海賊戦隊の世界で、天下御免の侍戦隊! 作:ウルトラマントリガー
「レッドワン!これ以上、地球に接近させるのはマズいぞ!」
「わかっている!デンジマン先輩!チェンジマン!フラッシュマン!ファイブマン!カーレンジャー!ギンガマン!もう一度、一斉攻撃だ!」
グリーンツーの言葉を受けたレッドワンの呼び掛けに応えて、デンジマンが操るダイデンジンが、バイオマンが操るバイオロボが、チェンジマンのチェンジロボが、レッドフラッシュが乗るグレートタイタンが、レッドフラッシュ以外のフラッシュマンが乗るフラッシュキングが、ファイブマンが操縦するマックスマグマが、レッドレーサーが駆るRVロボが、レッドレーサー以外のカーレンジャーが駆るVRVロボが、ギンガマンが搭乗する超装光ギンガイオーが、黒騎士ヒュウガが合身するブルタウラスが、ギンガマンと共に戦うギガライノスとギガフェニックスが、それぞれの必殺技を放った。
ダイデンジンの電子満月斬りが、バイオロボのバイオ粒子斬りが、チェンジロボのスーパーサンダーボルトが、グレートタイタンのタイタンノバが、フラッシュキングのスーパーコズモフラッシュが、マックスマグマのダイヤモンドマックスが、RVロボの激走斬りが、VRVロボのビクトリーツイスターが、超装光ギンガイオーの銀河獣王無尽斬りが、ブルタウラスの野牛鋭断が、ギガライノスとギガフェニックスが背中合わせになって放つ回転突撃が、数え切れない数を誇るザンギャックの侵略艦隊を、文字通りの宇宙の星屑に変えた。
「ハァハァ。レッドワン。バイオロボはこれ以上はもう」
「バイオロボだけじゃないわ。周りを見て」
「ここにいるみんなに、もう戦う力は残っていないわ」
ブルースリー、イエローフォー、ピンクファイブの言葉に、周りを見渡したバイオマン達は、限界なのが自分達だけではないのを悟った。
「先輩達、カーレンジャー、ギンガマン。これ以上の宇宙での防衛戦は不可能です。こうなったら、地球に撤退して、他のスーパー戦隊と協力しての迎撃戦に切り替えましょう」
「しかし、それでは地球に甚大な被害が!」
「いや、ここで俺達が無理をして敗れて、スーパー戦隊全体の戦力が下がる方が、結果的に地球の被害を大きくしてしまうことになる」
マックスマグマのファイブレッドからの提案に、超装光ギンガイオーのギンガレッドが異議を唱えるが、グレートタイタンのレッドフラッシュが、それを諌めた。
「地球に撤退するなら、早い方が良いですよ!先輩方!」
「今、我々が殲滅したのはザンギャックの先遣隊に過ぎない。そう時間を置かないうちに、ザンギャックの本隊がやって来るはずだ」
RV ロボのレッドレーサーとダイデンジンのデンジレッドの言葉を証明するように、バイオロボのセンサーが新たな敵の反応を捉えていた。
「先輩達、後輩達、地球に帰ろう!地球では今頃、ザンギャックの襲来に備えて、他のスーパー戦隊達が迎撃態勢を整えているはずだ!彼らと力を合わせて、ザンギャックを迎え撃とう!」
チェンジロボのチェンジドラゴンの言葉に頷いたその場のスーパー戦隊達は、地球に向かって、移動を開始するのであった。
☆
宇宙で戦っていたスーパー戦隊達が、地球への帰還を決断した頃、その地球の地底ではある異変が起きていた。
「なぜ、こんなことを!?」
かつて、地底帝国チューブのスパイとして、地上を偵察し、その過程で光戦隊マスクマンのレッドマスクこと、タケルと恋に落ちた末に、チューブを裏切ったイアル姫。
紆余曲折の末、タケルとの愛ではなく、地底世界の再建に生きる決意を固めた彼女は、タケルと別れたその日から今日まで、地底世界を地上世界の様に素晴らしい世界にすべく尽力していた。
しかし、地上にザンギャックが攻めてくるというタイミングで、イアル姫が納める地底世界でクーデターが勃発したのだ。
そのクーデター軍を率いるのは、かつて、事情があって王子を名乗っていたイアル姫の双子の姉と共に、チューブの侵略作戦を指揮していた地底司令バラバの息子、バラバJr.であった。
