比企谷八幡は弱者男性? 作:弱者ダンサー
原作:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
タグ:オリ主 残酷な描写 アンチ・ヘイト ある意味残酷な描写 ある意味優しい描写 オリ主というかオリキャラ 基本主役は八幡……と貴方 人間讃歌
弱者男性だったら駄目なんですか?
否定するのも、肯定するのも貴方自身。
強さを求められて、それでも強くなれなかった時に、それは悪ですか?
何のステータスもスキルも無ければ、八幡に価値はありませんか?
そんな八幡なら見捨ててしまいますか?八幡として存在するなと切り捨ててしまいますか?
もしそうなら、────貴方は胸を張って己には価値があると叫べますか?
八幡は呟いていた。
「弱者男性を見捨てないでくれ…」
八幡はアフリカに売られる寸前だった。
時を戻そう。
比企谷八幡は、昔から弱者男性であった。
彼は中学生時代にいじめられた相手に、大学でまた再開した結果、不登校となって中退して、それ以降引き籠もることとなった。
しかし、それから十年後。
引き籠もり禁止法が可決された結果、八幡はこのままではアフリカに労働者として売られてしまうことになってしまった。
前年の夏に、日本が新種のアメンボの密輸入が原因でアフリカの某国と戦争して勝利した結果、領土の一部を手に入れたが、行きたがる者が余りに少なかったからだ。
理由はアイスクリームも溶ける熱さと、未だに沈静化しない敵の残党による荒れに荒れた治安だ。
「取り敢えず引き籠もりニートは送り付けちまおうか」
そんな意見を与党であったリアジウ党が出して、全会一致で可決された。
八幡は陰気属性なので、紫外線が強いところに行ったら長持ちしないのは明白だった。
そんな時、彼に救いの手が訪れた。
筋骨隆々で高身長、茶髪で高いスーツを着込んだ男が目の前に現れたのだ。
「よおヒッキー、俺の事覚えてる?
ほら、昔お前を虐めていた
忘れちゃってても仕方無いか。
あの時は悪かったな。
でも今では俺も反省して、立派にやってるんだぜ」
八幡を昔虐めていて、大学中退まですることになった原因が八幡の前に表れたのだ。
八幡はパニックで過呼吸になって、「ぶべぼぶべぼ」としか話せなくなった。
八幡の家族もやってきたが、その場で状況を伺っている。
「まあ昔のことは悪かったよ。
今も引きこもっているのか?
それは何とかしないとな。
今、引き籠もり支援向けNPO法人も立ち上げていてな、介護施設からの委託で、巡回清掃業を始めるんだ。
補助金がガッツリ入ってくるから、そんなに仕事量も増やさなくて良い。
そうすれば、日本にいられるんだ」
英雄はNPOとして補助金を貰い、更に八幡の両親からもお金を貰い、派遣先からもお金を貰い、その三分の一を八幡に給料として払う事で、八幡が日本で働いている実績を作り、新領土への労働者として売られる対象から外す事を考えていた。
彼も昔はヤンチャであったが、今では経営者・投資家としても活躍し、財閥の娘で美人の嫁と、有名大学の付属中学校に通いサッカーチームでジュニアユースとして活躍する息子や、小学生モデルになった娘もいる。
八幡を助けてあげようという気持ちになるくらい、優しい人になった。
比企谷八幡は弱者男性だ。
まず顔が悪い。
体力も低ければ、学力も高いわけではない。
特定の学力が高いというのは、全ての科目で全国平均を超えた前提の上で、更に別格に優秀な科目がある人間の事であって、全科目が平均以下で1科目か2科目だけ何とか全国平均を超えただけの人間の事ではない。
これだけで致命的なのに、悪い意味でアスペ的特徴がある。
社会に溶け込めない男性には、その手の傾向があるが、八幡も例に漏れずそうだった。
八幡にピッタリ合う仕事というのはあるかどうか分からない。
けれども、補助金と八幡の両親から貰う金ででハードルを下げに下げれば、全ての能力が低い人であっても出来る仕事は作れる。
後は誰にでも出来る仕事の事を、八幡に合う仕事として与えてやれば良い。
英雄は、そういうビジネスモデルを作っていた。
「これならやれそうな気がするだろう?
日本に残りたかったらやってみないか?」
八幡は喜んだ。
「おではにほんにいられるのかぁ?」
八幡は泣きながら喜んだ。
新領土は未だに治安が悪くて、一日二回くらい隣のアパートに核ミサイルを打ち合うくらいには危険だった。
地元の人間は放射能を吸っても平気なように進化したが、多分八幡なら半日も持たない。
別に核ミサイルでなくても、投石で死ぬ。
また、八幡は直ぐに殺されるに違いない。
見た目が弱そうな人間は、優先的に狙われるからだ。
八幡は自分が弱い人間であることは理解していた。
基本的に見た目が弱い人間は、戦闘力も低い。
そんな事は八幡も知っていた。
英雄の様な遺伝子レベルで強い男達にビビって生きてきた。
「ああ、既に材木座も働いているから、彼の部下として頑張ってくれ。人財は無理でも人材にはしっかりとなってくれ。人罪にだけはならないでくれよ(笑)ははっ」
「俺は今まで引きこもっていて恥ずかしい。
俺は今まで何をやってきたんだ」
そう落ち込む八幡を英雄はジョークで和ませた。
「本当に何をやってたんだ。
あっ、何もやれてこなかったか(笑)ははは」
「あ、はははは」
八幡は未来の上司に媚いるスキルを身に着けた。
八幡はその後頑張って働いて、材木座の親戚と結婚して家庭を持った。
そして今やバイトリーダー的立ち位置で頑張っている。
もう、彼は弱者男性ではない…かどうかは見る人による。
別にチートもなく、人生逆転大成功もなく、ざまあもない。
そんな事を期待されても、八幡はそれに応えられる器ではない。
平均以下からでも、必死に全力で平均を目指している。
必死に全力。それでも平均に届くかどうか分からなくても、それを無駄だと人生をリセットしたりはしない。
ヘコヘコと媚びて、気に入られようとして、仕事で失敗して、迷惑をかけて、媚びているのに嫌われる。
けれど生きていて、働いていて、税金も納めて、家庭も持っているだけで、彼は十分に価値のある人間である。
そう認めてくれる
それで良いではないか。
弱くてもいいじゃないか。
彼は今日は立派に生きている!!
そう認めてくれる
誰もがヒーローにはなれない。
比企谷八幡は、ヒーローになれなくても生きていて良いんだと、今日も読者の皆に教えてくれるのだ!!
八幡は弱者の主人公。
弱い者のままで戦わないといけない。
そもそも強い主人公が欲しいなら、葉山で良いよな。
だよな?
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よろしこ