアナテを吹き飛ばす。
「ぁ……っぐ……!!」
僕が放った攻性魔力の波は、それだけでアナテが纏っていた鎖の嵐を消し飛ばしていた。その余波をまともに浴びたアナテ自身も地面に叩きつけられ、ワンバウンドして10メートルほど地面を転がる。
「げほっっ……!! ぐ、ぁ、はぁぁ……ぁ……ぁぁあ」
だが、血の塊を吐き出して笑うアナテは即座に起き上がり、両手に握締めた手斧を振りかざして僕に向かってくる。悲しいほど真っ直ぐに。
「……ぁぁ、あぁはは……! 優しいのね……。この程度しか反撃してこないなんて……。ねぇ。何を躊躇っているの? ここからが盛り上がるところなのに……っ」
対する僕は、また彼女を吹き飛ばす。それでも彼女は笑っている。血塗れで起き上がって、懲りずに向ってくるのだ。
その悪夢のような繰り返しの中で、僕の中にあった自制心が削れていく。
「ねぇ、その手加減はどういうつもりなの……? 貴方は、まだ善良でいられると思ってるの……? そんなグロテスクな魔力紋を背負っておいて、善人を装うつもりなの……? あぁはは。まだ貴方は、人間としてこの世界に入って行けると思ってるの……?」
血に濡れたアナテの笑みは可憐で、言葉にも迷いがなく、鋭かった。その通りだと僕も思っていた。
僕の内側から、無尽蔵かと思えるほどに溢れてくる魔力と、“器”として僕に装填されていた知識と記憶と経験が絡み合い、噛み合い、意味を持ち、途方もない暴力としての機能を得て、それを蔵匿していた僕を別の存在へと変えていく。
……いや。変わっていくのではなく、僕は、本来の僕を取り戻しつつあるのか。
僕の中で、時間が巻き戻っていく。
“教団”の地下施設で、殺戮に没頭していた頃の僕が、今の僕と拮抗しているのを感じた。
だが、あのときとは違う。明確に。
僕はもう、“器”として無意味ではなかった。
無価値ではなかった。
その証明として今の僕は、魔王の力を顕現しつつある。
目の前で血塗れになっているアナテの言う通り。
僕は今まさに、“器”としての機能を全うしていた。
その存在理由を満たし、機能を十全に発揮していた。
道具存在として、僕は完成していた。
そうだ。そうだ。そうだ。
僕は完成したんだ。僕は自身に意味を満たした。
それでいいじゃないか。もういいよ。
難しい話はもういい。たくさんだ。うんざりだ。
あの少女を殺そう。はやく。殺そうよ。
誰も僕を責めないよ。あの少女を殺すべきだよ。
生かす意味も無いよ。そんな価値も無いよ。
さぁ、殺してやろうよ。殺したほうがいいよ。
あの少女が望んでいるとおりに。徹底的に。根本的に。
もう我慢しなくていい。世界に気を遣わなくていいよ。
だって、僕は正しいことをするんだから。
この力を、正しいことに使うんだから。
遠慮なんか必要無いはずだ。全部使ってもいいはずだ。
ぶちかましてやろうよ。分からせてやろうよ。
自分自身の本性を解放しても、今なら許されるよ。
この魔王の力を、心ゆくまで味わおうよ。
幼稚な万能感が、僕を誘う声。僕の声。抗う。
“器”という機能に、僕自身を預けてしまうわけにいかない。
僕は、懸命に突進してくるアナテを吹き飛ばす。ただ片手をかざすだけで。彼女は紙屑のように転がって、さらに血塗れになる。それでも攻めてくる。
「あぁあああはははッ……!!」
血で真っ赤になった顔に笑みを刻んで。ひたすらに。幸せそうに。僕に向かってくる。
「あと少し……ッ! あと少しで、私の斧が届く……ッ! 」
アナテの、どこまでも幸福そうな笑みを分けて貰うようにして、僕も笑った。いや、少し違う。彼女という存在に感染したように、笑みを浮かべてしまう。
「今度は私の番だね……ッ! 全部、全部使うよ……! 私の中に残っている魔力も全部……! 貴方の為に……! 私の為に……! この瞬間の為に……!」
体ごと過去に巻き戻ったような気分だったが、僕は笑うことができていた。それがどんな種類の笑みなのかは自分でも判然としないが、ただ笑みが零れていた。
だって。
今の僕は、出来損ないではないから。