「父が果たせなかった地上征服の野望!この息子バラバJr.が叶えるのだ!」
「お止めなさい!そんなことに何の意味も無いことが、何故わからないのですか!」
「意味ならありますぞ、イアル姫!」
「あなたは………いえ、それよりも意味とはいったい?」
バラバJr.を説得しようとするイアル姫の言葉に応えたのは、バラバJr.ではなく、その隣に立つ男であった。奇妙なことにその男には、7本の尻尾が生えていた。
他にも、バラバJr.の側には、先端が円形になっている杖を持った犬の獣人と、白い毛で全身を覆い、仮面と鎧とアイスホッケーのスティックの様な武器を装備した怪人、それにイガグリの様な頭部のロボットの姿があった。
「我々が地上を征服した暁には、今、地球を侵略しようとしているザンギャックという宇宙帝国に降伏します。しかしながら、その見返りとして、我々は地球の支配権を得るのです」
「なんですって!?」
「つまり、俺達はザンギャックの代わりに地上を征服し、そのまま、ザンギャックに加わるのだ!」
「なんと、愚かなことを!」
「地上の人間を愛した女に、愚か者呼ばわりされる謂れはない!おい!その女を連れていけ!」
バラバJr.の名を受け、数名のアングラー兵がイアル姫を連行しようと近付いていく。
だが、天井から降り立った何者かが、アングラー兵を蹴散らして、イアル姫を救った。
「無事か、イアル!」
「お姉様!」
「貴様、イガム王子か!」
歯軋りしながら叫ぶバラバJr.に、冷笑を浮かべながら、イガムが答える。
「地底世界の民には賛同を得られず、地帝獣やアングラーを力で従えて、文化が違うジャシンカ帝国や、インフェルシアで数を揃えたか、父以上の愚かさだな、バラバJr.」
「何を!?」
「フッ!さらばだ!」
「くっ!」
イガムはバラバJr.を嘲笑すると、足元を爆破して、イアル姫共々、姿をくらませた。
「探せ!あの二人を何としても、探し出せ!」
「よい!それよりも、我らに従う地帝獣にアングラー、メカシンカにシッポ兵、冥獣にハイゾビルにゾビル達に、直ちに地上攻撃の命令を出せ!」
「なんだと!?どういうつもりだ!貴様!」
「あの二人を通じて、スーパー戦隊にこちらの動きが伝わる前に、地上を攻撃することで、我らのザンギャック帝国への忠誠心を示すのだ!」
バラバJr.は悔しげに顔を歪めた後、自分に従う地帝獣やアングラーに地上攻撃の準備を進めるように命じた。
さらに、そんなバラバJr.に同調するように、7本尻尾の男と、犬の獣人も自分に従うメカシンカやシッポ兵、冥獣やハイゾビル、ゾビル達に指示を出す。
周りが慌ただしく動く中、犬の獣人と白い怪人が言葉を交わす。
「やれやれ、これでようやく魔法使いの小僧共に復讐出来るのかのう?」
「今度は不覚は取らん!」
「コボルトのブルラテスに、イエティのズィー。マジレンジャーへの復讐の前に、まずはザンギャックの侵略に協力してもらうぞ?その為に、貴様らを復活させたのだからな」
犬の獣人コボルトのブルラテスと、白い怪人イエティのズィーに釘を刺すイガグリの様な頭部のロボット、イーガロイド。
「わかっておるわい。まぁ、あの冥府神より儂らに従う奴らがこんなにいるとは思わんかったがのう」
「それだけ、その冥府神が手ぬるい支配をしているのだろう」
ブルラテスとズィーが、呆れたように話すのを傍らで見ながら、イーガロイドは宇宙のアブレラに状況を報告する通信を送った。
「ザンギャックへの報告は済んだかな?」
通信を終えたイーガロイドに、7本尻尾の男が話しかけた。
「なんのことだ?」
「まぁ、良い。貴様とザンギャック帝国には感謝している。おかげで、こうして、叔父の無念を晴らせる」
「忘れるなよ、地球征服が完了した暁には、地球はザンギャックの物だ。決して、ジャシンカ帝国のものではないからな。カー将軍の甥、キー将軍」