今の僕は、不全ではないから。
今の僕は、ガラクタではないから。
今の僕は、僕は、僕は……。
いったい、何者なのだろう……。
慣れ親しんだ空虚な設問が脳裏に閃き、僕に冷静さを通し直してくれる。僕は頭を抱える。明滅する視界の中で、耳鳴りがした。頭が割れるようなノイズの奥から、また別の声が聞こえた。
――答えが出ないなら、設問の方向性を変えてみればいいよ――。
この声は、ギギネリエスのものではなかった。
――きみは、魔王になりたいかい?――。
僕の内側から響いてくる、瑞々しい声。青年の声。
――それとも、勇者になりたいのかい?――。
怖いぐらいに穏やかな声音だった。だが、この問いに対する無回答が、致命的な何かを引き起こす気配を僕は感じていた。
それでも恐怖は無かった。既に僕は、こういった問いかけに対する答えを持っていた。温かい人達から教えて貰い、御守りのように、いつでも肌身離さず握り締めていた。
僕は魔王にも、勇者にもなりたいわけじゃない。
――ふぅん? それじゃあ、何になりたいんだい?――
僕は、僕自身になりたい。
――……いいねぇ。オーディションに逸材が来た監督って、こんな気分なのかな――。
張りのある青年の声が、朗らかに揺れた。
――苦悩を抱え続けて答えを出すのは、人間の知性だけが持つ尊さだ。複雑なものを複雑なままで飲み込もうとする努力は、そのまま大事にするといい――。
鷹揚な青年の声が遠ざかる。代わりに、僕の身体の中で荒れ狂っていた力が鎮まっていく。それと同時に、僕の身体に馴染みながら最適化されていくような感覚だった。
――それじゃあ、僕の力をほんの少しだけきみに貸してあげよう――。
青年の声が頭の中から完全に掻き消えて、代わりに、僕の精神を静寂が満たしていく。僕の中で渦巻いていたものが、完全に僕に噛みあっているのを感じた。
「死no底ni沈mu面影yori、掬i上geられた魂to涙、或iha、形而上ni刻まれた全てwo我ga身ni記し、写si、飲mi込mi、溶け合う、その逸脱wo迎eん……」
ほとんど無意識のうちに、僕は文言を唱えていた。生まれて初めて扱う魔術の筈だが、僕は既にこの魔術を理解していた。
「……っ!?」
この僕の詠唱を警戒したアナテが、大きく、鋭くバックステップを踏んだ。
血塗れの笑みのまま。その眼差しには、これから何が起こるのかという期待と高揚、そして、魔法を扱う僕に隙があれば、それを絶対に見逃さないという殺意と緊張が漲っている。
そんな猛獣さながらの少女を前に、僕の周囲に展開されていた無数の魔法円、そして、僕を覆っていた強固な結界が、ゆっくりと解けて消えていく。
その代わりに、僕達からかなり離れた場所で暴れているネクロスライムを囲い込むように、巨大な積層魔法円が聳えるように象られた。
空を貫くようにして、暗紅の魔力光を放つ魔法円が連なる。それを少女の背後に確認しながら、僕はぼく短い詠唱を終わらせる。魔王が編んだ魔術のうちの一つ。
物質転移。杖『リユニオン』を手の中に呼び、短剣『エンクエント』『パルティダ』に変形させる。
「余所見をするなんて余裕ね、魔王様……ッ!」
結界が消え、身を守る壁が無いままで魔術を編もうとしている僕の視線の動きと、その無防備な姿と瞬間を、少女は見逃さなかった。
踏み込んだ地面が陥没するほどの脚力で距離を詰めてくる。
アナテは今、己の存在を燃やしている。使い切ろうとしている。彼女の身体からは魔力光が溢れて、立ち昇っている。
僕を殺すために。迷いなく命を費やすその瞬間の少女の姿は、濁った緑色の炎そのもののように見えた。一瞬で十分だった。少女にとっての必殺の間合いに、僕は捉えられている。
「汝no在ruべき場所ni戻re……」
だが僕はもう、短い詠唱を終わらせていた。両手に短剣を握ったままの僕は、少女を迎え撃たなかった。ただ彼女の殺戮を、僕は身を曝したままで受け入れる。
緩い風を感じた。
次に、無数の衝撃が僕の身体を押し包んだ。
「あぁあぁははっははは……ッ!! 届いたァァ……!!」
血に塗れて爛々と目を輝かせる少女の叫び。魔力を帯びた手斧の閃き。鉄鎖の濁流と乱舞。鋼と刃の暴風が吹き荒れ、僕の身体を徹底的に、丹念に、入念に破壊した。
「私の力が……っ! 私が……っ! 私の存在が……っ!! 貴方に……!! 誰よりも深く、深く……!!」
溢れるに任せられた少女の哄笑が響く。少女が解放する暴力には、晴れ晴れしさがあった。歓喜と幸福、希望すら滲んでいた。途方もない充実があった。
「あぁあぁあああぁははは……!! これが、私が生きた意味……! 生きた証……! 私という命の総括……! 終着……!!」
アナテが振るう全ての暴力に、僕に対する親密さがあった。死体から造られ、その存在意義を最初から規定され、存在させられた者に対する親密さ。僕はそれを、ただ迎え入れ続ける。
僕の顔が割れて、胸が裂け、腕が千切れ飛び、胴が破裂し、両足が折れ砕ける。僕の身体は、もう人の姿を保てていない。噎せ返るような血の霧と無数の肉片になる。
だが――。
僕の身体は砕けたままで宙に留まり、再生と復元を始めている。
飛沫となって撒き散らされた僕の血は、赤黒く燃え上がるような魔力光を纏う。その光が、幾重にも張り巡らされた回路図のように線を描く。それは、この世界の法則を現在進行的で解体しながら、活性と復活を齎す魔術的な領域を形成する。
――発動。顕現。
古代魔王が編み出した、禁忌の魔法の一つ。
“再来者の吐息”
カテゴリーは死霊魔術。ある種の状態異常。
パッシブスキル=実現される効果は複数。
死の否定。生の固定。変化の拒絶。
肉体的時間の遡行。血と傷の消滅。魂の保存。
不死性の再現。精密に模倣された迅速な蘇生。
現実的な常識からの解放。或いは、放逐。
アナテが全存在を懸けて齎してくる暴力と破壊の全てを、僕の身体は飲み込む。斬り裂かれて砕かれ、抉られながら、僕の身体は与えられる無数の死を飲み干し、嚥下し、それを上回る速度で復元していく。
激痛と衝撃のなかで、僕は生と死を繰り返す。肉体の破壊と再生の狭間で、僕は詠唱を重ね続ける。僕の声は、巨大なネクロスライムを囲う魔法円の連なりに届く。
「死no門yori零rete尚藻掻ku者yo。我no虚無to共ni在re。其no魂魄、生命no足跡wo、我ga身no内de恢復seん……」
僕の内部で立ち上がっている魔王の叡智。その本質は死霊魔術。ネクロマンサーであるギギネリエスからの魔力を注がれて製造された僕の身体は、この魔王の力に馴染み、懐かしさを覚えるほどに適応している。
僕は今、ギギネリエスに並びうる力を振るう。目的と意志を持って。ケイスを素体としてレーヴェスが編み上げたゾンビの塊を、強制的に解体するために。
『UUUUUOOO……OOOOOOAAAAA……――』
轟音にも似た呻きが聞こえてくる。無数の人間の苦鳴と悲鳴を折り合わせたような大音声。ネクロスライムが藻掻きながら、その身体を崩壊させつつあるのだ。
僕のいる位置からでは、ネクロスライムの全容は肉眼では見えない。だが、ネクロスライムを解体すべく魔術を展開している僕には、その光景が感覚として認識できる。
無論その間にも、己の全存在を懸けたアナテの猛攻は止んでいない。僕は殺され続けている。対応して、僕は蘇り続けている。僕は、存在し続けている。
“結果オーライだねぇ。よくやった、アッシュ。”
頭の中に響く。今も尚、同期されているギギネリエスの応答。
“ネクロスライムが自壊し始めた。御蔭で片付けも楽になったよ。あぁ、それと……”
不真面目で鷹揚なギギネリエスの声には、僅かな緊張があった。
“……俺とお前との同期に割り込んで来た、さっきの声のことは、まぁ暫くは黙ってた方がいい。お父さんとお前との秘密だ”
このタイミングでしかできない忠告のように、ギギネリエスの言葉がそこでブツ切りになる。同時に、僕の顔面に大穴が開いて、胸が裂かれ、脇腹が抉られる。それら甚大な損傷は全て、瞬時に回復、復元する。
澄んだ水面に映る僕の虚像が、絶え間なく其処に揺蕩うように。
「あぁぁははは……っ。はは……はぁあぁ……。貴方は……」
もはや、僕を滅することは叶わないと悟ったのか。
少女が吐き出す笑い声が勢いを失っていく。そして、その笑みの種類が変わる。僕を殺し続ける暴力の勢いは変わらないが、彼女の顔に刻まれていた狂気染みた凄絶さが消えて、改めて僕を祝福するような穏やかさを帯びていく。
「貴方は本当に、魔王に成ったんだね……」
「……僕は僕です」
少女が振るう力の全てを受け止めながら、詠唱を終えた僕は応える。肉を抉られた喉の再生途中であったため、僕の声は奇妙に割れていたが、問題ではなかった。それは間違いなく僕の声であり、僕の言葉だった。
「僕は魔王などではありません」
身体を破壊されながら=身体を再生させながら、僕は言葉を継ぐ。アナテに踏み込む。短剣を振る。
彼女は僕に抵抗した。そうするのが義務であり、礼儀であるかのような真剣さで、猛攻によって僕を押し返そうとしてきた。だが、無駄だった。
今の僕の肉体能力も、僕自身が思うよりも強化されていた。僕はもう止まらない。止められない。止まってはいけない。
僕には“役割”がある。そのために僕は、精神的にも肉体的にも目の前の少女を凌駕した。少女の攻撃を受けるに任せたまま反撃する。僕も容赦しない。
身体を破壊されながら=身体を再生させながら、少女の両肩と手首を短剣で突き砕く。両腿と両膝を骨ごと貫いて壊す。
「……ぁ」
か細い声を漏らした少女が、崩れ落ちるように倒れる。どこか嬉しそうな顔。その両手から、凶悪な手斧が零れ落ちて地面に突き刺さる。少女の魔力が具現化していた鎖も、光の粒となって流れて消えていく。
「あぁ……、楽しかったぁ……!」
仰向けに倒れたアナテは血塗れの顔に、晴れ晴れとした安堵を浮かべる。
「レーヴェスから貰った魔力が、底をついちゃったよ。あははは」
あらゆる肉体的な損傷を拒否する僕とは対照的に、少女の身体は治癒することもなく倒れたまま、そこに血と傷を抱えて熱を帯びている。僕は少女に向けて、左の掌を翳した。
「僕は貴女を拘束します」
「私を拘束しても、何の意味も無いよ。私は何も知らないもの。私を拷問しても、自白魔法にかけても、得られるものは無いよ。貴方と違って、私は空白なの。からっぽの“器”だから」
「それでも、貴方を死なせるわけにはいかない」
仰向けのまま、アナテが首を振る。
「私は、もう死んでるよ。人形なんだもの。もう死ねない。ただ、止まるだけ。完全な静止を迎えるの」
「……貴方を生かす術があるはずです」
「無理だよ。私の身体は、レーヴェスの魔力しか受け取らない。そういうふうに造られたの。私の機能停止を阻む方法が無いことは、“今の貴方”なら分かるはずだよ」
アナテの言葉を無視して、僕は既に彼女に対して生命付与を行おうとした。傷の治癒では無く、彼女の生命活動を維持しようとした。
だが彼女の身体は、そういった治癒系統の魔法効果の全てを拒否していた。
彼女の言う通り、レーヴェスという個人的な、或いはネクロマンサーとしての特質的な魔力を帯びたものでなければ、どのような魔法も無効化するのだろう。
死体人形。その言葉の意味が、僕の脳裏で重々しく響く。魔王の力を行使しているはずの僕でも、この少女の存在そのものを変質させてしまうことは出来そうになかった。
「ふふふ……。貴方は優しいのね」
皮肉めいた言い方をしたアナテの声が、そこで急激に濁り始める。魔力切れの影響。掠れる吐息。虚ろになっていく眼差し。吹き消えようとする、彼女の命の余熱。
「でも……、その優しさで……、貴方自身を……、“本質”を覆い隠すのが、貴方の生き方なんだね」
だが、倒れたままで弱々しく肩を揺らすアナテからは、必死に生きた者だけが纏える充実感と満足感が立ち上っていた。
もはや、僕に対する敵意や殺意を全く感じさせない少女は、屈託なく笑う。間遠になって消えていく己の鼓動を、僕との会話に費やそうとしている。
「……あ、りがとう」
少女の声に混ざる濁りが、水底に沈むように深くなっていく。
「レーヴェスに捨て、られた……。時点で……、私の……“役割”は完結し、た。でも……、貴方は……、それとは別に、私の、私だけの……価値を。く、れた」
虚空を見詰めるアナテは、揺れながら途切れ途切れになる声で、自分自身に言葉を与えようとしていた。
「貴方の、御蔭……で、私は、最後ま……で、私で。……いられ、た……。すご……く、幸せ……。もう、両手で抱、えきれ……ない、……ぐら。い」
仰向けに倒れる少女は、震える両手を胸の前で、静かに組んだ。祈るように。
「貴女も、僕に新たな価値をくれました」
僕は言いながら、愚かにも彼女に生命付与を行い続けていた。死霊魔術によって、彼女の意識や自我を、繋ぎ止められないかと思った。
それが無意味な期待であることは自分でも分かっていた。真砂の山に、如雨露で水を注ぐような無意味な行為だと分かっていても、止められなかった。諦められなかった。見捨てられなかった。
少女に翳す僕の左手。その指先に、いつかのときのモニカの手の感触が蘇っていた。あのときとは対照的だった。
僕の力は、このアナテという少女には届かない。そして彼女も、救いを求めてなどいない。
自身の本質と存在意義を貫き通した幸福の中で、彼女は静止しようとしている。
「貴女は、生きるべきです」
気付けば、僕の右目だけから涙が流れていた。僕自身の、新しい涙だった。
「あは、は……。ぁぁ……。私の、ために、……泣いて、くれ……てる、の……?」
眠そうな目つきになった少女が、血で赤く染まった顔で優しく微笑む。
「あぁ……。誰かが、泣いて、くれ……るの、って……。す。ご、く……嬉、しい……なぁ……」
「僕は悲しいですよ。それに、……悔しい。悔しくてたまらない」
ぶっきらぼうに言い返した僕は、頬に垂れる涙を拭わず奥歯を噛み締める。
同じ死体人形として存在を出発させた僕達にとって、結局はこのような決着しか到来しないことが悔しかった。
このアナテという少女に、“死体人形としての幸福”をこんな形で与えることになってしまった。それも悔しくてたまらなかった。
「貴、方の、……幸せと……私の、……幸、せ、……は……、違う、形を……してるん、だよ……」
僕を気遣ったのだろうか。微睡むような穏やかな眼差しのアナテが、見納めるように僕に笑い掛けて、ゆっくりと目を閉じた。
「あぁ、はは……。ね、ぇ……今、の……、私達……本、物の……、人間み、た…………」
アナテの声がそこで途絶えて、あとに広がった沈黙が僕を押し包んだ。
静止した少女の表情は、無邪気な子供が明日の誕生日を楽しみに眠るような、幸福感に満ちたものだった。
彼女の安らぎと喜びを、誰が引き剥がせるのだろう。そんな権利が誰にあるのだろう。
僕はこの世界に取り残されたような感覚に見舞われながら、遠くから聞こえてくるネクロスライムの呻き声に現実感を求めた。感傷に浸っている場合ではない。まだ仕事が残っている。
地面に突き刺さったままの二振りの手斧を、僕は引き抜く。酷く重く感じた。だが、大事なものを拾い直した気分だった。そうして踵を返そうとしたところで、僕の目と鼻と口と耳から、大量の血が溢れてきた。
この身体の、“器”としての活動限界だった。起動した魔王の力が、僕の身体の奥へと沈んでいく。強烈な倦怠感と眩暈。頭痛。息ができない。明滅して罅割れる視界。平衡感覚が消える。呻く。倒れそうになるのを堪える。
“お疲れのところ悪いけど、最後の仕事だよ。アッシュ”
不意に、ギギネリエスの声。
“いい頃合いになったし、そろそろネタバレしてもいいだろう。剣聖さんと歌姫さんがピンチだ。急がなくていいけど、助けにいってくれ”
意味が分からない。この男は暢気に何を言っているんだ。
理解も覚束ない僕の耳元に、通話用の魔導具が魔法円を展開した。
『応援を……!! 歌姫マリヴェルが負傷……!! ジュード隊長が……!!』
多数に向けられた、悲鳴のような声。リーナさんのものだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
今回も最後まで読んで下さり、ありがとうございました!